特に記念というわけでもなく(笑)、偏頭痛に長年悩まされてきた著者の、いろんな経験から得た偏頭痛を解消する方法の記事です。
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頭は、身体的にはそうでなくても、心理的には確かに身体の中心です。
(インドの神話や民話には、頭に関するアイデンティティにのなぞなぞのお話がたくさんあります。あるお話では、ある女性の兄と夫がどちらも女神への捧げものとして自分の頭を切ってしまいます。妻であり妹である取り乱した女性は、Mahadeviに彼らの命を戻すよう祈ります。女神はその祈りを聞き頭をくっつけるように言いますが、女性が急ぎすぎて頭を互い違いにしてしまいます。さて、どちらが夫でどちらが兄なのでしょう?夫の頭のひっついた身体が夫です。というのも「頭が身体の中で最も重要なもので、その他の部分は頭によって決まるから」です。)
頭には脳が収められており、それが中枢神経の核をなします。頭の痛みはその人全体に影響し、特にそれが偏頭痛からくると特別です。アンクルトムの小屋の著者ハリエット・ビーチャー・ストーは1871年にこう書いています。「リリーはひどい頭痛がして寝床につき、そのあと二日間も寝たままでした。そしてその間ずっと泣き悲しんだのです」
偏頭痛の特徴は鋭い痛みで、それはおそらく頭部血管の拡張に関係しています。症状は、目のかすみ、光や音に敏感になる、めまい、嘔吐などです。ストレス性の頭痛以外の偏頭痛は、大抵は片方に起こり2,3日続きます。
私は20代の初めに偏頭痛と診断されました。何年間も薬を処方されました。麦角由来のものは、あまり痛みに効かず嘔吐しました。他の薬も少しは効果がありましたが疲労感がありました。薬を飲んでも頭痛は3日続き、時にはそれよりも長くなり、20代半ばでハーバード神学校の大学院課程に居たときには、毎月二回は起こる様になっていました。いったん頭痛が起こると、リリーのように暗い部屋で目を覆って寝ることしかできず、それは学校での必勝法とは言えませんでした。
校内の医務室に行って何か臨床試験薬を受け取りました。次の頭痛が起きそうになった時それを飲むと、痛みがすぐに消えていきました。「これは何?処方箋が欲しい!」そう彼らに言いました。
「おや、まあ。あれはモルヒネ。モルヒネを処方することはできない。どうなるか見たかっただけだから」フィオリノール(少しは効いたけれどぼうっとした)の処方箋を書いた彼らは、ストレスを減らすようにアドバイスしました。
これはいいアドバイスでした。偏頭痛はストレスやホルモン変化が引き起こします。多くの女性は、生理の前や途中に偏頭痛を起こしやすいのです。一定の食べ物やアルコール、カフェインが偏頭痛を起こすという人もいます。ティモシー・マッコールの「Yoga As Medicine」では、ストレスと頭や首、背中の筋緊張が偏頭痛のトリガーである可能性があると言っています。頭痛のない時に背中に集中した練習を行うと治まるという人が多いです。
ストレスを減らすようアドバイスされてから、ある友人からアイアンガー・ヨガのクラスを受け始めたので一緒にやろうと誘われました。偏頭痛が起こる前の十代初めの頃は私もヨガをやっていました。もう何年も習慣的に行っていなかったので、それがどう効くのかわかりませんでいたが、なんでもやってみたかったので、ヨガをまた始めるのもいいと思ったのです。そうしてクラスに行きました。
最初のクラスは、忘れていた筋肉を思い出させてくれました。クラスの中で際立っていたのが、(私にとって)殿筋と梨状筋の強いストレッチのあるスプタ・パダングシュタサナIIIでした。それがどんなに気持ちよかったか今でも覚えています。(これと鳩のポーズは私の人生の友となりました。頭痛に効くだけでなく引き続きやる練習の一部として)クラスに出続けた私の頭痛は、あまり起こらなくなりひどくならなくなりました。しばらくすると、まだ3日間続いたものの市販の薬とヨガ、ライフスタイルで痛みに対処できるようになっていました。何年も経ったある日、頭痛が無くなっていることに気付きましたが、その期間もこの方法が役に立っていました。
頭痛を緩和する方法
1. 伸縮性のある包帯で頭を巻き、シャヴァサナで横たわる
まず、支えを作ります。ボルスターか丸めたブランケットを膝の下に置き、頭をブランケットかクッションで支えるといいでしょう。マットの上にブランケットを置くか、カーペットの床を使います。(私がよくやるように、ベッドの上で行うのもいいでしょう。またブランケットを被るのもいいですね)
