2018年12月24日月曜日

健康的なハムストリングスのための7つの方法 VOL.3
7 Strategies for Healthy Hamstrings


さて、ハムストリングスのためのヨガ、後半です。
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4. 大臀筋とハムストリングスを鍛える


大臀筋とハムストリングスが一緒に働いて、股関節伸展をさせることを思い出しましょう。毎日何時間も座って股関節を屈曲させる副作用のひとつに、慢性的に大臀筋が伸びハムストリングスが短くなるということがあります。

筋肉は、容易に収縮し弛緩できる時により効果的に働きます。ある位置で動かなくなるとこれを妨げるのです。そうすると筋肉はほとんど「怠けた」状態になり、働かせるのがより困難になって働かせようとしてもうまく働かなくなります。短くなる位置に止まるだけでなく、ハムストリングスは「怠けた」大臀筋の代わりに縮むことが多いです。この重労働に応えようとして、ハムストリングスが硬く緊張して炎症することがしばしば起こります。当然の反応として、私たちはハムストリングスをストレッチ(ヨガでよく行いますね)しますが、炎症した筋肉をストレッチするともっと緊張してしまうことがあることに気づく人も多いでしょう。その一方で、大臀筋とハムストリングスを鍛えて、同じ場所に長時間いるために起こった緊張や炎症を和らげることで、それらがより効果的に働くことを促進できるかもしれません。

理論的には、脚を伸展させたり(例えばダウンドッグから片脚を上げるなど)股関節の屈曲から伸展に移る(前屈やランジから立ち上がるときなど)たびに、臀筋やハムストリングスが使われます。しかし練習では、体は弱い箇所を補うことが得意で、代わりに脊柱起立筋や股関節外旋筋(梨状筋、双子筋、閉鎖筋)などより強い筋肉を使いがちです。ですから、ブリッジ・スライドのようなエクササイズでは大臀筋やハムストリングスを特定することに価値があるのです。

試してみよう: 滑らかな堅い床の上でブランケットかタオルを手が届く場所に置いておきます。両ひざを曲げて仰向けで横たわり、右足をブランケットの上に左足は床の上に置いておきましょう。両足と両ひざは骨盤幅にし、両かかとは坐骨にかなり近いところまで近づけておきます。両足を踏ん張ってお尻と腰椎を持ち上げて、膝から肩まで体がまっすぐになるようにします。必要なら、足首の真上に膝が来るように調整しましょう。

腰を上げ続けるのに大臀筋を使うことになります。下腹部をすくって尾骨を膝の方に伸ばすと背筋を使いそうになるのを防ぐことになり、両膝を外に開かないで骨盤幅にしておくと股関節の外旋筋を使うのを防げます。

右足のかかとに体重を移しましょう。右脚が伸びきるまでかかとを滑らせ、そして右のハムストリングスを使ってゆっくりと右かかとを右膝の下まで引き戻しましょう。5-10回繰り返してから、ゆっくりと腰を床に下ろし反対の脚に移ります。




このエクササイズが簡単に感じるようなら、両足をブランケットにのせて同時に動かしましょう。



このエクササイズを毎日か一日置きに最低1ヶ月繰り返すと、臀筋とハムストリングスの自然な強さのいくらかを取り戻すことができるはずです。



5. 股関節屈筋と四頭筋を解放する


体の前面にある股関節屈筋と四頭筋は、体の後ろにある大臀筋とハムストリングスの拮抗筋だということを思い出しましょう。四頭筋は通常ハムストリングスよりも強いですが、ヨガには四頭筋強化(平均的なクラスで何回戦士のポーズや椅子のポーズをやるか考えてみて)や、ハムストリングスのストレッチ(ウッターナサナとダウンドッグで始まってどんどん続きます)がたくさんありますが、その逆はほとんどないのです。そのうえ何時間も座っていると、もっとバランスを崩して前面の筋肉が短く硬くなり後面の筋肉が弱くなっていくことに気づくでしょう。時間が経つにつれ、このバランスの崩れは骨盤を前に引きハムストリングスをより緊張させるのです。

大臀筋とハムストリングスのストレッチをよく行うことが均衡の片方に働き、股関節屈筋と四頭筋を定期的に解放することがその反対側に働きます。頑固な股関節屈筋と四頭筋の緊張を優しく解きながら、より長時間リラックスできるポーズはとてもよいことです。私のお気に入りは陰ヨガのハーフ・サドル・ポーズです。

試してみよう: 座ります。左に体重をかけて右膝を曲げ、右かかとを右のお尻の外側近くに引きましょう。つま先を伸ばして足の甲を床に下ろしましょう。快適に感じるために必要ならば小さなタオルか畳んだマットを引きましょう。両手にもたれ、腰を少し浮かせて仙骨を両ひざ裏の方向に伸ばします。この少しの骨盤後傾が全ての四頭筋群や腰筋を伸ばすのに必要なのです。すでに右の股関節や腿の前にストレッチを感じていたら、左脚に快適なポジションを取りながら、そこにしばらく快適に止まりましょう。




そうでなければ、ボルスター、重ねたブランケットやクッションなどの上、あるいは床の上か、快適に感いじれるところで横たわりましょう。もし右膝に圧迫を感じていたら、左腰にもっと体重をうつしましょう。もし腰に少しでも圧迫を感じたら、もっと骨盤を後傾しましょう(そうするために半分サイズのブロックか、きつく畳んだブランケットの上に股関節をのせる必要があるかもしれません)。




左脚は最も快適なところにおいておきましょう。曲げた左膝を外に開くと(上図)右腿のストレッチが緩み、左足を床に押し付けて膝を天井に向けると(下図)ストレッチが深まります。



理想的な場所がみつかったら、そのままスムーズに呼吸して3分以上止まりましょう。準備がでいたら、ゆっくりと左側に転がって左脚を伸ばし、横向きか仰向きで横たわって数回優しい呼吸し感覚を感じたあと、反対側に移りましょう。このストレッチを週に2-3回行って四頭筋とハムストリングスのバランスをよくしましょう。



6. ハムストリングスとふくらはぎの筋肉バランスを整える


解剖学的な広い視点に戻ると、ハムストリングスの股関節伸展における協力筋は大臀筋で、拮抗筋は股関節屈筋と四頭筋でした。ハムストリングスの健康を考えるなら、ハムストリングスを膝屈曲で補助する腓腹筋もチェックするのは理にかなっているでしょう。

この表面にあるふくらはぎの筋肉の2頭は大腿骨の両サイドに着いており、ふくらはぎを通って(ふくらはぎ深部の筋肉、ヒラメ筋に沿って)、アキレス腱になりかかとへと入ります。膝を曲げて足をそらす(足先を脛の前面に向かって動かす)ことで、この筋肉を伸ばすことができます。ですから、腓腹筋の緊張はダウンドッグでかかとが浮いてしまう理由のひとつになるのです。聞き覚えがあるなら、あなたの腓腹筋は、膝屈筋の自然な関係性を変えてしまうほど堅くて、ふくらはぎのストレッチに時間を割く方がいいのかもしれません。。

試してみよう: 巻いたブランケットか巻いたマットを壁に平行に、腕の長さくらい離して置きます。片手か両手を壁に置いて支えにし、巻いたプロップスの上に足指の付け根で立って、かかとが床に向かってゆっくりと重力で降りるようにしましょう。両脚はまっすぐに保ち腓腹筋のストレッチに焦点を当てましょう(膝を曲げるとヒラメ筋に効きます)。





もしこれが簡単に感じたら、同じようにかかとが降りていくよう、ダウンドッグやウォリアーIの後ろの足で行ってみましょう。最低3-5回ゆっくりと呼吸し、かかとの重みで徐々にふくらはぎの筋肉が長くなるようにしましょう。このストレッチを毎日か一日置きに行って、膝屈筋がバランスを取り戻してハムストリングの緊張が解けるか確認しましょう。



7. 健康的な血流を取り戻す


健康的な筋肉というのは、強く柔軟であるだけでなく淀みのない血流によって栄養が行き渡っています。毎日ハムストリングスの上に何時間も座っていれば血流が減流可能性があります。座っている時間を減らしたり、定期的に休憩したり、様々な形でストレッチしたり、副交感神経に働きかけて筋肉の慢性的な緊張を解いたり、ハムストリングスの強化をしたり、こういったことはすべてそれぞれの方法で健康的な血流を促します。もうひとつの効果的であろう方法は筋膜リリースです。狙った圧をかけて筋肉と筋膜の緊張を解いて血流を促します。

