2021年4月2日金曜日

脳をシャープに保ち続けるために今日できる簡単な5つのこと 
5 Simple Things You Can Do Today to Keep Your Brain Sharp for Years to Come


科学的に裏付けされた秘訣で、記憶力や集中力を高め、頭脳を健康に保つ



言葉や細かいことが出てこなくて記憶をたどったことのある人にとって(全員!)、記憶が全てではないという脳の専門家の言葉には驚くかもしれない。じゃあ、どうして記憶のことをまず心配してしまうのだろう?


「人は、知能検査でより良い結果を出すことには関心がないのです」とハッケンサック大学病院の精神科主任であるゲイリー・スモール医師は言う。彼は、ハッケンサック・メリディアン・ヘルスの行動医学責任者でもあり、「The Memory Bible」 の著者だ。「毎日の買い物リストを覚えておきたいんです。街を歩いていて知り合いに会ったら『ああ、ええと、お元気ですか?』というよりちゃんと名前を思い出して『やあ、メアリー、元気かい?』と言いたいんですよ」


しかし、記憶は脳みそから名前を引っこ抜いたり牛乳が残り少ないことを知っていたりということよりもずっと複雑だ。友達の名前を思い出すには、例えば、脳の処理スピードや、集中力、他の多くの要因に関係していて、それは向上させることができる。しかし、それにはちょっとした努力が必要だ。


「一般的に、人が記憶に対して持つ期待は非現実的なものです」 出版予定の「The Neuroscience of Memory」の著者であり、シカゴ認知健康センターのオーナーで監督者であるシェリー・D・オール医師は言う。そして彼女が指摘するのは、年齢が全てではないと言うことだ。「40歳をすぎると、20代の頃にも忘れていたことを忘れてしまうんです」


脳についてがっかりするような誤解が巷には溢れている。例えば、卒業証書のインクが乾くやいなや脳の成長は止まってしまうとか聞いたことがあるだろう。神経の可塑性と言われる科学的な概念があるが、つまり脳が生きている限りその構造と機能は変わる可能性を持っていると言うことだ。老人とみなされる歳になっても脳の中に新しい細胞が作られることが可能だ。つまり、もし脳を強くしようと願うなら、実際に可能できるいうことなのだ。


「IQをあげることはできませんが、脳トレをすれば、集中力や作業記憶など多くを増やすことはできます」オール医師は説明する。








脳トレとは?


一般的に卒中や脳の損傷などを経験した人を対象に行われる認知機能リハビリの世界では、認知機能を高めるために使われる方法が二つある。代償と回復だ。そしてそれは誰にでもできることだ。


代償手段は回避することで、もし脚を骨折していたなら松葉杖を使って歩くというようにタスクを完了するのに役立つ。歴代大統領を覚えるのに歌を歌ったり、水素からヘリウムまでの元素周期表を覚えるのに給水栓と風船をイメージしたりするのと同じだ。車の鍵はいつもドアの横のフックにかける癖を作ったり、新しく人に会ったら名前を何度も繰り返してしっかり覚えるというようなこと。


代償手段は、脳を鍛えるためにできることの多くを占めている。しかし、その他の少数の認知リハビリ手段は回復で、実際に修復して脳機能を向上させることだ。例えば、卒中を起こした人がどのように、もう一度歩いたり話したりできるようになるかを考えてみればいい。「そして、脳の健康のために、十分な睡眠をとる、質の良い食事をするなど他にもできることがありますが、そうすれば記憶に集中する力、思い出す力、理解力が向上したりするのです」オール医師は言う。


脳を鍛えようという時、何を期待すればいいのか?「現実的なのは、何がしたいのかということによって決まります」スモール医師は言う。脳トレは全てが楽しいゲームではない(確かに楽しいものもあるが!)。ダイエットやエクササイズのように、何かを得るには、ある程度の努力が必要だ。


