2018年6月10日日曜日

消化のための陰ヨガ 
Yin Yoga for Digestion

6月になってすっかり「真夏」のような天候が続きます。夏の暑い時期は、消化の力が弱まって体力が消耗しやすい季節です。今回は、消化のための陰ヨガをご紹介しましょう。
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編集注:以下はヨガの実践者や指導者のための一般的な助言を目的としています。医療専門家の個人的な助言の代替ではありません。


過敏性腸症候群(IBS)である方、また腹痛や膨満感、消化不良が時々でも起こる方なら、お腹のトラブルは楽しいものではないことに同意されることでしょう。食養生と同様に、ストレス軽減法は確かに役立ちます。個人的には、消化器官あたり、または消化器官の不調に関係する中医学的な経絡を対象としたヨガがとても問題の解消につながり得るのを見出しました。

消化器官が痛むとあまり外出したくありませんでした。お腹がゴロゴロしたり張ったりすると、トイレが近くにないと不安で、ヨガのクラスに行く気さえ起こらなかったものです。ありがたいことに、家でできるヨガのポーズで短期間の不快を解消することができまし、私が経験したように、そうした問題の程度や起こる頻度を減らすことさえできるかもしれません。(ヨガクラスに行く気分だとしても、ゴロゴロを気にしなくてもいいのです。ヨガの途中では誰でもゴロゴロいうんですから!)

こちらに紹介する陰ヨガのシーケンス(外出さえしたくなくても家でできるんです!)には2つの見方があります。ポーズのいくつかは消化器官を優しくマッサージし、ガスを軽減し消化を促進します。他に、脾臓や胃の気を強化するものもあります。陰ヨガは、伝統的な中医学に影響を受けており、中医学ではこの2つの経絡のバランスが崩れていると、膨満感など消化の問題が起こると考えられています。
さらに中医学では、脾臓の気が弱い時は不安が高まり、その気が強い時は創造力が高まるとされています。脾臓の気はまた、意思やその力、変化のための可能性の気づきなどと繋がっています。ではお腹のゴロゴロを待たないで、この1時間のシーケンスを試してみましょう!

ポーズには優しく消化器官を圧迫するものがあるので、ウェストまわりがゆるいパンツを履くと良いでしょう。また、1、2枚のブランケットか大きなタオル、ボルスター、2本のストラップ(任意)を用意しましょう。多くのタイプのヨガやエクササイズと同様、消化を助けるため練習の前少なくとも1時間は食事を終えましょう。そして、よりバランスの取れた状態になるのに必要なゴロゴロやグルグルは、お腹や消化器官にさせてあげるようにしましょう。



山のポーズ(4分間)


山のポーズではじましょう。両足の四隅(親指の付け根、小指の付け根、かかとの内側と外側)を通してマットに根付きます。そうした方が快適なら目を閉じます。




鼻から4カウントで息を吸い、口から8カウントで吐きましょう。このカウントが苦しいと感じるなら、3:6や2:4の比で試してみましょう。これを2分間続け、次は自然なリズムで後の2分間呼吸をします。可能なら鼻で呼吸しましょう。ここで不快感を感じたら、判断をせず胃に意識を向けましょう。全ての感覚を客観的にみましょう。



前屈(3分間)


山のポーズから両膝を緩めて前屈し、両ひじを腿にのせます。背中はやや丸めておきましょう。膝を曲げて胸が腿の上にのるようにイメージします。あるいは、可能で快適なら、胸を実際に腿にのせて優しく胃をマッサージしましょう。



これは、ハムストリングスや背中を対象にした深い前屈というよりは、胃をしずめる緩い前屈だと考えてください。



スクワット(2分間 + 1分間のカウンターポーズ)


マット幅程度に足を開き、つま先は両前角に向け、両膝をより深く曲げましょう。スクワットしながら、腰を地面に向かって下ろします。かかとがマットから浮くかもしれませんがそれは構いません(かかとの下に畳んだブランケット、アイピローなどを置くと快適かもしれません)。
両手を合掌し、鎖骨を左右に開きながら両ひじを両膝の内側に入れ込みます。ここで安定していると感じたら、少し前にかがんで足首の感覚を感じましょう。胃や脾臓の経絡を刺激します。



ポーズから出るには、肩の下に肩幅両手を床におきましょう。それから腰幅に両膝を床に着きます。カウンターポーズであるテープル・ポーズ(四つ這い)を1分間行いましょう。



垂直のスワンと眠るスワン(2分間と3分間、両サイド)


四つ這いから右膝を右手首の近くにおき、右腿を外側に回転させます。身体によって右のすねは以下のいずれかの位置になります。1)マットの端と平行(この場合は右足首を曲げ続けてみましょう)、2)斜めの角度(脛と一直線だとしても足はより自然な状態になるでしょう)、3)マットの前とほぼ直角になり右足が右臀部の真下に(この場合は足首を曲げずに伸ばします)。




骨盤を沈ませましょう。右臀部の下にサポートとしてブランケットを差し込んでも構いません。左脚を後ろにまっすぐ伸ばしますが、快適でなければ左膝を横方向に曲げて鹿のポーズになりましょう。右手の指先で右膝かヒップの位置で床を押します。左腕を空に持ち上げ5呼吸して左の腰筋のストレッチの感覚を深めましょう。これが胃と脾臓の経絡を刺激します。


