2018年3月2日金曜日

五十肩のための陰ヨガ
Yin Yoga for Frozen Shoulder Syndrome


陰ヨガのクラスの多くは下半身を対象としていることが多い一方で、この深くてストレッチの効いた練習は上半身にとってもとても効果のあるものです。ここにあるのは、五十肩として知られる肩の癒着性関節包炎のためのセラピー的なシークエンスです。癒着性関節包炎には痛みがあり、関節に近い軟組織の収縮による肩の可動域が狭まるのが特徴です。直接的な原因はある一定の肩の動き(伸展や内旋など)ですが、なせこうした動きが五十肩を引き起こすのかははっきりしていません。糖尿病などの全身疾患のある人や、骨折や手術などの後、腕を固定していた人に多く見られます。また、40才以上に多く、男性より女性に多く見られます。

7年前氷の上で転けた後4ヶ月の間この痛みに耐えた私にとっては、骨が骨を打っているような燃えるように警告してくる五十肩の痛みに耐えるくらいなら双子をまた産んだ方がましです。けれど、この陰ヨガのシークエンスで、痛みなくもとの可動域まで戻すことができ、また私のセラピー患者の多くにとってもこの緩やかな練習が治癒を早めました。そして、五十肩でなくても、このシークエンスで、陰ヨガの深い上半身のストレッチができるでしょう!


陰ヨガの準備運動


快適に座り、準備運動の間、深い呼吸を続けましょう。肘を曲げて指先を肩に乗せます(肩がとても固ければ肩に近づけるだけでもいいでしょう)。両肘で5回同じ方向に回した後、反対方向にも回しましょう。



ハーフ・ドラゴンフライ(半分のトンボのポーズ)


体の左側を下にして左腕を体と直角の方向に伸ばすところから始めます(体の前にあるものを掴むような動きで)。腹ばいになって、左上腕の上に胸がのるようにしましょう(あるいは不快感があれば痛みのない場所に)。額は床におろします。(床につかなければブランケットをサポートにしましょう)右腕を頭の横に伸ばして、右手のひらで床を押します。両脚はリラックスして快適な間隔で開いておきます。




右腕を頭上に伸ばすのが無理だったりとても不快である場合は、右ひじを曲げて右上腕に額をのせることもできます。



または、腰がより快適だと感じるなら、足や足首をボルスターにのせてもいいでしょう。




そのまま3分間、ゆっくりと深い呼吸をしましょう。ポーズから出たら、右サイドを行う前に優しく左肩を少し動かしましょう。


サポートのある可動域ポーズ


マットの上にボルスターか縦に重ねたブランケットをおきます。頭をボルスターの下、マットの上端に向けて仰向けに横たわりましょう。巻くか折りたたんだブランケットの上に肩甲骨の下端を置いて安定させるか(写真のように)、ただ床に寝てもいいでしょう。両脚は伸ばしてリラックスしておきます。膝を曲げてもいいし、両足をマット幅に開いてもいいですし、膝同士をつけたり、写真のようにスッカーサナ(安楽座)でするように両脚を組んでもいいでしょう。両腕は頭上に伸ばし、できればボルスターか折り畳んだブランケットの上におきましょう(両腕が快適な高さになるように重ねましょう)。



腕が怪我をしていたらかなりの高さが必要です。ボルスターひとつで足りなければ2つ使うか折り畳んだブランケットを使用しましょう。



ここで3分以上、呼吸をして背骨を伸ばしましょう。数週間のうちに徐々に可動域が広がってきたら、サポートの高さを下げていきましょう。ポーズから出たら、肩をストレッチして少し回しましょう。



地上の翼


下向きに寝て、手のひらを下にして左腕を肩の高さくらいで外に向かって伸ばします。右肘を曲げて、コブラのポーズをするときのように右手を右肩の真下におきます。それから左腕を伸ばしたまま左に転がります。両膝を股関節で90度になるように胸に引き寄せ、膝を曲げたまま、右脚を左脚の後ろの床に下ろしましょう(このポジションは「鹿の脚」とも呼ばれることがあります)。右手は体の前の床に置いておくか、背中に回してウェストのあたりに置きましょう。ここで3分間、ゆっくりと深い呼吸をします。



バリエーションとしては、右足を右手で持って弓のポーズになってもいいでしょう。緊張をなくすため、右膝をボルスターにのせましょう。


リリースするときは、お腹の方に転がって、肩をすくめて動かしましょう。そして反対側も行います。


横たわった牛の顔


左を下にして横たわり、右腕を曲げて後ろに回して、手が背中を向いて指が上になるようにします(ゴムカーサナまたは牛の顔のポーズの下の腕のように)。そして背中をついて、体の下で腕を押さえます。左腕を頭の横から頭上に伸ばして、肘を曲げて左手が肩甲骨の間に入るよう(ゴムカーサナの上の腕のように)上背部を少し持ち上げます。手がつかなくても構いません。両膝を曲げて足の裏同士を合わせ、バッダコナーサナの脚にして両サイドに開き下ろします。このポジションで仙骨に強い引きを感じたら、膝の下にブロックをおいてサポートにしましょう。深い呼吸でこのまま3分続けます。このポーズから出たら、次のサイドに移る前に、両肩をすくめたり回したり全体的に動かしましょう。







胸を開くツイスト


仰向けに横たわり、ボルスターを肩の位置で左に置きます。右を下に寝ましょう。両膝を曲げて揃えたまま、腰の高さまで引きます。肩の高さで手のひらを上にして右腕を前に伸ばし、左腕は体の前から手のひらを合わせるようにします。次に、左腕をT字に広げ(胸筋のストレッチを感じましょう!)ボルスターを軽く叩いてから、手のひらを合わせるところまで戻りましょう。息を吸いながらT字に開き、息を吐きながら手のひらを合わせて、これを3回繰り返します。視線は開閉を追うようにします。そして、T字に開いてそのままボルスターの上に手をのせて胸を開きます。頭はどちらを向いていても構いません。実際、頭を片方から反対側へ動かすことで、胸の両サイドをストレッチする効果があります。ここで3分間ホールドし、反対のサイドに移る前に胎児のポーズにもどりストレッチを相殺します。




支持のあるシャヴァーサナで癒される


マットの真ん中に薄く縦に巻いたブランケットを置きます。頭と背中、ウェストまで支持されるよう、その上に横たわりましょう。頭のサポートがなくならない程度に、首の曲線に沿ってブランケットに襞を作りましょう。




ここで10分間、胸と肩に広がる熱と潤いを思い浮かべながら休みましょう。



アーユルヴェーダ的アプローチ


アーユルヴェーダでは、関節や組織の硬さはヴァータ・ドーシャの問題だとみなされているので、この陰シークエンスのゆっくりとした深いストレッチと、温かく地についた水分の多い食事とたっぷりの健康的なオイルの摂取、規則正しい睡眠習慣を組み合わせることで、癒着性関節包炎の治癒を早めることになります。






(出展)https://yogainternational.com/article/view/yin-yoga-for-frozen-shoulder-syndrome

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