試してみよう: テニスボールかゴムのマッサージ・ボールを2個用意します。体の前に幅の狭いV字になるよう両脚を伸ばして座りましょう(快適でなければ堅い座面の椅子に座ります)。マッサージ・ボールを、坐骨から3-5cm程度の腿の下にひとつずつ置きます。両脚をリラックスするか優しく左右に転がしましょう。それが快適であれば両手か椅子の背にもたれましょう。2回深い呼吸をしたらさらに3-5cm下へと動かして同じように行い、膝まで3ぶんの2あたらにくるまで続けましょう。ボールが脚の裏側を動くにつれ、体重をかけるようにやや前方にもたれて、ストレッチというよりもボールの上で両脚が重たく載るように集中しましょう。





ボールを取り除いて2-3分経ったら、仰向きに横たわってハムストリングスになにか変化を感じるかみてみましょう。痛みや炎症を感じたらやめるようにして、週に2-3回この練習を繰りかえしましょう。刺激によってハムストリングスが快適に感じるか観察します。


結論


ハムストリングスの柔軟性は、ヨガの練習と通常関わりがありますが、長期的なハムストリングスの健康への道というわけではありません。それらが周りの全ての筋肉とともにバランスよく働くことができるのは、大きな視野でハムストリングスを考える時だけなのです。

2018年12月21日金曜日

健康的なハムストリングスのための7つの方法 VOL.2
7 Strategies for Healthy Hamstrings


前回からの続きです。
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1. 背骨をニュートラルにしてストレッチする


ヨガの練習にはたくさんの立位や座位の前屈がありますが、ハムストリングスが堅くて骨盤が後傾したままになると腰が丸まりがちになり背筋の方によりストレッチを感じるようになります。脊柱起立筋などの背筋をストレッチするのは悪いことではありませんが、背骨をニュートラルに保つ方がハムストリングスに注目しやすくなります。個人的な意見ですが、ハムストリングスだけをストレッチする最も効果的な方法は仰向けの足の親指を持つポーズ「スプタ・パダングシュタサナ」で、床が背骨を比較的ニュートラルな位置へと導くので、より効果的にハムストリングスをターゲットにしやすくなります。

試してみよう: 仰向けに寝て両膝を立て、ベルトやストラップがタオルを手がとどく範囲に置いておきましょう。曲げた右膝を胸に引き込み、膝か脛を両手で持ち大臀筋の緊張を解くように1-2呼吸しましょう。




それから右足の母指球にストラップをかけてかかとを天井にむけて伸ばしましょう。坐骨や膝裏ではなく、ハムストリングスの膨み(腿裏の真ん中あたり)がストレッチされるようにします。右膝を少し曲げておくか右足首の角度を緩める必要があるかもしれません。もしすでにストレッチを感じていたら、左膝を立てたままにしておきましょう。




もしストレッチを感じていなければ、左脚を床にそって伸ばしますが、背中が丸くならないよう、また右のお尻が右肩の方向に引きあがらないよう気をつけます。




骨盤をニュートラルに保つため、右腿と左足に輪にしたもう一本のストラップをかけてもよいでしょう。



ハムストリングスの優しいストレッチを感じたら、そこで胸と肩は柔らかくし少なくとも3回穏やかに呼吸してから、右腿の四頭筋を働かせましょう。関節の横にある一方の筋肉を収縮させると、関節の反対側にある拮抗筋が収縮するのを妨げます。つまりこのポーズでは、四頭筋を働かせることでハムストリングスの深いストレッチになります。その深いストレッチのままさらに3-4回呼吸したら、右脚をリリースして反対の脚に移りましょう。このストレッチを毎日か一日置きに繰り返しましょう。練習のあとにハムストリングスが温まっていると特によいと感じるかもしれません。



2. ストレッチの場所を変える


もしかすると場所を変えるとハムストリングスの感覚が変わるのに気づいたかもしれませんね。脚を開いた前屈(プラサリタ・パドッターサナ)や開脚座位の前屈(ウパヴィスタ・コナーサナ)などのポーズはハムストリングスの中間にある半膜様筋、半腱様筋ストレッチを促進します。立位の前屈(ウッターナサナ)や座位の前屈(パスチモッターナサナ)など両脚をそろえたポジションは、ハムストリングスの側面にある大腿二頭筋のストレッチを強めます。ハムストリングスのストレッチで膝を曲げたりつま先を伸ばしたりするといいと気づく人も多いでしょう。ですから、単にストレッチを求めて可動域の限界まで動かすよりも、ポジションを変える方がハムストリングスの緊張を解き、血流を高め、ハムストリングスの周囲や間の潤滑が促される可能性があります。


試してみよう: ストラップやベルトを右足にかけてスプタ・パダングシュタサナになり、再度ハムストリングスの膨らみのストレッチに注目しましょう。今度は、ややストレッチを感じるところで止め、脚や足の位置を変えられるようにハムストリングスが少し緩んだ状態にしておきます。そして右脚を曲げたり伸ばしたり、足首を曲げたり伸ばしたり、足で天井をホウキがけするように右脚を左右に振ったりしてみましょう。4-5回穏やかな呼吸をしながら滑らかに動かし、ハムストリングスの感覚を観察したあと、右脚をリリースして反対側に移ります。




この優しい動きを毎日あるいは一日置きに、1日のはじめ(あるいはヨガの練習の前)に行い、ハムストリングスを温めて動かし、ハムストリングスの緊張を解き、血流を高め、ハムストリングスの間と周囲の自由な動きを促します。長い1日の最後にハムストリングスを緩めるためにも使えます。



3. 実現可能な期待を持ってリラックスする


あなたがもしソーシャル・メディアで見るような「アドヴァンス」のヨガ・ポーズのファンなら、脚を伸ばした状態での股関節屈曲の通常の可動域はだいたい90度ぐらい(腿と骨盤の角度が直角ぐらい)だと知って驚くかもしれません。多くのヨガポーズはそれよりもっと柔軟である必要があるので、ハムストリングスの可動域を増やす必要があるのかを測るのにヨガクラスは必ずしも最適な場所ではありません。例えばスプタ・パダングシュタサナで上げた脚が腰の真上で止まっているなら、実際のところ柔軟性を高める必要はもうありません。しかし、健康的な可動域であっても、もしハムストリングスが堅いとか固まっていると感じるなら、緊張を解く、つまりストレッチよりも弛緩させる方がよいかもしれません。

上記のようなストレッチのフローもよいですが、筋肉の緊張の主な要因は神経系にもあります。交感神経には多くの役割があり、そのひとつは筋肉の張りを高め、「闘争か逃走か」の準備をすることです。均衡を保つもう一方である副交感神経は、「リラクゼーション反応」と呼ばれる事柄に関係しており「筋肉の緊張」を解きます。ですから、優しいストレッチのため穏やかに弛緩できる時間を取りましょう。大腿骨の後ろにたるんでしまうほどハムストリングスが弛緩すれば、頑固なハムストリングスの緊張を深いストレッチよりも解くことができるでしょう。


試してみよう: スプタ・パダングシュタサナにもう一度なり、今回は、下の脚が床の上に上げた脚が壁に持たれるように、出入り口か壁の角(あるいは下図のように柱)に向かって横たわります。お尻と壁の間にスペースを作り、上げた膝を曲げ、頭の下にクッションを入れるなどして数分の間快適に横たわりましょう。




快適になったら、呼吸に意識を向けましょう。呼吸は、意識的にも制御することのできる少ない無意識プロセスの1つですから、意識と無意識の間をつなぐ特別な役割を担っています。弛緩した腹部で、吐く息を長くしたゆっくりで優しい呼吸は、リラクゼーション反応への近道となります。深くリラックスした呼吸に落ち着いたら目を閉じ、外側の形状よりも内側の微細な感覚に集中しましょう。

2-3分とどまったら、ゆっくりと解放します。反対の脚に移る前に少しリラックスする時間をとってもよいでしょう。このリラックスの練習は、特に就寝前に慢性的なハムストリングスの緊張を徐々に解くために、定期的に繰り返しましょう。









(出典)https://yogainternational.com/article/view/7-strategies-for-healthy-hamstrings?fbclid=IwAR3nL2-qImqjcfTvYSB-t444ptAB6wL_fJLubOAPZ-VWaACfAgr-RpeX4a4

2018年12月17日月曜日

健康的なハムストリングスのための7つの方法 VOL.1
7 Strategies for Healthy Hamstrings


Yoga International の記事からです。
この記事にあるハムストリングスのストレッチは、私もとてもよいと感じていてクラスでは定番です。ぜひ、ご自分でもやってみてください。
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Yoga Medicineの上級ティーチャーであるレイチェル・ランドがハムストリングスの緊張を解きハッピーで、健康で、力強くいられる7つのヒントをお伝えします。

ヨガといって思いつくことがひとつあるとしたら、それは柔軟なハムストリングスでしょう。結局のところ、ヨガクラスに参加するのを拒否する友人たちのいったい何人がつま先を触ることもできないのにと主張するでしょう?

