2017年4月29日土曜日

ヨガセラピー:癌の回復に必要な治療 
Yoga Therapy: The Medicine Needed for Cancer Recovery

Huffington Post に掲載された医師でもあるヨガセラピストのインタビュー記事です。

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これは、C-IAYT、RYT-500、医師であり認定ヨガセラピストであり、癌や不安症、ストレス関連の障害に悩む人々を助けるサウスジャージーにあるヨガセラピークリニックのYoga Heals 4 Life の創設者ロビン・タイガー博士のインタビューです。ロビンは、癌回復クラス、講義、ワークショップなどで無料のヨガと瞑想を行っています。現在、退役軍人のためのトラウマを理解したうえでのプログラム展開に取り組んでいます。 Integrative Yoga Therapy にて1000時間のヨガセラピーのトレーニングを終え、Yoga 4 Cancer and Breast Cancer Recovery and Beyond の医師です。トラウマへのヨガセラピー、そして研究のための医療審議会の一員です。また、癌を経験した全ての人を助けるためのNPOであるMedical Resource Committee for Gilda’s Club of South Jersey のためにも働いています。



ロブ:そもそもこの仕事をすることになった動機と、何があなたを突き動かし続けているか教えてください

3年生のある日、先生がポールに下げた実物大の骨格図を広げたんです。それが私の最初の大きな「アハ!」体験でした。ガイコツはハローウィンの飾りじゃなく、身体を支える基盤なんだと初めて気づいたんです。じゃあ、私たちの他の部分は何?それがとてもたくさんあることがわかって、その時に私は医者になりたいとわかったんです。

医師として、診断放射線医学の女性のイメージングに15年を費やしました。その過程で、癌の容易な発見と治療を可能にする西洋医学の素晴らしい技術進歩を見てきました。こうした技術に大変感謝していましたが、患者のケアにおいて見落とされている大きなものがあることに気付いたんです。患者の治癒にどう私たちは手助けができるか?まるでこれまで、健康の枠組み、あるいは骨組みに対してのみ取り組んできたように感じたのです。ヨガセラピーのトレーニングを受けて初めて、こうしたギャップを埋め、またもっと総体的、包括的、統合的方法の治療に取り組み始めました。

手術や化学療法、放射線などを含む最先端の癌治療は、癌を治療するのには素晴らしいものですが、身体的制約や精神的苦痛、精神的抑鬱などを引き起こし得ます。長い間、患者を抱きしめて微笑む以外に、彼らの治癒を助けるすべは私には思いつかなかったのです。医師としての仕事がとうてい完璧とは言えないことはわかっていました。

ヨガセラピーを使って治療を行うことの重要性を強く感じ、従来の治療をやめヨガセラピーに専念することにしました。私のヨガセラピーの治療で焦点をあてているのは、患者自身のすべての側面における各部分の集合体であると個人を見ること、そして「骨格」を越えた身体、心、精神の最良の治療に対し懸命に努力することです。


あなたの指導経験のなかで最もやりがいがあったことは何ですか?

自身の経験を通して、個人個人が治癒する力をうちに秘めています。

私がセッションで指導した方法を使って成功したという電話や、メール、メッセージが頻繁に来ます。そして、彼らは覚えた方法を友人や家族、同僚などに伝え広めています。

猫背で足を引きずり、目を合わせようとしない、動きが遅く、疲れ切っておびえた人が、ヨガや瞑想というツールを使って、自身に満ちた、力強く熱心で、エネルギーに満ちていくのを繰り返し見てきました。

同時に、マットの上でもそれ以外でも、私たちは意味のある人間関係と支援コミュニティを作っています。


あなたが生徒から教えてもらったことは何でしょう?

安全な場所を確保すること、そして彼らの必要を実現するクラスを作るために個々人が何を必要としているかを全身を傾けて聞くことの重要性を教えてもらいました。

また生徒たちは、お互いに共有する時間という贈り物を私にくれました、深く感謝しています。彼らの自己治癒という旅の過程で、私と時間を共にすることを選択してくれたことに毎日毎日誇りを感じています。


癌治療に取り組むうえでヨガが効果を表す社会的要因(例えば、誤解や誤情報など)は何だと思いますか?

