編集注記:下記は、ヨガ実践者や指導者に向けた一般的な推奨を意図したものです。医療従事者による個々の助言の代替にはなりません。
ヨガや理学療法には、腸腰筋(腰筋と腸骨筋とで成る筋肉)を緩めようとしてくる方もいます。座りがちなライフスタイルが原因で、腸腰筋が硬くなることがあります。この筋肉は、ハムストリングスと同様、長時間の座位による影響を特に受けやすい場所です。腸腰筋は、股関節や背骨を繰り返し屈曲することで両脚やコアを使う活動(そしてヨガポーズ)に反応して硬くなるため、この筋肉を繰り返し収縮する必要のあるスポーツでも硬くなることがあります。
座位や動きが腸腰筋に与える影響と、以下の8つのポーズがどのように腸腰筋を緩め始めるかを理解するために、まずはこの筋肉の場所と役割を見ていきましょう。
腸腰筋の場所と役割
腸腰筋は、両脚を後方へ繋いでいる唯一の筋肉です。腰のあたりから始まる大腰筋は骨盤のくぼみを通って、腸骨のすぐ内側で腸骨筋を拾い上げています。(小腰筋は、腰椎に始まり大腰筋の前を通って恥骨弓の先端に入りますが、一般的にはあまり注目されません。大腰筋と比較して小さく弱いというだけでなく存在しない人も多いためです:人種によってその割合は異なりますが日本人の場合は半数程度といわれています)
結合した大腰筋と腸骨筋は、その後、小転子という丸い突出部で大腿骨の内側上端に繋がります。
腸腰筋の役割は、姿勢において腰を支えることですが、おもな働きは股関節の屈曲にあります。収縮することで、他のどの股関節屈筋(大腿直筋、縫工筋、大腿筋膜張筋など)よりも強く腿を背骨の方向へ動かします。また、収縮して背骨を腿に近づけることで背骨を屈曲するのも助けます。ヨガにおいては、船のポーズ(ナヴァサナ)、椅子のポーズ(ウトカタサナ)、立位あるいは仰向けに横たわった状態で両脚をあげるなど、腸腰筋が収縮して腿と胴体が近づきます。例えば、橋のポーズ(セツバンダ・サルヴァンガサナ)やバッタのポーズ(シャラバサナ)など、拮抗筋である臀筋が収縮して股関節が伸展する時には、腸腰筋は伸びます。踊り子のポーズ(ナタラジャサナ)やローランジでは、後方の脚に繋がった股関節は伸展し、腸腰筋が長くなります。
腸腰筋はまた、歩いたり走ったりする時にも重要です。収縮して前方の脚を前に出したり、伸びて後方の脚を伸展させたりします。
腸腰筋が硬くなる仕組み
座っている時、腸腰筋は短いまま動いていません。この位置にあまりにも馴染んでしまうと、立った時に長くなる方法を「忘れて」しまうのです。また、腹筋運動やダンスなど、両脚を使うどんなスポーツにおいても使いすぎで腸腰筋が硬くなることもあります。腸腰筋を収縮する動きやポーズ(船のポーズや腹筋運動、両脚上げ、座位ポーズなど)の多いヨガの練習を、腸腰筋をストレッチするカウンター・ポーズ(後屈やランジなど)なしで行うこともまた腸腰筋を硬くすることがあります。さらに、恐怖やストレスが腸腰筋の硬さに関係するという医療従事者もいます。
これらの要素の組み合わせで硬くなった腸腰筋は、腰を前に引っ張って骨盤を前傾させることにより、脊柱の過度前弯を生み出す可能性があります。ウエストの横や腰の痛み、股関節の前の痛み(パキっという音を伴うことも)、(片側の引きがより強いときは)両脚の長さの差異などとして、この硬さを感じることがあります。腸腰筋の硬さはまた、股関節屈曲を制限することで歩幅が狭くなることもあり、歩くことや走ることを必要とする活動でのパフォーマンスに影響を与える可能性もあります。さらに仙腸関節の機能障害を起こす場合もあります。
腸腰筋の硬さは、呼吸にも影響することがあります。骨盤の過度な傾きは呼吸機能に悪影響を及ぼすようですが、骨盤をニュートラルの位置から前傾させる要因のひとつは、硬くなった腸腰筋です。腸腰筋を緩めることで、骨盤の前傾や過度な腰椎前弯を小さくできれば、より深い呼吸を吸い込めるかもしれません。
