編集注:以下はヨガ実践者や指導者向けの一般的な推奨です。医療専門家の個人的な助言の替わりにはなりません。
脊柱側彎症で医師の許可があり湾曲症の理解を援助してもらっているのなら、マインドフルなアサナが腰痛や呼吸困難といった一般的な症状の予防や治療に効果のある役割を務めることが可能かもしれません。
「腰痛の秘密:女性の腰痛の本当の理由と治療法」の著者である理学療法士のビル・リーフによれば、脊柱側彎症のあるヨギと彼らの指導者がいくつかの事柄を頭に入れておけば、ヨガの力が増大する可能性もあります。この記事では、どんな種類のヨガでも脊柱側彎症にとってどうすれば最適に行えるかについて一般的なヒントを提供します。以下は、ヨガと理学療法から選んだ動きで、多くのヒントを含んでいます。
「脊柱側彎症のヨギは、見てわかるように鏡を使って脊柱をニュートラルなアライメントに近づけるとよいでしょう。よりニュートラルな位置に保つには筋肉を働かせる必要がありますが、動きを徐々に強くしていくことで脊椎の凸側を強化でき、側屈のようなポーズは凹側を伸展させてくれるでしょう」とリーフは要約します。
特に2段階あるいはS字の湾曲がある場合、どちらが凹(短く内に曲がっている)でどちらが凸(で長く外に曲がっている)なのかを覚えておくのは、生徒だけでなく指導者にもわかりづらいものと彼は認めています。生徒や指導者が湾曲とその影響についてよくわかっていないこともあれば、他の合図を出した時にそういった湾曲をずっと心に留めておくことが困難な場合もあります。こうした理由から、左側一方や右側一方のポーズではなく、両側に非対称のポーズを行い、より困難な方にもう一度繰り返すようにするとよいことをリーフは気づいたのです。
この方式は以下の練習のポーズの多くで使われていますが、どちら側がより困難なのかが一度わかれば、再度その方向に繰り返さないで、強く柔軟になるよう単純にそこにさらに5呼吸止まりましょう。
各ポーズで何呼吸ホールドするか、何回繰り返すか、何回休むかによりますが、以下の全てのシーケンスを行うにはおよそ1時間かかります。
脊椎側湾症の人がこうした練習から効果を得るためにはどれくらいの頻度がよいのでしょう?リーフによれば、多くの要素に依存するといいます。
「座ったり立ったり、また肉体労働をする人、痛みや呼吸困難などの症状がある人は、こういったかなり長時間の練習を毎日行うと効果があるでしょう。
より活動的だが重いものはあまり持たない、症状が軽いなどの人は、長時間の練習は週に2回程度でよいでしょう。しかし何らかの練習を毎日行うことが重要です。
痛みのない生徒であっても、彼らに最善だと思われるポーズを少なくとも1、2種類毎日行うことを推奨します。
長期の側弯症の場合は、トレーニングする脊椎の場所を常に「覚えておく」ことが必要です。そうでなければ、古い異常な湾曲を身体が「記憶」していてより慣れ親しんだ非対称へと戻る可能性があるからです」
全てというわけではありませんが、胸椎の右へのC字曲線、または胸椎の右と腰椎の左というS字曲線が最も多くみられるため、脊椎側弯症の人は左側の伸展と右側の強化からより効果を得られると感じるでしょう。
以下の非対称ポーズはこの曲線を考慮していることに注意してください。まず左側を伸展(あるいは右を強化)、そして反対側を行ったあとより困難な側で繰り返します。おそらくこれが主流でしょう。もし湾曲が逆だとわかっていたら、指示の逆に、困難な方から始めて次に簡単な方、そして困難な方で繰り返すようにしてください。自分の湾曲がわからないときは、理学療法士や医師に評価してもらいニュートラルな位置に戻すにはどういった調整が必要なのかを知ることは、大変役にたつはずです。
必要なものは、鏡(練習している自分がよく見えるように置く)、ブロック(ポーズ6で使用)、そしてストラップ(ポーズ16と17で)。最後のポーズ19では、ボルスターやブランケット、タオルが必要となります。
このシーケンスの強度を上げたいときは、スピードをあげるのではなくポーズの時間を長くするかポーズを繰り返してください(常にやりにくい方を長くするように)。強度を下げるには、ポーズ1から5では椅子を使い、次にポーズ9、10、12、15を四つ這いで行った後たっぷりとシャヴァサナで休みましょう。
シーケンス
1. 鏡の前での山のポーズ探求で自己修正
「鏡の前で立ったり座ったりすることが第一で、自分の状態を理解するのに最もよい方法です」
両足を骨盤幅に平行にして鏡の前に立ちます。両足を地面にしっかり着け頭頂に向かって引き上げることで背骨を伸ばします。どれくらい伸びましたか?骨盤、両肩、頭の位置を鏡で確かめます。腰や肩をどれくらい水平にできますか?頭が左右に傾かず中央にできますか?胸郭の左右が均等に前を向いていますか?胴をやや左右にわざと回転させると何が起こるかを観察します。片方に捻ると実際には「ねじ戻す」ように見えますか?(そして多分両肩も水平にしやすくなっていませんか?)
