2021年12月26日日曜日

リラクゼーションのテクニック:呼吸のコントロールでストレス反応を鎮静 
Relaxation techniques: Breath control helps quell errant stress response



「闘争逃走反応」という言葉は、ストレス反応としても知られています。これは、危険に対峙するか、それとも避けるかという体の準備です。適切に喚起されれば、ストレス反応のおかげで多くの困難に立ち向かうことができます。しかし、問題となるのは、例えば金銭的な困難や交通渋滞、仕事に対する不安や人間関係など、それほどまでには重要でない日々の出来事によって絶え間なく反応し続ける時です。


健康の問題はすべて同じところに行き着きます。主な例は、心臓疾患の大きな原因となる高血圧です。ストレス反応はまた、免疫機能を抑圧し、風邪などの病気に罹りやすくなります。また、ストレスが溜まると、不安症や鬱にも関連する場合があります。ストレスの全ての原因を避けることはできませんし、避けるべきでもありません。しかし、それらにより健康的に反応する方法を養うことは可能です。そのひとつは、1970年にハーバード医科大学で心臓病学者のハーバート・ベンソン博士によって最初に開発されたテクニックで、リラクゼーション反応を喚起することです。リラクゼーション反応は、瞑想やヨガ、漸進的筋弛緩法など多くの方法で誘因することのできる深い休息の状態です。


リラクゼーション反応を喚起するいくつかのテクニックに共通する特徴は、呼吸への集中です。まずは深く呼吸することを学びましょう。



深い呼吸の効果


深い呼吸は、横隔膜呼吸、腹式呼吸などとも呼ばれます。深く呼吸すると、空気が鼻を通ってたっぷりと肺に入り、下腹部が膨らみます。


多くの人にとって、深い呼吸は不自然だと感じるでしょう。これにはいくつかの理由があります。一つには、私たちの文化では、呼吸にあまり良い身体的イメージを持たないことです。平らなお腹が魅力的だと考えられていているので、女性も男性も腹筋を引きこんだままにしがちです。それが深い呼吸を邪魔し、徐々に浅い「胸式呼吸」が普通になり、緊張や不安が増加します。


浅い呼吸は、横隔膜の可動域を制限します。肺の下部は酸素を十分に取り込めません。そうして呼吸が短く不安に感じるのです。


深い腹式呼吸は、十分な酸素交換を促します。つまり、入ってくる酸素と出ていく二酸化炭素の効果的な交換です。驚くほどのことではありませんが、それによって心拍数が下がったり血圧が安定したりします。



呼吸の集中の練習


呼吸への集中により、ゆっくりとした深い呼吸に集中し、気を散らすような考え事や感覚から離れることができます。お腹を引き込み続けがちな人には特に役立ちます。


まずは第一歩。静かで心地よい場所を探して、座るか横たわります。最初は普通に呼吸します。そして深い呼吸をしてみましょう。鼻からゆっくりと吸い込んで、肺を満たしながら、胸と下腹部を大きくしましょう。お腹を十分に膨らませます。今度は、口から(より自然に感じるなら鼻からでも)ゆっくりと吐き出します。


実際に呼吸に集中します。上の呼吸ができるようになったら、コントロールした呼吸を習慣的に練習します。心地よく座って目を閉じ、深い呼吸と共に、役に立つイメージや、集中できる言葉やリラックスできるフレーズに集中しましょう。



リラクゼーション反応の誘引法


ストレスへの反応を少なくするのに役立つテクニックがいくつかあります。呼吸への集中は、下記のほとんど全てに役立ちます。

  • 漸進的筋弛緩法
  • マインドフルネス瞑想
  • ヨガ、太極拳、気功
  • 祈りの言葉
  • 誘導イメージ療法



習慣的に行う


どのリラクゼーション法が自分に最適なのかみてみたいでしょう。気に入ったものがあまりうまくいかない時や色々やってみたい時は、別のものもあります。下記のコツも役立つかもしれません。

  • 心地よく静かに座る(あるいは横たわる)ことのできる特別な場所を選ぶ
  • あまり一所懸命にしない。おそらく緊張が高まるだけでしょう
  • そして、受け身にもなりすぎない。リラクゼーション反応を引き起こす鍵は、意識をストレスの原因から深く穏やかなリズムへと移すこと。そして、必ず集中する焦点を持つこと
  • 毎日の習慣にしてその感覚を定着させるために。毎日1、2回同じ時間に練習してみる
  • 毎日10-20分間程度は練習してみる







(出典)https://www.health.harvard.edu/mind-and-mood/relaxation-techniques-breath-control-helps-quell-errant-stress-response

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