2025年7月7日月曜日

腱膜瘤の予防・痛みを緩和する9つのポーズ Vol.2 
9 Poses to Prevent Bunions & Relieve Bunion Pain

前回の続きです。

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手術は必要?


特に前回やったような親指エクササイズをしている間、親指を持ち上げて伸ばす時にどんなふうに動くかを観察しましょう。左右の親指を持ち上げた時、おそらくそれぞれが反対の方向に向いているでしょう。親指を前に伸ばして下ろすと、母指内転筋が活性化してもっと並行になるはずです。左右の親指がどうしても離れる場合は、ゴムバンドで繋ぎ合わせて、持ち上げて伸ばします。腱膜瘤が痛まないよう親指の付け根の間に何か挟むと良いでしょう。


腱膜瘤が進行し、足指の屈筋と伸展筋がもはや交差するほど脇に引っ張られている場合は、エクササイズでゴムバンドを使っても、親指の反りが直せないこともあります。その結果、親指を持ち上げた時、こうした筋肉は弓矢を引くようにより横の方へとただ引かれるだけであまり効果がありません。その場合、特に足の筋肉を効果的にストレッチしたり働かせようとすると痛みが強くなる時は、手術が必要なのかもしれません。




立位ポーズを再認識する


足指エクササイズは、ハタヨガの立位ポーズの練習では特に効果的で重要です。ヴィラバドラサナ(戦士のポーズ)1、2やパールシュヴァコナサナ(体側を伸ばすポーズ)など前足の膝を曲げて足首をまっすぐにするアサナでは、効果的な動きをするとてもよい機会となります。





戦士のポーズのように前脚の膝を曲げた立位ポーズでは、前脚のすねを垂直に保ち(膝関節がかかとを通り越えない)、重心をかかとの中心に置いて、足の親指と小指をむかって伸ばしながら、引き上げて広げる練習をします。


これによって、足の内外の端でアーチが強化されて、足指が整います。膝をゆっくりと曲げたり伸ばしたりしながらこれを練習していると、足のこの動きによって膝が正しい軌道を通り、特に小指側に維持していると股関節の緊張が解放されるでしょう。


トリコナサナ(三角形のポーズ)やパールシュヴォッタナサナ(三角前屈)の前足など足首を伸展した立位ポーズでもまた、足指の付け根を地面に着けたまま親指に向かってより強く伸ばす必要があるため、親指を伸ばして床につけることが試されます。このポーズは、腱膜瘤への圧迫がかなり少なくなるので痛みが小さく、膝を曲げたポーズよりもかなり快適でしょう。そして、膝関節をロック(過伸展)しない限り、力強い動きが膝関節や足の親指の筋肉にも大きな効果があります。膝は小さな「マイクロベンド」を保ちながら、足を働かせましょう。





アルダ・チャンドラサナ(半月のポーズ)など片足でバランスを取るポーズは、最も難しいポーズです。腱膜瘤のある人にとって特別に難しいのは、膝をロックすることと土踏まずが潰れている傾向があるためです。腱膜瘤によって足の骨が安定しないため、足はとても不安定でぐらつき、ポーズを安定させようと膝をロックしてしまうことが多く必要な足の働きを妨げます。この癖に負けずに、膝関節を少しだけ曲げて、かかとに体重を移すために足指を持ち上げ続けるよう練習しましょう。これが土踏まずのアーチを強化して膝のロックを防ぎ、バランスを取るためにできるだけ足指を広げることにつながります。足の親指と小指を伸ばすエクササイズは特に難しいですが効果的です。片足でバランスを取る時、足をどう使うかが膝の健康にとても深く関わっているということに気づくでしょう。



ヨガポーズでの足の働かせ方


アドムカ・シュヴァアサナ(下向きの犬のポーズ)では、足指を指先に向かって伸ばしながらアーチを強く引き上げなければなりません。いつもの通り、膝がロックしないよう小さく曲げ続け、地面からかかとを浮かせておきます。これによって、ふくらはぎやハムストリングスをストレッチしたまま、足を強化することができます。





ウルドヴァムカ・シュヴァナアサナ(上向きの犬のポーズ)やブジャンガサナ(コブラのポーズ)などでは、特に足の親指に沿って後方へ伸ばし(鎌足にならないで、足の内側ラインを並行に)、床に向かって小指を下ろしをおろすことで、足首の前がストレッチされ足指の伸展筋が強化されます。足指の爪全てを(特に親指と小指)まっすぐそして軽く床に押し下げ足を側からせましょう。


セツバンダアサナ(橋のポーズ)は、腿と足を並行に保ったまま土踏まずを強く働かせるポーズです。ここに書かれた通り足を働かせた場合、ときおり生徒に指示されるように足を内側に回転させる必要はありません。土踏まずと足指を働かせながら足の内側を地面にしっかりつけていれば、足が外側に離れていくことはないからです。


最後に忘れてはいけないのは、座位の前屈が、腱膜瘤に体重がかかることで感じる痛みなしに足を働かせるよい機会であることです。ヨガブロックを足の裏につけてブロックのまわりにストラップをかけ、床に立っているように足が動かせるようにします。足指の付け根(特に親指)をブロックに押し付け、足指を働かせている間もブロックを並行に保ちます。









最後に、ハタヨガの基本的なポーズは、痛い腱膜瘤の進行を効果的に予防したり、遅くしたり、止めたりすることのできる、足の完全なワークアウトの機会を与えてくれます。それにはちょっとした努力や気づきが必要ですが、腱膜瘤の兆候が(まだ)現れていなくても、その練習には効果があります。ちょっとしたウォームアップと土踏まずと愛指のワークアウトによって、ヨガは足の健康と幸せを与えてくれるのです。







(出典)https://yogainternational.com/article/view/9-poses-to-prevent-bunions-relieve-bunion-pain/



2025年7月4日金曜日

腱膜瘤の予防・痛みを緩和する9つのポーズ Vol.1 
9 Poses to Prevent Bunions & Relieve Bunion Pain


腱膜瘤はよくみられる足の症状で、放置すると変形して痛みが生じることもあります。医療科学では、腱膜瘤を進行性の病気だと見做し、主な原因は遺伝にあるとしています。しかし、より大きな視点から見れば、窮屈な靴であったり、ストレッチやマッサージの不足、あるいは足を正しく使えていないことが原因です。幸いなことに、足のウォームアップやエクササイズ、適したヨガポーズなどにより、遺伝的要素で起こる腱膜瘤の進行を遅らせたり、放置したり合わない靴による腱膜瘤の形成を止めたり、その痛みの緩和を助けることは可能です。腱膜瘤が無い場合であっても、こうしのエクササイズにより痛みや疲労を減少させ、足を強く健康的に保つことができます。



腱膜瘤は どのように形成されるか


腱膜瘤(突き出た骨質のこぶ)の原因の多くは、母指球にある骨がジグザグになることです。親指が他の指の方向へ曲がる一方で、中足骨(足首と足指をつなぐ骨)が外へ向いて不快感が起こったり、中足骨頭が石灰化することもあります。これは多くの場合、足の土踏まずの崩れとともに起こります。それぞれの問題が他の問題をより増幅させます。土踏まずの崩れは腱膜瘤の形成を早めますし、腱膜瘤そのものも土踏まずを潰して中足骨をより変形させます。腱膜瘤は、歩くことでかかる圧迫による痛みや炎症を起こしたりと、より深刻な問題となりえます。


骨の形や足をひとつにまとめている靭帯の強さを決めるのは遺伝子であるため、原因のひとつは遺伝です。足の親指の中足骨頭が異常に丸まっていたり出っ張っていると、指がより内側に向きやすくなります。中足骨の反対側にはくさび状骨があり、中足骨が外側へ動く原因になるような形で付いていることもあります。


腱膜瘤が原因で、バランスポーズで足が不安定になったりぐらぐらしたりします。多くの場合、ポーズを安定させるために膝がロックされ、足の働きを阻害します。


しかし、遺伝だけが原因ではありません。きつい靴をはくと、足を外に回転させて歩く癖と相まって、親指の中足骨に圧迫がかかり土踏まずの靭帯が弱まる一方で、歩くたびに横へ押しやられた親指自体が内に向きます。その結果、足裏の内転筋(特に母指内転筋)が硬くなって親指が他の指の方へ引かれ、指がひとつにぶつかり合ってしまいます。引く力に抵抗して親指がまっすぐになるよう作られた母趾外転筋は弱くなって過伸展し、腱膜瘤がほとんど抑制されることなく進行していきます。


このように腱膜瘤(そして腱膜瘤形成を促す筋肉のアンバランス)で、親指が歪み足の構造が弱まって私たちを悩ませることになります。足の親指の力を支える役目を果たしている筋肉に注目し、親指をもとの場所に戻す方法を見ていきましょう。



土踏まずを働かせる


長母趾伸筋        前脛骨筋



前脛骨筋は、足の親指から土踏まずの前部分を通っています。この筋肉に運動をさせる方法のひとつは、足指をギュッと丸めて足でナプキンを摘み上げることです。ナプキンを持ち上げるために足首が屈曲し足が反転(横に返る)するとともに、親指の付け根にある筋肉が働くのを感じるでしょう。それが、前脛骨筋です。


また、親指の付け根を床につけたまま母指球の後ろから土踏まずを意図的に引き上げ、親指を持ち上げることで、前脛骨筋を働かせることができます。


土踏まずの引き上げは、足を反転させずに母趾急を床につけたまま、前脛骨筋からもたらされます。親指をもとに戻す筋肉を強化するためには、この筋肉を働かせたまま、母趾球を下ろしつづける必要があります。これをやり遂げるには、以下のエクササイズが役立つでしょう。



フットマッサージで自分にご褒美を


足裏の硬さは、腱膜瘤形成の一因であり足指がつる原因です。このようにくっついたままでは、土踏まずを強化したり足指を働かせたりするのは、不可能ではないにしても困難です。ですから、まずは内転筋を解くフット・マッサージから始めるべきです。







これらの筋肉を解くには、足指の付け根を手の親指を使ったり、テニスボールやゴルフボールを転がしましょう。足親指の付け根から始め、土踏まずの内側までマッサージします。足の小指側に沿って、そして足裏で硬さを感じる場所を全てマッサージしましょう。


次に、足指の可動性を取り戻すため、指の間にスペースを作る必要があります。足裏を手のひらで覆って、手の指を足指の間にできるだけ差し込んで、「ヨガの握手」で前後に動かし足指を緩めます。




これに慣れたら、上向きの握手(足指と手指を足裏から上向きに組ませる)と下向きの握手(足指と手指を足裏から下向きに組ませる)を交互に行なって、ストレッチの効果を高めましょう。


ウォームアップが終わったら、足指一本ずつ掴みかかとから優しく引き離します。足指をポキポキ言わせることが目的ではありませんが、ポキポキ音は解放されたことを示します。




鍵となる筋肉の強化


次に、床か椅子の上に両足を並行に膝を曲げて座ります。足指の付け根と内かかとを地面に付けたまま、すべての足指を持ち上げます。親指の付け根からだけでなく、かかとの前にある足裏の中心からも土踏まずがどの程度持ち上げられるかを見てみましょう。


もちろん、ただ足指を持ち上げること自体が大変だと気づくかもしれません。筋膜の覆いは、足首の前からすねの前へと上へ延びていて、足指をすねの方へ伸展する筋肉のための滑車のように働きます。足首が硬いと、筋膜がこうした伸展筋の動きを制限し、足指を持ち上げることを難しくしています。ヴァジュラサナ(稲妻のポーズ・正座)やヴィラーサナ(英雄のポーズ・くずした正座)などで、足首の前にあるこの筋膜をストレッチすることができ、伸展筋が解放され足指の可動性を取り戻すことができます。



足指が動くようになったら、こちらを試しましょう。全ての足指を持ち上げてから、小指を挙げたまま親指だけ伸ばして床に下ろします。この動きが最初のトレーニングとなり、腱膜瘤に対抗する鍵となります。そのためには・・・

  • 土踏まずを持ち上げ続けましょう。足の内側にある筋肉群を強化するのに必要な抵抗が得られます。親指の付け根と内かかとを床に下ろして土踏まずを強く保ち、足がめくれないようにしましょう。

  • 親指を前に伸ばしてボタンを押し下げるかのように、親指を伸ばしましょう。これは、つま先を丸めてただ床を押すのとは全く違います。何度か親指を持ち上げたり伸ばしたりすると、内かかとから土踏まずを通って親指に繋がる筋肉(母趾外転筋)が疲れ始めるのを感じるでしょう。そこが、対象となる筋肉です。




