あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
前回からの ayurveda next door からの記事の続き、最終回です。
インドの伝統的なハーブの説明がされています。なかなか日本では入手しにくいものが多いのですが、探して試してみるのもいいでしょう。
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アーユルヴェーダの免疫を高める6つの自然療法
アムラ、Emblica officinalis は最も人気のある「ラサーヤナ」(健康によいハーブ)のひとつです。この効果はプラナ、テージャス、オージャスの強化といえるでしょう。アムラは2000年以上にわたり、Chavanprashと呼ばれる伝統的な調合の材料として使われてきました。アムラは、大変よい抗酸化物質で、肝臓の働きを支持するハーブです。肝臓の抗酸化システムの回復、上昇した肝臓の酵素を正常に戻します。毒素による肝臓のダメージから守り、肝臓癌の進行を止めることが確認されています。肝臓は毒素排出の主要な臓器であり、。肝臓が正しく機能すれば、免疫システムの本来の仕事が邪魔されずにすみます。アムラは、免疫が脅威に対抗するのを助けるのです。
アムラ(インディアン・グーズベリー) |
アシュワンガンダ、Withania somnifera は、副腎の働きを助ける素晴らしいハーブで、全ホルモンシステムや他のラサーヤナを正常に働かせる効果があります。アシュワンガンダは、副腎にかかるストレスを減らし、甲状腺の活動を刺激します。つまり、アシュワンガンダには抗ストレス、および代謝活性効果があるということです。テージャスとソーマのバランスをとるのによいハーブで、免疫細胞を活性化させることで免疫を強化してくれます。また、ステロイド使用による免疫の抑制を逆転させる効果も知られています。アーユルヴェーダの伝統が授けてくれるホルモンと免疫の調子を整える素晴らしいハーブのひとつです。1903年にペストが流行した際、アシュワンガンダを与えられた人は生き延びました。強い抗菌作用があるわけではないのですが、内分泌や代謝に働いて身体を正常にしてくれます。
アシュワンガンダ |
ターメリック、Curcuma longa, は、その素晴らしい抗炎症作用で話題の家庭によくあるスパイスです。健康的で制御された炎症が正常な免疫反応である一方、行き過ぎた炎症は組織を破壊し免疫システムを疲弊させます。エボラ患者の研究では、免疫システムが炎症を効果的に制御できた患者は生存した反面、悪化する一方の進行性炎症を起した者は死に至っています。ターメリックには、多くのクルクミンが含まれ、アスピリン(非ステロイド系抗炎症剤NSAID)と同様に炎症を抑えることが知られています。動物実験では、クルクミンはアルツハイマー病における炎症性のプラーク形成を抑えるイブプロフェンと同様の働きをすることがわかっています。クルクミンにはNSAIDでみられる毒性のリスクがありません。また、慢性病、炎症性腸疾患、肥満などの代謝性の疾患に効果があります。このようにコントロールされた状態での炎症は、免疫系や副腎のストレスを大きく削減し、また炎症した組織のダメージから防御してくれます。総合的に、このように炎症を管理することで免疫がより効率的に作用するのです。
ターメリック(うこん) |
グドゥチ Tinospora cordifolia は、免疫や肝機能のサポートに様々に使えるハーブです。グドゥチは伝統的に、その抗酸化、抗炎症、免疫調整機能や肝機能維持機能から様々な症状に使用されてきたもうひとつのラサーヤナ・ハーブです。研究結果によれば、グドゥチは、ヒスタミンやブラジキニンなどの様に炎症信号をブロックすることで抗炎症作用を作りだします。こうした働きは、免疫系への負担を削減し、内的免疫の不特定アレルギー反応の制御に大変効果的です。言い換えれば、グドゥチはピッタのバランスをとって体のテージャスの質を高めるのを助けます。また、体液性の免疫系を刺激する効果も持っています。このハーブの免疫を高める働きは動物実験でも観察でき、病原体を監視し排除するB細胞やT細胞などのリンパ球の増とし循環を促します。この肝機能と免疫機能を助けるという二面性は、肝膿瘍を軽減し動物のアメーバ症を治す効果を見せました。グドゥチの伝統的な名前は、「不死の神酒」という意味をもつアムリタです。このハーブは昔から様々な症状の治療に使われてきており、それは免疫系、肝機能、アレルギー、喘息、皮膚疾患、神経症、眼病、衰弱など多岐にわたります。
グドゥチ |
ニーム、Azadirachta indicaは、アーユルヴェーダにおいて有名な抗菌ハーブです。ネームオイルや葉に含まれる薬効成分は病原体に対する様々な免疫細胞を刺激します。この苦みのあるハーブは、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の治療に使われてきました。このハーブでのうがいは、連鎖球菌の殺菌に効果があると証明されています。ニームの成分研究により、様々な菌類、バクテリア、ウィルスに対する直接的な効果が知られています。ニームはさらに、血糖を下げる効果もあります。糖はバクテリアや菌の主な養分となっているので、これは有益です。綜合的にニームは、テージャスとソーマを助けながらプラナのバランスをとるのです。
ニーム(インドセンダン) |
ホーリーバジル、Ocimum sactum は、インド文化の多くの行事や宗教活動における中心的な存在です。このハーブは、聖なる女性原理の権化と考えられています。精神や感情を明晰にし、創造性を作り出します。精神的な重要性のみではなく、ホーリーバジルのその高い価値は、多岐にわたる薬効です。エッセンシャルオイルに多く含まれる成分は、神経系や免疫系、抗酸化系に効果があります。動物実験においては、抗ストレス効果も観察されています。さらに、アルツハイマー病の記憶障害の防止するという脳への効果も知られています。ホーリーバジルは、すべての臓器における糖毒酸化を防ぐ抗酸化効果を持ちます。体内の抗酸化酵素を補充し、炎症を抑える働きがあります。
ホーリーバジル(カミメボウキ、トゥルシ) |
結論:
健康を保つためにバランスのとれた免疫系が不可欠であることは明確です。免疫系のバランスは、薬や、ハーブ、ビタミン、ワクチンではとることができません。免疫のバランスは、バランスのよい栄養や運動、ヨガ、瞑想をして、ハーブやミネラルの助けを借り、精神と感情、霊的レベルにおいてもバランスをとることでのみたどり着くことができるのです。バランスのとれた免疫は「病のない社会」の基本だといえるでしょう。オーム、シャンティ。
(出典)http://ayurvedanextdoor.com/boost-your-immunity-with-ayurveda/
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