2021年5月31日月曜日

チャールズ皇太子 Covidからの回復者にヨガを推奨 
Prince Charles advises people recovering from Covid to practise yoga


今回は、2021年5月28日のガーディアン紙の記事からです。
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チャールズ皇太子が、コロナウィルス罹患後の健康回復に悩む人々に、ヨガを実践するべきだと勧めた。


バーチャルの yoga and healthcare symposium Wellness After Covid (Covid後の健康に関するヨガと医療のシンポジウム)への金曜日の発言で、王位継承者が、Covid後の「希望と治療のロードマップとを築くため」医師たちは「代替医療専門家」とともに取り組むべきだと発言した。



「このパンデミックは、予防と回復力の重要性、そして社会の一部としての人間全体の健康と幸福へのアプローチの必要性を際立たせ、それは単に症状に焦点をあてるものではない」とチャールズ皇太子は述べた。


「そのアプローチの一環として、治癒的で、エビデンス情報に基づいたヨガが、健康と治癒に貢献する可能性がある。その性質から、ヨガはストレスを管理し、回復力を高め、治癒を促すことのできる誰もが行える実践である」


皇太子は、「長期間Covidが与え続けている心の激しい苦痛や身体の困難に悩む人々を救おう」という目標を掲げるシンポジウム参加者らに述べた。


また、「共通する関心に共に取り組めば、お互いのアイデアと、おそらくは希望と治癒へのロードマップを築くことができるだろう」とも加えた。


Yoga In Healthcare Alliance と Give Back Yoga Foundation に共同開催されたこのイベントへの参加者に、皇太子は昨年3月の自身の感染の危険に触れ、「私は非常に軽く済んだようだが・・、残念ながら、英国でも世界でも何百万人の人がそうでなない」と述べた。


「見えない危機:世界のパンデミックによるメンタルヘルスへの影響とヨガがどのように役立つかについて」と題されたイベントで講義したが、Royal College of Psychiatristsの医師、エイドリアン・ジェームス博士は、ヨガやグループでのガーデニング、アートクラスなどの活動やトレーニングコースは、患者の心身の健康を向上させると述べた。


「国内で、そうしたサービスが均等に受けられること、そうした社会的な処方(医療ではない活動の意)が、プライマリーケアだけでなく、コミュニティや精神医療の入院施設でも行われることが重要だ」彼はそうガーディアンに語った。


ジェームス氏はまたこう付け加えた。「社会的処方は、現存の治療を補完するために使用されており、対話治療や医療介入の代替というわけではない」


以前からヨガの効果に言及していた皇太子は、ロイヤルファミリーのなかでたった一人のファンというわけではない。夫人であるコーンウォール公爵夫人は「硬さがなくなった」「しなやかになった」など言及しており、ウィリアム皇子もヨガっぽいポーズをしているところを撮られたりしている。


2019年、チャールズ皇太子は、ヨガは「心身ともに効果があると証明されている」と述べ、「自己鍛錬、自立心、セルフケア」を築くのに役立つ「すばらしい社会的効果」があると伝えている。









(出典)https://www.theguardian.com/uk-news/2021/may/28/prince-charles-advises-people-recovering-from-covid-to-practise-yoga



2021年5月24日月曜日

ヨガの怪我を防ぐ7つの方法 
7 Ways to Prevent Yoga Injuries

何年か前に、ヨガで怪我をする人が多く指導者もまた怪我で困っているというようなことがメディアで報道されたことがありますが、体を動かすという性質上、怪我をする可能性が全くないということはありません。また、クラスで起こる怪我の原因が、普段の生活の癖の積み重ねということも少なくないでしょう。それでもやはり、ヨガをしていて怪我をすることはできるだけ防ぐべきことだと思います。今日の記事はそのヒントです。

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ヨガが心の平穏、そして多くの体とストレス関連の病気の緩和をもたらすということはよく知られている。しかし現実には、怪我に導くこともあり得る。アメリカ消費者製品安全委員会の2007年のレポートによれば、ヨガ関連の怪我での通院と緊急治療室への搬送は5500件に上った。比較的経験の少ないヨガ指導者数が増えていることが一因ではあるが、生徒もまたその責任の一端を担っている。