足全体を強化するためには、全ての足指を挙げてから、小指だけを伸ばして床に下ろします。


これによって、小指からすねの外そして腿の外側に沿って走る筋肉群に効き、足の小指側のアライメントを強化し、健康的な土踏まずを築き安定させることができます。小指側の足や足首が弱く硬いと、多くの場合、膝の過伸展、足の回内、土踏まずの崩れを伴います。足首やすねの外側をこうして強化することで、特に扁平足の人は、膝のために役立ちます。


最後のエクササイズとして、足指の中3本を持ち上げて広げ、親指と小指のみを伸ばして床に下ろします。




これによって、足の前にある横向きのアーチが作られ、また足の内外端が強く働き、内側と外側のアーチのバランスが取れて力強くなります。


この最後のエクササイズは、足の四隅(親指の付け根、小指の付け根、内かかと、外かかと)がしっかり元の位置に戻っていくように感じるかもしれません。かかとの骨と足指が四隅で正しく並んでいると、まるで四輪が正しく並んだ自動車を運転するように、歩くなど全身する動きにおいて足は正しく機能するのです。


こうした足指エクササイズは、ヨガポーズの多くに取り入れることができ、全身のアライメントをより良くし、足のアーチの弾性と土台の強さの両方を高めることができ、また膝や股関節にもさらに効果をもたらします。腱膜瘤のある人は、こうしたエクササイズによって進行を遅らせたり、止めることも可能です。腱膜瘤がなくても、これらの動きによって、足から膝、股関節へと全てをしっかりと使うことができ、関節の健康を高めることができます。


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2025年6月10日火曜日

関節に焦点を当てた関節炎のためのヨガ・シーケンス Vol.2
A Joint-Focused Yoga Sequence for Arthritis


前回からの続きです。
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7. 膝を胸につけるポーズ(アパナサナ)と膝の回転



このポーズは、腰まわりを優しくストレッチし股関節を動かしやすくします。


青向きで横たわり、両膝を胸に引き込んで数呼吸します。




それから、手を左右の膝に置き手を使ってお互いの膝が離れるように回しながら数呼吸します。そして、両膝が近づくように回しながら数呼吸しましょう。






8. ハムストリングスのストレッチ(スプタ・パダングシュタサナ)と
ヨガストラップを使った脚の回転


このポーズは、ハムストリングスやふくらはぎだけでなく、股関節内外転筋をストレッチし、足首や膝、腰の柔軟性を高めます。


もし床に置いた脚を伸ばすと腰に負担がかかるようなら、足の裏を床において脚を曲げたままにしておきましょう。


仰向けで横たわったまま、両脚を前に伸ばします。右膝を胸に引き込み、右足の裏の周り(土踏まずの先の方、指の付け根のあたり)にストラップをかけます。ストラップの端をそれぞれの手で持ち、つま先が右肩の方向に向くよう、右脚をかかとから天井に向けて伸ばします。何度か右脚を曲げ伸ばししてから、できるだけまっすぐ延ばして数呼吸しましょう。





それから、ストラップを右手で持ち、右脚を一方向へ回します。そして数呼吸反対に回して、もう一方の脚でも行います。






9. 橋のポーズ(セツバンダ・サルヴァンガサナ)





橋のポーズでは、ハムストリングスと臀筋を使いながら大腿四頭筋をストレッチし、股関節と膝の可動性を高めます。また、まっすぐな姿勢を保つ脊柱起立筋を強化します。全体重が股関節や膝を通して両足にかかる立位のポーズとは異なり、橋のポーズでは、体重のいくらかを支えるために肩を使います。


仰向けに横たわって両膝を曲げ、足の裏を床に向けてかかとを膝の真下か少し前に置きます。両肘を肋骨の横で直角に曲げて、前腕は床から垂直、手のひらを内に向けて指を天井の方へ向けておきましょう。息を吸い込みながら、両足(床につけたまま)、上腕、肩の背中側で下方へ押し、腰と胸を持ち上げます。息を吐き出しながら、背中をリラックスして床に下ろしましょう。橋のポーズを、さらに1、2回繰り返します。



10. 膝のワイパーと合蹠のポーズ(スプタ・バッダコナサナ)



これらのポーズは、次の座位瞑想の準備のため、腰を緩め股関節を動きやすくするのに役立ちます。


床に仰向けに横たわり、両腕を横に開いて、膝は曲げて両足を肩幅程度に開きます。ここで息を吸い込んでから、息を吐き出しながら、右足の外側と左足の内側を転がして両膝を右へと下ろします。


息を吸い込みながら、両膝を真ん中に戻します。息を吐き出しながら、膝を左に下ろします。息を吸って真ん中に戻し、この動きをさらに何度か繰り返しましょう。





そして、両足を閉じます。息を吸い込みながら、両膝を心地の良い範囲で開いて、足の裏どうしを付けます。息を吐き出しながら、膝を元通り合わせて、もう一度足の裏をマットに着けます。この動きを数回繰り返します。それから、膝を開いて足の裏どうしを付けたまま数呼吸の間時間をとりましょう。






11. 座位の瞑想




マインドフルネス瞑想は、物事に対処する技術を高め、リウマチ性関節炎に時として伴う鬱症状を改善すると考えられています。ここにご紹介する変更を加えた安楽座でより心地よく座れるかもしれませんが、椅子に座ったり横たわる方がより心地良いと感じる人もいるでしょう。


足首や膝、股関節にかかる重みを減らすため、折り畳んで壁ぎわに水平に置いた数枚のブランケット(あるいはボルスター)に座ります。ブランケットは高く重ねて膝が骨盤の前の骨よりも下になるようにし、壁が体を支えられる程度の距離に座ります。骨盤の後ろ側、背中全体、そして頭の後ろが全てリラックスできて心地よく壁にもたれられる位置です。(もし後頭部が壁に届かなければ、後ろに下げるのは心地よくできる範囲にします。)両手を膝の上に、手のひらを上あるいは下に向けて(または好きなムードラで)置きます。


目を閉じるかそっと視線を落とし、今の瞬間へ意識を向けて、まずは今の瞬間の周囲のことに気づきます。周りの音、時刻、温度など。それから、今の瞬間の内側へと意識を引き込みます。呼吸の動き、思考や感情の揺らぎなど。心地が悪い部分に気付き、それでも体の多くの部分が心地よいことにも気付きます。このリラックスしたマインドフルネスを数分間続けます。練習を重ねるごとに、徐々に瞑想の時間を長くしてみましょう。



12. 「スノー・エンジェル(雪の上に人型を作る)」





瞑想の静けさの後の気持ち良いこの動きは、肩と股関節の内外転の筋肉を強化します。手足を床でスライドさせて行うこともできますが、ここでは摩擦を減らすためにブランケットを使っています。このポーズで頭を床に下ろしたり次の仰向けのポーズになった時に、首の後ろ側が心地悪いほど詰まって顎が天井に持ち上がる場合は、頭の下にも折り畳んだブランケットをおきましょう。


マットの上で仰向けで横たわり、両脚を閉じてかかとを折り畳んだブランケットの上へ、両腕は手のひらを上にして(それぞれの手の甲の下に折り畳んだブランケットを置いて)体のわきに置いておきます。

息を吸い込みながら、まるで新雪に人型をつけるように動きます。両脚はつま先を上に向けたまま床で大きく開き、両腕は手のひらを上に向けたまま横に開いたり耳の横まで上げたりします。呼吸とともに動かしながら、これをゆっくりと数呼吸行います。






13. シャヴァアサナ






ブランケットに両手やかかとを預けたままシャヴァサナでリラックスし、途切れることなく数分間、深く楽な呼吸を続けます。リラックスしている間、暖かさや安らぎが全身を満たすのをイメージしましょう。


起き上がって動き始めてからも、今この瞬間に留まり感じた感覚の名残りに寄り添ってみましょう。












2025年6月4日水曜日

関節に焦点を当てた関節炎のためのヨガ・シーケンス Vol.1
A Joint-Focused Yoga Sequence for Arthritis


注: 以下はヨガ実践者や指導者のための一般的な助言を与えることを目的としています。医療従事者による個人への助言の代替ではなく、ヨガの指導者はその範囲にとどまるべきです。つまり、生徒に対して診断や治療、医学的な助言をしようとはしないでください。



ヨガにおいて関節炎と向き合う場合の最優先事項は、そうした関節にかかる負担を減らすことです。ただ動きを減らすというだけではなく、もっと複雑なことです。



The Back Pain Secret: The Real Cause of Women’s Back Pain and How to Treat It(腰痛の秘密:女性の腰痛の本当の原因と対処法)」の著者である理学療法士のビル・リーフ氏によれば、関節の動きが減れば減るほど、「時間とともに」維持できる可動域は狭くなるのです。「関節周りの筋肉が短くなって、動きを制限」するようになります。


関節リウマチや変形性関節炎の患者の多くは、可動域を維持し痛みを軽減するのに、罹患した関節をストレッチしたり強化したりすることで恩恵を受けることができます。「一般的に変形性関節炎は股関節や膝関節に現れます、関節リウマチは手足のより小さな関節に影響を与えることが多いです」関節炎はまた特に腰など背中にも現れることもあります」とリーフ氏は付け加えます。


以下のシーケンスは関節炎に優しく穏やかで、床から立ち上がったり座ったりの動き(膝に関節炎のある人には不可能あるいは不快である可能性がある)を最小にし、両手への荷重を無くし(関節炎は手や手首に現れることが多い)、バランスを取るためのサポートを使用(膝や股関節の関節炎の人にとってバランスを取ることは困難)しています。荷重を減らす、つまり足や膝、股関節へのストレスを緩和するために、壁や補助具を使うことをお勧めします。


リーフ氏が関節炎の人に推奨するのは、このシーケンスを週に数回行うこと、罹患している関節に最も効果的なポーズを書き留めて毎日練習することです。


「全てのポーズは不快を軽減するためであり、増加させてはいけません。痛みではなく、穏やかな伸びを感じる点までストレッチしてください。 もし不快感が増すようなら、ルーチンを控えましょう」


関節炎の方はまた、主治医医に十分な検査をしてもらい、信頼できる診断、また個々人にあった治療の提言を得ましょう。それには、ヨガの練習をする際に圧迫を制限できるよう関節を固定することも含まれるかもしれません。



🟠 練習法


始める前に、入浴や温かいシャワーを浴びる、サウナやスチームバスに入る、温湿布をする、歩いたりサイクリングマシンに乗るなどしてウォーミングアップをしましょう。シーケンス前にそうすることで、より動きやすくなります。壁、ヨガストラップ、ブランケットやバスタオル4、5枚が必要です。


もし重ねたブランケットに立ったり座ったりするのが不快であれば、椅子を使いましょう。最初の5ポーズはまっすぐ座ったままでも練習できます。椅子のポーズ(5番)では、上半身を前に倒して両腕を上へ伸ばし、少しだけ椅子の端から腰を持ち上げましょう。瞑想(11番)でも、よければ椅子に座って行うこともできます。



1. 山のポーズ(タダアサナ)のツイスト




リーフ氏によれば、この優しいツイストは「肩や肘、股関節、膝をゆるめて、関節のスペースを広げます」また、動きをなめらかにするには、「まず視線を動かしてから、胴体、そして体の他の部分を動かすようにしましょう」


足をおおよそ並行に股関節幅に開いた山のポーズで立ち、耳は肩の上に、肩は股関節の上に、股関節は踵の上にと並べます。腕は、手のひらを内側に向けて体のわきに置いておきます。つま先と膝の向きを揃えたまま、胴体から右へ、そして左へと捻りましょう。腕は揺れるままにしておきます。この動きを、深く優しい呼吸を数回分繰り返します。



2. 肩の回転




この動きは、三角筋や胸筋をストレッチすることで肩関節を自由に動かすのに役立ちます。


山のポーズのまま、両腕を肩の高さ位で開きます。両手は緩く握って、親指側を上に向け、親指をリラックスさせます(あるいは、快適で行えるほどの柔軟性があるなら、親指を後ろ向きに回して肩の外旋を深めます)。


体の他の部分を安定させたまま、深く数呼吸しながら、ゆっくりと両腕を一方向に動かし大きな円を描きます。そして反対方向へもう数呼吸動かしてから体のわきへと下ろしましょう。



3. 手首の回転




この動きは、手首の屈筋や伸筋などの筋肉を強化することで、手首を自由に動かすのに役立ちます。


山のポーズのまま、両腕を体のわきに下ろし、手をもう一度ゆるく握り、親指をリラックスして前に向けます。両腕を動かさないで、両手首をゆっくりと一方向へ回し2、3回呼吸してから、反対方向へ回しながら数呼吸しましょう。



