2017年3月2日木曜日

パーキンソンのためのヨガセラピー Vol.2
Yoga Therapy and Parkinson’s Disease

前回から引き続きパーキンソン病患者のためのヨガです。
動きに制限がある老齢者などにも、応用できると思いますし、もちろん元気な方がオフィスなどでちょっと身体を動かすのにもいいでしょうね。
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以下はパーキンソン患者のための1時間のヨガです。
椅子に座って開始し、姿勢と呼吸のリズムに意識を向けます。3-4分間、穏やかに呼吸を深めていきましょう。

「オゥム」あるいは「アエイオウ」と3回チャンティングします。

6つの背骨の動き


座位のキャット&カウ(伸長と屈曲)
両手は膝の上に置き、息を吸いながら胸とお腹を前に出します。息を吐いて背骨を丸めながらお腹を引き込みます。2-3分間、これを繰り返します。






手を肩に置いたコアのねじり(左右のねじり)
息を吸う時に真ん中に戻り、吐くときに左右に胸を回します。腰の脇にある強い筋肉が暖んで目覚めるまで続けましょう。






背骨の側面の動き
一方の手を下げて、上方の腕を伸ばし、下方の肩の方向に顔を向けます。3回、長く深い呼吸をします。息を吸いながら真ん中にゆっくり起き上がるようにしましょう。反対側も行います。






肘のカヤック
頭の後ろで手を組み、その手に向かって頭を軽く押し付けます。まるでカヤックのオールのように肘を前後に「漕ぎ」、動きに従って深く体側が開き肩の動きが滑らかになるのを感じましょう。




座位か立位での「喜びのクリヤ」
安定した立位か椅子に座り、軽く鼻で吸い(呼気最大容量の三分の一程度)腕を振り上げて手首をクロスさせます。今度は三分の二まで鼻で吸いながら、腕を振り下げオーケストラの指揮のように開きます。そして限界まで吸いこみながら、腕を後ろに回して手首をクロスした位置まで戻します。息を吐き(口でも鼻でも)*、腕を後方に振り、両膝を曲げ、やや前屈します。それぞれの動きの勢いを使いながら次の動作へと移り、自然で気持ちのよい動きを感じながら、5回以上繰り返します。

*このクリヤの伝統的な方法は口で吐きますが、少しめまいを引き起こすことがあります。安定させるためには鼻から吐くようにしましょう。










脚のスウィング
立位の場合は、片方の脚を前後にスウィングし、膝の下でつかんで3呼吸ホールドします。バランスを取るため必要なら支えを使いましょう。両脚を3回ずつ行います。

座位の場合は、アパナサナをやってみましょう。息を吐きながら膝を片方ずつお腹に引き込みます。3回繰り返しましょう。








​座位か立位の踊る戦士
戦士のポーズIで下半身を支えるために椅子を使います(角のある椅子の座面に前脚の膝をのせます)。右脚を前にして始めましょう。息を吐きながら、両腕を普通の戦士のポーズIの位置から胸の前で合掌にし、胸を左に回します。息を吸って、両腕を戦士のポーズIIの位置へと伸ばします。息を吐きながら後ろの手をふくらはぎに下ろし、息を吸って右腕を上げて平和の戦士(逆転の戦士とも呼ばれます)のポーズになります。息を吐き、右の上腕を腿へ置きアルダ・ウッティタ・パルシュヴァコナサナに入ります。

最後に、身体を前に向かせ椅子に座った女神のポーズになります。そしてこのフローを反対側でも繰り返しましょう。












腕の回転
このおかしな腕の回転は、練習すれば簡単になります。呼吸を長く深く保ち、両腕を前に伸ばして手のひらを合わせます。そして右腕を前に左腕を後ろに回しましょう。反回転します。では、両手を肩に置き、両肘をつけた状態から肘をそれぞれ反対方向に回してみて下さい。遊びのために、腕を身体の脇につけたまま両肩を反対方向に回してみましょう。もし、今日これができなかったとしても、やってみるだけで笑ってしまいますよ!








動的なラクダ
椅子の前端に座り、座面の横をもって息を吸います。胸を膨らませて背骨を曲げて後屈しましょう(首の後ろは長く保ち、頭は急に後ろに倒さないように)。息を吐き、肩甲骨の間にあった緊張を緩めもとの位置に戻ります。この座位のラクダのポーズを呼吸のリズムで5回繰り返し、それから背を反らせて5呼吸ホールドします。伝統的な膝立ちで行うラクダのポーズを行ってもいいでしょう。




腰のストレッチ(足首を腿の上に4の字を組む)
このヒップ・オープナーの状態でキャット&カウの動きを足してもいいでしょう。ハミングするか「オゥム」と息を吐くと、より腰が緩みやすくなるのがわかるはずです。





椅子に座ったバラドヴァジャサナ
このツイストは少し変な感じがするかもしれませんが、多くの神経障害に効果があります。目や身体の動きが脳の半球を交差して働くからです。めまいを感じたら中止し、のんびりやりましょう。

身体を横向けにして右の腰を椅子の背に向け、背を真っすぐにして座ります。両手で椅子の背の両サイドを持ち、膝をまっすぐに保ったままゆっくりとツイストします。右を見たまま頭を左に回します。この動きの間長く深い呼吸をするのは難しいことです。また、ぎこちない動きになるのも普通のことです。最初はおかしな感じがするので気にしないでください。両サイド行います。




歌う蛇
背を伸ばして椅子に座り、顎を胸に近づけます。息を吸います。吐きながら、舌を突き出して上方を見ます。これを3回繰り返し、頭を元の位置に戻しましょう。
次に、目で写真を撮るかのように、速いペースで目を開けたり閉じたりします。涙がじんわり出るまで続けましょう。(視点をあちこち動かします)




椅子に座った穏やかな前屈
額をテーブルかボルスターにのせます。そのまま10回呼吸しましょう。
10-20分間、ベッドか床でシャヴァサナをします。椅子で行っている場合は椅子の上にいてもいいでしょう。この前屈を長時間続けても構いませんが、快適な状態であるようにしましょう。





1:1の比率の呼吸をしましょう(つまり呼気と吸気が同じ長さ)。息を吸う時にお腹を緩めながら呼気と吸気の間の休止を最小限にします。徐々に2:1の比率へと移り、呼気を吸気の二倍の長さにします。身体が穏やかにリラックスするまで続けましょう。呼吸の練習は、しっかりと深い休憩の後が最適で、脳への心地よい癒しの振動を作ってくれます。ブラマリ(マルハナバチの呼吸)でハミングすると、さらに瞑想状態へと入り記憶力の向上に役立ちます。低い音でのハミングを3呼吸分繰り返します。次に少し高い音、そして蚊のように高い音で行いましょう。舌はリラックスさせておきます。



ヨガの間、気分を明るく保ち、パーキンソン病患者にありがちなストレスに対処しましょう。動きの中で微笑んだり笑ったりすると、効果が上がります。そしてティク・ナット・ハーン先生の次の言葉はさらによい癒しとなるでしょう。「息を吸う。私の身体が穏やかになっていく。息を吐く。私は微笑む。今という時間にいる私は、今が素晴らしい時間だと知っている」



(出典) https://yogainternational.com/article/view/yoga-therapy-and-parkinsons-disease

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