あなたの先生の仕事は、あなたの安全を保ちながら生徒ひとりひとりのレベルに適したクラスを教えること。しかし、あなたの仕事は、自分の体のニーズを聞きその範囲内で動くことのできるクラスを選択することだ。


肩、手首、ハムストリングス、腰、膝、そして仙腸関節が、ヨガの怪我で最も多い箇所であると、サンフランシスコのベイエリアでヨガとピラティスのインストラクターをしているエリザベス・ラーカムは言う。では、怪我をしないでいる方法のいくつかを提案しよう。



1. 肩

[問題]

肩が前に巻いていると、両腕を頭の上に真っ直ぐ挙げられず、胸筋は固まり上背の筋肉(菱形筋)が弱まる。そしてヨガのヴィンヤサの腕立てやアームバランスでは肩の鍵に炎症を起こしてしまう。

[解決法]

菱形筋を強化するため、両腕を体の横に置いてマットにうつ伏せで横たわろう。上体と腕を持ち上げ、両腕と両肩を足の方向へ伸ばす。胸筋を開くためには、巻いたマットを背骨と直角になるように肋骨の下の方に置いて横たわり、両腕を体の横に置く。両腕を持ち上げて、痛みがないところまで頭の上に伸ばす。



2. ハムストリングス

[問題]

勢いをつけた前屈はハムストリングスを痛める可能性があるし、準備ができていないまま行う脚の前後開脚もそうだ。ヨガの先生は、脚の筋肉を骨にぴったりつけるよう指導することが多いが、つまりそれは大腿四頭筋(腿の前の筋肉群)を使ってハムストリングスの怪我を防ぐという意味だ。

[解決法]

ハムストリングの筋肉に肉離れを起こしているなら、膝を曲げないでは前屈しないことだ。実際のところ、その場合はハムストリングスを休ませ、冷やし、1日に数回両脚を高くあげよう。



3. 腰痛と仙腸関節痛

[問題]

ラクカムによれば、深いツイストや両脚を伸ばした前屈のどんな練習も、仙腸関節(仙骨の上部にある2つの骨の突出部)に過剰なストレスを与える可能性があり、腰を守っている環状繊維を損傷することもあり得る。
パリヴリッタ・トリコナサナなどの左右非対称のポーズはまた、腰痛や仙腸関節痛を悪化させる可能性もある。

[解決法]

前屈の前には、ウェストの左右サイドと背骨を伸ばして椎骨の間のスペースを広げ、自分の限界がわかるまで膝を曲げておき、それからゆっくりと背中を伸ばそう。ツイストのポーズでは、コアを使ってそこからツイストを始め、骨盤を完全に解放する。快適な範囲を決して超えないこと、どこかが痛みを感じ始めたら常に止まることだ。



安全に楽しもう


4. 自分にとって激しすぎるクラスを取ったりポーズをしない


5. 自分の限界に合わせてポーズを修正する方法を先生に尋ねる


6. ポーズを深めることを戦線から強要されないようにしよう。アジャスメントで身体が抵抗しているのを感じたら、そこでやめてもらう


7. 自分よりも自分の身体のことをわかっている人がいるとは考えないことだ。ヨガは決して痛めつけるものではない









(出典)https://yogainternational.com/article/view/7-ways-to-prevent-yoga-injuries

2021年5月20日木曜日

ウォリアーII のアライメントでよくある5つの間違い 
The Five Most Common Alignment Mistakes in Warrior II



ウォリアーII(ヴィラバドラーサナII、戦士のポーズII)が人気なのには相応の理由があります。効果的に練習すれば、両脚を強化し、股関節を開き、胸を広げるという全身のポーズです。後ろの足が前足とほぼ直角になれば、ウォリアーIIは安定して地面と繋がり、股関節の重要な動きに集中することができます。骨盤と脚を通じて強さと柔軟性のどちらをも養うことのできる簡単な立位のポーズです。


その人気にもかかわらず、ウォリアーIIの深さや可能性の多くを得るチャンスを逃してしまうことが少なくありません。このパワフルなアサナの効果を逃さないよう、5つのよくある間違いを見ていきましょう。