4. 両手のグーパー





このエクササイズは、手の関節をストレッチし強化するのに役立ちます。


両手でグーを作る時に腕はさまざまな位置になることがあるでしょうが、肩の高さで並行に腕を前に伸ばすと、腕を優しく強化することができます。


山のポーズから、両腕を肩の高さで体の前に持ち上げて、親指側を天井に向けてゆるく握り(親指はリラックスさせて上に乗せる)、手首は自然な向きにしておきます(前腕から手の甲までが直線になるよう)。息を吸って、手首を自然な向きにしたまま両手を開き、指を大きく広げます。息を吐いて、手首はそのままゆっくりと手を握って拳を作ります。この動きを、呼吸とともに数回繰り返してから、腕を体のわきでリラックスさせましょう。



5. 椅子のポーズ(ウトゥカタサナ)と壁際のかかと上げ


このポーズはハムストリングス、四頭筋、臀筋、腓腹筋を強化し、股関節や膝、足首の可動性を促進します。股関節や膝、足にかかる荷重を最小にし、かかとを上げる際のバランスを補助するために壁を使います。


壁から30cmほど離れて立ち、背中と臀部を壁にもたれかけます。(後頭部も壁についていることが理想です。ですが、そうすることで下顎が不快なほど持ち上がるようであれば、下顎を床と並行に、そして首の後ろを長くしたまま、心地よく行えるまで後頭部を壁から離してください)。両手を腰に置きます。膝を曲げて足を前に歩かせながら、腰を壁でスライドさせ、辛いけれど安定させられる程度まで膝を曲げたところで止まります。リーフ氏は「最初な数センチしか曲げられないでしょうが、そのうち四頭筋が強くなると、90度まで曲げられるようになるかもしれません」




より強度を得るには、両腕を頭上に上げます(あるいは心地のよいところまで)。そのまま数呼吸します。





それからまっすぐ立って、壁にもたれて1、2呼吸のあいだ休みます。


壁を使って椅子のポーズに戻ります。今度は、ふくらはぎを強化するため、膝を曲げたまま両かかとを持ち上げられるか試してみましょう。




ひと呼吸ごとに両踵を持ち上げるところから始め、そのあと徐々に数呼吸へと延ばしていきましょう。


かかとをおろして、両脚への荷重を減らすため、壁に背中を滑らせながら立ちあがります。




6. 壁際のランナーのストレッチ


これは、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋とヒラメ筋)、アキレス腱のストレッチで、足首の可動性を促進します。後ろの膝を曲げたバリエーションでは、ストレッチをヒラメ筋へと繋げます。


壁に向かって立ちます。30cmほど離れて立ち、両手を壁に胸の高さ位で置きます。左足を後ろへ60〜90cm下げます。両足先は壁に向けておきましょう。背骨を伸ばしたまま(股関節から曲がり背中は丸めない)で上体を斜め前に倒し、後方の踵を地面に着けまま、左ふくらはぎの筋肉にストレッチを感じるまで肘を曲げます(ストレッチを感じなければ、左足をもう少し下げます)。そのまま数呼吸します。





今度は、左足の中心と直線に並べたまま左膝を曲げます。左足の指の付け根で根付かせて、左踵を後方へと下げます。このまま数呼吸しましょう。




ポーズから出て、反対側で繰り返します。


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2025年5月8日木曜日

アーユルヴェーダのスーパーフード:ギーの持つ消化や免疫などの効能 
The Ayurvedic Superfood: Ghee Benefits for Digestion, Immunity, and Beyond


アーユルヴェーダの文献には、精製したギーバターは1000以上もの治療的性質を持つと言われてきました。それを受けてインドでスーパーフードと考えられてきたギーは、今や最新の研究に基づいたスーパーフードです。ギーは酪酸の最も豊かな食料源で、牧草で育てられたギーバターには、穀物で育てられたものに比べて健康的な代謝を向上させることで最もよく知られる共役リノール酸(必須脂肪酸であるリノール酸の異性体の混合物)が5倍多く含まれています。



ペンタデカン酸C15とは何か、どのようにギーの健康効果を高めるのか


精製ギーを称賛する理由がまたひとつ新しい研究で示唆されました。ペンタデカン酸C15です。近年、この奇数鎖脂肪酸の健康効果が見つかってきています。主として牛や数種の魚など反芻する動物の腸内で作られるこの脂肪酸は、その量がとても少ないためあまり注意を向けられてきませんでした。この脂肪酸はギーの中にも見つかっています。今日では、ペンタデカン酸の効能について言及する研究が数多く存在し、ほんの少量で長期にわたる健康や長寿の効果が得られることを示唆しています。




ペンタデカン酸C15によるギーの効能


この奇数鎖飽和脂肪酸の効能は、ペンタデカン酸C15という名前の通り、炭素の数(15)にあると考えられています。効能は以下の通りです。

  • 免疫を高める
  • 心臓の健康をサポートする
  • 肝機能をサポートする
  • 健康的な血糖値をサポートする
  • 赤血球を強化する
  • 代謝や脂質をサポートする
  • 細胞の健康的な老化をサポートする


対照的に、偶数鎖飽和脂肪酸のパルミチン酸C16は、炎症や血糖値、心臓の疾患などの原因となります。その鍵は、脂肪酸鎖の中の炭素数にあり、ペンタデカン酸C15はほんの少量でも生物学的に活性しているという事実にあります。


アーユルヴェーダには「微細であればあるほどより力強い」という古いことわざがあります。体内の数え切れない機能を調整している腸内のバクテリアは目に見えません。渡り鳥の移動や季節を司る昼夜のサーカディアンリズムもまた目に見えません。ですから、最も効果のある脂肪酸のひとつがほんの少量で癒しの効果があることは驚くことではないのです。



C15の効能を裏付ける研究


体が老化するプロセスのひとつとして、AMPKと呼ばれる酵素が減少しますが、これが減少するとエネルギーレベルが下がり始めます。AMPKは、私たちの細胞内にあるエネルギーを作るミトコンドリアにグルコースを届けています。ペンタデカン酸は、AMPKを刺激してミトコンドリアへグルコースを提供するのを促し、細胞エネルギーの生産を増加させたりレベルを高めたります。


その他の研究でも、奇数鎖脂肪酸(ペンタデカン酸C15など)の高い人に比べて値が低い人は、死亡率が高く全体的に不健康であることを示されています。健康的な血中の鉄分レベル、血糖、コレステロール、正しい炎症反応に加えて、ミトコンドリアのエネルギー生産の回復や機能的なAMPKプロセスをもサポートします。


また、C15は生物学的に活性である代謝物を作るために体内で使われます。代謝物のひとつがペンタデカノイルカルニチンで、CB1やCB2受容体を活性化するとされますが、気分や睡眠、健康的な免疫反応、痛みのレベルなどを調整します。研究では、このC15由来の代謝物はまた、体内のストレス軽減受容体を活性化することでストレスを和らげることが示されています。また、この代謝物にはヒスタミン受容体を抑制する能力があり、季節性の刺激物への(アレルギー)反応が健康的であるようサポートします。



ギー・バターは健康に役立つ?






最後に、C15と魚油(EPA)を比較した研究では、C15の方が安全であり、より広い効果もあることがわかりました。また、かなり少ない量でも効果が見られました。気分の栄養によるサポート、不健康な細胞や望ましくないバクテリアの増殖防止においては、C15が魚油と同様の効果があることが研究者らによって発見されています。




C15を食事に取り入れる方法は?


全ての無加工の乳製品には、ペンタデカン酸C15がほんの少量含まれていますが、牛乳の脂肪酸を凝縮し乳糖(ラクトース)を全て除去しているのは、牧草で育てたオーガニックの牛乳をゆっくりと熱して作ったギーバターなのです。この脂肪酸の凝縮プロセスによって、ギーのペンタデカン酸C15の量は、ほんの少量からより癒す力があるレベルまでに変化しています。


ギーの作り方

無塩バター450g

バターを中火にかける。バターが溶けてから12分間ほど火にかけ続ける。バターが煮えて表面に泡が出てきます。kの泡に薬用効果が含まれています。火を弱火にしてギーが黄金色になるのを待つ。ギーに水を一滴垂らしてみて、弾ける音がしたら出来上がりです。火からおろして冷ます。濾し器でこして室温で保存する。




超健康のための超油脂:ギーの効果を取り入れる


牧草で育てた牛から搾った牛乳で作ったオーガニック・ギーの力強い性質全てを考えてみれば、なぜアーユルヴェーダの文献がこれが最も癒しの効果のある食品だとあがめる理由がより理解できるようになるでしょう。





(出典) https://yogainternational.com/article/view/the-ayurvedic-superfood-ghee-benefits-for-digestion/

2025年3月10日月曜日

ヨガはがん治療をサポートする
だが、この「すべき・してはいけないこと」は心に留めておくこと
Yoga Can Support Cancer Care But Keep These Do’s and Don’ts In Mind

今回は、インドのCNN系メディアNews18からの記事です。

私がトレーニングを受けたシンガポールのドクターのもとにも
がんで苦しむ患者さんが来られていました。
残念ながら、数年後に旅立ってしまわれましたが
ヨガセラピーで痛みや苦しさ、死の恐怖を緩和できていたならいいなと今でも思います。
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サミーナががんと診断された時、彼女は冷静に受け止め、落ち着いて自分に必要なことにとりかかりった。腫瘍を取り除く手術を受け、免疫療法と経口化学療法を行なった。がんの代替医療の役割について聞いたことがあったので、手助けしてくれそうなヨガの指導者に連絡を取った。


ヨガを練習して数日のうちにサミーナの疲労は酷くなり、動悸やめまい、ホットフラッシュ、息切れをするようになった。調べてみると、そのヨガ指導者は動きが多く刺激の強いスリヤ・ナマスカラを彼女に練習させていることがわかった。


もう一人の元がん患者であるクシュブーの場合はこうだ。がんだと確証を得た時、化学療法や他の医療行為を拒否し、彼女は様々な代替医療を探し始めた。食療法、ホメオパシー、マントラ治療法、アーユルヴェーダ、自然療法、瞑想、そしてヨガの呼吸法だ。しかし、2年も経つと彼女の数値は急激に高まってついには入院しなければならなくなり、ICUで命からがら数週間を過ごすことになる。そうして入院中からその後10年にわたって標準的な医療と化学療法を受けることになり、がんを克服した。


二人とも間違っていたのである。一人は間違ったヨガ指導者を選んでしまった。もう一人はヨガや代替療法が「包括的に」体を元に戻してくれるから従来の治療は必要ないと考えてしまったのである。



ヨガは役にたつが、どのようにかが大切


ヨガはがんのための効果的な支持的療法として証明されていると、エビデンスに基づいた研究で示されてきている。正しくーつまり習慣的に、正しく理解したうえで、長期間ー行えば、炎症を抑え、免疫を高め、がんの進行につながる悪い行動さえも変える可能性を持っている。


しかし、がん治療にヨガを利用する時には、理解しなければならないことがある。がん治療は倦怠感、筋肉の弱体化、めまいや末梢神経の障害などを引き起こし、その結果、いくつかの動きは安全ではなくなる。また、転移や骨粗鬆症、疼痛などがある場合があり、ヨガポーズはそれを悪化させる恐れもある。従来の治療とヨガセラピーどちらも行う医師や専門家らが、最近の学会でこの重要な問題に対する彼らの経験を共有した。


以下は、彼らの意見と実用的なガイダンスである。



医師の意見


ムンバイにあるタタ・メモリアル・センターのディレクター、パンカジュ・チャトゥルヴェディ氏はこう述べる。「治療の養生の後、正しい段階の正しいヨガに導いてもらうため、医師に相談してください。YouTube やインスタグラムのビデオをみながらの練習はやめてください。また、ヨガは我々が行なっている今の治療の代わりには絶対にならないこと、だからこそ練習は治療と並行して行うのだということを忘れないでください。そして処方や指示は医師から受けてください」


米国ヒューストンの MD・アンダーセンがんセンターの統合医療プログラム・ディレクターのロレンツォ・コーエン氏はこう付け加える。「がんケアにおいて、病院側が他の治療と同様にヨガセラピーを提供する必要があります。しかし、私が特別に『ヨガセラピー』という言葉を使う理由は、医療の現場では単なるヨガの指導者やヨガの訓練を受けた者ではなく、その疾病や健康状態における専門知識を持つ者である必要があるからです」