そして左手を床に下ろします。90秒続けましょう。

注意:前の足が痺れるようなら、足首の下にブランケットを置いてみましょう。


次に、ヒップを床に置いたまま、両手をマットの前の方へ歩かせ、前屈して眠るスワンに入ります。両腕を伸ばしたり、肘を曲げて前腕の上で休んだり、あるいは上体をボルスターの上に下ろすかします。



眠るスワンを3分間行ったあと、両手を肩の真下まで歩いて戻します(ボルスターを使っていたら移動しましょう)。左のつま先を立て、両手で地面を押し両腕を伸ばし、胸を床から持ち上げ、ダウンドッグに押上がります。5呼吸続けたら、膝を床におろして四つ這いに戻ります。

2つのスワンポーズを反対サイドでも行い、ダウンドッグか四つ這いで終わります。



スフィンクスかアザラシポーズ (5分間)


四つ這いから両手を前に歩かせてうつ伏せになります。肘を曲げて肩の下に置き、両前腕は平行にしましょう。感じる場所に(おそらく腰)に注目します。



もしきついと感じたら、肘をもっと前に動かしましょう。もっと感じたいと思ったら、ボルスターや折り畳んだブランケットに前腕をのせてみます。けれど忘れないで、その感覚は今まで味わったことがないほど強くする必要はありません!

次に、頭の位置を試します。頭を下ろすと快適かどうかみます。首が快適でなければ、頭を再度背骨のラインまで持ち上げましょう。

2分ほど経って、もし感覚がなくなったら、両膝を曲げてかかとを腰の方へ下ろしてみましょう。



あるいは、手の中指がマットの角に向くようにして斜めに手を回転させて、腕を伸ばしてアザラシのポーズになります。



感覚に集中します。全部で5分間のスフィンクスかアザラシのポーズのあと、曲げていた脚を伸ばし、伸ばしていた腕を曲げ(そして前腕を平行に戻して)、使ったプロップスを移動させます。



チャイルド・ポーズ(5分間)


優しく床に手をつき、両ひざを曲げ、腰をかかとに向けて下ろし(両ひざは好きな間隔で)、チャイルドポーズになります。おでこをブロックやボルスターにのせるととても心地よいでしょう。



そのほかに、胸もボルスターにのせる方法もあります。



チャイルド・ポーズはお腹を圧迫するので、食後にこれをすると快適とはいかないかもしれません(特に下痢をしていたら!)。体の声を聞いて、己を知りましょう。

5分経ったら、やさしく床を押して起き上がりましょう。腰を左右どちらかに下ろしてお尻で座ります。ボルスターはマットの横に置いておきましょう。



半分の浮舟のポーズ(左右3分間ずつ)


仰向けに寝ます。両ひざを曲げ足をマットにおきましょう。足裏で押してマットからお尻を持ち上げ、お尻と仙骨(腰ではなく)の下にボルスターをすべりこませます。そしてボルスターで支えられるようにお尻をおろしましょう。右腿の後ろか右脛の前に手をかけて、優しく膝を胸に引きましょう。左脚はマットに沿って伸ばします。



このポーズは2つの消化促進効果があります。右膝を胸に優しく引き込むことで消化器官がマッサージされて膨満感が解消されます。また左脚を伸ばすことで、腿前に走る脾臓と胃の経絡が優しく圧迫されます。股関節屈筋や左腿のあたりに何も感じなければ、折り畳んだブランケットボルスターに追加して高くしてみましょう。

3分後、反対側も行います。



完全な浮舟のポーズ(5分間)


半分の浮舟のポーズから、左脚を床に沿って伸ばします。脚の力を抜きましょう。そうすれば両脚が外に開くのに気づくでしょう。もう一度、股関節屈筋に意識を向け、緊張していないことを確認します。この陰ポーズで支えられているという感覚をより深めるために(ボルスターから落ちてしまわないよう、また股関節屈筋を緩めストレッチさせるように)、両脚がよりニュートラルの位置にくるよう腿や脛のまわりにストラップをかけてみましょう。


このポーズから出るには、両ひざを曲げます。ストラップを使っている場合は外します。足裏をマットにつけ押して腰を持ち上げ、ボルスターを移動させましょう。お尻を床におろします。



両ひざを曲げたツイスト(左右5分間ずつ)


お尻を3〜5センチほど左にシフトして、両ひざを胸に近づけましょう。両腕はT字に開き、両ひざを右に倒して床かブランケット、ボルスターの上に下ろしましょう。

ツイストは消化器官をマッサージするので大変よいです。このポーズで消化の効果をよりよく得るには、左腕を頭上に伸ばします(左肩が床から浮くようであればブランケットの上に置きましょう)。小腸・大腸の経絡が刺激されます。




5分経ったら、左腕をT字の位置まで戻しましょう。両ひざを真ん中に戻し足裏をマットに下ろします。お尻を中心線に戻してから、右に3〜5センチ移動します。左にツイストしたら、両腕をT字に戻して両ひざも真ん中に戻します。両足裏を床に下ろしましょう。



シャバサナ(5分間以上)


両脚を伸ばし、腰よりも広い幅に足を離します。腕は体の横か、お腹や肋骨の上においてもいいでしょう。



好きなだけシャバサナを楽しみましょう。ただし、お願いですからこのとても重要な休憩のポーズに最低5分間は捧げてください。そうすれば、あなたの体は今行ったことから十分な癒しの効果を得るはずです。




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