私のメンターの一人であるタリ・プリンスターはこう言いました。「私たちの身体は動くように作られている」癌患者も多くのヨガ・ティーチャーたちも、癌を患う人にヨガが危険ではないかと怖がっています。ソファに座ったりベッドに横たわったりして、ただ次の医師の予約や科学治療や放射線治療を待つだけでは、身体にも心にも精神にもよくありません。癌治癒のための特別なヨガ・瞑想のクラスは、身体的にも感情的にも、精神的にも強くなる助けとなります。患者らは、彼らの前に現れる何にでも立ち向かえる力を得るのです。

私の生徒たちは、身体が強くなれば自分をもっと信じられるようになり、よりよい決断ができるようになると教えてくれました。治療プランや回復にもっと熱心になり、つまり早く治癒します。身体が強くなれば、感情や心、精神が強くなり、治癒過程にもっと深く取り組むようになるのです。ここに、治癒の本当の力が存在します。


癌患者に取り組むことで、癌に対するあなたの考えや感情、あなた自身に変化はありましたか?

私は、癌のある生徒たちがある「警鐘」を経験するのを何度も見てきました。もっと健康的なライフスタイル(仕事、食事、運動)を選択する方法、愛する人ともっと一緒に過ごす方法、ストレスのある仕事を辞める方法、死ぬまでにしたいことリストを準備する方法を知りたいのです。生徒たちの眼を通して、毎朝、それが自分の「警鐘」だと見て自分自身の中にあるのかそれとも他人とあるのかの存在を確認します。いつも、自分のライフスタイルについて、どうすれば最も健康的な決定ができるかを考えています。私が可能な限りベストであるように生徒たちから力をもらっているのです。

この先10年、アメリカにおけるヨガの将来に対し何か考えや希望はありますか?

私がしているように、医療業界が単に癌という病気だけでなく患者自身を見てくれることが夢です。患者は、治癒を必要としている多くの側面を持った総体的な個人なのです。癌回復のためのヨガは、全世界のすべての人が受けられるものとして全患者の治療プランに必要な要素なのです。



(出典) http://www.huffingtonpost.com/entry/yoga-therapy-the-medicine-needed-for-cancer-recovery_us_58fdf221e4b0f420ad99c9d3

2017年4月25日火曜日

ヨガセラピーで更年期のホットフラッシュや気分変動を治す 
Hormone yoga therapy could cure menopause's hot flushes and mood swings

今回は、更年期について。
ホルモンバランスが崩れるといろんな症状がでてきますが、それは更年期だけなく、いつでも起こりうるものです。特に年齢によってホルモンバランスを崩しやすい女性の身体に何が起こっているのか、ヨガがどう効くのかについての記事です。
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ほとんどの女性にとって、ホルモンレベルが崩れるとはっきりとわかります。知らない人がバスに乗り遅れたのを見て抑えきれずに泣いてしまう、缶切りがいつもの場所に入っていなくて激怒するなどというのはよくあることで、PMT(月経前緊張症)と呼ばれる症状です。そして、更年期が始まり卵巣のエストロゲン生成がゆっくりになると、ホットフラッシュや気分変動に対処しないといけなくなります。


しかし、誰にでも影響がある兆候が他にもあります。性欲の減退、説明のつかない体重増減、肌あれなど。身体の好不調がわかっていようがいまいが、バランスが取れた状態にいる方がいいのは議論の余地がないでしょう。


どんどん増えているロンドンのヨギたちにとって、その解決法を薬(あるいは毎月大量のチョコレートを詰め込むとか)だけに頼るわけではなく、ヨガマットの上に見出しています。もちろん、ヨガはすべてバランスだと私たちは知っています。そして、身体と心の精神的なバランスもあります。しかし今では、ホルモンバランスを取るためにも人々はアサナを行っているようです。


その結果、Triyoga やTen Health & Fitnessなどのロンドンのスタジオでは、投薬の代替や補完としての、ホルモン系を調整させることに特化したクラスやワークショップを行っています。