CCRYN(インド・ヨガ自然療法研究中央委員会)の Ayush 省ディレクターであるラガヴェンドラ・ラオ博士は「私の肺に転移した肺がん患者は、彼女自身ヨガティーチャーでもありますが、ヨガの練習中のハイパーベンチレーションで倒れました。彼女は気胸になっていたのです。ですから、乳がんの転移が肺に到達している場合、ハイパーベンチレーションはしないようにしてください」


AIIMS (全インド医学研究所)の長であり、シュリシュリ先端研究所の顧問である有名な腫瘍学者のヴィノッド・コチュピライ博士はこう付け加えている。「そうです。私たちの(ヨガ関連の)研究では、肺領域への放射線治療を受けているなど特定の患者を除外しています。または、脳に転移がある患者にもこうした練習は勧めていません」


SRHU(スワミ・ラーマ・ヒマラヤン大学)がん研究所のディレクターである腫瘍外科医のシュニル・サイニ博士によれば、「ヨガは素晴らしい支持療法ですが、患者はそれぞれ異なるため治療にあたる医師らと相談するべきです。また、患者は病気の各ステージで異なりますし、治療のタイミングも異なります。全てのがんもまた異なります。例えば、乳がんの骨転移では、骨折の危険や痛みが増す危険もあります。急性の状態では、具合がとても悪い時にはただリラックスさせる練習法の方が良いでしょう。回復が必要な時は、身体的な側面も追加することもできるでしょう。ですので、治療チームと緊密に取り組む必要があるのです」





がんの治療としてのヨガ:すべきこととしてはいけないこと



• ヨガを始める前に、一次医療の医師や治療チームに相談すること

• がんを専門とするヨガセラピストの元で練習する。個人に合わせた指導を得ること

• 激しいポーズをしない。やさしくレストラティブなヨガをすること

• 自身が心地よく感じられる補助具を使う。薄いクッションや折り畳んだシーツ、椅子など

• 後屈、逆転など体を大きくねじるポーズをしない。その強度から太陽礼拝は推奨しない。速いペースで動かない。

• 各ポーズ、一回ごとに十分な休憩をとる。

• 全体を通して瞑想や深いリラクゼーション、深呼吸などは取り入れることが可能

• 息を止めたり、力強い呼吸はしない。ゆっくりとコントロールした呼吸に集中する。

• 患者がかなり弱るため、放射線治療や化学治療のあとは一週間あけること。化学療法後は血液の値が下がるので、7、8日間待って値が戻った時にのみ特別なテクニックで練習する。外科手術の場合、身体的なエクササイズは1ヶ月後から始める。

• 患者が自身の能力を理解していることが必要。心地よさが感じられる範囲を超えて体をストレッチしない。

• 感染などのリスクがあるため、大勢いる場所を避けグループでは行わない。

• 高温での練習をしない。また、体内の熱が上がりそうな練習は避けること。

• 水分補給をすること。空腹の状態では行わない、が、食事の後は2時間あけること。








(出典) https://www.news18.com/lifestyle/yogmantra-yoga-can-support-cancer-care-but-keep-these-dos-and-donts-in-mind-9228198.html



2025年2月25日火曜日

パササナ(投げ輪のポーズ)のシーケンス Vol.2
A Sequence for Pasasana (Noose Pose)

 前回の続きです。

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4. マリチアサナ 3


ダンダアサナで、右脚を曲げて右足先を左腿内側の会陰近くに置きます。左脚はしっかり伸ばしておきます。右手を体の後ろにまわして少し肘を曲げます。肘で体側を押さないでください。体のエネルギーの流れだけでなく肩の動きも阻害します。息を吸い込んで、左腕を頭の方へ伸ばし、背すじを伸ばします。息を吐き出し、ツイストし、左わきの下の外側を右膝の外側へおきます。わきの下と膝の間はできるだけ近づけて、より曲げた脚の方へ腹部が移動するようにします。




今度は、立位ポーズのように脚を使いましょう。前腕が床と並行になるように手首の内側を床の方に向け、それから右へ捻ります。腕の骨を力強く後方へ引き、上背部をやや後屈します。保持してから、吸う息で解放し、反対側も行いましょう。


5. アルダ・マツエンドラアサナ


このポーズでは、手や腕を組む段階に進んでいきます。背中で肩を安定させて腕の骨頭を後ろへ引くことで、力強い背中側の腕組みを維持します。




ダンダアサナから、左膝を曲げて左足先を右脚の下へ滑らせて、左足先を右股関節の外側におきます。右足先は、左膝の外側の床へおきましょう。股関節の外側をしっかりと下ろします。息を吸い込んで、両脚をギュッと揃え、左膝と右足先どうしで押し合い、左腕を上げて背筋を伸ばします。息を吐き出して捻ります。


左手を左の膝頭の周りに置きます。左肘で少し右脚を押してより深く捻りましょう。右腕は体の後ろに置いて両わきから背筋を伸ばします。ホールドして、解放、そして反対側でも繰り返します。



6. マリチアサナ3(手を組む)


マリチアサナ3のこのバリエーションは、膝とわきの下のすきまがなくなるまで捻れるようになったら行いましょう。そうでなければ、最初のバリエーションをただ繰り返すようにしてください。腕と脚のすきまがほとんどなくなったら、両脚を使いながら左肘を脇へ広げて腕を内側に回転させます。左手を右の脛の前に滑らせましょう。アルダ・マツエンドラサナでしたように、右手をウエストラインの背中側へ回します。右手首の内側を床の方に向けて、両手を組みましょう。右踵は床に向かって押し続けます。右踵の内側を左膝内側へとアイソメトリックに引き込んで、右股関節の外側が下りるようにしましょう。それから、背筋を伸ばし、腕の骨を引き込んで、捻りましょう。保持して、解放し、反対側でも続けます。




7. パリヴリッタ・パールシュヴァコナアサナ(手を組む)


これは、最初に練習したパリヴリッタ・パールシュヴァコナアサナのより深いバリエーションです。今は手を組むことができないなら、無理しないでください。ゆっくり時間をかけましょう。体の声を聞いて、愛情を持って注意して対応しましょう。前回のパリヴリッタ・パールシュヴァコナアサナの指示に沿って入ります。両脚と体の背中側全てを強く保ちましょう。





右肘を開いて右前腕を左腿の下に通らせて脚の内側に沿って安定させます。左肩を背中に回して、腕の骨頭を後方へ下げ、左腕をウェストラインで曲げて、マリチアサナ3でやったように背中側で手を組みます。上背部で後屈し、両腕を安定して後方へ下げます。右の内腿を床から離すように引き上げ、右踵を床へ回し下ろして、より深く捻ります。保持して、解放、反対側で繰り返します。



8. マラアサナ


両足をそろえます。前屈して、30cmほど前の床に両手を置きます。足指の付け根に乗って体重を両手に移動し、股関節を踵に近づけて、脇の下の方へ両膝を開きます。前方へ屈んだら、踵を床に下ろします。踵が床に着かなければ、安定感を得るためにブランケットやタオルを折って踵の下におきましょう。もし可能なら、両足は離したり外に向けたりせず、そうでなければ調整しましょう。




両腕を体の前へしっかりと伸ばし、背筋を伸ばしながら頭をできるだけ床に近づけます。今度は、肘の内側を内へまわして横に向け、腕を内側へ回しながらわきの下を脚の下の方へとできるだけ下げましょう。


今度は、両肩を耳の方へしばらくの間すくめます。それから一方の腕を脛の下へと伸ばし、やや内回転させながら背中へと伸ばしましょう。反対側の腕も同じようにします。この「ベルトを締める」動きを何度か行ってポーズを深めます。保持して、両脚をしっかりと合わせ、背中をたっぷり伸ばすよう背中に呼吸を入れます。解放します。



ピーク・ポーズ

9. パササナ(バリエーション1)


壁の横に折りたたんだブランケットをおきます。ブランケットに踵をのせてタダアサナで立ちます。壁から前腕の長さの距離くらい離れましょう。息を吸って胸を持ち上げます。息を吐いて膝を曲げてスクワットします。今度は息を吸って、立位ポーズのように両足に力を入れて背筋を伸ばし、息を吐いて捻って、右わきの下の外側を左膝の外側へおきます。肩と膝の隙間を無くしましょう。





右手を右肩の高さで壁に置きます。必ず左肘を曲げたまま、左腕を壁に置きましょう。息を吸って両脚をぴったりと着け、背骨を伸ばして、息を吐き切り、壁の方へ捻ります。左手をアイソメトリックに床へと引き、背中の左肩甲骨に力をより感じるまで続けます。その力を保ったまま、右腕を左膝に押し付けて、もっと尾骨を引き、上背部の後屈をしながらより深く捻ります、保持、解放してから反対側で繰り返します。



10. パササナ(バリエーション2)


左肩と右脚の間の隙間をなくすことができたら、この手を組むバリエーションに進みましょう。前のポーズの指示すべてを繰り返します。左腕を内回転して、もう一度引きを横に広げましょう。左手を右脛の周りに伸ばし、前腕を左脛の前と左腿の外側あたりにスライドさせます。最後には、両脚の周りに回して組むことができるかもしれません。





右腕の骨を後方へ下げ、右腕をウェストラインで曲げて、手首の内側は下に向けたまま、背中で両手を組みます。両膝どうしをしっかりとつけて、股関節外側を働かせ、背骨を伸ばし、腕の骨を下げて、そして捻ります。保持、解放、そして反対側で繰り返します。




初めて試した時にこのポーズができる人はとても少ないです。練習が長期間続く努力を必要とするのと同様に、この難しポーズは、忍耐強く献身的な繰り返しを通してのみ可能となります。




準備ができたら、足の下のブランケットをよけて取り組んだ要素全てを取り入れ、
最後のポーズを練習しましょう。



このような深い股関節屈曲の後は、鼠蹊部のストレッチや腸腰筋のリリース、体をニュートラルに戻ることがとても効果的です。ですので、セツ・バンダ・サルヴァンガアサナで、体の前が伸びるよう脚の骨を通してストレッチして、この練習を締めましょう。スプタ・ヴィラアサナやワイパーのポーズもまた同様の効果があります。シャヴァアサナで時間をかけて心地よく休みましょう。

2025年2月20日木曜日

パササナ(投げ輪のポーズ)のシーケンス Vol.1
A Sequence for Pasasana (Noose Pose)

今回の記事はアドバンスのポーズのための練習法です。
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「責任・義務」という言葉は時に、とても自信のある人でさえもその出口戦略を見出すことに心配や不安を感じさせるものなのかもしれません。例えば、私の友人が最近とても好きな相手を結婚しました。けれど、「その日」の数週間前、彼女は突然不安に襲われました。もし自分の気持ちが変わってしまったら?彼が愛の誓いを守れなかったら?私は彼女に何が一番
不安なのかを尋ねました。彼女は涙をポロポロ流しながら叫んだのです「私は責任とか義務には向いていないのよ!」


この友達は、アサナやプラナヤマの練習を長い間続けてきました。私は、彼女がずっとこうした練習を熱心に続けてきたことを指摘しました。「それは、また違う」彼女は言いました「それは義務じゃないの。本当にヨガがしたいの」本気で?毎日?私は言いました。「1日も欠かさず練習したがる人なんて、聞いたことないわ」もちろん彼女の毎日というわけではないけれど、でも毎日練習してきたのです。「したい時もしたくない時も私はヨガをするの。そうやって長い間続けた努力から成果を得るの」私は、うまくいった結婚みたいだと思いました。


人間関係の多くを根付かせて育てるためには、こういったタイプの持続した責任や義務が必要です。パタンジャリは、こうした考えをヨガスートラの第1章14節ではっきりと説明していて、練習に専念するということを定義づけています。練習を確立するということは、すなわち練習が自身の堅固な基盤となるということと彼は述べています。長い間、敬意と愛情を持って続ければ確立されると。


私たちはみんな、故意であるかそうでないかに関係なく、何であれ習慣的に行うことができ、確かな習慣やルーチンを作ることができます。毎晩寝る前にお茶を飲むことだったり、毎日午後4時に犬を同じ道で散歩させることだったり、毎朝、朝食前に瞑想をすることだったり。敬意をもって取り組むことで何でも実践や練習にすることができます。そしてその取り組みが自分自身への約束となり、あまり考えずに行う作業やただ決めたルールではなく、向上したいという意思となるのです。


私たちの練習は、自身の価値や熱意を持って続けるに値するその追求を確かにする手段です。献身と敬意を観念的な理想と見るのではなく、マットの上でアサナをしている時もマットの外で自分のことや人間関係について取り組んでいる時も、私たちは敬意と愛情を持ち続けることができます。長い間繰り返し練習すれば、パタンジャリの言うように、安定した基盤を作ることができ、逆説的に言えば人生の中でより大きな自由に到達するのです。


