ハムストリングスは、腿の裏にある3つの長い筋肉群です(半腱様筋、半膜様筋、そして大腿二頭筋)。これらは、膝を屈曲し股関節を伸展する働きをしているのですが、前屈をしようとする時は、一番の邪魔者のように感じることもあるかもしれませんね!
椅子に座り続けることは、これらの筋肉群の動きを制限し短くするため、ハムストリングスが硬いと感じる主な原因となります。ハムストリングスの中や周りの柔軟性が欠けると姿勢の問題が起こり、坐骨が下方へ引っぱられて骨盤が後傾してしまい、椎間板の損傷にまで至ることもあります。骨盤の後傾によって腰椎の曲線が平らになり、プラサリタ・パドッターサナやダンダーサナのような前屈を股関節から曲がって安全に行うことが難しくなります。
ヨガをする多くの人たちは、ハムストリングスを解放したいとやってきます。何年経っても少しの進歩しかないときは、もっと頑張ってもっと前屈をしなければいけないんだと思うでしょう。けれど、念入りな前屈プログラムを通して「硬い」ハムストリングスを「伸ばす」というクラスは、いつも期待している通りの結果につながるわけではありません。また、ハムストリングスの制限や怪我のある人たちに一般的に勧められる安全策の多く(膝を曲げつ、ブランケットに座る、前屈はしないなど)は全体像の一部でしかなく、何年間にもわたってハムストリングスをかため続けてきたバランスの崩れには対処していません。
ハムストリングスに関する以下の俗説を暴くことで、自身の動きの癖やヨガの練習を見直すきっかけとなり、いずれは前屈をより深めて腰を緩めることができるようになるでしょう。
ハムストリングス関連の怪我で理学療法に来る患者は多くいます。治癒の鍵は、両足を通した位置関係、膝とつま先の関係性、そして背骨の形状を深く調べることです。一度、足指の付け根と踵を通ってより均等に荷重バランスを取れるようになり、膝関節が中指方向に動き、背骨を伸ばせるようになれば、原因は取り除かれてハムストリングスの緊張が解かれていきます。
より早い治癒のため、結合組織の癒着を解く多くの専門家がいます(理学療法やマッサージ、構造的身体統合、ロルフィングなど)。自分でのマッサージも効きます。しっかりした椅子に座り、腿の下にテニスボールを置いて少し足を持ち上げ、ハムストリングスを爪弾くかのように脚を横向きに動かし、できるだけボールを押し下げてみましょう。硬い場所を見つけたら、そこでストップして呼吸しましょう。
何をするかではなく、どうするか、です。ハムストリングス腱炎は、ポーズにおける荷重とアライメントのバランスの崩れが原因であることが多く、ポーズそのものが原因ではありません。腱炎は(慢性になれば腱症と呼ばれます)、ハムストリングスの一部が過剰にストレッチあるいは働いた結果です。これは、根本的な動作の機能異常の症状なのです。つまり、前屈のストレッチ負荷を脚全体とその結合組織全てに分散させるために、強化と調整が必要だということを示しているのです。そうすれば、繰り返す問題のサイクルから抜け出すことができるでしょう。
1. 「私のハムストリングスは硬い」
大抵の場合、問題はハムストリングスが硬いことではありません。大体は、筋肉が硬いのではなく、筋肉の周りにある結合組織の筋膜なのです。筋膜の繊維癒着と小さな絡まりがハムストリングスをひとつに固めて、指ハブ(訳註:葉や紙などで作った指を挟むおもちゃ)に挟まれたようになってしまうのです。言い換えれば、大抵は、ハムストリングス周辺の結合組織にある絡まって粘着した部分が、前屈を深める邪魔をしているのです。
2. 「私の目標はハムストリングスを伸ばすこと」
あなたのハムストリングスは、おそらく十分に長いはずです。使う際に、カーテンをレールに沿って引くように、広く横方向に広がる必要があります。筋肉の周りにある結合組織の中の絡まって動かなくなった場所が、多くの場合にそういった横方向の動きを妨げています。筋膜はお互いに繋がりあっているため、筋肉が横方向に動く自由が無い場合、全ての方向において弾力性が制限されるのです(これには「伸展する可能性」ももちろん含まれます)。けれど、横方向の自由があって骨が股関節に正しく並んでいれば、組織は広がることができて安全により深く前屈できるのです。