ホルモンの問題の核心は、バランス異常です。特に、エストロゲンとプロゲステロンの不均衡で、多嚢胞性卵巣や子宮内膜症などの疾患につながります。それを緩和するツールとして、体内の調和を作り出すための練習を取り入れるのは完全に筋が通っていることなのです。


来週末Triyoga のホルモンバランスのワークショップを行うキャロリン・コーワンは、ヨガが私たちの身体が自らを攻撃するのを止める方法であると確信しています。「否定的なことに対処するとき、身体はそうした思いを身体的にも経験します。それが精神的な不安やストレスを増長させ堂々巡りとなってしまうのです」


そして身体は、副腎でコルチゾールを作り、心拍数を上げ、私たちを緊張した極限状態に置き続けます。ストレスを感じる時というのは、祖先が危険に直面した時と同じ反応で、すなわち「逃げるか戦うか。」しかし、その危険は現実のものではありません。身体が反応するためには、ただ危険を察知するだけで十分で、それは翌朝9時の会議のことを心配するといったシンプルなものかもしれません。


適度なら構わないのですが、忙しいライフスタイルのせいで常にストレスを感じ、つまりコルチゾール値の高い人が多いのです。


Ten Health & Fitness でホルモンバランスのマスタークラスを開講したダニエル・ウィルムセンによれば、「毎日のプレッシャーで、私たちは常にストレスモードにあります。自律神経はいつも交感神経モードになっています」


簡潔に言えば、交感神経モードとは危険に対する「逃げるか戦うか」の反応です。その反対派副交感神経モードで、身体の休息や消化機能をコントロールします。この2つの神経系はシーソーのように働き、ヨガは両方のバランスをとる助けをしてくれます。


どんな種類のヨガを行っても、身体をストレス状態からリラックス状態へと導くことでホルモン系全体(内分泌系)へ効果があります。全体的に行うヨガでは、身体のホルモン分泌をする部分が優しく圧迫、解放され、分泌腺が刺激されます。また、対象とする部分の血流を促して特定の分泌腺を刺激するシーケンスもあります。例えば、代謝を調整する甲状腺は、バランスを崩しやすい場所ですが、肩立ちなどの甲状腺を刺激するポーズは問題を軽減します。


エクササイズでホルモンの問題に対処できるのはヨガに限りません。ピラティスや筋トレも同じです。Notting Hill にある FORM studio の METcore クラスは老化防止のホルモン・マジックを約束しています。創設者の Elissa el Hadj によれば、METcore は、レジスタンス・ケーブルを使ったトレーニングとHIITシーケンスを慎重に組み合わせられており、成長ホルモン(HGH)の生成を促します。このホルモンは骨を強くし、皮膚や表情をやわらかにします。成長ホルモン生成が再び下がり始める前の50分間というエクササイズは理想的な長さなのです。


しかし、全てのエクササイズが急上昇するホルモンやストレスレベルを補完してくれるわけではありません。実際、ホルモンバランスで悩む人にとって、ランニングや強度のトレーニングなどエンドルフィンを上昇させるタイプのエクササイズは悪影響を与えかねません。


Marylebone にある Marion Gluck Clinic のホルモンのスペシャリスト Amalia Annaradnam博士が言うように、「常にコルチゾールを絞りだすようなクレイジーで慌ただしい暮らしのせいで副腎への刺激が過多になっているなら、ランニングはもっと負担になってしまう。誰もがそうではないが、もし副腎が疲れ始めているなら ― ストレスを感じ眠れず、苛立ち、いつも緊張していれば ― 副腎は『ああ、もうこんなことはできない』と言って疲れ切り、エクササイズの後はもっと気分が悪くなる。つまり、間違ったことをしていると身体が教えてくれている」


これに思い当たる節があったら、10km歩道を走るよりダウンドッグをした方がいいということ。


ひとつのポーズを毎日行うことで、ホルモンバランスは保てるでしょうか?
専門家らは可能だと言っています。膝をついて踵をつかみ頭が床につくよう前屈するラビット・ポーズは、甲状腺を刺激し脊椎を伸ばします。何もかもが解決するわけではありませんが、シーソーのようなバランスを平行に保つのに役立つでしょう。そして、呼吸をしましょう。