鏡の中でより「規則正しく並んで」いる位置を見つけたら、「胴体の筋肉を緊張させて、数呼吸その位置に留まります」このアライメントの感覚を忘れないように最善を尽くしましょう。この練習のいろんな場面で、鏡の助けがなくても戻ってくる位置なのです。
2. ディールガ・シュヴァサム
このプラナヤマは完全な横隔膜呼吸を促し、肺の容量が少なくなった脊椎側湾症には重要です。このバージョンでは、両手は腹部と上胸部に置きます。「上胸部は腹部のようには動きませんが、手をここに置くことで横隔膜呼吸の正しい動きに気づくことができます」
ポーズ1で作ったよりニュートラルなアライメントで立ち、片手をお腹にもう一方を胸に置きましょう。両目は開けたまま呼吸しながら鏡に作った自分の姿勢を見ましょう。
息を吸いながら、左右の肺が底から上まで満たされるのを想像します。お腹と胸郭下部を膨らまし、それから胸郭の中心あたり、最後に胸部の上部を膨らましましょう。息を吐くときは、左右の肺が上から下へと空になっていくよう想像します。上胸部を空にし、そして胸郭の中程、最後に肺の下部と腹部を空にします。呼気の最後には少し腹部を引き込みましょう。
窮屈に感じる場所に特に注意しながら、5〜10回繰り返します。肋骨同士がとても近付く箇所を膨らますようにしましょう。胸部曲線のくぼんだ箇所に起こることが多いです。息を吐くときも、そこが縮んでしまわないようにしましょう。疲れを感じたら、浅い呼吸を1、2回して休憩しましょう。
このプラナヤマに慣れたら、全てのポーズでディールガ・シュヴァサムのような呼吸をするようにしましょう。
3. 上方に手を伸ばす山のポーズ
このポーズは、背骨を伸ばすことができます。
鏡の前で山のポーズをとったまま、快適に行える範囲でできるだけ高くまっすぐに両腕を頭上に挙げましょう。鏡を見て片方の手がもう一方より低いことに気づいたら、その手を疲れない程度にさらに上げてみましょう。
左右の肺を底から上部まで呼吸で満たし、上部から下に向かって吐きながら、5呼吸ほどホールドします。
4. 立位の側屈
山のポーズで立ち、右手を右腰に置きましょう。左腕を挙げ、頭上から右へと伸ばして、安定が失われない程度に腰を左に動かします。視線は天井を見上げるか、右足の外側の床に向けます。(あるいは見上げるよう頭を回転させてから下を向く。)
ここで複式呼吸を5回行いましょう。そして山のポーズに戻り反対側も行います。より困難な側の方でこれを繰り返し、さらに5呼吸しましょう。
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次回に続きます。
(出典)https://yogainternational.com/article/view/a-yoga-sequence-for-scoliosis
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