私たちの多くはハムストリングスに悩まされます。ストレッチしてもストレッチしてもこの苛だたしい腿裏の筋肉群は今までと同じように硬く戻ってしまいます。ハムストリングスが柔軟な人でさえハムストリングスの不快感をよく訴えます。ヨガにはとてもたくさんのハムストリングスのストレッチがありますが(前屈、ダウンドッグ)、ハムストリングスのストレッチは大抵の場合問題解決にはなりません。ではどうすれば?

私たちは、身体の部分を簡単に分けて別々にとらえがちです。しかし現実は、そんなに簡単ではありません。全ての筋肉は、周りの筋膜によって、横、下、上、そして深く繋がっているのです。それぞれが複雑な全体の一部であり、全ての構造に影響し影響されており、またその逆にも働いています。もし、ハムストリングスのストレッチが役に立っていないとしたら、そろそろもっと大きな絵をみる時でしょう。




ハムストリングスの解剖学と機能


では、もう少し詳しく解剖学をみていきましょう。両方の腿裏には3つのハムストリングスが走っています。半膜様筋、半腱様筋、そして大腿二頭筋です。

半膜様筋、半腱様筋、そして大腿二頭筋の長頭は骨盤の両側の基部にある骨の出っ張りである坐骨結節から始まっており、大腿二頭筋の短頭は大腿骨から始まっています。ハムストリングスは大腿骨の後部を走って膝関節を通り、下腿骨に入っています。


大腿四頭筋  半腱様筋  半膜様筋     


膝の裏を触ると、3つの繊維質の腱を感じることでしょう。膝内側には半膜様筋と半腱様筋(脛の大きな方の骨である脛骨に繋がっています)が並んであり、膝外側には大腿二頭筋の一本の腱があります(脛の小さな方の骨である腓骨に繋がっています)。

解剖学を覚える必要はありませんが、これらの筋肉の通り道をイメージすることはこれらの機能を理解するのに役たちます。ハムストリングスが収縮する時、以下の2つの動きが起こります。

1. 股関節伸展ー後屈やランジをする時など、大腿骨を骨盤の後ろへ動かす動き。股関節伸展では、ハムストリングス(大腿二頭筋の短頭は別)は、骨盤の後ろにある大臀筋を補助します。これらに対する拮抗筋は通常「股関節屈筋」と呼ばれ、腸腰筋や大腿直筋(股関節を通る唯一の四頭筋)が含まれます。

2. 膝屈曲ー膝を曲げて脛骨と腓骨を坐骨に近づける動き。膝屈曲では、ハムストリングスは、他の協力筋とともにふくらはぎの表面にある腓腹筋を補助します。これらに対するこの動きでの拮抗筋は腿前にある四頭筋、大腿直筋、外側広筋、中間広筋と内側広筋です。


さて解剖学がわかったところで、膝を曲げて股関節を伸展させるとどのようにハムストリングスが収縮し、反対の動き(股関節を屈曲して膝を伸展する)がハムストリングスをどのように伸ばすかをイメージしてみてください。そしてどのようにハムストリングスが骨盤や下肢に繋がっており、股関節や膝間接の機能にだけでなく、骨盤の位置(つまりは腰へも影響)にも影響することがわかるでしょう。

他のあらゆる筋肉と同じく、ハムストリングスは安定性と可動性のバランスが取れている時に最適に働き、あらゆる位置において様々な負荷のもと役割を果たすことができ、そして休むことができるのです。残念ながら、私たちのライフスタイルや姿勢の癖、動きのパターンなどによって、少しの努力でハムストリングスの安定性や可動性のバランスをとることが難しくなっています。



ハムストリングスの機能障害


ハムストリングスを健康に保つのを困難にする大きな要因は、座っている時間の長さにあります。この習慣は人類の進化という面で比較的新しいものですが、慢性的にハムストリングスが短くなり、弱くなり、血流を制限します。ヨガのほとんどはハムストリングスの強さよりも柔軟性に重点を置いているため、ヨガの練習も必ずとも助けにはなりません。

ハムストリングスのバランスの崩れは、単に腿裏の局部的な緊張だけに関連があるわけではありません。過剰に短く硬くなったハムストリングスは、骨盤の上部を後方へ引き骨盤が後傾します。過剰に長く弱いハムストリングスは逆に骨盤上部が前方に傾くのを止められず骨盤が前傾します。それ自体では何も起こりませんが、骨盤の位置が変われば、腰椎の位置や股関節屈筋の長さが変わります。骨盤の前傾が腰椎の自然なカーブを深め、仙腸関節に余分な荷重がかかり、股関節屈筋が短くなります。後傾は腰椎カーブを平らにし(腰の椎間板に余分な負荷がかかります)、股関節屈曲が長くなります。どちらの傾きも、習慣的になれば腰椎、仙腸関節、膝に影響を与えるのです。

So what can we do to help the hamstrings achieve elasticity and resilience and to be able to meet the demands we place on them without strain?
では、ハムストリングスの柔軟性と弾力性を取り戻し、傷めることなく必要に応じられるようになるには、何ができるのでしょう?
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<日記>最高のプレゼント

今年もあと二週間となり、そろそろレギュラークラスも今年の最後を迎えています。

私がシンガポールに住んでいた頃、両親や友人や親類を始めとして
いろんな人にヨガの良さをシェアしていきたい、役に立ちたいと思いたち
英語で授業を受け試験を受け論文を書き、無事ヨガセラピストの資格を取って
帰国後も何週間かドクターの元でフィールドワークを続けました。
教え始めた頃は手探りで至らないところも多々あったと思いますが
生徒さんたちがみなさん急にお休みになったりして落ち込んだこともありながらも
「なんくるないさ」と前を向いてマイペースで続けてきました。
そんな私に、ちょうど昨年の冬あたりから通っていただいている生徒さんから今日は大きな言葉のプレゼントをいただきました。


ずっと体調が優れず精神的にも不安定だったその方は、
少しでも体力をつけようと参加してくだったのが始めでした。
体調が悪かったり都合がつかなかったりでお休みされることももちろんありましたが
振り返ってみると、ほとんど毎週通ってくださっています。
お付き合いが長くなってくると、抱えてらっしゃる悩みや問題も見えてきて
どうすればよいのか私のできる範囲で色々と調べつつ
でもご無理のないようにと一所懸命向き合ってきました。
で、今年最後のクラスが終わったとき、こうおっしゃったんです。

「今年一年はヨガのおかげでほんとに元気に過ごせました。前はしんどくて何もできなかったんですけど、今はいろんなことができるようになって忙しくって(笑)。よかったです、ヨガしてみて。全てが良い方になってきてます」

ああ、少なくとも私がヨガをお伝えしていることで、少し幸せになってくださった方がいらっしゃるのだの思うと泣きそうになりました。(実際には泣いてませんけどネ)
こうしてなによりも「幸せ」を共有できるって
なんて私はラッキーなんだろうと感謝の気持ちでいっぱいになりました。


ヨガといえば、格好のいいポーズだったりファッションだったりが前面に押し出されていることが多いですが、私にとってのヨガは畳一枚のスペースでそして自分のペースで一人ででも行えるお金のかからない心と身体の健康法なんです。そんないいものをみんなでシェアしないなんて勿体無いと思うんです。そんな思いを持ちながら、これからも Happy をもっともっとシェアしていこうと改めて思いました。本当に感謝です。







2018年12月14日金曜日

ヨガをしている時の脳
This is Your Brain on Yoga


Psychology Todayの記事からです。
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習慣的なヨガが脳の作用を変え幸福感に影響する