しかし重要なのは、実験室で起きたことが全て外の世界でも起こるとは限らないということだ。  「科学の研究での活動は、一般的に、人が実際に毎日行っているものとは同じではありません」スモール医師はいう。(例えば、瞑想のリトリートに3ヶ月も過ごせる人はおそらくなかなかいない)


しかし、専門家らによると、以下の方法は時間とエネルギーを費やす価値があるだけでなく、脳の処理能力や集中力、情報を保存して取り出す能力を向上させる結果も出ている。これら知能修正する5つの習慣のうち、どれを毎日の生活習慣に取り入れられるかみていこう。


 

1. エクササイズする


議論の余地はない。運動は体や脳を健康にする。「エクササイズが、脳細胞の成長を促し、脳内の結合や経路の数を増やし、より多くの神経を成長させる要因を作り出しているという実にしっかりとしたエビデンスがあります。脳細胞のための肥料みたいなものです」オール医師は言う。

専門家全員が推奨するような特定の運動は存在しないが、脳を鍛える効果は、自転車から鳥のポーズをすることまでさまざまな運動効果が研究されてきている。例えば、60才以上の成人に強度のインターバル・トレーニングを受けさせた小規模の研究では、記憶力が30%上がった。Applied Physiology, Nutrition, and Metabolism に掲載された研究では、強い記憶干渉に焦点を当てられたが、同じモデルで同じ型の車の中から一台を識別するというようなことに役立つ。

ヨガの効果を示したMRI画像を使用したイリノイ大学の再調査がある。習慣的なヨガの実践によって、海馬(記憶に関連した脳の部分)の容積が増え、前頭葉(計画するのに不可欠な部分)が大きくなった。

結論:楽しめるフィットネスを選んで、それを続けよう。



2. 新しいことを学ぶ


これについては聞いたことがあって、ギターの演奏法を覚えたり、  Duolingoをダウンロードして中国語を始めることだと思っているかもしれない。そう、こうしたことはまさに脳を磨くことになる(例えば、新しい言語を学ぶと、記憶や注意に結びついている灰白質が増加さする)が、しんどくなって3回目のレッスンまでに諦めてしまうかもしれない。

「 目的は脳を鍛えることで疲労させることではありません」と、脳を鍛えることについてスモール医師は言う。「選択する新しい活動が魅力的で、その活動がもっとうまくなりたいと意欲が出るような入り口を見つけることが必要です」

つまり、目新しさや種類を好きな活動に取り入れると言うことだ。例えば、毎日やってるクロスワードを週に数回は数独に替えてみるとか。絵を描くのが好きなら、フリーハンドでかくクラスを試してみる。今、楽しんでいるものの上に築き上げることで、新しいことを簡単に始められる。専門家によれば、挑戦することで、脳内の古い経路が繰り返し活性化するのではなく新しい経路が作られるらしい。

「どんな種類の知的作業でも行えば、時間とともにより上手に速く行えるようになります」ニューヨークタイムズの火曜日のクロスワードパズル(毎週日を追うごとに難しくなる)に行き詰まっていたスモール医師は、今は木曜日のパズルを解いている。「誰もが向上する可能性を持っています。練習することが重要なのです」彼は言う。


 

3. 瞑想のようなマインドフルな何かをする


集中して聞いてなければ、会ったばかりの人の名前や、買ってくるように頼まれた5品について覚えてなどいないはずだ。ありがたいことに、7000年前の古い実践法が、どこかに置き忘れたものを見つけるのにかかるよりもおそらく短い時間で、注意を鋭くすることができる。研究によれば、たった少しのマインドフル瞑想でさえ、即効があるらしい。ある小規模研究では、初心者たちが10分間の音声誘導のマインドフルネス瞑想を行ったところ、コントロールグループと比較して、その後のタスクにおいて注意や正確さ、反応時間に即時の増加がみられた。