ロチェスター大学宗教学教授であるダグラス・ブルックス博士は学生たちに、ヨガでは「自由は自由から来るのではない。自由は束縛から来る」と念を押します。ブルックス氏はヨガのことを「洗練された束縛」と呼び、心の中で真実だと信じるものに従って生きる自由をその実践者に与えるのだと。有害で思慮のない習慣にはもはやとらわれず、実践者は、死と蘇りという究極の束縛、つまりサムサラからの自由を見つける力を得るための練習を完璧なものしようと献身しています。いったん精神的な安定を得られれば、自由に自身の心の叡智に耳を傾けたりそれに従って人生を生きることができます。


パササナ(投げ輪のポーズ)は、束縛と自由、義務と献身を体験させてくれます。深いねじって腕を組むこのポーズは身体的に、背骨を自由に深くねじれるような強固な土台をつくるため、両脚と股関節を強く働かせなければなりません。ねじりが深くなればなるほど、肩を開き脚の後ろで手を組みながら、胸や肺でしっかりと呼吸し、喜びと解放感を感じることが容易になります。


比喩的には、パササナの安定した土台は約束の力を、ねじりの動きは最も深い真実を中心におくという私たちのゴールを表しています。組んだ手は中心にある価値に留まることを表現します。そして練習が時間をかけて持続する努力を必要とするように、この難しいポーズは熱心に継続して繰り返し練習することのみで完成することができます。最初に試したときにこのポーズができる人はとても少ないのです。では、実際のレベルは?パササナは空腹時にだけ行いましょう。また膝や腰に問題がある、椎間板ヘルニアの場合はこのポーズは行わないでください。


今回のシーケンスを練習するときは、全てのポーズで決まった数の呼吸を続けてください。すべてのポーズでウッジャイ呼吸を5回行うこと、あるいは前もって決めた時間ポーズを保つことで、自身で境界を決めることができ、それが皮肉にも自由を与えてくれます。これで、少し不快感を感じた時にモゾモゾしたりポーズをやめようかなと思ったりすることなく、ポーズに注意を向けることができます。体力やスタミナ、経験に応じて30秒から1分間やってみましょう。


もちろん、ポーズの間痛みを感じるべきではありません。痛みが生じたり呼吸が乱れたら、ポーズをやめましょう。これらの境界は厳格ではありません。自分自身の練習に取り組んでください。最大の効果を得るために同じポーズを2回以上するのがいいと思うかもしれませんし、繰り返すことでより学び向上できると感じるかもしれません。



パササナ(投げ輪のポーズ)の準備


1. パールシュヴォッタナアサナ

タダアサナから、両手を背中で合わせて合掌します。肩が硬いと感じたら、背中で両肘を掴むか指を組みましょう。背中に肩甲骨を引いて寄せます。両腕の骨頭つまり上端を背面へと動かします。この動きによって肩が安定し、胸をより大きく開くことができます。



息を吸い込んで、両足を1ー1.5mほど開き、右脚は外側へ左脚は内側へしっかりと回転させます。まず両脚の次の3つの力強い動きに注目しましょう。筋肉を骨に向かってまとめる、両脚は強く引き寄せあう、そして足先のエネルギーを股関節に引く。尾骨は引いて下腹部をおへそに向かって引き上げ、胸を上げながら頭頂に向かって背骨を伸ばします。二重顎を作るかのように首を戻して、空に向かって顔を上げましょう。




息を吐き出して、股関節から前屈します。胴部を下げながら、右足の指の付け根でアクセルペダルを踏みこむのをイメージします。かかとを地面に着けたまま、指の付け根を通って後方の足が床の方へ重たく感じるまで押します。この動きで、重みを均等に両足にかけることができ、前方の脚が過伸展するのを防ぎます。まず額をすねに向けて、それから顎をすねに向けていきます。このポーズで5回しっかりと呼吸するか、自分で決めた時間まで保持しましょう。


息を吸って、後方の脚を押して、立ち上がります。反対側で繰り返します。



2. ガルーダアサナ

タダアサナで立ち、右脚を曲げます。左脚を右脚の周りにからませます。左足首を曲げて右脚のふくらはぎに後ろに置いて、つま先は床の方へ向けておきます。左足が安定しなければ、もう一度やってみましょう。右脚をより深く曲げて左脚をもっと高く持ち上げ右脚の上の方へからめてみます。または、左足先を右足首の外側にそっと置いておきましょう。今度は、左腕を右腕の下にして、肘と手首で交差します。できるだけ両手のひらを近づけましょう。


軸足を深く安定させ、からめた脚と強く合わせます。今度は、できるだけ後方へ上背部を引き上げます。両脚の強さを維持しながら、ウェストで前屈し、脇腹を後方へスライド、魔女の猫のように背中を膨らまします。背を丸めて両肘を上の脚の外側へ動かします。この前屈によって股関節が開いて背中が伸び、次のポーズの準備となります。ホールドして解放したら、反対側でも繰り返しましょう。



3. パリヴリッタ・パールシュヴァコナアサナ


タダアサナから両足を1.2-1.8mほど開きます。右脚を外側へ回転させて、股関節がマットの前端の並行になるまで左足指の付け根を軸に回旋します。息を吸い込んで両脚に強く働かせ、筋肉を骨にまとめ、股関節に向かってエネルギーを引きます。左腕を頭上に伸ばして背骨を伸ばします。息を吐き出して、少し背中を丸めて、前の脚の上で上半身を捻ります。左の脇の下の外側を右膝の外側におきましょう。左手は床かブロックに乗せます。


ねじりが安定していると感じたら、前屈をやめます。胸を上げて頭と尾骨が一直線になるよう上背部を開きます。ねじりを深めるには、安定性を作るため両脚に力をこめ、上半身の左右両側が同じ長さになるように右の腰と右脇の下の間を伸ばします。もっと捻っていきましょう。右腕を頭上にあげて上を見ます。ホールドして解放したら、反対側も繰り返しましょう。



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次回に続きます。








(出典)https://yogainternational.com/article/view/exquisite-bondage-pasana-noose-pose/

2025年2月12日水曜日

ゴムカアサナからより多くを得るために 
Get More From Your Gomukhasana


ゴムカアサナ(牛の顔のポーズ)は複雑なポーズです。股関節の屈曲、外旋と内転、そして肩の屈曲ともう一方の肩の伸展、内転を通して、股関節と肩を深く開きながら胸を開きます。その複雑性のおかげで、ゴムカアサナには上半身にも下半身にも多くの効果があり、姿勢や機能運動を改善したり、肩を深く開いたり手を組んだりする他のポーズ、エーカ・パダ・ラジャカポタアサナ(片足の鳩王のポーズ)など深く股関節を開くポーズなどへの準備になります。



ゴムカアサナの対象となる部分(肩・胸・股関節)は、特に長時間座っている人にとって
は、問題が起こりやすい箇所です。臀筋の上に一日中、受動的に座っていることでそれが弱く硬くなり、タイピングや食事、車の運転、腕で何かを押す動き、メールを打つ動きなどにより胸と肩(特に三角筋前部)は硬くなります。ゴムカアサナは、いくつかの調整をすれば、こうした問題すべてに対処できる素晴らしい方法です。






ゴムカアサナの入り方


では最初から始めましょう。まず四つ這いになり、右脚を前に引いて右膝を左膝のすぐ前で交差させます。今度は左足を右方向へと開き、両踵が腰よりも広い幅にして置きましょう。両手を後方へ歩かせて、床の方へと腰を下ろします。先に左の股関節が下りるので、右も下ろしましょう。ゆっくりと動いてください。両方のお尻を下ろすことが難しい場合は、左脚(下の方)を前に伸ばすか、ブランケットの上に座りましょう。



左かかとの上には座らないで、両方の坐骨が床(やブランケットなど)にしっかりと着くようにしてください。右膝を左膝の上に重ねてみましょう。でも、無理はしないでください。完全に重ならなくても大丈夫です。背筋を伸ばして座り、骨盤から離すように胸郭を持ち上げます。腰が曲がらないよう(前屈みにならないよう)に気をつけて、骨盤を前傾し、坐骨は後方へと伸ばします。そうすることで、体幹の筋肉とのつながりを見失わないようにします。お腹は優しく引き上げて、腰が反りすぎたり胸郭が前に突き出ないようにしましょう。胸を持ち上げて、頭頂まで背筋を伸ばします。



ポーズの上半分を作るには、右腕をまっすぐ上げて左腕を体の脇でまっすぐ下げます。両方の肘を曲げ、右の手のひらと左の手の甲の両方を背中に着けます。指先どうしを着けてみましょう(無理しないで)。もし届かなければ、ストラップやタオルなどを使ってつなぎ、両手はただ背中に休ませておきます。指先を這わせて近づけた時にポーズに何が起こるのかに気づきましょう。顎はあまり上げたり下げたりしないように、床と並行に保ち、首の後ろ全部を長くします。



ほとんどの人はゴムカアサナは上げた方の腕が重要だと思っていますが、実際には下方の腕により焦点を当てて、肩の回旋腱板(特に肩甲下筋)や菱形筋などを強化し、周知の通り固くなった胸筋と前部三角筋をストレッチすることで、肩により多くの効果を得ることができます。そのためには、上がりやすい右肩を上げずに両肩を床と並行にする必要があります。
両肩を揃えることで、両手を繋ごうと背骨を横に曲げることなく、肩甲体をストレッチすることができます。次に、左(下方)の肩を後方へ回転させながら肩甲骨どうしをやさしく寄せましょう。これによって左三角筋前部、つまりこのテクノロジーに囲まれた世界に住む私たちの多くが硬くなってしまっている部分のストレッチが深まります。これをするには、両手をもっと離す必要があるかもしれませんが、長期的にはより効果的です。このポーズをホールドして、呼吸しましょう。



顎のまわりをリラックスして、頭頂に向かって背筋を伸ばしてみます。このポーズによって、肺に力強い呼吸がもっと入ってくるのを感じましょう!背骨と胸郭のまとまりを保つため体幹を使い続けるのを忘れないでください。



ゴムカアサナの素晴らしいところは、上半身と下半身の要素をどちらも選ぶことができることです。どちらか片方を選んで、体のその部分を開くことに本当に集中することもできます。股関節のストレッチを強めるには、例えば、背骨をまっすぐに保ったまま股関節で前屈(対象としている股関節の可動域を狭めることになるため背骨を丸めないようにしましょう)し、坐骨を後方へ放つことに集中します。



上半身の要素は、特にデスクの前や椅子の上に長くいる人にとって、一日中取り入れられる素晴らしいストレッチです。毎日何回か休憩時間にこのストレッチをすることで、姿勢が大きく改善するだけでなく肺により多くの酸素を取り込めるためエネルギーレベルも改善されるでしょう。



ゴムカアサナはまた、他の多くのポーズの効果的な準備になるポーズでもあります。上半身の要素は、ウッティタ・パルシュヴァコナアサナ(体側を伸ばすポーズ)やシュヴァルガ・ドヴィジャサナ(極楽鳥のポーズ)などの手を組むポーズの準備となります。下半身の要素では、鳩のポーズやベイビークレードル、エーカパダ・ガラヴァアサナ(飛ぶ鳩のポーズ)、アグニシュタンバアサナ(薪のポーズ)などの股関節を深く開くポーズの準備に役立ちます。




こうしたちょっとした微調整に意識を向けて、ゴムカアサナで股関節と肩の可動域が前よりも良くなって、より深い練習へと誘ってくれるのを確かめましょう!



