2017年11月15日水曜日

慢性痛のためのヨガニードラ
Yoga Nidra for Chronic Pain


ヨガニードラ(「気づきの眠り」や「醒めた眠り」とも言われます)の言葉を聞くと目を輝かせる人が多いですね。横たわるのが好きで、それは気持ちの良い長い昼寝をする導かれたリラクゼーションをイメージするからかもしれません。しかし、心と体が休んでいるとしても、ヨガニードラは意識を集中をするものであり、寝ているのとは全く違います。

またこの練習には、心と体そして気づきに影響する癒しと変化の力があります。これを考慮し慢性痛に対処したいという多くの人のため「慢性痛のヨガニードラ」を作りました。

ヨガニードラは、深い安らぎの感覚を引き起こす目的で、呼吸への気づきと心像の導入、そして体を感じることを組み合わせていきます。また、意志表示の為にも行うことができます。その頂点では、ヨガニードラは純粋な意識として知られる気づきの状態に導いてくれます。ヨガニードラの目的が何であれ、新鮮で若返ったような感覚が得られます。


準備


ヨガニードラは、仰向けに横たわり安定を得る練習ですが、その前に優しい動きをすることが勧められます。体と呼吸、プラナ(生命エネルギー)への気づきを得られる短いアサナが適しています。慢性痛を持っている場合は、これらの動きがあなたにとって良いものであるか、ヨガニードラが適しているかを医師に相談してください。

以下の練習は、パラヨガ創設者のロッド・シュトライカーに教わったパラヨガニードラにヒントを得たものです。約15分間です。

ヨガニードラ 基本の5ステップ

  1. 体の感覚や感情に意識を向け自分の内面へと向かっていきます。
  2. 体の安定を筋肉を使って得る状態から、地面に完全に支えられている感覚へと移っていきます。感じている体の場所を観察し、意識的に緊張を解きます。
  3. 呼吸を調整したり強制することをやめます。その代わりに、体が自然に呼吸しているのに注目し、呼気と吸気のサイクルをただ観察します。
  4. この意識の観察の中で、呼吸への気づきだけでなく、思考や感情をコントロールすること、執着することをやめます。
  5. 自然な呼吸を続けます。お腹は柔らかく、胸は安定しており、吸気から呼気へ、呼気から吸気へ滑らかに移行します。
これら重要なステップはヨガニードラの練習の基本で、この練習の間ずっと続けましょう。


慢性痛のためのヨガニードラ


両足を骨盤より少し広めに開いて仰向けに横たわって始めます。小さな枕か薄く重ねたブランケットを頭の下に敷き、額が顎のラインよりほんの少しだけ高くなるようにしましょう。畳んだブランケットかボルスターを両膝の下に置いても良いでしょう。

まず、「今」に立ち戻ります。「ここ」と「今」に集中し、聞こえてくる音に注意を向けます。それから自分の身体を感じ、肌に触れる空気の感触、着ているものの感覚を感じましょう。次は外の世界から自分の内側に集中して、そこにある感覚を感じます。身体の中に何を見つけたでしょうか?

次に、地面に完全に身体を預けていきます。身体がリラックスして楽になります。自分で支えているのではなく、地面によって支えられています。緊張がないか確認し、もし少しでもあればその緊張を溶かすように解きましょう。その緊張が自然にその力を緩めるのに任せましょう。

コントロールしようとしないで呼吸に注目します。呼吸を調節する必要は全くなく、ただ自然に任せます。リラックスして何かをしようとはせず、呼吸と身体の本質的なつながりを感じます。あなたが呼吸をしているのではありません、身体が呼吸しているのを感じているのです。

身体全体を感じていきます。感覚、エネルギーのレベル、心の質。これが意識を感じることです。身体と心の変動を観察することで得られる気づきの状態です。

次は、あなたの慢性痛をまるで形を持っているかのようにイメージしていきます。痛みは人によって様々です。それはとても現実的で硬いものかもしれませんし、もっと空虚で真空でブラックホールのような、深みのような形のないものかもしれません。このイメージが捉えられたら、それに反応したり関連付けたりせずに気づきの中に取り込んでいきます。

そして、その痛みの究極の解消法をイメージしましょう。身体の痛みのイメージを根絶することができる癒しのイメージを呼び起こします。もし痛みが強いイメージでない場合は、おそらく癒しのイメージも何もない場所から作られてくるでしょう。このイメージの純粋な癒しの力を意識の気づきの中に取り込み、痛みのイメージのあらゆる痕跡をも取り除かせます。

次は、平穏が欠けていることを考えます。「病」があなたの精神的な(感情的な)体に存在する。この感覚はどうでしょう?どう見えますか?この病を身体はどのように感じていますか?このイメージに反応せず関連付けず細部に気づいていきましょう。

今度は、このイメージと感覚への解消法を用意します。身体の痛みのために作ったのとは違うものです。癒しをイメージしそれに関する感覚に注目します。この癒しのイメージを精神的な感覚よりもどんどん強くしていき、何度も何度も病が取り除かれていくのを視覚化します。気づきを持ってこの癒しのイメージに持続性と強さを与えていくのです。

そのイメージに呼吸を入れ、心と身体全ての層に染み込ませていきます。癒しのプロセスの中に気づきを持ち、成功も失敗もなく、正しいことも間違ったこともないと考え、ただあなたが作り出した癒しのイメージだけを想い続けます。

少しずつ身体に戻っていきましょう。数回深呼吸をして、指、足のつま先、両手両足を動かします。身体が軽くなってくるのを感じましょう。目覚めの状態に戻りながら、常にあなたの中にある痛みへの解消法の気づきの中にいるようにします。

それが身体であっても、精神的であっても、感情であっても、いつもあなたの痛みのためにその癒しのイメージがそこにあることに気づきましょう。

ゆっくりと快適な坐法へと起き上がります。日々の生活に戻る前に、あなたの経験をまとめ、じっくり観察したり座ったりするため、瞑想したり日記を書いたりしても良いでしょう。

ヨガニードラは広範な気づきの状態へと誘ってくれるパワフルな練習です。時間が経つに連れ、この特別な練習で平穏な感覚を取り戻し、おそらくは慢性痛を和らげてくれることを願います。

あなたに癒しを健康を。ナマステ。






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