座って、頭を巻いていきます。インドには、「静脈瘤包帯」という理想的な包帯がありますが、10センチ程度の幅の収縮する包帯なら何でもいいでしょう。包帯の端を顔の前に置いて巻き始めます。最終的にはいくらか締まるように少し伸ばしながら、でも目が締め付けられない程度にしましょう。包帯の端を耳の上に置き(私の場合は右利きなので左耳)、そこで止めておきます。目の前をかぶせるように(鼻の上でなく!)、けれど目に不快な圧がかからないように包帯を巻いていきます。耳の高さで包帯を巻きましょう。二周目になったら端を持っていた手を放しましょう。額の高さから頭骨の下端にかけて巻いていきます。両目、両耳、額、後頭部の上に包帯が無くなるまで巻き続けます。そして、端をたくし込みますが、寝転がった際にたくし込んだ端の上に頭が乗らないよう気を付けましょう。
さて、ボルスターか巻いたブランケットを両膝に下に、ブランケットやタオル、枕などの上に頭をのせて額が顎より少し高くなるようにします。この位置が、背中や首の筋肉を弛緩させ、包帯が頭の鬱血した血管に心地よい圧を与えてくれます。私の場合、頭痛がひどくならないうちにこの位置で寝れれば、起きた時には頭痛はかなりましになっているが治っていることが多いです。
この二つのヨガを基にしたリラクゼーションのテクニックは、今ある頭痛の痛みをかなり軽減してくれるでしょう。しかし、ヨガスートラはこう言っています。「Heyam dukham anagatam」まだ来ていない痛みは避けることができる、と。これから起こりうる偏頭痛の痛みを回避するための方法をいくつかあげてみます。
• ヨギニであり偏頭痛仲間の友人べスは、頭痛が起きそうだと感じた時に穏やかなカパラバティ呼吸をすれば、頭痛が収まると断言しています。
• 痛みが起こる状況を理解し、頭痛が始まる微細なサインを覚えましょう。痛みにつながる全てをやめます。周りの人への迷惑はあまり気にしすぎないで、まずセルフケアをしましょう。おそらく、あなたは行動しすぎていたり、同時に多くのことをしすぎていたり、、熱すぎたり寒すぎたり、話しすぎたり社交しすぎたりしているのでしょう。アーユルヴェーダにおける自分の体質を知り、それに合った健康的な食事やライフスタイルをしましょう。そして、カパ体質の人が気持ちいい刺激だと思うものがヴァータ体質にはひどい頭痛を引き起こす可能性もあることを覚えておきましょう。
• 充分な休息をとりましょう。偏頭痛発作が来そうにないと思っても、身体的に奔走しないで。アクティブなアサナを、リストラティブなものに変えましょう。壁に両脚を挙げたり、支えのある仰向けの合蹟のポーズ、椅子を使った肩立ち、頭に支えのある前屈など、支えのあるポーズをしましょう。頭を巻いてこうしたポーズを行うのもいいです。
• カフェインの摂りすぎに気を付け、水分を多く摂りましょう。
• 瞑想の練習をしましょう。痛みではなく自分で選択した対象へと注意を向ける方法を知りましょう。
• 痛みとうまくやるため努力しましょう。偏頭痛はあなたの敵ではありません。何かがバランスを崩していたり、何かが気付いてほしい時に出されるサインなのです。偏頭痛を治そうとして強い薬に頼ることで締め切りは守れるかもしれませんが、生活の中のストレスは減りませんし、長期間の症状は治まりません。あなたの身体はとても賢いのです。身体は完全でバランスが取れた状態にいたいのです。偏頭痛のような慢性の病気はおそらく、身体が必要としているものを教えようとしているのかもしれません。
私は医務室でモルヒネをもらえなかったことに、控えめに言えば、がっかりしましたが、今は感謝しています。もしもらっていたら、痛みを抑えるのに使ってしまってヨガに戻るまでもっと時間がかかったでしょう。ヨガは、身体を心を思いやりをもって客観的に観察することを教えてくれました。私のエネルギーを身体の自然治癒力に委ねること、そして自分をそんなに追い込まないことを教えてくれました。ゆっくりと時間をかけて、習慣的なリストラティブヨガやプラナヤマの練習によって、私の慢性偏頭痛は消えました。
(出典) https://yogainternational.com/article/view/yoga-for-migraines
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