(出典)http://www.standard.co.uk/lifestyle/health/the-hormonally-harmonious-yoga-practice-could-cure-hot-flushes-and-mood-swings-a3326236.html




2017年4月21日金曜日

ヨガが心拍を安定させるとの研究 
Yoga helps people stabilize and normalize heart rhythms, study reveals

医師であるDr.Premのサイトからの情報です。
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最近「Journal of the American College of Cardiology」に発表された研究によれば、ヨガが、医学的に心房細動と呼ばれる不整脈によいことがわかった。さらに、定期的にヨガを実践している人は、不整脈になる可能性が低くなると推定している。しかし、これを確認する前に、彼らの結論が正しいことを実証するために無作為試験を行う予定である。

カンザス大学のメディカルセンターでは、ダヌンジャヤ・ラキレディらを含む研究者チームが、発作性の心房細動症状をもつ患者52人に安定した内科的治療のあと3か月のヨガをさせて観察した。ヨガの練習は、患者らに大変効果があり、心房細動が少なくなったか或いは起こらなかった。それに加え、ヨガは患者らは相対的に健康が促進、社会的機能、精神的健康、身体機能も向上した。それらは血圧と心拍数の低下にあらわれた。

(出典) http://drprem.com/wellness/yoga-helps-people-stabilize-and-normalize-heart-rhythms-study-reveals/

2017年4月10日月曜日

偏頭痛のためのヨガ 
Yoga for Migraines

今回は100回目の投稿です!
特に記念というわけでもなく(笑)、偏頭痛に長年悩まされてきた著者の、いろんな経験から得た偏頭痛を解消する方法の記事です。
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頭は、身体的にはそうでなくても、心理的には確かに身体の中心です。

(インドの神話や民話には、頭に関するアイデンティティにのなぞなぞのお話がたくさんあります。あるお話では、ある女性の兄と夫がどちらも女神への捧げものとして自分の頭を切ってしまいます。妻であり妹である取り乱した女性は、Mahadeviに彼らの命を戻すよう祈ります。女神はその祈りを聞き頭をくっつけるように言いますが、女性が急ぎすぎて頭を互い違いにしてしまいます。さて、どちらが夫でどちらが兄なのでしょう?夫の頭のひっついた身体が夫です。というのも「頭が身体の中で最も重要なもので、その他の部分は頭によって決まるから」です。)

頭には脳が収められており、それが中枢神経の核をなします。頭の痛みはその人全体に影響し、特にそれが偏頭痛からくると特別です。アンクルトムの小屋の著者ハリエット・ビーチャー・ストーは1871年にこう書いています。「リリーはひどい頭痛がして寝床につき、そのあと二日間も寝たままでした。そしてその間ずっと泣き悲しんだのです」

偏頭痛の特徴は鋭い痛みで、それはおそらく頭部血管の拡張に関係しています。症状は、目のかすみ、光や音に敏感になる、めまい、嘔吐などです。ストレス性の頭痛以外の偏頭痛は、大抵は片方に起こり2,3日続きます。

私は20代の初めに偏頭痛と診断されました。何年間も薬を処方されました。麦角由来のものは、あまり痛みに効かず嘔吐しました。他の薬も少しは効果がありましたが疲労感がありました。薬を飲んでも頭痛は3日続き、時にはそれよりも長くなり、20代半ばでハーバード神学校の大学院課程に居たときには、毎月二回は起こる様になっていました。いったん頭痛が起こると、リリーのように暗い部屋で目を覆って寝ることしかできず、それは学校での必勝法とは言えませんでした。

校内の医務室に行って何か臨床試験薬を受け取りました。次の頭痛が起きそうになった時それを飲むと、痛みがすぐに消えていきました。「これは何?処方箋が欲しい!」そう彼らに言いました。

「おや、まあ。あれはモルヒネ。モルヒネを処方することはできない。どうなるか見たかっただけだから」フィオリノール(少しは効いたけれどぼうっとした)の処方箋を書いた彼らは、ストレスを減らすようにアドバイスしました。

