2017年11月9日木曜日

足底筋膜炎のためのヨガ vol.2  
Yoga for Planter Fasciitis

足底筋膜炎を解消し予防するポース


足底筋膜炎の痛みを引き起こす筋膜の緊張を解消するため、リーフはハムストリングス、ふくらはぎ、足首、足の一連のストレッチを勧めています。床や壁に足をつけてポーズを行うことで、前述のアライメントを練習に取り入れるのが容易になります。足が床についていないポーズでは、自然な足というのは捉えにくいのですが、足の片サイドだけが戻ってこないよう両足を壁や天井に押すイメージをしましょう。

リーフはこのようにアドバイスしています。「それから注意して、ゆっくり動く。裂傷を起こしたくないでしょう。こうしたポーズの最中はストレッチの感覚だけで痛みは感じないはず」

足底筋膜炎のためのふくらはぎのストレッチは、断続的であれ長く保持してであれ効果的だと知られています。下記の能動的ストレッチのうち好きな方でやりましょう。それぞれ3分間やってもいいですし、1セットごとに数回深呼吸をしながら20秒を5セットでも構いません。

全てのポーズを毎日一度行います。さらに、一番効果的だと感じる数ポーズを1日を通して行いましょう。

壁やヨガブロック、ヨガストラップかタオル、サンドバッグが必要となります。



壁際のランナー・ストレッチ


このストレッチは、腓腹筋とアキレス腱のためです。ステップ4の後ろの膝を曲げるのは、ヒラメ筋へのストレッチを効かせるためです。

1. 壁から30cmほど離れて立ち、両手をお腹の高さで壁につきます。

2. 左足を30〜60cm後ろに下げます。両足のつま先は、前の壁の方に向けましょう。

3. 背骨を長く伸ばし(例:背中を丸めないで股関節から胴体を曲げる)後ろ踵を地面につけたまま、両肘を曲げて左ふくらはぎにストレッチを感じるまで斜め前に寄りかかっていきます。(ストレッチを感じなければ、後ろ足をもっと下げてみましょう。)そこで数呼吸します。


4. 次に、左踵を下ろし(またはできるだけ地面に近づけ)左足の指の付け根と直線上に揃えたまま、後ろの左膝を曲げます。

5. 後ろ足の指の付け根を床に押し付けながら、後ろ踵の方へ伸ばします。そのまま数呼吸しましょう。

ポーズをやめて、もう片方の脚も繰り返しましょう。



ヨガブロックを使ったふくらはぎと測定筋膜の壁際のストレッチ


このポーズは、アキレス腱や腓腹筋、ヒラメ筋にさらに強いストレッチとなります。足の指の伸展が足底筋膜のストレッチにもなるからです。

1. 最も低い状態でブロックを壁際に階段のように置きます。壁に向かってつま先を前に向け、ブロックから2、3cm離れて山のポーズで立ちます。

2. 左足の指の付け根をブロックの端にのせ、踵は床に着けたままにしましょう。左右のつま先はまっすぐ前を向けたままにしておきます。



3. ストレッチを感じなければ、左脚を伸ばしたまま壁に手の指をつけて少し前にもたれましょう。



4. 今度は、左膝を少し曲げ、そこで数呼吸します。

ブロックから足を離し、逆の足で同じことを繰り返します。


テーブルトップからの足のストレッチ
(サンダーボルト/ヴァジュラサナのヴァリエーションへ)


このストレッチは足底筋膜に効きます。

1. マットの上で四つ這いになります。

2. つま先を立て、踵は上にあげましょう。(親指の付け根に腱膜瘤がある場合になりやすいのですが、つま先はマットの縦のラインの方に向けず前の方向に向けるように気をつけます。もし腱膜瘤だったり可動域が狭いためにつま先が前に向けられない場合、このステップはとばしましょう。)


3. 腰をゆっくりと踵の方に下ろしていき、足裏の土踏まずにストレッチを感じるまで続けます。


4. ストレッチを感じなければ、上体を起こして胸の前で合掌しましょう。数呼吸行います。




足裏を壁につけた脚あげ(スプタ・パダングシュターサナ)


このストレッチは、足底筋膜だけでなくアキレス腱から腓腹筋とヒラメ筋、そしてハムストリングスに効きます。ストラップ(あるいはベルとかタオル)と壁を使います。(仰向けで足で壁を蹴ることで、足のニュートラルな位置を保ちながら、足底筋膜とふくらはぎを軽くストレッチすることができます)


1. 両足を壁につけて仰向けに横たわり、踵は床に着けたままつま先をまっすぐ天井方向に向けておきます。

2. 左膝を胸の方向に曲げ、ストラップかタオルを左足の土踏まずの上端のあたりにかけます。右足は壁を蹴り続けましょう。

3. 左足裏を天井に向けてつま先はまっすぐ後ろ方向にしながら、左脚を伸ばします。ストラップを握った腕は曲げてもまっすぐでも構いませんが、肩はマットの方向に力を抜きましょう。

4. 左足で天井に立っているかのように、足の外側と内側を左腰に向かって下方に均等に引き下げます。ここで数呼吸します。


解放して、もう一方もこのストレッチを行います。


スレッド・ニードルから親指を引く

このストレッチは足底筋膜に効きます。「足底筋膜の最長部分は足の親指に繋がっている」とリーフは言います。「脛に向かって親指を引くことで、この組織の帯をストレッチできる」下記では、仰向けのスレッド・ニードルから行なっていますが、椅子にかけて足首をもう一方の脚の膝にかけて行うこともできます。

1. 仰向けに寝たまま両膝を曲げ(左足のストラップは外します)、坐骨から10センチ程度離して両足を」床に置きます。左の足首を右の膝にかけ、足底が自分から離れていくように少し足首を曲げましょう。