もしいつもの平日、夜のだいたい8:30ごろに私を見つけたら、きっとスパンデックスを着て汗まみれで、同じく汗まみれの薄着の人たちでいっぱいの蒸し暑く薄暗い部屋で、ヘトヘトになっているでしょう。音楽はガンガンなっているけれど、私の耳には心臓の音しか聞こえません。ふらふらして疲れ切っています。我慢できないほどではないにしても不快感を感じています。これの中毒になっていると話すと、みんな目を丸くして精神不安定なのじゃないかと尋ねます。「そんなことをやりたいなんて理解できない!」と。

実際に試したことのない人からは、いつもこんな風に言われるのです。

ヨガはこの25年で、健康志向のヤッピーの流行にすぎないところからほとんどの医師から勧められるまでになりました。そのアドバイスはつまり、ヨガのアサナ(ポーズ)を通して体力や柔軟性を向上させるのは、体と心の健康に大変よいというものです。どんくさい新米ヨギとしてのこの3年間で、私もこれは事実だとわかりました。「ヨガの会員は、ジムとセラピストとカイロプラクティックをひとつにしたくらいの価値があるよ」とよく冗談をいうほどです。

「つまり」とあなたは言うでしょう。「単に一般的に習慣的なエクササイズっていうことでしょ?」それに私はこう答えます。「その通り!習慣的などんなエクササイズもとても大きな効果がある」しかし、様々なタイプのエクササイズの医療への応用や神経生物学の最近の研究では、ヨガが他の有酸素運動よりも、特に感情の安定と幸福感という面で大きな利点があることを示しているようです。

ヨガの練習とは何をするのかについて短く説明されたとしたら、おそらくなぜ鬱っぽい症状を防止したり気分安定につながるか直感的にわかるでしょう。初めはあれこれとつまらないストレッチに思えるでしょうが、1、2週間ほど頑張れば体と感情の注意深いコントロールを得ることにその本質があると気づくでしょう。忍耐強く自分と向き合い、プライドを飲み込み、やりすぎないでその時の最善をつくすよう促されるのです。私自身、もっとも体にストレスがあるポーズの際、呼吸と集中が助けてくれることに気づいてきました。(体重が減って気分が最高ってことも言いましたっけ?減量して最高な気分になるよ!)クラスで身体的にきついポーズの間、欲求不満や不快感などの感情をコントロールできるようになることは、実生活でのストレスや困難における感情への素晴らしいトレーニングなのだとインストラクターがよく言うのを聞きます。


そして知っていますか?これまでの研究の結果はまさにそうだと示しているのです。ウォーキングなど比較的強度の低い他の運動に比べ、ヨガは不安を減少させ鬱の症状を和らげることがわかっています。

ある研究では、ストレスや不安の治療の結果がヨガと認知行動療法で大きな違いがありませんでした。

つまり、これは事実であるようです。でも、どのような仕組みなのでしょう?気分へのエクササイズの化学的な効果はあまりよくわかっていません。いわゆる「ランナーズ・ハイ」がエンドルフィンに関係がないらしく、それよりも内的な大麻類のせいかもしれないということを科学者らが発見したのもたった数年前のことです(そう、体が自分で作るホームメイドマリファナです!)。

しかし、近年のヨガの神経化学研究では、ヨガが抗不安性の効果を持つかもしれないという手がかりが得られました。任意に抽出、制御した磁気共鳴スペクトロスコピーのストリーター氏らの研究で、優しいヨガの週間的な実践(ウォーキングではなく)で、脳の視床内にGABAと呼ばれる化学物質が出ることが示されたのです。

GABAとは脳内の「偉大なる抑制者」のようなもので、神経活動を抑える中心的役割を持っています。ベンゾジアゼピンなど昔からの抗不安薬は、中枢神経系にGABAを出させるのを促すことで効いています。ヨガを行っていた被験者らの脳内には、とても高い値のGABAが見られました。研究ではまた、ヨガの直前とヨガ後1時間のGABAレベルを比較したところ27%の増加がありました!GABAはアルコールのように一時的に同じ化学物質受容体と結合します。お酒を楽しむ時に感じるリラックスし不安が減る感覚は、GABAが受容体と結合するおかげなのです。ストリーターたちの発見は、ヨガの瞑想的なストレッチと呼吸が落ち着かせる化学物質を出すよう脳に信号を送り、それによりヨガ後何時間もの間、気分に影響することを示唆しています。そうしたメカニズムの詳細については研究はまだ初期段階ですが、脳内のコネクションが化学的な信号を使ってその強さや形状をまさに変化させることはわかっています。習慣的なヨガの実践でGABAが放出されることでこの化学物質のベースラインが上がり、脳自体が変化して日々のストレッサーに対してもより穏やかで不安のない状態にするのかもしれません。

仕事や学校の長い1日を終えるころ、もしあなたが私のように自分に「さて、ビールにするかヨガにするか?」と聞くならば、ビールの穏やかさはやがて消えますがヨガの穏やかさは持続するかもしれないことを思い出してみてください。





(出典)https://www.psychologytoday.com/us/blog/quilted-science/201209/is-your-brain-yoga

2018年12月6日木曜日

アーユルヴェーダの時計 
THE AYURVEDIC CLOCK


バランスを取り戻して健康になりたいですか?
食事の時間、睡眠サイクルそしてドーシャの活動サイクルを知ることが役立ちますよ。

私たちの1日は、仕事の時間、自由時間、睡眠時間に分けられ、そして多くの場合仕事の時間が長いでしょう。しかしアーユルヴェーダでは、異なった見方をします。1日を6時間ごとにわけ、3つのドーシャが昼と夜のどちらにも現れます。バランスの取れた生活をし健康を謳歌するには、古いアーユルヴェーダの時計のリズムに合わせる必要があります。

この象徴的な時計によれば、1日は日の出とともに始まり、冷たく重い、土のカパ・ドーシャの時間が午前6時から10時まで続きます。日中の午前10時から午後2時は熱く鋭い、火の「消化の王様」ピッタ・ドーシャに属します。軽く乾いた、空気のヴァータは、午後二2時から6時までを司り、その後は同じサイクルを繰り返します。


起きて輝く


時計と合わせるには、ヴァータが力強い日の出前に起床しなければなりません。陽が昇れば、私たちは、カパの土と水の時間に入ります。午前6時にアラームが鳴り目が覚めると気持ちがいいでしょうが、7時までに起きないと密度が高く鈍く重いカパが、体にも精神にも影響を与え始めます。ですから、鳥たちの前に夜明けに起きるのが理想なのです(伝統的には午前5:30、時間帯によれば6時かも)。そのように自然の光のリズムで1日を始められ、ヴァータの活発で明るく天空の質の恩恵が得られ、それが瞑想の助けにあるでしょう。



正午に主な食事を


アーユルヴェーダでは、主な食事をピッタの火が優勢な正午に摂るようにすすめています。ピッタは、食事や思考、感情など全てを消化する能力を助けます。消化の代謝においての消化は(アグニ)、日中にもっともよく働きます。時間が遅くなるにつれ、食事を消化するのが難しくなります。夜にたくさん食べるのも同じことが言えます。就寝のだいぶ前に体が食物の消化を終えているよう、アーユルヴェーダでは代わりに軽い食事を摂ることを勧めています。そうすると、起きている状態からより安らかな状態(「軽い眠り」)に移行することができ、眠りの精がちゃんと働いてくれるでしょう。



徐々にくつろいで


夕方の6時ころには、再度ヴァータからカパに移行します。日の出後に起きにくくさせて今う鈍く遅く安定して重いカパのエネルギーが、今度は眠りへと誘います。(カパの人は大抵の場合早く就寝します。)波長が合えば、体と精神の疲労を感じ始め、よい眠りへの欲求を感じるでしょう。



第二の波に抵抗する


午後10時ごろには、眠いカパから夜中のランプであるピッタへと移行します。体はこの4時間(午後10時から午前2時)を使って、経験や感情、日中の残った食事などを消化し、修復し力を取り戻します。ピッタは火のように熱いため、カパ時間の眠さを通り越して遅くまで起きていると、第二の波をとらえてずっと起きたままになり、よい眠りへの希望とは決別しなければなりません。