これはいいアドバイスでした。偏頭痛はストレスやホルモン変化が引き起こします。多くの女性は、生理の前や途中に偏頭痛を起こしやすいのです。一定の食べ物やアルコール、カフェインが偏頭痛を起こすという人もいます。ティモシー・マッコールの「Yoga As Medicine」では、ストレスと頭や首、背中の筋緊張が偏頭痛のトリガーである可能性があると言っています。頭痛のない時に背中に集中した練習を行うと治まるという人が多いです。

ストレスを減らすようアドバイスされてから、ある友人からアイアンガー・ヨガのクラスを受け始めたので一緒にやろうと誘われました。偏頭痛が起こる前の十代初めの頃は私もヨガをやっていました。もう何年も習慣的に行っていなかったので、それがどう効くのかわかりませんでいたが、なんでもやってみたかったので、ヨガをまた始めるのもいいと思ったのです。そうしてクラスに行きました。

最初のクラスは、忘れていた筋肉を思い出させてくれました。クラスの中で際立っていたのが、(私にとって)殿筋と梨状筋の強いストレッチのあるスプタ・パダングシュタサナIIIでした。それがどんなに気持ちよかったか今でも覚えています。(これと鳩のポーズは私の人生の友となりました。頭痛に効くだけでなく引き続きやる練習の一部として)クラスに出続けた私の頭痛は、あまり起こらなくなりひどくならなくなりました。しばらくすると、まだ3日間続いたものの市販の薬とヨガ、ライフスタイルで痛みに対処できるようになっていました。何年も経ったある日、頭痛が無くなっていることに気付きましたが、その期間もこの方法が役に立っていました。


頭痛を緩和する方法


1. 伸縮性のある包帯で頭を巻き、シャヴァサナで横たわる


まず、支えを作ります。ボルスターか丸めたブランケットを膝の下に置き、頭をブランケットかクッションで支えるといいでしょう。マットの上にブランケットを置くか、カーペットの床を使います。(私がよくやるように、ベッドの上で行うのもいいでしょう。またブランケットを被るのもいいですね)

座って、頭を巻いていきます。インドには、「静脈瘤包帯」という理想的な包帯がありますが、10センチ程度の幅の収縮する包帯なら何でもいいでしょう。包帯の端を顔の前に置いて巻き始めます。最終的にはいくらか締まるように少し伸ばしながら、でも目が締め付けられない程度にしましょう。包帯の端を耳の上に置き(私の場合は右利きなので左耳)、そこで止めておきます。目の前をかぶせるように(鼻の上でなく!)、けれど目に不快な圧がかからないように包帯を巻いていきます。耳の高さで包帯を巻きましょう。二周目になったら端を持っていた手を放しましょう。額の高さから頭骨の下端にかけて巻いていきます。両目、両耳、額、後頭部の上に包帯が無くなるまで巻き続けます。そして、端をたくし込みますが、寝転がった際にたくし込んだ端の上に頭が乗らないよう気を付けましょう。





さて、ボルスターか巻いたブランケットを両膝に下に、ブランケットやタオル、枕などの上に頭をのせて額が顎より少し高くなるようにします。この位置が、背中や首の筋肉を弛緩させ、包帯が頭の鬱血した血管に心地よい圧を与えてくれます。私の場合、頭痛がひどくならないうちにこの位置で寝れれば、起きた時には頭痛はかなりましになっているが治っていることが多いです。





2. 両手を暖める

お湯の入ったボトルや温めたアイピローを両手で握りましょう。あるいは、気分が悪くてそんな気になれない時は、ただ手のひらが暖まる感じをイメージします。温かい心地の良い液体の入った滑らかで温かいカップを手にした時の感覚を思い出しましょう。その温かみが手のひらを通って両手に、そして次第に腕、肩へと移動させましょう。この簡単なエクササイズで、腕や肩をリラックスさせることができ、心地よい感覚を感じ、痛みに関係する緊張を解いてくれるようです。足も温かくなるイメージをするといいでしょう。が、私は手が緊張しやすいので、手を使ったエクササイズが効果的なのです。