間違い 1: スタンスが狭すぎる


ウォリアーII は、力強く両脚に活力を与えるポーズですが、ポーズ本来の特徴を活かすためには狭すぎるスタンスを取っている人がたくさんいます。基本となる長さは、両腕を広く伸ばして、足首を手首の真下に置いた場所です。ここから、前の腿と足を開いて足先がマットの短辺に向くようにしましょう。前の踵と後ろの土踏まずを一直線に並べ、後ろの足先はやや内側に入れます。理想的なスタンスになったところで、前腿が床と平行になるように
前の足首の真上まで膝を90度に曲げます。もし腿が床と平行にできない場合は、スタンスをもっと長くする必要があるでしょう。理由があって「戦士」という名前がついていることを忘れないでください!



間違い 2: 後ろ脚を忘れている


ウォリアーII では両脚を使う必要があるのですが、後ろ脚のパワーとサポートを失ってしまい、その代わりすべてのエネルギーを前腿に感じていることが多くあります。後ろ脚を見つけるには、骨盤を後ろの踵に深く根付かせます。前膝の方向へ90度に曲げながら後ろ踵に向かって強く押します。後ろ脚を使うことで前腿の疲労を取り除き、均等に両脚に力が加わってポーズをより深く感じられるでしょう。



間違い 3: 走る戦士


このポーズでは、たびたび私たちは「走る戦士(上半身が前に倒れて股関節が後ろ足の方向へ流れている)」になってしまっています。そうではなく、膝を深く曲げるときは、後ろの手首を足首の真上に保ちましょう。そうすれば、胴体を中央に保ち骨盤を平行にすることができます。ポーズに入ったら、両手を腰において骨盤の位置を確かめましょう。骨盤の左右が同じ高さにあり(片方が高くなるのではなく)、また骨盤が前傾していないか(腰から後屈していまいます)を確認します。このポーズで骨盤を平行に保つことで、股関節の緊張を深いところから解いていくことができます。



間違い 4: 前膝が内に倒れている


股関節の外側は弱いことが多いので、それを補うために前の膝を親指の方向へ倒すことがあります。そうではなく、前の膝は足首の真上に来るようにし、腿のラインを、足の中心線とマットの前方に向かって真っ直ぐ伸ばします。膝を足の小指側に向かって踏みこみ、前の股関節まわりにある外旋筋と内転筋(骨盤の安定性と機能性のために重要な筋肉)を使います。



間違い 5: 股関節をマットの長辺に対し平行にしようとしている


股関節をマットの長辺の方へ完全に向けようと必死で頑張っている人がどれくらいいるでしょう?こうした指示は良かれと思って発せられているのですが、実はほとんどの人が骨格の構造のために股関節を90度まで外旋することができないため、無駄に終わります。股関節をマットのサイドに平行にしようというときは、骨盤が前傾したり(腰が圧迫されます)前膝がうちに倒れたりします。それよりは、自分の股関節の可動域の限界に注目しましょう。前の膝を90度まで曲げたら、前膝を足首の真上においたまま、自分の体が可能なところ、前膝が内に倒れずにできるところまで骨盤をマットの長辺方向へと回転させましょう。同時に、後ろ脚を強く外に向かって伸ばし続けます。前腿の外線と後ろ脚の伸展の組み合わせによって、バランスのある骨盤の動きが可能になり、股関節の深層筋を強化し広げることができます。



ウォリアーIIでこうした調整を行えば、この基本的な立位のポーズが、強さを発見し股関節を広げるパワフルなチャンスとなるでしょう。ここでの調整が、パルシュバコナサナやトリコナサナ、アルダチャンドラサナのような他の外旋の立位ポーズでも、練習を深めるのに役に立つはずです。楽しみましょう!