やっと眠っても眠り続けるのは難しいのです。というのもピッタはヴァータへと代わり、軽く微細でより動きのあるものへとなります。事実、アーユルヴェーダの時計では、午前2時ごろには私たちは「起床」のプロセスを始めるのです。もしそのまま夜明けまで落ち着かなければ、体や心、深い生命力であるオージャスを支える眠りの恩恵を受けられません。

控えめに言っても、忙しい現代の暮らしをアーユルヴェーダの時計に合わせるのは困難なことですが、その努力によって大きな利益が得られるでしょう。現代の健康問題の多く、不眠症や胸焼け、不安症、鬱などは生活のバランスの崩れに関係しています。食事の時間、睡眠サイクル、一般的な活動とドーシャのサイクルを合わせることが、そうしたバランスと健康を取り戻すのに役立ちます。



アーユルヴェーダの睡眠習慣


午後10時までに就寝するため、以下を試しましょう。
  1. 就寝の最低1時間前にテレビは消す。 
  2. オンラインの何もかも我慢する、買い物、ツイッター、フェイスブック、ニュース、仕事も。
  3. その時間は、反省や日記、レストラティブヨガや瞑想に使う。
  4. フット・マッサージをする。ラベンダーの香りの暖かいごま油を足に塗り込んで古いソックスを履く。
  5. 好きな深いリラックスできるCDやヨガ・ニードラのCDをかけて(早い時間に)、安らぎ神経のトゲをとる。就寝直前のヨガ・ニードラはエネルギーをリフレッシュして深い眠りを妨げます。
  6. 眠りを誘うハーブで香りをつけた温かいミルクを作る。オーガニックの幸せな牛からとったミルク120ー180ccをソースパンに入れ、1、2つまみのシナモン、カルダモン、ナツメグ、サフランにティースプーン1杯のギーを入れて3分ほど煮る。火からおろして1分ほどなじませる。ティースプーン1杯前後のロー・ハニーで味を足す。この温かい万能薬をベッドまで持って行き、ゆっくりとすすって素晴らしい眠りにつきましょう。




2018年12月3日月曜日

ヨガは慢性疼痛を緩和する? 
How Does Yoga Relieve Chronic Pain?

Psychology Todayの少し前の記事からです。
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ヨガは慢性疼痛と逆の効果を脳に与える


慢性疼痛は脳の構造の変化させるきっかけとなり、鬱や不安、認知機能障害などに繋がる。ヨガは逆の効果を脳に与え、慢性疼痛を解消する可能性があるという新しい研究がある。

慢性疼痛は脳の構造を変えてしまう。脳画像診断の研究では、脳の灰白質の量そして白質の相互関係を変えてしまうことを示している。灰白質には特定の脳領域ニューロンが集まっており、白室は様々な脳領域間の伝達ラインを形成している。

2015年5月にパームスプリングスで行われた「American Pain Society」年次会議で、「慢性疼痛の長期的結果に対する環境の影響」という講義が行われ、国立衛生研究所のM・キャサリン・ブッシュネルが慢性疼痛を緩和するヨガの効能についての最新研究レポートを発表した。

米国立衛生研究所(NIH)にある国立代替統合医療センター(NCCIH)の科学責任者であるキャサリン・ブッシュネル博士は、痛みを知覚、緩和、管理する脳の役割についてのプログラムを監督している。プレスリリースでは、「ヨガは慢性疼痛と逆の影響を脳に与える」と研究結果をまとめている。

ブッシュウェルと彼女の同僚たちは、薬物以外の痛みの治療法の発見を目的とした研究を行なっている。慢性疼痛は「精神と体の訓練」を通して防止、後退させることができることを彼らは発見している。ヨガの練習や瞑想などのライフスタイルが、痛覚を減少させ、加齢による灰白質量の減少を抑える効果を示す一方で、白質の質を保つのに役立つこともわかっている。

灰白質量の減少は、記憶障害、感情の問題、認知機能減少などを引き起こす。否定的感情や痛覚に関連する脳領域間の白質束が極度に結合することによって、対応する精神状態に物理的に結合してしまう可能性があるのだ。

研究者らは、拡散テンソル画像を使用し脳の灰白質量と白質束結合を分析した。ブッシュネルは、人の脳の痛みに対する耐性と限界の変化について最重要要素なのはおそらく島皮質の増加量と結合だろうと仮定している。

ヨガは、神経発生を通した灰白質の増加させ、神経可塑性を通した白質結合を強化するようである。痛み減少の脳への影響を評価し、島皮質や大脳皮質の内部組織での灰白質の変化が慢性疼痛に対し最も重要な役割を果たしているとブッシュネルは考えている。

「島皮質の灰白質のサイズは痛み耐性に関係しており、島皮質灰白質の増加はヨガの実践によって得ることができる」とブッシュネルは言う。彼女によれば、痛みの調整に関連するものなど複数の脳領域で、ヨガの実践者にはコントロール・グループよりも多くの灰白質があるという。

脳形態の変化は、気分障害や慢性疼痛の他の感情に関する認識共存疾患と関連する可能性がある。慢性疼痛の人々にとって朗報なのは、「精神と肉体」の訓練に灰白質を保護する効果があり、それが慢性疼痛の神経解剖学的影響を中和するかもしれないということだ。あるヨギたちの灰白質の増加がヨガの経験の長さに比例していることは、ヨガと灰白質増加の間に因果関係があることを示唆している。齧歯類の研究では、ストレスレベルが増加すると疼痛顕示行為に変化がみられ、反対に社会的および身体的によい環境が痛みに関連する脳の変化を減少させることがわかっている。これらの動物と人間両方に見られる結果が示すのは、慢性疼痛は、脳内の痛み調整システムを向上する環境要素の変更やライフスタイルにより緩和し防止することができるということだ。



ヨガは灰白質量を増加し白質を結合する


ブッシュネルはシャンタル・ヴィルムルとともにヨガの慢性疼痛への効果を研究してきた。彼らの最近の研究では、少なくとも6年ヨガを日常的に実践しているヨギたちと、ヨガはしてないが年齢、性別、学歴、他の運動など同じ条件の健康な人々と比較した。

ブッシュネルとヴィルムルは、一般の人とヨガ実践者たちの間に灰白質と白質に大きな違いがあることを発見した。ブッシュネルはこう説明する。


「脳解剖学研究からヨガの実践者は多くの領域で灰白質が多いことがわかりました。年をとると灰白質は減少しますが、ヨガ実践者にはそれが見られず、ヨガに神経保護効果があることを示唆しています。ヨガ実践者には痛み耐性に著しい増加がみられ、そして痛みの閾値にも変化がありました」


ヴィルムルの理論では、ヨガの効果の多くは、慢性疼痛に関係のある自律神経とストレス軽減に関連している可能性がある。自律神経には、交感神経系と副交感神経系の2つがある。ヴィルムルはまた、ヨガ実践者がどのように痛みの予兆に対処する異なった方法を持つのかについて詳しく調べている。

痛みを感じている時は、大抵の場合、交感神経系の「戦うか逃げるか」の反応を引き起こしコルチゾールのレベルが急上昇する。反対に、ヨギが痛みを予感した時には副交感神経系が活性化することをヴィルムルは観察している。これが、「戦うか逃げるか」反応とは反対の「優しく接する」「休んで消化する」反応を作り出すのだ。


結論:ヨガは慢性疼痛のための薬を使わない治療として有効な選択である


慢性疼痛の薬物療法の多くは、オピオイド系であり中毒性が高い。幸運なことに、ヨガや瞑想などの薬物以外の方法が、痛みの緩和という面で脳に対して効果があることがわかってきた。長期的に見れば、ヨガなど痛みの代替療法は、慢性疼痛にとって薬物治療よりも効果的である可能性があるのだ。


(出典)https://www.psychologytoday.com/intl/blog/the-athletes-way/201505/how-does-yoga-relieve-chronic-pain

2018年11月15日木曜日

呼吸法で特定の筋肉の緊張を解くことができる? 
Can We Use Pranayama To Release Tension In Specific Muscles?

今回は、とあるマッサージ・セラピストでヨガ・ティーチャーの記事です。
呼吸を使って体をコントロールすることはできるのか?
彼女の体験をシェアしたいと思います。
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横隔膜、腰筋とプラナヤマ


プラナヤマの間は、精神的にも身体的にもリラックス(弛緩)を促す副交感神経が私たちの体内で活性化します。その結果、不安やストレスのレベルが減少し体全体が弛緩します。

でも、プラナヤマで例えば腰筋のような特定の筋肉の緊張を解くことができるのでしょうか?横隔膜と腰筋の間に、もしあるとするならば、どんな関係があり、そしてその関係性にプラナヤマでどんな影響を与えることができるのでしょうか?