この二つのヨガを基にしたリラクゼーションのテクニックは、今ある頭痛の痛みをかなり軽減してくれるでしょう。しかし、ヨガスートラはこう言っています。「Heyam dukham anagatam」まだ来ていない痛みは避けることができる、と。これから起こりうる偏頭痛の痛みを回避するための方法をいくつかあげてみます。

‌• ヨギニであり偏頭痛仲間の友人べスは、頭痛が起きそうだと感じた時に穏やかなカパラバティ呼吸をすれば、頭痛が収まると断言しています。

‌• 痛みが起こる状況を理解し、頭痛が始まる微細なサインを覚えましょう。痛みにつながる全てをやめます。周りの人への迷惑はあまり気にしすぎないで、まずセルフケアをしましょう。おそらく、あなたは行動しすぎていたり、同時に多くのことをしすぎていたり、、熱すぎたり寒すぎたり、話しすぎたり社交しすぎたりしているのでしょう。アーユルヴェーダにおける自分の体質を知り、それに合った健康的な食事やライフスタイルをしましょう。そして、カパ体質の人が気持ちいい刺激だと思うものがヴァータ体質にはひどい頭痛を引き起こす可能性もあることを覚えておきましょう。

‌• 充分な休息をとりましょう。偏頭痛発作が来そうにないと思っても、身体的に奔走しないで。アクティブなアサナを、リストラティブなものに変えましょう。壁に両脚を挙げたり、支えのある仰向けの合蹟のポーズ、椅子を使った肩立ち、頭に支えのある前屈など、支えのあるポーズをしましょう。頭を巻いてこうしたポーズを行うのもいいです。

‌• カフェインの摂りすぎに気を付け、水分を多く摂りましょう。

‌• 瞑想の練習をしましょう。痛みではなく自分で選択した対象へと注意を向ける方法を知りましょう。

‌• 痛みとうまくやるため努力しましょう。偏頭痛はあなたの敵ではありません。何かがバランスを崩していたり、何かが気付いてほしい時に出されるサインなのです。偏頭痛を治そうとして強い薬に頼ることで締め切りは守れるかもしれませんが、生活の中のストレスは減りませんし、長期間の症状は治まりません。あなたの身体はとても賢いのです。身体は完全でバランスが取れた状態にいたいのです。偏頭痛のような慢性の病気はおそらく、身体が必要としているものを教えようとしているのかもしれません。



私は医務室でモルヒネをもらえなかったことに、控えめに言えば、がっかりしましたが、今は感謝しています。もしもらっていたら、痛みを抑えるのに使ってしまってヨガに戻るまでもっと時間がかかったでしょう。ヨガは、身体を心を思いやりをもって客観的に観察することを教えてくれました。私のエネルギーを身体の自然治癒力に委ねること、そして自分をそんなに追い込まないことを教えてくれました。ゆっくりと時間をかけて、習慣的なリストラティブヨガやプラナヤマの練習によって、私の慢性偏頭痛は消えました。



(出典) https://yogainternational.com/article/view/yoga-for-migraines

2017年4月5日水曜日

セツバンダーサナのお話
The Mythology Behind Setubandhasana (Bridge Pose)

セツバンダーサナ、またはブリッジ・ポーズと呼ばれているアサナ、
ヨガをされている方なら、結構、頻繁に行うことが多いのではないでしょうか?
今回は、このアサナに関する神話など深く掘り下げた記事です。
今度このアサナをするときは、少し違った風に感じるかもしれませんね。
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「神の名を絶え間なく繰り返すこと(ジャパ、スマラナ)は、死すべき運命のサムサラ(訳註:輪廻)、この世の存在の海を渡るためのやさしい方法である」
ースワミ・シヴァナンダ


インドの偉大な叙事詩であるラーマーヤナでは、女王シーターが魔王ラーヴァナにさらわれ遠く離れたランカ島に閉じ込められます。猿のスーパーヒーローであるハヌマーンは、そのスーパーパワーで海を跳び越え、シーターに助けがすぐ行くと伝えます。しかし、彼独りではランカを制圧はできないし、誰も彼のようには跳べないので、ラーマ王と動物たちの軍はシーターを助けるために橋を造らなければなりませんでした。

