今回の記事では、呼吸法のアーユルヴェーダ的な効果、精神的な効果、そしてそれをもっと効果的にするためのマントラ(声)について書かれています。
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ヨガの呼吸法、プラナヤマは身体のドーシャ(性質)に影響します。ヴァータのガス、ピッタの胆汁、カパの痰です。
プラナヤマはまた、以下の4段階の精神に特定の影響を与えます。
- チッタ:無意識の精神、心の素質
- ブッディ:知性。精神の代謝(マナシカグニ)を調整 .
- マナス:心の感情面
- アハムカラ:エゴ, ラジャスの力 (扇動、動機)
様々なマントラがどのように働くか理解するのに役立ちます。そして日常のエネルギーにどのように関連するかについて。こうした知識は、生物学的性質であるドーシャに影響を与える呼吸法を行うための指針となります。
I. チャンドラ(月の)・ベーダナ(左鼻孔呼吸)
これを行うには、右手の親指で右鼻孔を閉じ、右手の薬指で左鼻孔を軽く触れておきます。左鼻孔からゆっくりと息を吸ったあと、薬指で左鼻孔を閉じで右鼻腔から息を吐きます。ゆっくりこれを繰り返します。
やりすぎると、身体のスロータス(経絡)を詰まらせ、知性であるブッディの火を吹き消してしまいます。感情(マナス)のバランスを取り戻し、特に原動力となるラジャスティック(動機や落ち着かない)状態を落ち着かせます。しかし、エゴであるアハムカラの妄想的でタマシックな状態を悪化させる可能性があります。また感情のマナスをかき乱すこともあります。全体的に、以下のような激しく動き続ける状態を落ち着かせるのに役立ちます。
- 不安
- 不眠
- ストレス
- 怒り
このタイプの呼吸は身体を冷やしピッタ(熱、胆汁)を減らしますが、適したマントラは「シュリム(Śrīṁ)」または「ソム(Soṃ)」です。夏など暑い時期の月曜日にこうしたマントラを「オーム ソム ソマヤ ナマハ(Oṃ Soṃ Somāya Namaḥ!)」とともに唱えると、身体をもっと冷やし至福(ソーマ)の火を目覚めさせ、身体のカパ(痰)の火を増やして組織を養います。
これらマントラは、左鼻孔からの吸気で行えます。生命力であるオージャスの火を目覚めさせるため、「クリム(Klīṁ)」または「エイム クリム ソウハ( Aiṁ Klīṁ Sauḥ! )」を同じように唱えると、熱くて乾いた気候や環境でオージャスを乾ききらせてしまうヴァータを助けます。このプラナヤマは、安定性や体力、生命力に欠ける弱いヴァータタイプの人に効果的なのです。
心のクローダ(怒り)を減らすための素晴らしいプラナヤマであり、過剰な欲動やラーガ(熱情)があるときに効果的です。
II. スリヤ(太陽の)・ベーダナ(右鼻孔呼吸)
やりすぎると、動きのある攻撃的なラジャシックな性質を刺激しすぎてしまい、ブッディ(知性)、マナス(感情)、アハムカラ(エゴ)の火を燃やします。しかし、適切に使えば、純粋はブッディを目覚めさせ、無意識のレベルであるチッタを明確にし、タマシック(暗く鈍い、妄想的)な状態を取り除きます。精神的なアーマ(毒)をその熱で燃やすように、過去のネガティブな心の感情などをラジャシックな動きを投資て取り除くのです。
鈍く内向的、遅く落ち込んでいる時、または心の理解に欠けているときなど、知性の火を刺激し心が動き始めるのを助けてくれます。このタイプの呼吸は身体を温めて、秋など(チャンドラ・ベーダナでバランスが取れる)ヴァータ(風、痙攣、寒さ、固さ、エネルギーの欠如)を減らすため、またはカパ(鬱血、鈍さ、落ち込み、無気力)を減らすため、「フリム( Hrīṃ)」、「ハム(Huṃ )」、「ハウム(Hauṃ)」のマントラがよいでしょう。
冬など寒い時期の火曜日や日曜日にこれらのマントラを、「オーム フリム スリヤヤ ナハマ(Om Hrīṃ Sūryāya Namaḥ! )」と唱えると、太陽の火を呼び起こし身体をもっと温め(ピッタを増やす行動によって)、肺の過剰な痰を取り除きます。こうしたマントラは右鼻孔からの一息で唱えることもできます。
このプラナヤマは、心象であるヴァサナスの瞑想に適しており、熱や火(アグニ)とともに燃や上がるのです。
III. ウッジャイ・プラナヤマ(吸気時の喉の筋肉収縮による音を出して行う)
これは、精神のすべてのレベルに効果があり、感情であるマナス、特にエゴであるアハムカラのタマシックな暗い状態を解消するのに役立ちます。マナスのラジャシックで過剰な火を鎮静させ、精神の代謝といえる知性のブッディの火のサトヴィックで純粋な働きを覚醒させます。シッダ―サナ(成就者の座)やシャヴァーサナ(屍のポーズ)で行うとよいでしょう。
「フリム(Hrīṃ)」「ハム(Hūṃ)」などの熱を起こす特別なマントラを使って、特に冬など寒い季節に悪化する喉の痰を取り除きます。
粘液が多い時は「クリム(Krīṃ)」の乾燥させる性質を使い、ヴァータタイプのように乾いた喉には「シュリム(Śrīṃ )」か「クリム(Klīṃ)」を使って喉を潤わせ喉の乾いて岩がれた音を解消します。この火は問題を起こすほど強いものにはないと理解しておいてください。
このプラナヤマは、日常において混乱や動揺が多い時に静けさを取り戻すのに便利です。
ヴァータや心身の不穏には、ここでもまたゆっくりした呼吸がよいでしょう。
(出典) https://www.theayurvedaexperience.com/blog/three-pranayamas-ayurvedic-psychological-effects/
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