2017年プラナライフ・ヨガのティーチャートレーニングの生徒、そして認定マッサーッジ・セラピストの生徒だった私は、プラナヤマとプラナヤマが筋肉の緊張を解くことに興味を持ちはじめました。横隔膜と腰筋の間にある関係についてちょっとした研究を始めたのです。腸腰筋は、腰椎L1ーL5の横突起、腰椎L1ーL4の椎間板を起点としています。横隔膜は、腰椎L1からL3にかけて後部についています。左右にある下腿靭帯は、腰椎から横隔膜の中心腱に入る2つの弾性繊維帯です。


「腰筋は上部腰椎に沿って始まり、腰椎の表面に沿って走っている。その起点は「脚」と呼ばれる横隔膜の2箇所に極めて接近している。この位置を通るため腰筋は呼吸パターンに関係がある」


これには興奮しました!腰筋と横隔膜がどちらも近くで腰椎に着いているだけではなく、この近い関係性からプラナヤマが腰筋に影響を与え弛緩させられると言えるのではないかと思ったからです。では、この理論をテストしましょう。でもどうやって?


うちの犬は、おそらくこの世一番エネルギッシュな犬なので、そのエネルギーを使うために私はとても長くて激しく歩いています。それは5ー7キロも続くのですが、茂みや森を通ったり、鹿の通り道を歩いたり、木の枝を避けながら急な坂を登ったり、とにかく道を遮るものは何でも飛び越えます。この散歩は私たちにとても効きます。彼はそのあとずっと寝ていますし、私の股関節屈筋はカチコチになります!

あまりにも硬いので、アサナの最後にシャヴァサナで横たわると、腰とこ股関節の前に緊張を感じます。それだけでなく、こう硬くなると呼吸が浅くなり、プラナヤマを始めても深くゆっくりとした呼吸がしにくいのです。これもまた私の興味を引きました。

インターネットで検索して発見したのは、腰筋と横隔膜には確かな関係性があって、これがプラナヤマにも影響するということ以上のことだったのです。



以下が私の発見です。

硬い横隔膜 = 硬い股関節
硬い股関節 = 浅い呼吸

これは、腰のあたりの同じ場所で横隔膜が腰筋と重なって着いているからです。



では、プラナヤマが腰筋を特別に弛緩することができるのでしょうか。

最初の実験で明らかな結果が出ました。戦士のポーズ1で立ち、後ろ足の腰筋をストレッチします。ポーズのまま呼吸に集中しました。呼吸へとリラックスしていくと、自然に吐く息のたびに腰筋がより弛緩しストレッチを深められる感覚を感じました。

次の実験は犬の散歩のあとでした。シャヴァサナで横たわって、強い緊張のある箇所に何か変化があるかをプラナヤマをしてみました。横たわる前は、触ってみると股関節の前あたりが硬く、腰筋がかなり緊張しているのを感じました。何回か深い呼吸をしてみました。身震いを感じました。呼吸はなめらかでなく、肺にたっぷり呼吸が入っていなかったのです。横隔膜も硬いようでした。

マットに横たわり、股関節の前の緊張に注目していると、股関節屈筋が硬いせいで骨盤が前傾して腰が引かれ、肋骨の下部が浮き出ていました。意識を呼吸に移してプラナヤマ(3箇所の呼吸)を始めました。ゆっくりと深く周期的な呼吸をしていると、呼気と吸気を通して横隔膜の動きにそって腹部が上下するのを感じました。そのまま胸郭や胸に集中して呼吸を続けました。

呼吸を続けリラックスしていると、両肩が床に向かって沈むのを感じ始めました。腰もリラックスし。骨盤はニュートラルの位置に動き、股関節前部の緊張も減り始めました。プラナヤマを続けているとどんどんこの効果は深まっていきました。

その後、立ち上がってみると横たわる前に感じていた緊張は明らかに減りました。プラナヤマを実験してみて、その横隔膜と腰筋の関係に与える効果と、腰筋を弛緩させるのに使えるということを発見しました。

呼吸は横隔膜を弛緩させ、そして腰筋も弛緩させられるのです。すごい!

私の中のヨギが呼吸と筋肉の緊張の間の関係を発見したのです。私の中のマッサージ・セラピストもそれに賛成し、腰筋を完全に伸展させてその元々の長さの記憶をリセットするには、ただ横たわって呼吸するよりアサナを組み合わせた方が効果的ではないかと提案しました。腰筋を伸ばすのにいいアサナは、橋のポーズ、戦士のポーズ1、ローランジなどです。

体内の筋肉は呼吸と繋がっていて、そしてお互いに調和していることを理解できたのです。




(出典)https://www.yogitimes.com/article/diaphragm-breath-psoas-pranayama-yoga-practice?

2018年11月10日土曜日

眠りに落ちずにヨガ・ニードラを練習する方法 
How to Practice Yoga Nidra Without Falling Asleep

ヨガニードラとは「ヨガの眠り」と言われ、深い瞑想に入る方法のひとつです。
横たわって行いとてもリラックスするので、寝てしまうこともよくあります。
ヨガクラスの最後のシャヴァサナでも寝てしまう方が時々いらっしゃいますね。
今回はどうすれば眠ってしまわないでいられるか、についての記事です。
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ヨガ・ニードラは、身体と心のリラクゼーションの「最高の詰め合わせ」です。長年の思考の癖を解き、肯定的な思考のプロセスを促す ー 静かで受容性のある精神へのツールとなります。ヨガ・ニードラの効果を十分に受け取るためには、練習の間目覚めていてそこにいることが必要です。ヨガ・ニードラではすぐに眠りに落ちてしまいがちです。仰向けで目を閉じ、プロップスに身体を預け、深いリラクゼーションへと導く心を鎮める声を聞くのですから。では、「どうすれば眠りに落ちずにヨガ・ニードラを練習することができるのでしょうか?」


この記事では、眠りに落ちずにヨガ・ニードラを練習するために眠りと距離を置く様々なツールを紹介しましょう。いつもあちこち気が散ってしまうこのテクノロジーに縛られた世界では、睡眠不足な人が多いと指摘することが重要です。静かで理想的な状況では、身体は力が抜けて眠りへと誘われる機会を受け入れるでしょう。リラックスするには、まず「眠りの銀行口座」に十分な預金をおいておかなければなりません。身体が休むのに慣れていれば、ヨガ・ニードラの間目覚めたままでいられるようになります。このように、ヨガ・ニードラの時にいつも眠ってしまうということは、睡眠がもっと必要だということなのです。睡眠の貯金が満たされている時にだけ、眠らずにヨガ・ニードラの練習に集中できるのです。つまり、あなたが眠ることができずヨガ・ニードラがよりよい睡眠習慣に繋がると感じたとしたら、どうぞこの練習を睡眠サポートとして行い続けてください。



練習を短くする


ヨガ・ニードラでは、練習の初めに「私は目覚めていて気づいている」というような確認をしながら起きた状態にいるよう促されるでしょう。寝そうになったら、その言葉を思い出して眠気を遠ざけます。そうでなければ、特に練習が20分を越えると目覚めと眠りの間の状態に漂うことになるでしょう。ですから、ヨガ・ニードラは5-10分間の練習で始めるとよいのです。ヨガ・ニードラのガイドに沿ってそれくらいの時間、深いリラックス状態にいられるようになれば、より長い練習に移り、徐々に40分以上へと延ばしましょう。



しばらくは同じ練習を続ける


ヨガ・ニードラの録音は多く存在します。時間、先生の声、内容(関係のある言葉のあるもの)を検討して選びましょう。慣れた言葉があればさらにリラックスでき、よく知り信用できる内への旅をさせてくれます。自分にあったものが見つかったら、同じヨガ・ニードラを何度も行いましょう。このように、時間をかけて完全に快適になっていくのです。