2021年5月18日火曜日

偏頭痛にマインドフルネスのストレス軽減法が効果的 
Mindfulness-based stress reduction may provide benefit to people with migraine




偏頭痛は、深刻な衰弱を招く可能性のある病気で、障害の原因の中でも世界でも2番目に多い。残念ながら、偏頭痛の患者の多くは、効果がなかったり副作用があったりで薬の服用をやめてしまう。頭痛の治療としては推奨されないにもかかわらず、多くの患者はいまだにオピオイドを使用している。しかし、Wake Forest Baptist Health での最近の臨床試験では、マインドフルネスを基にしたストレス軽減(MBSR)が偏頭痛の患者に効果がある可能性があることが示された。


「マインドフルネスをもとにしたストレス軽減法は、マインドフルネス瞑想とヨガを通してその瞬間瞬間の気づきを教えてくれる心身の治療です。 マインドフルネスはまた、偏頭痛のトリガーだと多く報告されているストレスへの新しい反応の方法を教えてくれます」

−レベッカ・アーウィン・ウェルズ博士(公衆衛生学修士)、Wake Forest Baptist Healthのウェイク・フォレスト医大神経学科の准教授。



JAMA Internal Medicineに発表された論文によれば、研究者らが調べたのは、痛みの認識、幸福感、偏頭痛の症状などがMBSRによって改善されたかどうかを、頭痛教育と比較した。


この研究では、偏頭痛の病歴を持つ成人89人を任意に選びMBSRと頭痛教育に割り振って、それぞれ週2時間のトレーニングあるいは教育のセッションを8週間続けた。


MBSRのグループは、マインドフルネス瞑想とヨガを基準としたカリキュラムに従った。参加者らはまた、自宅での実践のためオーディオ電子ファイルを受け取り、毎日30分間の実践をするように推奨された。頭痛教育グループは、頭痛や病態生理学、トリガー、ストレス、治療法についての教育を受けた。


MBSRおよび頭痛教育グループどちらの参加者も、偏頭痛の起こる日数が減少したと報告した。しかし、障害が緩和され、生活の質、抑鬱のスコアや幸福感を示す測定値が向上したのはMBSRグループだけであり、その効果は36週間に及んだ。さらに、頭痛教育グループと比較して、MBSRグループでは試験的に誘発された痛みの強度と不快感が緩和され、痛みの評価に変化が起こったことを示唆している。


「偏頭痛にいまだオピオイドが使用されている現在、効果が長く持続する薬物では愛安全な選択肢を見つけるということは、素晴らしい結果をもたらすはずだ」Wake Forest Baptist での総合頭痛プログラムの創設者で医師でもあるウェルス氏は述べた。「マインドフルネスは、偏頭痛の苦痛全体を治療する可能性があり、この衰弱をもたらす病気の影響を潜在的に緩和し得る。この結果を裏付けるには、より大規模で決定的な研究が必要である」

2021年5月13日木曜日

脳震盪への瞑想・ヨガ・マインドフルネスの効果を調査した初のメタ分析 
First meta-analysis looks at the impact of meditation, yoga, and mindfulness on concussions


レベッカ・エイカブチャック氏は、コネチカット大学で生理学と神経生物学の博士号の研究で軽度外傷性脳損傷について研究していた頃、複数の脳震盪を経験したスポーツ選手だった生徒に出会った。


「脳震盪について研究を始めた頃、人々が私のところへ集まってきました。娘の学校に通っていた家族など、脳震盪を起こした人がいれば話を聞きにいきました。彼らの体験や脳震盪を体験した人たちの全ての悩み、そしてどうしても消えない症状についてヒヤリングをしました」


その生徒もそんな人たちのひとりで、彼女が学生寮にいた時煙感知器のアラームがなった時に発作を起こした体験をエイカブチャック氏に話した。


「彼女が闘っていたこうした症状はとても深刻な症状でしたが、損傷は目には見えませんでした」そう話すエイカブチャック氏は2016年にPhDを取得し、現在はコネチカット大学のInCHIP(保健介入指針共同研究所)の博士研究員だ。「怪我をしたのがかなり前のことなら回復していくはずだと考えるのが普通です。どうしてよくならないのだろう、と。そして医師に、できることはないのでただ体を休めなさい、と言われて余計にいらいらするのです。いまだに頭痛や疲労感、気分の落ち込みを感じるからです」


脳震盪の慢性の症状は周知の通り治療が困難だ。しかし、エイカブチャック氏(パレスチナのヘブロンでヨガを17年教えている)は、彼女が発表した InCHIP での研究、脳震盪の慢性症状の効果的な治療のためのヨガや瞑想、マインドフルネスをベースとした治療について調べたこれまでにない初めてのメタ分析が、この症状と闘う人々の希望となってほしいと願っている。この研究は、最近「Applied Psychology: Health and Well-being」誌で発表されている。