2025年2月6日木曜日

満足できる豆腐バーガー 
Satisfying Tofu Burgers


ちゃんと満足できるバーガーを作るのにお肉は必要ないことを証明する、野菜だけのレシピです。今度のパーティで、この美味しいバーガーをメイン料理として作り、家族や友達をびっくりさせましょう。   






バーガー8-10個分

材料

  • ひまわりの種: ½ カップ
  • しょうゆ: ¼ カップ
  • きび、お米、あるいはパン粉:1 カップ
  • 絹こし豆腐:450グラム
  • アラメ:大さじ2 
  • 水;1 カップ
  • エキストラバージンオリーブオイルか胡麻油;大さじ2 
  • にんにく:1 かけら、みじんぎり 
  • たまねぎ: ¼ カップ、みじんぎり
  • カレー粉などのスパイスブレンド:小さじ1 
  • にんじん; ¼ カップ、細かくみじんぎり
  • セロリ: 1 本、細かくみじん切り
  • 梅干しペースト:おおさじ1½
  • タヒニ(ねりごま):大さじ2 
  • 塩少々
  • 黒胡椒: 小さじ¼ (好みで)
  • ふりかけ用にコーンの粉


作り方

  1. オーブンを180度に予熱する。穀類としょうゆを混ぜる。クッキングシートにのせて乾くまでローストする。
  2. 生の場合は、きび(きび1カップに水2カップで30分)あるいは玄米(米1カップに2½カップの水で55分)を準備する。
  3. 豆腐を、ペーパータオルで挟んで重しをおき5-10分間水切りする。
  4. アラメを水に10-15分浸す。水を切って細かく刻む。
  5. 油を温めて、ニンニク、玉ねぎ、スパイス、にんじん、セロリを2-3分間炒める。
  6. ひまわりの種をフードプロセッサーで半分くらいに砕く。豆腐をすりつぶす。炒めた野菜を加えて、火を通した穀類1カップ、種、アラメ、梅、ねりごま、塩胡椒を加える。塩は好みで調整する。よく混ぜる。
  7. バーガーのたね約½ カップで1.5cm厚のバーガーを作る。
  8. 80度のオーブンで15-20分焼くか、プライパンで(コーン粉をふりかけてから両面をきつね色になるまで焼き、ペーパータオルの上で水気をとる)。
  9. 全粒粉のバンズにレタス、赤玉ねぎのスライス、マスタードとともに挟む。






 (出典)https://yogainternational.com/article/view/satisfying-tofu-burgers/

2025年1月30日木曜日

お腹の慢性的な不具合を治す方法 
Quick Tips to Relieve Chronic Digestive Distress

今回の記事は、消化についてです。
アーユルヴェーダでは、食べることと消化することをとても重視しています。
なぜなら、それが体と心を作る源だからです。

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「一億円当選したところで、お腹の調子が悪ければ幸せになんてなれない」私のヨガの先生はリトリートの度にこの言葉を繰り返します。そして、宝くじに当たる人はとても少ないですが、いつもつらい胃腸の症状に悩む人はとても多いのです。


一億人以上のアメリカ人が、逆流性食道炎や過敏性腸症候群、消化器の潰瘍、憩室炎などの消化器官の問題を抱えています。こうした症状は辛いものです。大抵は複雑でわかりにくく、臭いおならや突然トイレに駆け込むなど恥ずかしい症状もあります。


こうした問題の原因を探りおそらく永続的に解消するために、古代の叡智は私たちに、消化の本当の土台を深く探りなさいと伝えます。アーユルヴェーダではその土台をアグニ(火)と呼んでいます。


強いアグニは、生命力、免疫、明晰さ、そして気分までも向上させます。理想的に、維持されている時には、食べた物はすぐに精力的な燃料へと分解されます。


この燃料は肝臓で同化され体のあらゆる層や組織に送られます。アーユルヴェーダでは、最深層に栄養が行き渡っていると、私たちは活気やエネルギーを感じると言われています。気分が良くなるのです。

この良い気分はその他のレベルにおいても健康的な消化とつながっています。


腸は「第二の脳」とも呼ばれ、セロトニン生成の90%を担い、1億以上のニューロンを司ります。消化がうまく働くと、セロトニンが処理されて腸内神経が刺激され、心の状態に影響します。よい消化は文字通り、生物化学的にもそれ以上にも幸福感を与えてくれ流のです。


アーユルヴェーダでは、アグニが弱ると食べ物が一部しか消化されず、肝臓が詰まって、毒素が組織内にできてしまいます。そうなると、疲労や倦怠感、不機嫌、うつ状態などになったり、または膨満感やガス、便秘、差し込みなど不快感が起こります。


「腸の痛み」は不快なものです。しかし深層部の消化力にエネルギーを与えなさいという警鐘かもしれないのです。


アグニを高めるためにアーユルヴェーダが薦めるライフスタイル:

  • 食事は規則正しく、食物がしっかり消化できるよう各食事は4-6時間空ける
  • 自然に近い状態で、栄養価が高く消化に良い自然食品を選ぶ
  • 季節と体調に合ったスパイスと食べ物を組み合わせる
  • 生活のあらゆる面でストレスを減らすようリラックスする
  • 特に食事の時は「ながら」をしないで集中する
  • 食物アレルギーが疑われるなら、除去食を試してみる。卵や乳製品、小麦、とうもろこしなどよくあるアレルゲンを21日間断つ。ひとつづつ食事に戻したとき消化に問題が起これば、それが問題を起こすその食品を断つべきだというサイン。
  • 毎朝、塩とレモンを入れたお湯を飲む。
  • そしてアグニサラなどヨガのテクニックを練習する。


特別なサポートが必要なこともある
ライフスタイルを実践していても十分で無い場合、現代の生活に合わせたハーブや伝統的な食品で消化を助けることができます。弱ったアグニを活性するには・・


消化酵素を増やす
酵素とは食べ物を燃料へと変えるタンパク質触媒です。私たちの体が繰り返しリサイクルしている消化にとても重要な物で、酵素の量が寿命を決めるという栄養士もいます。

歴史的に私たちは、生の食物、特に生の乳製品、肉、野菜などから酵素を得てきました。今日では、生の乳製品や肉は明らかに問題が多く、また生野菜は消化が良くありません。その代わりに、酵素が豊富で扱いやすい食物を摂ることができます。そのなかでもローハニーは最高です。発酵させたケフィアやキャベツ、コンブチャ(紅茶キノコ)も良いでしょう。


ハーブの苦味で食事を始める
苦味は味覚です。コーヒーや甘くないチョコレート、ルッコラなどの葉野菜の味です。また、ハーブの多くも苦味を持ちます。ハーブの苦味は伝統的に、消化液を刺激するため食事の15ー30分前に摂られてきました。正しい時間に正しい場所へ正しい酵素と液体を得るためです。今日でも、この同じ苦味で熱く弱った消化力を改善することができます。リンドウやオオグルマ、ノコギリソウ、ニガヨモギなど冷やすハーブを含むお酒を試してみてください。冷たく弱った消化力に悩んでいるなら、ウイキョウや陳皮、生姜など温める効果のあるものを試しましょう。



体によい菌を摂る
腸内は500ー1000種類の役立つバクテリアが共生していて、消化プロセスを助けています。塩素で殺菌された水や大量の加工食品、抗生物質やストレスなどによって、こうしたバクテリアが死ぬと体によくないバクテリアが増えて膨満感や便秘、痛みなどの原因となります。本当の牛乳から作った自然で新鮮なヨーグルトは、腸内フローラをもう一度取り戻す良い方法の一つです。入手できない時は、プロバイオティクスのサプリを試しましょう。信頼できるものを選ぶようにしてください。よいプロバイオティクスは、菌が生きられるように冷蔵しておく必要があります。



プレバイオティクスを試す
他の生物と同様、腸内フローラも生きるためには栄養が必要です。腸内フローラに栄養を与えるハーブや食べ物のことを最近では「プレバイオティクス」と呼び、消化プロセスでもほとんど損なわれることがありません。たんぽぽや牛蒡、オオグルマの根などのハーブを試しましょう。幸運なことに、いくつかのプレバイオティクスハーブの苦味は肝臓に良い効果があります。



肝臓を守る
肝臓は、栄養を吸収したり毒素を浄化するなど30以上の機能を担っています。よく働かせるためには、きれいに保ち栄養を与え続けなければなりません。伝統的に、初春の野草が解毒や肝臓を整えるために使われてきました。今日では、たんぽぽの葉を春の習慣に取り入れることで自然のプロセスを再生することができます。牛蒡やたんぽぽ、ナカバギシギシなどを煎じた物、アルコール抽出したものなどもまた、肝臓を優しく浄化し栄養を与えます。


慢性の消化不良を抱えたまま、ずっと暮らしていくべきではありません。人生の一大事(例えば宝くじに当たるとか!)だけでなく、春に咲く花々や温かいそよ風などささやかな楽しみにさえも影を落とします。賢く健康を促進していけば、ゼロから強い消化力を築き、辛い症状をなくしていくことができます。


これらの浄化と強化法で、より軽く明るい日々を過ごせますように。そして人生がより素晴らしいものになりますように。





(この記事は症状や補完的な治療の一般的な情報であり、専門家による助言ではありません。新しい治療や食事法、運動などを始める前には必ずご自身の医師や資格のある医療従事者にご相談ください。)







(出典)

2024年12月20日金曜日

ガヤトリ・マントラ:歴史、意味、効果について 
Gayatri Mantra: History, Meaning, & Benefits


薄明かりの朝や夕暮れは、私たちを自身の内側へと呼び戻してくれる時間です。「おお、夜と夜明けという2つの聖なる力よ、2隻の船のように我らを向こう岸まで連れて行っておくれ」とヴェーダが唄うのはそのためです。古代、熱心な探究者らは朝早く起きて沐浴し、儀式を行い、マントラを唱え、瞑想のため座りました。そして夕方には、また瞑想の時間をとって1日の疲れを洗い流したのです。今日においてもヨガの実践者の間では、朝夕の移り変わりの時間は今も伝統的な瞑想の時間です。


この昼間と夜の移り代わりに行われる瞑想は、サンディヤ瞑想と呼ばれます(サンスクリット語でサンディヤとは繋ぎ目のことです)。ヴェーダの時代から始まったサンディヤ瞑想は、今も世界中で見ることができます。これらの瞑想は、何百万人の日常生活に信仰や内省を与えています。早朝の光が風景を照らし暗闇を一掃するように、サンディヤ瞑想は精神を浄化し、啓蒙し、養うのです。







ヴェーダの象徴性


サンディヤの霊的なテーマは、ヴェーダのシンボルを通して伝えられています。ヴェーダは聖歌を通して、実態のない真実を疑う余地のない宇宙としてあがめています。太陽や月、風、火、雨を称賛し、それらを人間の母や、娘、姉妹、兄弟、父として普遍的に表し、鍋や扉、車輪などの人による発明品を宇宙の真実の現れだと認識しています。


言い換えれば、私たちの住む宇宙は最高度の真実そのものであるが、人生の出来事や夢によって覆い隠されているのだと、ヴェーダは語ります。私たちが見ているのは全体の、つまり1日の周期、季節の移り変わり、生と死、種まきと収穫のうちのほんの一部です。これは、現れていない全体の一部が表れている姿であり、見えないものの見える一部分なのです。


しかし、海を見たとたん、地球の海の明らかな果てしなさに驚嘆する感覚が現れるのと同様に、夜明けごと夕暮れごと、生と死が訪れるたび、私たちは見えない全体への脅威の念にしばし心が溢れてしまうものです。そうして、見えるものの中の見えないものの広範性、現れているものの中の現れていないものは、リグ・ヴェーダにこう記されているのです。


リグ・ヴェーダ:
聖者の4分の3は天に上り、4分の1はここにまた現れる。その後は、すべての場所に広がる。命あるもの命なきものどちらの世界にも。(Rig Veda 10.90.4)



こうした節は道標であり、この宇宙の広大さの中に現れる時、無限の真実が啓示されます。しかし、ヴェーダではそれほど単純には考えてはいません。真実のシンボルは常に変化し続け重なり合うと認識しています。例えば、昼間の光はアディティア(太陽)の産物である一方、夜の光はアグニ(火)の産物です。ですからアディティアとアグニは兄弟と表現されます。同様に、光の強さは、宇宙の光と人間の人格にある知性のどちらにも象徴されます。ですから、言葉の光とは、太陽の光あるいは知性の力のどちらの意味ともなるでしょう。


ですから、最高の真実はひとつの象徴には制限されず、またどのような自然の力にも具現されません。ヴェーダで根源的に崇められる太陽神でも月神でも雷神でもありません。これらは宇宙の儀式の単なる「司祭」であり、人生の普遍のリズムという形で私たちの眼前でくり広げられる儀式に過ぎないのです。私たちはみな、神も人も、この儀式の一部であり果たすべき役割があるのです。




ガヤトリ・マントラ


では、この考えを個人としてどのようにシェアできるでしょうか?その答えは、ヴェーダの啓示全体の総合的な知恵を包括しているガヤトリ・マントラです。リグヴェーダ(3.62.10)で、ガヤトリ・マントラはガヤトリ韻律(24音節を8音節ずつ3行に分ける)で書かれており、それにちなんで名付けられています。しかし、ガヤトリとはまた「歌い手を守る女性(gaiが「歌う」、traiが「守る」)」という意味もあります。ですから、ガヤトリは神聖なる母の名前であり、子どもを守り自己実現へと導く存在なのです。
ガヤトリ・マントラは次のように書かれています。