新しいヨガ・ニードラを始める際、最もよくあるのは意識があったりなかったり、つまり覚えていたり覚えていなかったりということです。私たちはこの練習を無意識に受け取るのだと言われていますが、それでもその中で何に集中しているのかを知ること(例えば重さ軽さの感覚、森に入ったり岩に砕ける波を見ているというようなイメージ)は有益なことです。私がヨガ・ニードラの後に行うもののひとつは、覚えていることを書き留めて思い出すことです。それにはいつも私が気をつけていること、つまり体を観察して覚えていること、経験の中で気づいたこと(例えば体の中心を感じるようにすると汗をかくとか)、練習の始めにやろうと思ったこと、その他大切に感じることなどです。



身体的な合図


目覚めておくための体の合図は、クラスの途中で夢の世界に入り込んでいびきをかくことを防いでくれます。以下を試してみましょう。シャヴァサナで両腕を体の脇に置いて横たわり、指先が空に向くよう肩肘を曲げます。上腕と肩は床に置いておき、前腕と手だけをあげておきます。眠りそうになれば、手が降りてきてあなたを起こしてくれるでしょう。

体の合図と同じくタイマーをセットしておくのも良い方法でしょう。(他の人がいると迷惑なので一人のときがよいでしょう)タイマーの音はかすかに聞こえる程度に下げておき、ベルやチャイム、ゴングなどの音にセットしておきましょう。ヨガ・ニードラの間は感覚が鋭くなっているので、普段は普通のボリュームに感じていても瞑想に入っているときは耳障りでびっくりするかもしれません。びっくりしたくはないでしょう。ヨガ・ニードラのクラスでライブのドラム音にセットされていたことがあります。理論的にはクールでしょうが、私の経験上気持ちの良いものではありません。おそらく眠りそうになっていたのでしょうが、突然とても大きなドンパンの音に起こされたのです。私は飛び起きて、心臓はどきどきして完全に警戒状態でした。身体中がショック・モードになりました。この経験を教訓として、タイマーの音は小さくあるいはバイブだけにして練習の間そこにいるかどうかを自分に問うための優しい合図になるようにしています。タイマーは5分おきに鳴るようセットしてもいいですし、一回だけでも構いません。(短時間のヨガ・ニードラなら一回だけの方がよいでしょう)



体のポジションを変える


伝統的にヨガ・ニードラはシャヴァサナで床に仰向けで横たわって行います。しかし、眠るのを防ぐには、練習する姿勢を変えてもいいでしょう。ひとつは横向けに横たわることです。右を下にするとヨガ・ニードラを促す静かで穏やかな感覚を感じると言われています。これはおそらく、右を下にすると左の鼻から呼吸が多く通るようになり、それが鎮静する受動的なエネルギーであるイダ・ナディが開いて流れ続けるのを促すからでしょう。しかし、どちらでもあなたが快適と感じる方を選べばよいでしょう。実際、長時間のヨガ・ニードラでは、妊婦は(下半身から心臓に血液を戻す)下大静脈が圧迫されないよう左下に横たわることを勧められています。

横を向いて寝るときには補助具を使うことを勧めます。表面を柔らかくするために体とマットの間にブランケットを置いたり、寛骨の下にブランケットを置いたり、快適に落ち着くために背中側にボルスターを置く(背中は床に着いていないので)、腿と脛の間に折り畳んだブランケットを入れる、足の下にブロックを置く、あるいは横向きのシャヴァサナをサポートするために頭や腕の下にブランケットを置くなどです。

座位のヨガ・ニードラも可能です。この場合は、椅子に座って両足をしっかり床に着地させるか、床に快適に着かなければブロックの上に両足を乗せましょう。両手は両膝の上に休ませ、背骨は長くします。できるだけ体の力を抜きながら背骨が伸びたままにできるよう、膝の下に何らかの補助具を使いましょう。



エネルギーのある時間を選ぶ


エネルギーがたっぷりある時間にヨガ・ニードラを練習しましょう。例えばそれが朝だとしたら、少し早起きをして朝の練習のために余裕を作りましょう。そうすれば、練習の間に眠りたくならなくなります。

自分自身が一番自分を厳しく批判をします。ヨガ・ニードラで寝てしまうことも、目覚めているように努力することも悪いことではありません。ずっと起きたままでいられなかったことや、「完璧」でいられなかったこと、一度のセッションで大きな変化が感じられないことで自分自身を評価するのではなく、自分自身、そして自分の癖や傾向を知るよう練習していれば、より早くもっと先へ進むことができるでしょう。

ここにあげたコツがあなたのヨガ・ニードラの旅で有効でありますように、そして練習が多くをもたらしますように。シュリ・K・パタビ・ジョイスの言葉を捧げます「練習すれば全ては叶えられる」






(出典)https://yogainternational.com/article/view/how-to-practice-yoga-nidra-without-falling-asleep?

2018年11月5日月曜日

生姜人参ジュースの効能 
Health Benefits of Fresh Ginger Carrot Juice

南国に住んでいた頃、毎日暑いのでしょっちゅうフレッシュジュースを街のあちこちにあるジュースバーで飲んでいたので、それが懐かしくコールドプレスのジューサーを数年前に入手しました。特に効能とかなんとかというわけでもなく、人参とりんごのジュースが昔から好きなので、りんごが高価になる夏には違う果物も使ったりはしますが、だいたい毎朝生姜を入れて作ります。
で、こんな記事を見つけました。
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健康な体と輝く肌は誰もが手に入れたいものです。バランスのいい食事は大きな違いを生むため、ますます多くの人が健康的に食べるようになっています。

それが、よくない副作用のある炭酸飲料よりも家庭にある材料で作れる健康的な選択をする人が多い理由のひとつでしょう。

そんな健康的なドリンクのひとつがフレッシュの生姜人参ジュースです。果物や野菜の摂取量が増え、多くの健康効果があります。この2つの野菜は、マルチビタミン、ミネラル、抗酸化物質など豊富な栄養素を含んでいます。


1. 免疫を高める


この健康的なジュースはまた免疫にもよく、お年寄りだけでなく育ち盛りの子供にも効果があります。

人参に含まれるビタミンAとCは免疫細胞の生成を助けます。特にビタミンAは、病気のもととなる病原菌をなくす白血球の生成を促進します。



2. 肌の健康を促進


生姜人参ジュースには、肌の健康を促進し肌荒れを防ぐ様々な栄養を含まれています。

ビタミンAが豊富で様々な抗酸化物質を含む人参は肌によいのです。肌を潤わせ、ニキビや色素沈着、シミ、肌色ムラを防ぎます。

人参は、肌の健康を促すβカロチンを含む根菜の代表です。





(出典)https://www.facebook.com/ayurvedaforall/posts/2126043090754022

2018年11月1日木曜日

暖かく過ごす7つの方法 
7 Way To Stay Warm


11月になり急に寒くなってきました。
妙に暑かった今年もようやく終わりに近づいてきたという感じです。
次はどのように暖かくするかにシフトしていく時ですね。
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アーユルヴェーダによれば、吹きすさぶ風や寒い季節はヴァータ・ドーシャ(血流、消化、心の動きなど全ての動きを司る性質)を悪化させ、冬の冷たく湿った重いエネルギーはカパ・ドーシャ(重み、関節の潤滑、体の液体バランスを調整する性質)を大きく増やすことがあります。

冬は、増えたヴァータによって関節炎、消化不良、集中力の低下などの問題を引き起こし、カパの崩れたバランスが風邪、体重増加、倦怠感などにつながることがあります。次の簡単なコツを使って、冬の間、暖かく過ごしドーシャのバランスを保ちましょう。

  1. 暖かくエネルギッシュでいたいですか?腎臓にストレスを与えるカフェインの代わりにアーユルヴェーダのお茶を飲みましょう。8カップの水を沸騰させます。生の生姜を薄く切ったもの3枚、クミンシード小さじ1/4、フェンネルシード小さじ1/4、黒胡椒2粒、ミントの葉数枚と一緒に保温ポットに入れます。1時間置いたものをゆっくりと1日かけて飲みましょう。
  2. 毎朝10ー15分間、ハーブを入れた温かいオイルで体をセルフ・マッサージしましょう。このマッサージ(アビヤンガと呼ばれます)は、血流を促し、オイルが肌や体の組織に栄養を与えて保護してくれます。
  3. 粗挽き小麦、雑穀、とうもろこしなど栄養のある穀物をたっぷり食べましょう。少しの精製バター(ギー)と調理しましょう。ギーは風味豊かで消化管を潤します。
  4.  黒胡椒やクミン、生姜、マスタードシードなど温めるスパイスをスープやサラダ、前菜などに足してカパの不活性な性質を和らげましょう。
  5. ヴァータのバランスを保つため毎日の習慣を崩さないようにしましょう。
  6. 少なくとも週に4回は30分のエクササイズを行なってカパの不動のエネルギーに立ち向かいましょう。
  7. 何よりも、温かいくつろげる人たちと過ごしましょう。外が暗く憂鬱な季節に、彼らの笑い声や前向きなエネルギーであなたの毎日が陽の光で照らされますように。