以下のシーケンスは、PNF(固有受容性神経筋促通法)というテクニックを使って腸腰筋の硬さを緩めようとしたもので、ストレッチの前に対象の筋肉を収縮してから弛緩させるものです。PNFにより、ストレッチ後すぐに可動域が広がるのを感じられる人もいます。
もうひとつの効果:膝を曲げて股関節を伸展するポーズ(ローランジなど)を練習すると、腸腰筋が硬い時に硬くなりやすい大腿四頭筋のストレッチにもなります。
もし腸腰筋をストレッチしすぎて弱くなっている時、つまり股関節が後傾しがちで腰椎の曲線が平らな場合は、ここにあるストレッチよりは腸腰筋を強化する運動をした方が良いでしょう。
以下の練習では、ブロック、ブランケット、ストラップを用意します。7番での腸腰筋マッサージには、5キロ以下のダンベルやテニスボール、マッサージボールなどが役立ちます。
まず呼吸に意識を向けることが、練習の間、横隔膜を使った呼吸を維持するために重要となります。
仰向けに横たわります。片手をお腹に、そして心地よければ片手を手のひらをマットの方に向けて腰の下におきます。(肩がつらい場合は、長方形に折りたたんだブランケットを横にして腰の下におくとそのあたりに意識を向けやすくなります)
呼吸をしながら、お腹だけでなくウェスト周りすべてが広がったりしぼんだりするのをイメージします。息を吸い込むたびに、お腹や腰、ウェストの横を広げてみましょう。息を吐き出しながら、お腹や腰、ウェストを引き込みます。
体内で繋がっている構造を視覚化します。吸気のための主な筋肉である横隔膜は、腸腰筋としっかり繋がっています。腱でできた構造が横隔膜の下部と大腰筋の先端を覆っている筋膜とを結合しています。さらに、大腰筋は脊椎の下部(T12、L1、L2,、L3,、L4)から始まっていて、それと並んで横隔膜と腰椎(L1ーL3)をつなぐ腱があります。息を吸い込む時に腸腰筋の緊張を横隔膜がマッサージしている、息を吐き出すときに圧迫を解放しているのを想像しましょう。
腸腰筋の硬さは、呼吸にも影響することがあります。骨盤の過度な傾きは呼吸機能に悪影響を及ぼすようですが、骨盤をニュートラルの位置から前傾させる要因のひとつは、硬くなった腸腰筋です。腸腰筋を緩めることで、骨盤の前傾や過度な腰椎前弯を小さくできれば、より深い呼吸を吸い込めるかもしれません。
以下のシーケンスは、PNF(固有受容性神経筋促通法)というテクニックを使って腸腰筋の硬さを緩めようとしたもので、ストレッチの前に対象の筋肉を収縮してから弛緩させるものです。PNFにより、ストレッチ後すぐに可動域が広がるのを感じられる人もいます。
もうひとつの効果:膝を曲げて股関節を伸展するポーズ(ローランジなど)を練習すると、腸腰筋が硬い時に硬くなりやすい大腿四頭筋のストレッチにもなります。
もし腸腰筋をストレッチしすぎて弱くなっている時、つまり股関節が後傾しがちで腰椎の曲線が平らな場合は、ここにあるストレッチよりは腸腰筋を強化する運動をした方が良いでしょう。
腸腰筋リリースのシーケンス
以下の練習では、ブロック、ブランケット、ストラップを用意します。7番での腸腰筋マッサージには、5キロ以下のダンベルやテニスボール、マッサージボールなどが役立ちます。
1. 横隔膜を使った吸気
仰向けに横たわります。片手をお腹に、そして心地よければ片手を手のひらをマットの方に向けて腰の下におきます。(肩がつらい場合は、長方形に折りたたんだブランケットを横にして腰の下におくとそのあたりに意識を向けやすくなります)
呼吸をしながら、お腹だけでなくウェスト周りすべてが広がったりしぼんだりするのをイメージします。息を吸い込むたびに、お腹や腰、ウェストの横を広げてみましょう。息を吐き出しながら、お腹や腰、ウェストを引き込みます。
体内で繋がっている構造を視覚化します。吸気のための主な筋肉である横隔膜は、腸腰筋としっかり繋がっています。腱でできた構造が横隔膜の下部と大腰筋の先端を覆っている筋膜とを結合しています。さらに、大腰筋は脊椎の下部(T12、L1、L2,、L3,、L4)から始まっていて、それと並んで横隔膜と腰椎(L1ーL3)をつなぐ腱があります。息を吸い込む時に腸腰筋の緊張を横隔膜がマッサージしている、息を吐き出すときに圧迫を解放しているのを想像しましょう。