「脳震盪とヨガ・瞑想という二つのエリアを組み合わせるという意味で、私にとって本当に熱のあるプロジェクトとなりました」研究の指導的立案者であるエイカブチャック氏は言う。「他の研究から、ヨガと瞑想が全身性炎症を緩和するのに役立つかもしれないこと、そして鬱症状に対処すれば、自分への思いやりを増大し反芻を減少させることがわかっています」


ヨガ、瞑想、マインドフルネスの脳震盪への効果を調べたこれまでの研究のほとんどは小規模だった。エイカブチャックらのメタ分析では、彼女のチームは、発表されたものや未発表のものも含めて22の異なる研究からデータを収集、総計539人の被験者に対し、精神的健康、肉体的健康、認知能力、生活の質、社会的・職業的能力などに対するこの3種の介入の結果を調査した。また、抑鬱や注意力、不安や疲労感などの特定の健康に関する結果についても調査した。


「私たちが得た主な結果は、抑鬱と疲労感の著しい減少でした。特に疲労感の効果は大変大きく、この症状は患者が対処するのに困難であることを考えると素晴らしいことです」


このメタ分析では、ほとんど全ての結果において、一貫して心身介入により症状の改善が見られた。今回の研究に参加した患者が多岐にわたること、慢性の脳震盪症状を緩和することが困難なことにより、この傾向は、注目に値すると研究者らは述べている。


脳震盪治療プランにおけるヨガや瞑想、マインドフルネスの効果をより深く調査するためには、より多くのそしてより大規模の研究を要するとエイカブチャック氏は言う。また、研究者や一般の人がこのメカニズムを理解するためにより多くの研究が必要であり、それによりこうした介入が脳震盪の症状の治癒と緩和を促進することになるとも述べている。


しかし重要なことは、軽度外傷性脳損傷の治療の一部としてあるタイプのヨガや瞑想、マインドフルネスの実践を含めることは、患者にとって有害な副作用がないようであるということだと彼女は言う。つまり、試してみても否定的側面は少ないということだ。


「脳は前十字靭帯のようなものだと考えてみてください。前十字靭帯を痛めたら休ませるでしょう。そしてリハビリも始めるはずです。脳もそのように考えれば、そういった意味で脳震盪もリハビリの必要な怪我のようなもので、リハビリを通して脳の特定の経路を強化することができるのです。そして、それに役立つツールというのが、呼吸法や瞑想、ヨガのポーズで得られるマインドフルな動きだと考えています」


彼女はこう続ける。「瞑想アプリやオンラインの瞑想グループから初めて基本を学び、毎日10分間瞑想する時間を取ると良いでしょう。じっと座れないタイプの人なら、ヨガの方が良いでしょう。1日の終わりにはへとへとだというなら、深い呼吸とともに簡単なボディ・スキャンをするとよいでしょう。奇跡のように治るというわけではありませんが、こうしたツールを日々に取り入れることで時間と共になんらかの効果が得られるはずです。脳震盪の症状と闘っている人たちの力になればと、心から願っています」




(出典) https://www.news-medical.net/news/20201130/First-meta-analysis-looks-at-the-impact-of-meditation-yoga-and-mindfulness-on-concussions.aspx

2021年5月4日火曜日

ハムストリングスについて10の俗説を暴く Vol.2 
10 Hamstring Myths Debunked

前回からの続きです。

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6.「ハムストリングスをストレッチする時に四頭筋を使っていれば安全」


受動的よりは能動的にストレッチをした方が良い一方で、四頭筋(腿前面の筋肉群で、ハムストリングスと逆に膝の伸展や股関節屈曲に使われる)を働かせることで守られるものはほんの少しだけ。たとえ四頭筋が収縮していても、骨はきちんと並んでいないかもしれません。この場合、方向が一致していないという問題には対処しないままで、制限や怪我の原因となる可能性もあります。特定の筋肉を使うことに集中するよりも、まずは骨格のアライメントに集中したほうが、筋肉は楽に動けるでしょう!前屈で脚と足の骨の方向を揃えることで、例えば、誰もが望んでいる内側広筋(体の中心側で最も深い四頭筋で、膝のすぐ上から内腿へに向かっている)の収縮が得られます。これは他の四頭筋よりも働かせることが難しい場所ですが、健康的な膝のアライメントにこの筋肉が役立ちます。