Tat savitur varenyam
bhargo devasya dhimahi
dhiyo yo nah prachodayat


しかし、マントラを瞑想で唱える時は、初めに1行追加します。この行は Om の音で始まり、maha vyahritis(「偉大なる言葉」;bhur, bhuvah, svah)という3つの短い音が続きます。ですから、瞑想で使われる完全なマントラは以下です。


Om bhur, bhuvah, svah
tat savitur varenyam
bhargo devasya dhimahi
dhiyo yo nah prachodayat



チャーンドーギヤ・ウパニシャッドでは、最初の行の重要性が説明されています。それによれば、かつて宇宙の神であるプラジャパティが、地と空と天という三つの世界でできた自然を考えていました。そして深い集中によりそれらを導く基本的な力 ー 地を制する火(アグニ)、空を制するヴァーユ(生命力)、そして天空を制するアディティア(太陽)ー を見つけることができました。


プラジャパティは再度深い集中をその3つの「種」である音、導く力に向けて、それらの真髄を得ました。火からはリグ・ヴェーダの節を、生命力からヤジュール・ヴェーダを、そして太陽からはサーマ・ヴェーダを得たのです。


彼はまた集中を、今度は3つのヴェーダに向け、リグ・ヴェーダからは bhuh の音節を、ヤジュール・ヴェーダからは bhuvah の音節を、そしてサーマ・ヴェーダからは svah の音節を得ました。したがって、3つの maha vyahritis は、ヴェーダの真髄であり、火と生命力と太陽の種であり、また地と空と天の種の音なのです。


最後にプラジャパティは3つの vyahritis にまとめて集中し、深い集中を通してひとつの純粋な音である Om の音節を得ました。Om とは「全てはこれである」という意味です。


ガヤトリ・マントラの次の2行は、太陽光、エネルギー、純潔、超越、啓蒙、哀れみ(全てのための太陽光)という概念を崇めています。


tat savitur varenyam 
bhargo devasya dhimahi


これは「私たちは自身の中に呼び起こし、聖なる太陽の存在というその驚くべき真実に瞑想する」と訳されます。


最後の行(dhiyo yo nah prachodayat)では調子が変わります。ここは請願であり、精神の明晰さと直感的な気づきを求めています。マントラは「お導きください」と求めています。この最終行の本質は、最初と最後の言葉に含まれています。最後の言葉 prachodayat の意味は「お導きください、ご誘導ください、道を示してください」。最初の言葉 dhiyah (dhiyo) の意味は単に「思考」ですが、より重要なのは、精神のより高みにある直感的な見通す力を意味していることです。マントラは、精神の最も素晴らしい力である直感的な能力が「聖なる太陽の存在というその驚くべき真実」で導かれるよう求めています。ですから、ガヤトリ・マントラの完全な訳は以下となります。


オウム
万物の3つそれぞれの面において
我らは自身の中に呼び起こし、
聖なる太陽の存在というその驚くべき真実に瞑想する。
我らの内なる見通す力を導きたまえ


ガヤトリは祈りでありマントラでもあります。マントラとしては、太陽に象徴されるより高みにある意識を実現するため、一連の音として瞑想者によって使われます。祈りとしては、神に導きを請うものです。「我が精神に道を示したまえ」と嘆願するのです。この祈りのなかには、霊的な哲学が精巧に説明されています。bhargah (太陽の精神)が、サヴィトリ(太陽の存在)であり、またスーリヤ(太陽)の内なる存在であると示します。祈りとしてのガヤトリは、純粋意識の無限の光である tat を求めるものなのです。


しかし、この純粋意識とは何なのでしょうか?ヴェーダは、純粋意識はより高い天にあり(それによって万物に行き渡っている)、また全ての人間にも存在します。意識は気づきの光です。


さあ、天に上に輝く光は、全ての場所に満ち、どこにも行き渡り、
下にも世界の最も遠い場所にまでも届く。
これは人の中に輝いている光と全く同じ光である。 
(チャーアンドーギャ・ウパニシャッド 3.13.7)


マントラと祈りという二つの役割により、ガヤトリは心を浄化し気づくという素晴らしい力を招いてれくるのです。




サンディヤ瞑想


ガヤトリ・マントラを練習したいなら、朝か夕方、あるいは朝夕に時間をとりましょう。(日の出や日の入りと全く同時に瞑想する必要はありません)。簡単に練習する方法は次のとおりです。


心地よい姿勢で座ります。リラックスした呼吸で、少しの間、鼻腔に流れる呼吸を感じます。心が落ち着いて集中してくるでしょう。


今度は、金色の太陽のような球体をイメージし、その金色の光を自分の中に移していきます。眉間から中へ、そしてその光を胸の中心のあたりへとゆっくりと下ろしていきます。そこで、太陽の金色の光線が身体中に心の中へと広がっていくのを感じましょう。


少し時間をとって、ヴェーダの予言者らに感謝します。そして、胸の中心であるアナハタ・チャクラにある金色の球体の中心で、ガヤトリ・マントラを心の中で繰り返し始めます。胸にある意識が内側にある太陽と溶け合うように、そしてその声が太陽の核から流れ出るかのように暗唱します。そこから、音節の音を自身のすべてに反響させましょう。


マントラを自然だと思われるだけ回数を繰り返します。長時間の練習にはマーラ(マントラの繰り返しを数えるための108個のビーズの数珠)を使うこともできます。自身の中に音を響き渡らせましょう。内なる存在のすべてに満たしましょう。


練習を重ねるにつれ、毎日のガヤトリのリズムが静かな喜びと共にあなたの朝と夕を明るくするでしょう。マントラによって、苦しみの場所から立ち上がり、精神的な確信を取り戻すことができます。毎日の穏やかな練習と気分の高揚、それこそ精神が必要としていることです。そのどちらもをガヤトリ・マントラで得ることができるでしょう。






2024年11月15日金曜日

プラティヤハラ:忘れられたヨガの支則 Vol.3 
Pratyahara: Yoga’s Forgotten Limb


前回の続き、最終回です。

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1. 同一の印象に集中する

精神を浄化し感覚をコントロールするもうひとつの方法は、例えば海や青い空を見つめるなど、同一の印象に意識を向けることです。不規則な食生活や相入れない質の食べ物が消化機能をショートさせるように、耳障りで過剰な印象によって印象を消化する能力も混乱します。そして消化力を向上させるには断食や、モノ・ダイエット(アーユルヴェーダでお米とムング豆のキチャリを食べるように)が必要であるのと同様に、精神の消化力も自然で同一の印象を取り入れて印象を断つ期間が必要なのかもしれません。


2. 肯定的な印象を作る


五感を制御するもうひとつの方法は、肯定的で自然な印象を作り上げることです。これには数多くのやり方があります。木や花、岩などの自然のものに対して瞑想する、または公的的な印象や思考の宝庫である寺院や聖地などを訪れるなどす。肯定的な印象はまた、お香や花、ギーのランプ、祭壇や礼拝に関する工芸品などを使うことで作り出すことも可能です。



3. 内的な印象を作る 


五感から離れるテクニックは他に、内側にある印象に精神を集中する、すなわち外側の印象から意識を遠ざけることです。想像力を働かせることで自身の内側にある印象は作り出すことができ、肉体の感覚が静まって初めて作用し始める微細な感覚に繋がることもできます。



視覚化すること


視覚化するることは、内側の印象を作り出す最も簡単な方法です。実際に、ヨガの瞑想の実践は、神やグル、自然の美しい景色などを思い浮かべることから始まります。神やその世界を思い浮かべる、または想像した神様に花や宝石をお供えするなど心の中で儀式を行うなどで、より複雑に視覚化することができます。心の中の景色に没頭するアーチストや、音楽を作り上げるミュージシャンも心の中で視覚化しています。これらはみなプラティヤハラなのですが、なぜならこれらは外的印象の精神域をクリアにし、瞑想の基盤となる肯定的な内的印象を作り上げるからです。準備としての視覚化は、ほとんどの瞑想に有用となり、他の霊的な実践に取り入れることもできます。





ラヤ・ヨガ


内なる音や光の流れのヨガであるラヤ・ヨガでは、粗い感覚から身を引いて微細な感覚へと集中します。この内なる音や光へと身をひくことは、精神を変容させる方法のひとつでインドリヤ・プラティヤハラのもうひとつの形でもあります。




プラナをコントロールする


五感のコントロールには、プラナの成長とコントロールが必要となりますが、それは五感がプラナ(生命力)の流れであるからです。プラナが強くなければ、五感をコントロールする力を持つことはできません。プラナが乱れたり混乱していれば、五感もまた乱れたり混乱します。


プラナヤマは、プラティヤハラの準備です。プラナはプラナヤマで集められ、プラティヤハラで内に入ります。ヨガの文献では、体のあらゆる部分からプラナを内にひく方法が述べられています。つま先から始め、頭頂や第3の目、心臓、あるいは他のチャクラなど意識を留めたいと思う場所で終えます。


おそらくプラナ・プラティヤハラの最良の方法は、死のプロセスを心に浮かべることでしょう。生命力であるプラナが体から離れ、足から頭まで全ての感覚が遮断されます。ラマナ・マハリシは、彼がたった17歳の少年の時にこれによって自己実現を果たしました。真我を深く探る前に、彼は自分の体が死にプラナが精神へ、精神が心臓へとと引き込まれるのを心に浮かべました。このような完全で集中したプラティヤハラがなければ、彼の瞑想のプロセスは成功しなかったでしょう。




行動をコントロールする


感覚器(目や耳など)に加えて、私たちはまた(手や舌など)運動器官を持っています。運動器官を制御することなくしては感覚器官をコントロールすることはできません。実際、運動器官は外界と直接関係しています。感覚を通して入ってくる衝動は運動器官を通して現れ、そしてこれがより強い感覚を得たいと想わせるのです。しかし、欲望は終わりがないため、幸福を得るためには、私たちが欲しているものを得ることではなく、外の世界からもう何も必要がなくなった時なのです。


印象の正しい取り込みが感覚器官のコントロールを可能にするように、正しい仕事や正しい行動は運動器官のコントロールを可能にします。これは、カルマ・ヨガで、人生に必要な行動を取ること、そして欲望や自己満足に基づく行動を避けることです。カルマ・ヨガには二段階あり、外に向けた行動や奉仕(セーヴァ)、そして様々な形式の儀式から成る内に向けた行動です。


カルマ・プラティヤハラは、神や人類全体に対する奉仕として行動することで、自分の行いに対する個人的な報酬に関するあらゆる思考を放棄することで実践することができます。バガヴァッド・ギータでは、「あなたの義務は行動することであり、行いに対する報酬を求めることではない」と書かれています。これは一種のプラティヤハラです。それはまた、運動器官のコントロールにつながる禁欲の実践も含まれます。例えば、アサナは手足をコントロールするために使われることがありますが、それは長時間、静かに座る際に必要とされるコントロールです。




精神を引いていく


ヨギたちは、精神は6つめの感覚器であり、他のすべての感覚器を調整する役割を持つといいます。感覚の印象は、精神の気づきがある場所でのみ受け取ることができます。例えば、テーブルからコップを。持ち上げる時に手の動きに合わせて目が見るものを関連づけることで、精神もまた感覚器官や運動器官を調整します。ある意味では、私たちは常にプラティヤハラを実践しているのです。精神の気づきには限界があり、精神を他の印象から遠ざけることである一つの印象に注意を向けることができます。私たちが意識を向ける場所がどこであっても、その他のものは自然に見落としてしまうものなのです。


意識をそこから遠ざけることで、私たちは感覚をコントロールしています。ヨガ・スートラによれば、「感覚がその対象そのものを確認するのではなく精神の本質を再現する時、それはプラティヤハラである」より明確に言えば、それはマノ・プラティヤハラ、つまり感覚を対象物から引いて精神の本質という内面、つまり形のないものへと向けることです。ヨガ・スートラにおいてヴィヤサは、精神は女王蜂のようなものであり、感覚は働き蜂のようなものだと解説しています。女王蜂が向かうところはどこでも他のすべての働きバチが従います。ですから、マノ・プラティヤハラは感覚のコントロールというよりは精神のコントロールなのですが、それは精神がコントロールされれば感覚もまた自然にコントロールされるからです。


不健全な印象が現れた時は、そこから意識的に注意を逸らすことで、マノ・プラティヤハラを実践することができます。これはプラティヤハラの最も高度な形で最も困難です。感覚や運動器官、プラナをコントロールすることに熟達していなければ、機能することは困難です。野生動物のように、プラナや感覚は弱い心を簡単に打ち負かすため、多くの場合、より実際的なプラティヤハラから始める方が良いでしょう。