そのまま1、2分経ったら、このように広げ続けながら、横隔膜呼吸の能動的な練習を始めましょう。
2. 仰向きの膝を胸に寄せるポーズ
次の動きでは、腸腰筋はゆっくりと収縮させます。筋肉を収縮してから弛緩することで、そこに意識を向けることができます。そしてPNF原理によれば、筋肉を収縮してから弛緩することでより深いリリースを促進します。
青向きに横たわり、両脚を伸ばして比較的ニュートラルの位置におきます(つま先は上方へ向ける)。左脚を伸ばしたまま、右脚をゆっくりと持ち上げ右膝を胸に寄せます。右手は右腿の上に置いておきます。
腿を自分の方へ寄せながら、腸腰筋を使うため右手をで腿を遠くへ押し拮抗させます。理想的には、押しながらも脚はあまり動かさないでおきましょう。そのまま腿と手を強く押し合わせながら3回呼吸し、腸腰筋が収縮している間、ウェストの右内側の深いところで感じるすべての感覚に気づきます。
右脚を床におろし前に伸ばしてリラックスさせ、右腕を体の横でリラックスさせて3回呼吸します。ウェストの右側に沿って伸びている感覚を感じるか注意を向けます。
左右の違いに注意しながら、脚を変えます。右側と同じ強さで、左腿を左手に(そして左手を左腿に)押しながら腸腰筋を収縮することはできるでしょうか?
それから左脚を伸ばして左腕を体の横で解放支えて、腹式呼吸3回する間リラックスしましょう。
今度は両膝を胸の方へ曲げて、両手で両膝を遠くへ押して3回呼吸し、左右の腸腰筋が収縮うするのを促します。そして、両脚を伸ばして(少なくとも)3回呼吸し、両手で両膝を優しく押し下げましょう。腿はマットの方へ下ろします。
3. 支えのある橋のポーズのバリエーション
ブロックを近くに置いておきます。以下のポーズは、股関節を伸展させることで腸腰筋をリリースする方法を探ります。しかしながら、以腸腰筋がかなり硬い場合や、下のポーズで腰の内湾が大きくなるだけの場合、2番でご紹介したPNFストレッチを繰り返してください。
1. 両膝を曲げて仰向けに横たわり、両足は坐骨から10センチほど離れた床におきます。
2. 腰を持ち上げて低めの橋のポーズになり、ブロックを水平に中間の高さで仙骨の下に差し込みます。
3. 左足を床に置いたまま、右膝を胸に引き込みます。右脚は動かさず、片手か両手で右膝を遠くへ押して3呼吸します。
4. 右脚をゆっくりと伸ばし、かかとはマットに下ろします。右手で腿を下方に押し、今度はその圧力に抵抗しないでおきましょう。右脚をリラックスしながら、右の腿を地面に下ろします。
このまま数回深呼吸して、ウェストの右側に沿って伸びる感覚に注意を向けます。
そして右膝を曲げ、右足をマットの上に戻したら、左右を替えてその違いに注目します。
左側も終わったら、左足をマットに戻してから両脚を閉じたまま(あるいは平行で少し開いて)伸ばし、かかとを通って遠くへ伸ばします。両手は腿の上に置いて優しく押し下げます。腰は吐き出すたびに広げるようにし、反りすぎないように気をつけます。このまま数呼吸、あるいは心地よければ数分とどまります。(両脚を一度に伸ばすのが強すぎると感じたり、腰が辛いと感じる場合は、このステップは飛ばしましょう)
ポーズから出るには、両膝を曲げて両足を床に着けます。腰を持ち上げてブロックを外します。背中を休ませて2-3回呼吸し、背骨をニュートラルに戻します。もし腰に緊張を感じたら、両脚を左右に軽く振ります。
この橋のポーズのバリエーションが簡単にできるようになったら、同様(あるいは少し強め)のストレッチをベッドやセラピーテーブルの端に腰を置いて横たわったストレッチを練習することもできます。片膝を引き込みながら、もう一方の脚は床に向かって伸ばし、伸ばした脚の腿を徐々に下げていきます。
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