カリフォルニア大学デイビスの精神脳センターの長期研究では、60人の経験者グループの3ヶ月の瞑想リトリートの効果を調査した。そのような時間を持てる人は少ないが、興味深いことに、リトリート後すぐに得た被験者の注意に対する効果は、1日に1時間程度に短縮下にもかかわらず、その後も7年間続いた。

集中は、脳を鍛えたいという欲望に集中するのによい場所だ。「注意は、間違いなく全ての認識領域の中で最も影響を受けやすいもので、見ること証明することが可能です」オール博士は言う。「瞑想は脳を強化するのに良い方法で、数分間ただ呼吸に集中するだけでも効果があります。数週間、瞑想をしていると海馬が成長し、前頭葉の容積が増え、おおくのばあい恐怖を感じる扁桃体が小さくなります」

最後の部分が鍵で、パニック状態やストレスがあると集中できないものだ。「コルチゾールは脳細胞に有害です」オール医師は言う。「ストレス全てをなくすことはできませんが、瞑想で闘争逃走モードから出るのを促すことができます」



4. より社交的になる


「パンデミックの金銭的、身体的影響を乗り越えた先にある長期間の悪影響は精神衛生です」テクノロジーと脳の健康に焦点をあてたカリフォルニア大学サンフランシスコ校にある神経科学センターNeuroscapeの設立者で責任者であるアダム・ガザリー博士は言う。

孤独感は脳の健康によくないと彼は言及する。「孤独感が寿命に影響することだけでなく、健康に与える影響もデータがはっきり示しています」彼によれば、パンデミックの間でも、家族や友人と定期的に交流し続ける方法を探ることが必要だ。ZOOMゲームをアップするとか、オンラインで映画を一緒に見るとか、(ソーシャルディスタンスをとった)散歩に出かけるとか。

孤独感が認識力の大きな低下の危険をはらんでいるというだけではなく、新しいことを覚える方法として社交は脳にいいのだ。「他の人と会話している時は、脳を使っています」スモール医師は言う。たった10分間の会話(討論でなく)が、作業記憶や注意散漫を防ぐ能力など実行機能スキルをあげる可能性があると、Social Psychological and Personality Science誌の研究が示している。



5. ゲームをしてみる


脳トレゲームは、パンデミックよるEラーニングの必要性から昨年急増し、数百万ドルの産業となっている。もし、フェイスブックの広告フィードに出るアプリにお金を出す価値があるのかと思ったことがあるなら、その答えは揺るぎないものだ、と思われる。

初めに知っておいた方がいいのは、全ての脳トレゲームが同じように作られているわけではないことだ。「いいゲームも悪いゲームもあります」ガザリー医師は言う。彼の研究室では10年以上に渡って脳の健康を強化するビデオゲームのテクノロジーを開発・テストしてきた。「ですから、『ゲームはいいのか悪いのか』というのはいい質問ではありません。細部が重要です」

また、異なるゲームには異なる目的がある。考えるスキルを高める目的でゆっくりと戦略的なゲームもあれば、処理能力を速める目的のアクションだらけのものもある。「現在たくさんのデータが混ざっていることが困難にしています」ガゼリー医師は今、ゲームで高められた注意能力がどのように日常生活に影響を与えるかを理解する研究をしている。

現在のところ、巷にある脳トレゲームの効果に対する信頼できる研究はそんなに多くはない。しかし、悪影響の可能性は低いし役に立つ可能性があるとかんがえれば、お金を出す前に彼らの言う効果をちょっと調べてみて、それから、興味があればやってみよう。





これら全てを取り入れるのはしんどいと思うかもしれないが、手軽にできる鍵が一つある。やらなければならない仕事と思わないでただの楽しみだと考えればいい。自転車に乗るのもいいし、ストレス解消の瞑想に10分間費やすのもいいし、これらの脳を活性化する習慣を、ケーキのデコレーションのように君の脳に足せばいい。






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