3. 「ハムストリングスを解放する唯一の方法は、前屈などのポーズで腿の裏をストレッチすること」
実際、どんな動きや姿勢も骨格が健康的に並んでいれば、骨がハムストリングスをあるべき方へ導き、筋膜や筋肉組織が動けるようにするため、ハムストリングスを締め付けている癒着が徐々に解けていきます。健康的な骨の並びによって、ハムストリングスが「ビートに乗る」ことができ、自由に滑るように動かせるようになるのです。
ハムストリングスのリリース(様々なポーズや動きに応用可能)の鍵は、両足に荷重を落とし、膝関節を足指の真ん中方向に向け、長く伸びたニュートラルな背骨を作ることです。考えてみましょう。荷重が足指の付け根と踵に均等にかかった正しく地についた両足、足の中央線(人差し指と中指の間)に向かって動く膝、そして頭の後ろと尾骨の間が長く伸びていながら上下に並ぶ位置にあるような背骨。
ハムストリングス関連の怪我で理学療法に来る患者は多くいます。治癒の鍵は、両足を通した位置関係、膝とつま先の関係性、そして背骨の形状を深く調べることです。一度、足指の付け根と踵を通ってより均等に荷重バランスを取れるようになり、膝関節が中指方向に動き、背骨を伸ばせるようになれば、原因は取り除かれてハムストリングスの緊張が解かれていきます。
より早い治癒のため、結合組織の癒着を解く多くの専門家がいます(理学療法やマッサージ、構造的身体統合、ロルフィングなど)。自分でのマッサージも効きます。しっかりした椅子に座り、腿の下にテニスボールを置いて少し足を持ち上げ、ハムストリングスを爪弾くかのように脚を横向きに動かし、できるだけボールを押し下げてみましょう。硬い場所を見つけたら、そこでストップして呼吸しましょう。
しかし、手で癒着を解くことは、そもそも癒着を起こすに至った根本的な動きの問題を解決するわけではありません。また、安定性や姿勢の改善なしに可動性だけを広げれば、怪我につながる可能性もあります。健康的な負荷をかけたヨガの練習は、こうした安定したアライメントを養う方法の一つです。
加えて、水分をたっぷり取る、栄養のある食事をする、1日を通して動き続ける(何時間も座りっぱなしでなく)などは、ハムストリングスのリリースに役立つでしょう!
4. 「何年間も同じ方法でストレッチしてきたけれど、忍耐強くしていればいつかは解放されるはず」
そうではありません。いつもやっていること、いつものやり方は、いつもの結果をもたらし続けます。根本的なアライメントや荷重のかけかたの問題に対処しないで前屈し続けると、おそらくそのまま行き詰まったままでしょう。目指すリリースを得るには、両足をしっかりと地につけ、膝と足の向きにより深く注意し、伸ばしたニュートラルな背骨で動いてみましょう。そしてそれをできるだけ多くのポーズで、一日の活動を通して心がけてみます。こうした原則をあなたの前屈に応用すれば、いつものポーズも新鮮で実りあるように感じられるようになるかもしれません!
5. 「ハムストリングス腱炎(臀部の下のハムストリングス起点の痛み)を経験したら全ての前屈を避けるべき」
何をするかではなく、どうするか、です。ハムストリングス腱炎は、ポーズにおける荷重とアライメントのバランスの崩れが原因であることが多く、ポーズそのものが原因ではありません。腱炎は(慢性になれば腱症と呼ばれます)、ハムストリングスの一部が過剰にストレッチあるいは働いた結果です。これは、根本的な動作の機能異常の症状なのです。つまり、前屈のストレッチ負荷を脚全体とその結合組織全てに分散させるために、強化と調整が必要だということを示しているのです。そうすれば、繰り返す問題のサイクルから抜け出すことができるでしょう。
ハムストリングス腱炎を自分で治療するには、痛みの感覚が来る少し手前まで前屈をします。痛みのない前屈を2分間行い、背骨を伸ばし、膝を中指に向け、しっかりと感覚を感じながら両足に体重を落としていきましょう。そして背骨を伸ばして立ち上がります。2分間のホールドで、組織が形を変え神経筋のパターンが変わり(よいよい協同と強さにつながります)、次に前屈は、痛みなくより深く行うことができるでしょう。
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