2. 両脚を胸に引き込み、右手で左の踵を包むように持ちます。

3. 左手で左足の親指を掴みます。息を吸いながら左膝に向かってつま先を引きましょう。息を吐いて左の親指を踵に向かって動かします。これを数回繰り返します。




解放して、この親指の引っ張りを反対の足も行います。


サンドバッグを使った壁の脚挙げ


この優しいストレッチは、足底筋膜とアキレス腱、ヒラメ筋、腓腹筋に効きます。ハムストリングスにストレッチを感じる人もいるでしょう。壁と1、2個の4.5kgのサンドバッグを使います。(そしてこのサンドバッグを足の上に乗せてくれる人。)

1. 壁にぴったりと片方の腰をつけて座ります。それから、仰向けに横たわって壁に向かって両脚をあげて伸ばします。できれば、壁に快適に腿の裏をつけ、両足を垂直にしましょう。腕を体の脇に置くか、両手をお腹に乗せて置きます。

2. 両足の上全体にサンドバッグを一つ誰かに乗せてもらいます。リラックスして深い呼吸をしながら2、3分そのままの状態にいましょう。



3. 2、3分たってもう少しストレッチしたいと思ったら、もう一つサンドバッグを置いてもらいそのまま数分キープします。




壁に足を置いたシャヴァサナ


1. 両脚が床の上で伸ばせるくらい壁から離れたら、両足を壁にかかとは床に着けます。仰向けで自然に開く程度に両足を開きますが、足裏は壁につけたままにしておきましょう。

2. そのままリ数分リラックスします。





足底筋膜炎に一日中(夜も!)対応する


一日に2、3回、上記のストレッチのうち最も効くものを行いましょう。立っているとき、歩くとき、そして座っているときも両足のニュートラルな位置を保ちましょう。立っている時だけでなく座っている時にも。踵が内か外に落ち込んでいないか気をつけて、座位での回外、回内が無いようにします。もし両足が快適に地面に着かないときは、ブロックや電話帳などを下に置いて、ニュートラルな位置に置けるようにしましょう。

リーフのアドバイスは、「長時間歩いたり立つ場合は、裸足にならないように。特にビーチでは。踏み込む度に足が砂に沈み、回外や回内の傾向を強調することになる」

リーフはまた、土踏まずのサポートが重要だと強調し、古い靴は回内外の角度を強めると指摘しています。「回外や回内が原因で起こっている痛みや症状を治すには、店で売られている土踏まず用のクッションや踵カップを検討するといい。早期の段階では、踵の痛みや足底筋膜の痛みは大抵の場合(特に踵骨の下に痛みがある場合)、柔らかい踵の上げ底やカップで和らぐ。片方の足にだけ痛みがあるとしても、同じ高さを維持するために同じものを着ける方が良い。ふくらはぎが十分に伸び症状が和らいできたら、こうしたサポーターは外すべき」

しかし、こうした中敷でも症状が良くならなければ、医師に相談し足底のテーピングの方法や矯正具の処方をしてもらいましょう。

フットローラーやラクロスボールのようにかなり硬いもので土踏まずで転がすと、足底筋膜の緊張を緩めることができます。痛みには、「水を入れて凍らせた瓶を足の下で転がすといい」とリーフは勧めています。彼はこれを一日に2、3回3〜5分ほどするといいと言います。(デスクで座っている時などに足裏で転がすとやりやすいかもしれませんが、もちろん立ってでもできます。立って行うと感覚が強く感じるので、片手を壁や椅子の背に置いて安定させても良いでしょう。)

足底筋膜炎の痛みは、通常朝に悪化します。そして朝起きて最初の数歩は、踵を床に着けられず足先で歩いている人もいるかもしれません。リーフによれば、これは寝ている時のポジションのせいです。「お腹を下に寝ているとふくらはぎの筋肉が短くなる可能性がある。また、胎児のように丸まったり、窮屈なシーツで仰向きに寝ていても、つま先が下に引っ張られる。このポジションでは、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋、ヒラメ筋)が短くなる。起きた時に、それらがすぐに長くならず、立ち上がると足底筋膜が引っ張られる」

両足をニュートラルな状態でふくらはぎの筋肉を長くしたまま眠るには(理想的には両脚を伸ばしたまま)、足を背屈させる添木やブーツが良いという医師もいます。こうしたブーツや添木が良いとしても、動かしにくく快適とは言えないので患者のウケが悪いことがあります。その代わりにリーフが勧めるのは、つま先を脛の方向に引く「ストラスブルグ・ソックス」という特別なソックスです。

足底筋膜炎が軽く仰向けで寝られる人は、ベッドのフットボードに足裏を着け上記の「壁に足を置いたシャヴァナ」をすると、夜間の短い時間だとしても、症状を軽減することができます。

また、ベッドから出る時には足をマッサージしたり足首を曲げたりすると良いでしょう。「朝のシャワーをしながらランナー・ストレッチをする」のもいいとリーフは付け加えます。「シャワーの温かさが緊張を解いてくれる」

足底筋膜炎に対処するのは時に大変かもしれませんが、(日中も夜間も、ストレッチするときも)足のアライメントの維持に注意を向ければ、もっと地に着いた感覚が得られるでしょうし、ニュートラルで安定した両足の効果は上半身にも伝わっていきます。「長期間にわたる回内、回外の癖は、膝や腰の将来的な怪我につながり、背骨のアライメントにも悪影響を与える」とリーフは説明します。「しかし、両足をニュートラルに戻せば、この運動連鎖に関係した怪我を防ぐことができる」



(出典)https://yogainternational.com/article/view/yoga-for-plantar-fasciitis

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