「石を持ってこい!」ラーマが命令し、熊や猿たちは海岸の周りにある丘から巨大な岩を引き抜いては寄せる波の中へと投げ込みました。しかし岩は浮かずに沈みます。造ろうとしていた橋が波に消えていくのを見ている動物たちの気持ちもまた沈んでいきました。

さて、熊や猿のラーマ軍のリーダーはハヌマーンでした。そして、ハヌマーンにとってラーマは究極の王様だったのです。ハヌマーンはラーマのことをあまりにも愛していたため、あっちにもこっちにも彼の名前を何度も何度も書いていました。あるとき、ハヌマーンが胸を開いたら、心臓に書かれた「ラーマ」の文字がはっきりと見えたといいます。動物たちとともに途方に暮れ、失望してランカ島を見つめながら海岸で立っている時、ハヌマーンはいつものように「ラーマ、ラーマ」と砂や岩の上に指で書いたのです。この癖が素晴らしい発見につながりました。海岸の石に「ラーマ」と書いたら、石が浮かんだのです。その美しい名前の力によって、そしてハヌマーン自身の愛と信頼によって浮かんだのでした。みなも慌てて石を集めて「ラーマ」と書き始めました。あっという間に、全軍が渡るのに十分広く強い土手道が、インドの最南端からランカ島へ海を越えて伸びていきました。今日でも、インドのタミル・ナドゥの南東端とスリランカの北海岸を分かつ海はセツサムドラム「橋の海」と呼ばれています。そして、ラーマセツと呼ばれるサンゴ礁でできた橋が二つの海岸を繋いでいるのです。




ポーズ


このポーズには様々なヴァリエーションがあり、動的なものもあれば、もっとゆったりとしたものもあります。どちらも穏やかな後屈であり逆転のポーズです。後屈としての力強さを強調するか逆転としての鎮静効果を使うかは、どのように、またはシークエンスのどこで行うかが鍵となります。

両腕を身体の脇にして上向きに寝ます。足の内側を平行にし、両かかとが座骨に並ぶように両膝を立て足裏をマットにつけます。脛は垂直にしましょう。両足の四隅(親指と小指の付け根、踵の内側と外側)を押します。マットの端をつかんで、両方の肩甲骨を引き寄せながら胸骨を持ち上げます。首の後ろと床の間に空間が残るように気を付けましょう。

マットをつかんだまま、骨盤を持ち上げましょう。仙骨の中心を天井に向かって上げ、尾骨を両膝に伸ばします。胸骨を顔に近づけます。(もしこれで首の後ろが床についてしまったら、顎を少しだけ胸から遠ざけ、しばらく後頭部をマットに押し付けます。頸椎が持ち上がって首の自然な湾曲が維持されるはずです)胸を持ち上げたまま、首の後ろのスペースを保ったまま、マットを離して小指側を床に向けて手を組みます。肩の上から手首の外側にかけて、両腕を床に押し付けます。ひもに通したビーズのように、骨盤を両膝に向かってそして胸を頭の方へスライドするように、背骨を長くします。

静かに呼吸しましょう。脛が垂直のまま保てるなら、かかとか足首を掴みましょう。足首の前をつかむ(あるいはストラップを使って)のは、チャトシュパダサナ(四つ足のポーズ)と呼ばれるバリエーションです。肩甲骨を深く身体の内側に引き寄せ、仙骨をもっと持ち上げましょう。体重を「肩の足」の間でバランスよくかけ、まるでもうふたつ足があるかのように両肩の上端の上に「立ち」ましょう。吐きながら、手を解放して床に骨盤を下ろします。1,2呼吸したら、手を組み替えて繰り返します。





ポーズをホールドする間、身体の2か所の大きな曲線に注目しましょう。尾骨から頭への長い曲線、そして胸の前の曲線です。鎖骨を羽根のように広げ、胸骨を持ち上げて広げましょう。力強く、胸の中心を身体の一番高い位置まで持ち上げます。胸の中心に呼吸を淹れましょう。最後に、吐きながら下りてきます。




考察


悲しみや落胆、怒りで胸が石のように重く感じた時を思い出してみましょう。それを解消するのに何が役立ちましたか?胸を持ち上げて開き、静かな呼吸をしてこのポーズをとりながら思い出してみましょう。胸に刻まれたどんな名前やシンボルが、胸を軽く浮き上がるほど強くしてくれますか?ハヌマーンにとって、ラーマの名前が強力だったのです。それが、ラーマが愛するシーターと再会するための橋を造らせたのです。何があなたを変えたでしょう?あなたのマントラ、強い考えは何でしょう?あなた自身の分かたれた部分とつながるために何が必要なのでしょう?