プラティヤハラとヨガの他の支則


プラティヤハラは、ヨガの全ての支則に関係しています。アサナからサマディに至るまですべての支則にはプラティヤハラの局面があります。例えば、アサナの最も重要な面である座位のポーズでは、感覚器官と運動器官のどちらもがコントロールされています。プラナヤマはプラティヤハラの要素を含んでいて、呼吸を通して注意を内面に引き込みます。ヤマとニヤマは非暴力や知足など様々な原理や実践を含みますが、それは感覚をコントロールするのに役立ちます。言い換えれば、プラティヤハラはヨガの高度な実践のための基礎を与えてくれ、そしてそれは瞑想の基礎となります。プラナのコントロールであるプラナヤマの後、精神とプラナを結びつけることで、肉体という領域から出ていくのです。



プラティヤハラはまた、ダーラナとも関連性があります。プラティヤハラでは、通常の障害となる心の乱れから注意を引いていきます。ダーラナでは、マントラなど特定の対象物にそうした注意を意識的に集中させます。プラティヤハラはマイナスの実践ですが、ダーラナは同じ基本的機能でプラスの局面を持っています。




最も重要な支則


瞑想の実践を何年も行ってきたけれど、期待通りには達していないと感じる人は多いでしょう。ある程度のプラティヤハラのない瞑想を実践しようとするのは、穴の空いた器で水を汲もうとするのに似ています。どんなに水を入れても、それはまた流れていきます。感覚とは心の器の穴のようなものです。穴を閉じなければ、精神は真実の蜜を保つことはできません。瞑想をしたり感覚に耽ったりする人にはプラティヤハラが必要です。


プラティヤハラは、瞑想のために心を準備する様々な方法を与えてくれます。また、心理的な痛みのもとである環境的な障害を避ける手助けとなります。プラティヤハラは、人生をコントロールし、内面の存在を開くための素晴らしいツールです。何人かの偉大なヨギが
「ヨガの最も重要な支則」だと呼んだのも不思議ではありません。私たちは皆、実践にプラティヤハラを含めることを忘れてはならないのです。







2024年10月27日日曜日

プラティヤハラ:忘れられたヨガの支則 Vol.2 
Pratyahara: Yoga’s Forgotten Limb


前回の続きです。
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五感の制御


五感の制御、インドリア・プラティヤハラは、プラティヤハラで最も重要とされますが、マス・メディア志向の文化にいる私たちにはあまり耳にしたくないものでしょう。テレビやラジオ、コンピューター、新聞や雑誌、本など常にありとあらゆる刺激により、ほとんどの人が感覚過剰な状態になっています。商業主義の社会は、五感を通して興味を刺激することで機能しています。いつも明るい色や騒がしい音、ドラマチックな感覚を突きつけられています。ますますより多くの感覚的な楽しみにふけるようになっています。そして私たちの社会での娯楽とはとういったものがほとんどです。


問題は、そういった感覚というのは、躾されていない子供のように自分の意思を持ちとても衝動的な性質を持っていることです。五感は何がしたいかを心に伝えます。もし躾しなければ、五感は私たちを支配し、その終わりのない要求が心を乱します。私たちはいつも知覚が働くことに慣れていて、心を静かに保つ方法を見失っています。感覚の世界とその魅力の人質となってしまっています。五感に訴えるものを追い求めて、人生のより高度な目標を忘れています。こうした理由から、プラティヤハラは現代の私たちにとって最も重要なヨガの支則なのでしょう。


昔のことわざ「精神には意思があるが、肉体は弱い」は、五感を正しく制御する方法を学んでいない私たちに当てはまります。インドリア・プラティヤハラは、精神を強くし肉体への依存を減らすためのツールを与えてくれます。そうした制御は抑制(最終的に反発を起こしてしまう)ではなく、正しい調整と動機づけなのです。




印象を正しく受け入れる


プラティヤハラは、印象を正しい受け入れることです。私たちの多くは、何を食べるか誰と居るかに注意を向けますが、五感から入ってくる印象については同様の識別を行いません。個人の生活では決して許さないような印象をマスメディアを通して受け入れています。現実の生活では決して家に入れないような人々が、テレビや映画を通して家の中に入ってくるのを許しているのです!


毎日どんな印象を取り込んでいるのでしょう?それが私たちに影響を及ぼすことなどないと考えられるでしょうか?強い感覚は精神を鈍らせ、鈍った精神によって私たちの行動は無神経で軽率で、暴力的ですらなり得ます。


アーユルヴェーダでは、五感による印象は精神の主な食物です。精神域の背景は、五感の印象に支配されています。これは、精神が最後に聞いた歌や最後に見た映画などの印象を思い出す時に見られます。ジャンクフードが体を不快にするのと同じく、ジャンクな印象は精神を不快にします。ジャンクフードはたくさんの塩や砂糖、スパイスで味つけられていますが、それはほとんどが死んだ食物だからです。同様に、ジャンクな印象は強くドラマチックな印象(セックスや暴力)で現実であるかのように感じさせますが、それは実はそれらがただスクリーンに映し出された色にすぎないからです。


私たちが何者なのかについて、五感の印象の役割は無視することはできません。というのも、印象が潜在意識を築き、その中にある潜在的な傾向を強めるからです。印象をコントロールせずに瞑想をしようとすれば、潜在意識は私たちと闘うこととなり、精神の安定や明快さを作り出すことはできません。




五感から離れる


幸運なことに、私たちは五感の印象の嵐の前でどうすることもできないというわけではありません。プラティヤハラが正しく管理する実際的なツールをたくさん与えてくれます。おそらく印象をコントロールする最も簡単な方法は排除する、つまり五感から入ってくる全てのインプットからしばらく離れることです。断食が肉体に効果があるように、印象を断つことは精神に効果があります。これは、目を閉じて座って瞑想する、通常の五感の嵐から離れた場所(例えば山小屋など)に逃避するなど簡単にできます。


ヨニ・ムードラ(またはシャンムクティ・ムードラ)は、五感を閉じるための最も重要なプラティヤハラのテクニックの一つです。手の指を使って、頭部の感覚器(目、耳、鼻、口)をブロックして、意識とエネルギーを内側へと動かします。プラナヤマの練習をしたすぐ後など、プラナのエネルギーが強い時は短時間で効果があります。(もちろん、酸欠になるほど口や鼻を閉じてはいけません)


五感から離れるもうひとつの方法は、感覚器は開いたまま注意を内側へと引き込むことです。この方法では、実際に感覚器を閉じてしまうことなく、印象の取り込みをやめます。最も一般的な方法はシャムバーヴィ・ムードラで、目を開けたまま座りながら意識を内側に向けますが、いくつかの仏教の瞑想で使われるテクニックです。この感覚を内側に向けることは他の感覚、特に聴覚も同時に行うことができます。日々の生活のまま五感が働いている時でも、精神とコントロールするのに役立ちます。


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次回にまだまだ続きます。


2024年10月25日金曜日

プラティヤハラ:忘れられたヨガの支則 Vol.1 
Pratyahara: Yoga’s Forgotten Limb

ヨガって何でしたっけ?
やせるため、健康のための運動?若々しく綺麗でいるためのストレッチ?
さて、大事な物を忘れてしまっているかもしれません。

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プラティヤハラそのものがヨガと呼ばれるのは、ヨガ・サダナ(日々の鍛錬)の中で最も重要なものだからである ー スワミ・シヴァナンダ







ヨガは、精神修練の広大なシステムで、精神の成長のための手段を与えてくれます。私たちの本質の様々な側面を理解する方法や、そんな本質と私たちの内側や周りに存在するより大きな世界とを調和させる方法を授けてくれます。この素晴らしい精神科学は、私たちの可能性が最大に展開するのを実現する方法を示しています。


この目的を果たすため、伝統的なヨガのシステム(アシュタンガ・ヨガ)は8つの支則を取り入れており、それぞれが役割や機能を持っています。8つがまとまって精神を解放するための完全なシステムを作り上げている。この8支則とは、ヤマ(禁戒)、二ヤマ(勧戒)、アサナ(坐法)、プラナヤマ(調気法)、プラティヤハラ(制感)、ダーラナ(集中)、ディヤナ(瞑想)、そしてサマディ(三昧)です。これらの中で、プラティヤハラが最も知られていないでしょう。ヨガの指導者であっても、どれだけの人がプラティヤハラを明確に示せるでしょうか?プラティヤハラのクラスに出たことがありますか?プラティヤハラについての本をみたことがありますか?重要なプラティヤハラのテクニックのいくつかを思いつきますか?ヨガの実践の中でプラティヤハラを行っていますか?しかし、プラティヤハラを理解しなければ、ヨガの不可欠な部分を欠いていることになります。この側面がなければ、このシステムは機能しないのです。




ヨガの内側と外側の側面



ヨガの外的側面は、正しい生き方、正しい体の使い方、そして生命力を高めることから成っています。これが、ヤマやニヤマ、アサナ、プラナヤマです。ヤマとニヤマは、非暴力や誠実などの価値観や清浄や知足などの実践を通して正しい鼓動の基礎を作ります。アサナは体を強く柔軟にさせ、プラなヤマは生命力を高めてくれます。


ヨガには、瞑想やより高度な意識の開発などの内的側面もあります。これこそがヨガの目的であるダーラナ、ディヤナ、サマディがひとつのプロセスとして形を成したサンヤマで、広い意味では瞑想のことです。


八支則の5段階目として、プラティヤハラは中心に存在します。ヨガの外的側面のひとつだとする人もいれば、内的側面とする人もいます。どちらの分類も正しく、その理由はプラティヤハラがヨガの内外的側面の関係への鍵であるからです。次へどう進むのかを教えてくれます。


アサナから瞑想へと直接に進むことが可能な人はほとんどいません。これは、体から精神の間に何が存在しているのかを見失ったままジャンプしなければいけないからです。この移行を行うためには、まず体と精神を繋いでいる呼吸や五感を制御して正しく開発しなければなりません。ここでプラナヤマとプラティヤハラの出番です。プラナヤマによって生命力と心拍をコントロールし、プラティヤハラによって手に負えない五感を制御します。このどちらもが、瞑想を正しく行うために必要不可欠です。



プラティヤハラとは?



「プラティヤハラ」という言葉は「Prati」と「Ahara」という二つのサンスクリット語から成っています。「Ahara」の意味は「食物」あるいは「外側から自分自身へ取り込むもの」です。「Prati」は「逆らって」や「離れて」を意味する前置詞です。つまり「Pratyahara」とは文字通り「aharaの制御」あるいは「外的影響の統制」という意味です。これはこれまでカメが甲羅の中に引っ込むことに例えられてきました。甲羅は精神で脚は感覚です。一般的に「感覚から離れる」と訳されますが、より多くの意味を含んでいます。


ヨガの考えでは、アハラつまり食物には3つの段階があります。まずひとつめは、体を育むために必要な5要素(土、水、火、風、空)をもたらす物理的な食物です。ふたつめは、精神を育むために必要な微細物質をもたらす五感(聴覚、触覚、視覚、味覚、嗅覚)です。各感覚は、聴覚が空、触覚が風、視覚が火、味覚は水、嗅覚は土というように微細な要素から成っています。みっつめのアハラは私たちの人間関係で、魂を育み私たちのグナ(サットヴァ、ラジャス、タマス:調和、混乱、怠性の根本的質)に影響を与える心の中にある人々です。


プラティヤハラには二面性があります。間違った食物、間違った感覚、間違った人間関係から離れると同時に、正しい食物、正しい感覚、正しい人間関係へと向かっていきます。正しい食生活や正しい人間関係がなければ精神的な印象を制御することはできませんが、プラティヤハラで最も大切なのは、感覚が作る印象から離れ制御することであり、それによって内側へと向かう精神を自由にすることができます。


否定的な感覚から意識を離すことによって、プラティヤハラは精神的な抵抗力を強化します。健康な体が毒素や病原菌に抵抗するのと同じく、健康な精神は否定的な感覚が周囲に影響を与えるようとするのに抵抗します。もし周りの騒音や混乱ですぐに心が乱れてしまうなら、プラティヤハラを実践する必要があります。それがなければ、瞑想することはできません。


プラティヤハラには主に4つの形があります。インドリア・プラティヤハラ(五感の制御)、カルマ・プラティヤハラ(行動の制御)、プラナ・プラティヤハラ(プラナの制御)、そしてマノ・プラティヤハラ(五感から離れる)です。それぞれに特別な方法があります。


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次回に続きます。