ヨガポーズで臀筋群を活性化する
ただ裸足で歩くというだけで、臀筋の最善で最も効果的なエクササイズのひとつとなり、ヨガの練習は裸足での運動の効果を拡大し大幅に増加させてくれます。臀筋群は、両脚に荷重がかかっている時に本領を発揮するので、臀筋のためのヨガは主に立位やバランスのポーズとなります(臀筋は後屈ポーズでも重要な役割を持ちます)。
ウトゥカタサナは、大抵は大腿四頭筋を燃焼するポーズだと考えられていますが、臀筋にも効果的で、このポーズを練習することで上記にあるような相互収縮などを体験することができます。ウトゥカタサナは、全体的にスクワットより膝に優しいのですが、大腿四頭筋や臀筋の強化にも効果的です。ウトゥカタサナ(椅子のポーズ)
ポーズに入るには、ウッターナサナ(立位の前屈)で前屈します。足の親指同士をつけ、内踵を少しだけ離しておきます。両膝を深く曲げ、膝の内側をくっつけ、同時に両腕を前に伸ばして、古いスタイルでプールに飛び込むかのように手のひら同士をつけましょう。
足先を少し持ち上げて、体重が踵に移動するようにしましょう。四頭筋の中心がより強く働くのを感じるでしょう。膝頭に向かって疲れを感じないようにしましょう。より深く曲げるためには、内腿の上部を床に向かっておろします。
踵の中心を床に押し、臀筋が使われて腰がウエストラインから下方へ伸びるのを感じるまで、坐骨を踵に向かって引きましょう。臀筋群が働くと、内腿が硬くなるのを感じるでしょう(でも詰まりを感じてはいけません。もしそうなら、もう一度下方へおろしましょう)。四頭筋の中心もより強く働くはずです。両肩を後ろへ引き腕を頭上に挙げて完全なポーズに入りましょう。
このアライメントは全ての立位ポーズで確認することができます。どの場合も、体重を踵のより中心に移動しつま先の掴む力を緩めることで、臀筋や腿、腰の動きを感じるでしょう。臀筋にかかる効果がより大きくなるのは、特にアルダ・チャンドラサナ(半月のポーズ)などのバランスポーズです。
アルダチャンドラサナ(半月のポーズ)
このポーズは、あまり人気のあるポーズではありませんが、それはバランスを取るのが難しく、また軸足側の股関節に詰まりや不快を感じることが多いからです。股関節を安定させ、腰を伸ばし、ハムストリングスの付着部を保護するために臀筋が十分使われていないと、こうした問題が現れます。膝がロックされていたり腰が反りすぎていると気づいたら、アルダ・チャンドラサナで3つ全ての臀筋を活性化することに注目しましょう。
このポーズに入るには、左側のトリコナサナ(三角形のポーズ)から始めましょう。左膝を曲げて体重を前方の左足に移動し、右足を後方へスライドします。左膝を曲げたまま、床と平行になるまで右脚を持ち上げましょう。軸足を伸ばして膝をロックしたくなるのを我慢しましょう。その代わりに、左膝を曲げた状態でつま先をやや持ち上げ、体重を踵の中心、後方へ移動します。バランスを取るためにつま先を使っても構いませんが、ふくらはぎとハムストリングスを堅めるだけなので、つま先で床を掴まないでください。踵の中心で地面を押し、左脚をゆっくりと伸ばしながら腿、腰、臀筋の反応を感じましょう。坐骨周りの筋肉が硬くなって坐骨を踵に向かって下げ、四頭筋に力が入って腰へとエネルギーを引き上げます。腿そのものは、膝が足の中央に並んだ状態を保ち股関節の詰まりを防ぐために十分な幅で外旋するでしょう。ポーズを反対側で繰り返します。
最初は、特に膝をロックし膝頭が内側へ回転してしまうと、ポーズの中でバランスを崩すかもしれません。しかし、過伸展による大腿骨の内旋が癖になると、間違いなく股関節の痛みに繋がりポーズも不安定になることを覚えていてください。この新しい外旋を促進するため、母指球と内踵を地面にしっかりと付けたまま臀筋を働かせ、そして脚を真っ直ぐに伸ばしましょう。ポーズが軽く感じるようになり、土踏まずが強く、そして股関節が沈見込んだり詰まったりしなくなるはずです。
アルダ・チャンドラサナでは、実際に層になった臀筋群をさまざまな面で使うので、「全ての臀筋」のバランスをとるポーズになります。挙げた脚が適切に支持されれば、これは腰の痛みや疲労に悩む妊婦にも良いポーズです。腰の長さと臀筋が胸腰筋膜を引っ張っているという感覚は、赤ん坊という追加の重みを抱えていることから来る腰のストレスを緩和することができます。それ以上に、筋膜に対する大臀筋の引きが、腱が特に動きやすい妊娠の時期に仙骨を安定させることにも役立ちます。
- アルダ・チャンドラサナは、臀筋群の全ての層を運動させることができる
- 大臀筋は脚を挙げ、それを高く保つために腿を外転させる。また、股関節を開いてバランスを保つためにちょうど良い幅に軸脚の腿を外旋させる中心的な役割を担っており、それが腰の筋膜を伸ばして仙骨を安定させる。
- 中臀筋は、軸足の股関節を安定させる中心的な役割を担い、大臀筋とともに挙げた脚の股関節の前を長く伸ばす。中臀筋は、軸足の股関節で最も働き、ポーズに安定を軽さを与える。
- 小臀筋は最も深い層であり、股関節を覆い大腿骨頭の全面に付着している。軸足の股関節を曲げて腿を外旋させ、股関節で感じやすい詰まりを防ぐのを助けている。
踵の中心で地面に根付き、臀筋群を働かせれば、アルダ・チャンドラサナのようなバランス・ポーズはアライメントが整った姿勢を促進します。そして臀筋だけでなく体全体で感じられる多くの恩恵を受けることができるのです。
(出典)https://yogainternational.com/article/view/recruit-the-glutes