7.「杖のポーズのようなポーズで腿裏が硬くて背骨が伸ばせない時は、ブランケットの上に座るしかない」


ブランケットは確かに背骨を伸ばすのに役立ちます。けれど、両手を後ろへ歩かせて胴体を後傾させながら、伝統的なポーズ通りの脚に保ったままにしておくとよりうまくいくかもしれません。この方法では、両脚の下に床があるので膝の向きを調整しやすくなります。膝は、浮かせている(ブランケットの上に座っている時のように)よりも床についているほうが膝からのフィードバックをより受け取れるからです。

ダンダーサナから、腰を優しく反らせられるように後方へ手を歩かせて後ろにもたれかかってみましょう。両手だけでなく踵や大腿骨も床へ押しながら、腕と脚で体重を支え、股関節を屈曲させながら腰を優しく曲げ、鎖骨に沿って胸を開きます。直立した伝統的なポーズで行うように、後方にある架空の定規の方向に向かって頭と尾骨を動かし、そしてお互いを離します。上半身が後方に倒れているので「定規」も同じように倒れていて、頭と尾骨は斜めになります。この状態で、腰椎の曲線を保ち脚全体の健康的な動きを強める練習ができます。壁を蹴っているように両足を調整し(あるいは壁を実際に蹴るといいでしょう!)、つま先と膝関節を真っ直ぐ上に向けましょう。徐々に、一呼吸ずつ、体重を両手から両脚に移動し、背骨を地面と直角に近づけていきましょう。






8.「膝を曲げて前屈すればハムストリングスや腰が守られる」


膝を曲げることは必ずしも安全ではありません。特に膝や足の方向が揃っていなかったり、両足の荷重のバランスが悪い場合はそうです。立位の前屈を安全に行うためには、膝を曲げても曲げなくてもいいですが、背骨をニュートラルの状態まで伸ばす時は、必ず体重を踵や足指の付け根に均等にかけ、膝と足の人差し指と中指の間に向けるようにしてください。


 

9.「目標は、背骨を平ら(ニュートラル)にして前屈を深めること」


必ずしもそうではありません。目標は、きちんと調整した両脚の上で背骨を伸ばすことです。ほとんどの人は、90ー120度程度の股関節屈曲(背骨と大腿骨の間の角度)では背骨を丸める必要があります。例えば、脚を伸ばしたまま立位の前屈に移る時、背骨が地面と平行をすぎるとすぐに背骨は丸まります。(非常に可動域のあるヨギはその点を過ぎてもニュートラルな背骨を保てるかもしれませんが、それは単に股関節の球窩の可動域が非常に広いということを示しているだけで、背骨が長いとか脚がきちんと調整されていることを保証するものではありません)。

前屈で背骨が丸まったり曲がっていても、その曲線が背骨全体に均等に配分されていてコアに支えられているならば構いません。コアを安定させる筋肉群を最もうまく働かせるには、90ー120度までは背骨をニュートラルに保ち、その後はきちんと両脚の骨の向きを揃えて背骨を伸ばすようにゆっくりと前屈しましょう。前屈を深めていって、もし安定させているアライメントが崩れたら、一度戻ってもう一度根付かせて伸ばします。



10.「前屈が簡単に深く行えるなら、毎回できるだけ遠くへ限界まで深めるべきだ」


多くの場合、柔軟性よりも安定や形に集中したヨギの方が多くを得ます。限界までのストレッチを緩めて、安定や呼吸の控えめな練習をするのです。非常に柔軟なヨギなら、足の荷重のかけ方を洗練させ、膝を足の中央線に向け、背骨を伸ばすことでコアを強化し結合組織に利かせることができます。そこでは、彼らにとっては「中くらい」の柔軟性(ストレッチをやや感じる程度の深さ)だと感じるでしょう。

もしもっと感じたければ、体を出入りする呼吸の感覚に注目したり、足の地についた感覚をや膝の向き、背骨の長さを保りながら、吸気の広がりと呼気の優しい収縮に身を任せましょう。