スワミ・ラーマはこう書いています。
「世界に存在する教え全ては、妄想の沼地を越え人生のもうひとつの岸にたどり着くための橋として、マントラと呼ばれる音節や音、単語や言葉を使う。セツのマントラは、瞑想者に内側の一点に心を集中させ、最終的に意識の中心へ、平安と幸福、至福が存在する不変の静寂の奥地へと導く」

マハトマ・ガンジーにとって、「ラーマ」は名前であり、音であり、彼自身とインドの解放のための彼の努力を支えるものでした。誰もが知っている通り、彼はその名を口に亡くなりました。解放への葛藤は個々人の人生で続いていて、だから私たちはヨガを実践するのです。今日、セツバンダーサナを練習し、頭と心で「ラーマ」と言い、何が起こりましたか?

私の最初の先生であったスリ・ブラフマナンダ・サラスワティは、ラーマーヤナは寓喩と呼びました。シーターは精神を意味し、ラーマは魂、そしてラーヴァナはエゴであると。エゴが精神を乗っ取った時、精神と魂が分かれてしまう。練習を通して、それをもとに戻すため橋を造らなければならない。

シーターを助けた軍は、ラーマへの忠誠と献身に導かれた直感的な動物たちで構成されています。聖なる源につながる直感的な智慧にあなたの身体は共鳴していますか?このお話では、追放された知性が、動物たちによって表現された身体、そしてハヌマーンで表された呼吸の働きを通して救出されます。(ハヌマーンの父はヴァ―ユ(風)なのでプラナヤマの守護神なのです)

あなたとあなたの努力を結び付けてくれるのは、どんな力やシンボルでしょう?中毒性のあるエゴによる行動によって盗まれ捉えられたあなたの一部である知性を、区別できるでしょうか?

足から頭まで、身体全体を通る呼吸を感じましょう。身体、心、精神すべてに流れる生命エネルギーを感じましょう。呼吸とともにあなたのマントラを身体中に伝え、私たちがヨガと呼んでいる内面の結合へとつなぎましょう。


(出典)https://yogainternational.com/article/view/the-mythology-behind-setubandhasana-bridge-pose

2017年4月3日月曜日

足のマッサージでエネルギーを
Stimulate Your Energy With Foot Massage

リフレクソロジーや中国の足裏マッサージなど、
足のマッサージの効果は良く知られています。
アーユルヴェーダの簡単なマッサージの方法を書いた記事があったので掲載します。
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アーユルヴェーダのマッサージでは一般的に、ドーシャ(体質)のバランスを取るためにブレンドしたハーブオイルや温かいセサミオイルを使います。足のマッサージは、自分でもできますし、パートナーと楽しむのもよいでしょう。

アーユルヴェーダの足マッサージは、筋肉の深部までは行いません。身体のマルマやナディ(ツボ)の微細なエネルギーを刺激するのが目的です。右足から始め、同じように左足にも行いましょう。

アーユルヴェーダ足マッサージ 5ステップ

  1. 土踏まずの中心にある点から始ましょう。手の親指を使ってマッサージします。心臓に効きます。
  2. 手の親指を使って、足の親指の腹の中心にある点をマッサージします。ここはホルモン分泌が整えられます。
  3. 親指から他の指の腹をマッサージします。そして、各指の周りを優しく引っ張りながらマッサージしましょう。各指はそれぞれ、脳、肺、腸、腎臓、心臓など主な内臓に対応しています。
  4. つぎに、足の表に移りましょう。両手の親指を使って、足の親指と人差し指の間をマッサージします。足首までマッサージして、骨を感じるところまで行います。
  5. 両手で足をもって、つま先から足首まで上に向かってマッサージしましょう。