2018年10月25日木曜日

国立精神衛生神経科学研究所がインドで設立 
National Institute of Mental Health and Neuro Sciences to set up


筆者が訓練を受けたヨガセラピーのヴィヴィエカナンダヨガ研究所のあるバンガロールに、統合医療センター、国立精神衛生神経科学研究所(National Institute of Mental Health and Neuro Sciences)が設立されたそうです。
以下はそのニュース記事です。
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バンガロール:国立精神衛生神経科学研究所(NIMHANS)では、そのキャンパス内の専用センターにて、現存の対症療法とともにアーユルヴェーダやヨガを含む統合医療の治療を間もなく始める。

情報筋によれば、提出された申請に Union Health Ministry (訳注:「統合健康省」とでも訳せるでしょうか??)が原則的な認可を出し、必要な費用に関するさらなる認可を得るため財務省へと送られたという。

NIMHANSの関係者によれば、そのキャンパス内にて、対症療法とともにヨガセラピーやアーユルヴェーダの治療を行う統合医療のセンターを設立する。しかし、ヨガセラピーはすでに実施されており人気もある。

NIMHANSの責任者、B N ガンガダハール医師は「キャンパスでの統合医療センター設立の申請は受理され、健康省から原則的に認可を受けており財務省からの認可も間も無く下りるはずだ。最終認可が下りれば、我々は仕事を始めるつもりだ」

「精神衛生と神経科学については、すでにこの研究所で対症療法を行なっている。試験的に始めたヨガセンターもうまくいっており、アーユルヴェーダも実施するしなければならない」と彼は付け加えた。

現在、NIMHANSキャンパス内でアーユルヴェーダ研究センターが稼働しているが、 Union Ministry of AYUSH の管轄下であり健康省とは関係がない。「NIMHANSのAyushセンターがあれば、ことは容易にすすむだろう」ガンガダハール医師は言う。

「この申請はNIMHANSによって提出され、同じ原則で健康省が認可したということは、健康省が直接ヨガやアーユルヴェーダのシステムを現存の対症療法に組み入れるということで、国レベルとしては初めて他の医療システムと同等となる」



アーユルヴェーダ・コース


NIMAHNS では、大学院やアーユルヴェーダやヨガセラピーを含む統合医療の資格コースをも始める意向である。「健康省からの申請認可を待つだけだ」とガンガダハール医師は言う。統合医療センターとして、PhD(博士号)のプログラムもまた計画中だ。しかし、研究所は現在の施設を利用することを決定しており、スタッフや必要となる他の教育施設としての準備のためには認可が必要である。




(出典)http://www.newindianexpress.com/cities/bengaluru/2018/oct/13/national-institute-of-mental-health-and-neuro-sciences-to-set-up-centre-for-integrative-medicine-1884940.html

2018年10月23日火曜日

迷走神経の力を解放する12の方法 vol.2
12 Ways to Unlock the Powers of the Vagus Nerve

前回からの続きです。
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迷走神経を刺激する12のテクニック



迷走神経を健康に保つのに強い衝撃は不要だ。筋肉と同じように、引き締めたり強化したりできる。健康を大きく促進させられるシンプルな方法をいくつか紹介しよう。


1. 好ましい人付き合い – ある研究では、他人に対して思いやりのある被験者に、友人や家族に関する前向きな文章を心の中で繰り返させた。コントロール・グループに対し、クラス終了後に落ち着きや喜び、希望などのよい感情の増加が瞑想した者たち全体でみられた。これらの他人の前向きな思考は、心拍変動などにみられる迷走神経の改善をもたらした。またこの結果は、単純に瞑想するよりも迷走神経がより整えられることを示した。


2. 低温 – 「冷たい水でシャワーする顔を洗うなど低温に晒すのもまた神経を刺激する」とメンターは言う。

体が低温に慣れると「戦うか逃げるか」の交感神経系が下がり、休憩し消化する副交感神経系が上がる。そしてこれらは迷走神経によって行われる。冷たい水を飲むなど急に低温に晒されると迷走神経の活動が高まるのだ。

3. うがい – 刺激を受けていない迷走神経を家で改善するもう1つの方法は、水でのうがいだ。実際うがいは、迷走神経によって始動する口の筋肉を刺激する。

「概して、患者たちは涙を浮かべるがそれはいい兆候だ。もし涙がでなければ、涙が浮かぶのに気づくまで毎日するように勧めている」とホフマンは言う。「即座に作動記憶のパフォーマンスがあがることがわかっている」


4. 歌やチャンティング – 鼻歌、マントラ・チャンティング、聖歌を歌う、あるいはエネルギッシュに速い曲を歌うなどどれもやや異なる方法で心拍変動を増やす。本質的に、歌うことは迷走神経のポンプでリラックスの波を送り始めるようなものだ。肺の上部で歌うと、喉の奥の筋肉が働いて迷走神経が活性化する。協会やシナゴークでされるような合唱もまた心拍変動と迷走神経活動を上昇させる。歌うことはオキシトシンを増やすとされているが、オキシトシンが人々がお互いに近しく感じさせるため愛のホルモンとして知られている。



5. マッサージ – 首の両サイドにある頸動脈に沿った頸動脈洞に沿って首を、または足をマッサージすることで迷走神経を刺激することができる。首のマッサージは卒中を減少させることができる。足のマッサージは心拍数と血圧を下げる。指圧もまた迷走神経を活性化することができる。こうしたマッサージは、迷走神経によって大きく影響をうける腸の機能を刺激して乳児の体重増のために使われている。


6. 笑い – 笑いはまた迷走神経を刺激する。グループ環境下で笑いが心拍変動を増やすことを示した研究がある。

笑うことで気を失う人のケース・レポートが多くあるが、これはおそらく迷走神経(副交感神経系)が余りにも刺激されすぎたせいだろう。笑いの後には気を失ったり、失禁、咳、嚥下、腸の動きなどが起こるが、これら全て迷走神経の活性化に関連する。


7. ヨガと太極拳 —どちらも迷走神経の活動や副交感神経系全般を上昇させる。研究によれば、ヨガは脳内の鎮静神経伝達物質であるGABAを増やす。これは「迷走神経の求心性を刺激」することで起こり、これが副交感神経系の活動を上昇させると研究者らは考えている。これは不安症や鬱に悩む人に大変有用である。

研究によれば太極拳もまた「迷走神経のよりよい調整を促す」と示している。


8. 深くゆっくりとした呼吸 — 心臓と首には「厚受容器」という受容体のあるニューロンがあり、血圧を感知して脳に神経信号を送る。これが心臓とつながる迷走神経を活性し血圧や心拍数を下げる。吐く息吸う息がほぼ同じ長さのゆっくりした呼吸は、厚受容器の感度や迷走神経の活動を高める。成人の場合、平均で1分間に5、6回という呼吸が大変有効である。


9. エクササイズ – エクササイズは脳の成長ホルモンを増やし、脳のミトコンドリアを養い、認知機能の低下を防ぐのに役立つ。また、迷走神経を刺激することがわかっており、脳や精神の健康に有効である。迷走神経によって調整されている腸の動きもまた、穏やかなエクササイズで刺激される。


10. コーヒー浣腸 — 浣腸は迷走神経にとっては短距離走者のようなものだ。浣腸の際に起こるような腸の拡張は迷走神経を活発にする。この浄化法は、血液中の毒素を解毒する肝臓の働きを活発化し毒素を胆汁に結合させる。この過程で肝臓は、小腸、そして大腸へと毒素のある胆汁を放出して排泄させ自らを浄化する。3分ごとに血液全てが肝臓を通って供給されている。コーヒーを12〜15分間置いておくと、血液がまるで腎臓透析のように浄化のために4、5回循環する。コーヒーに含まれる水分が腸のぜん動を刺激し、毒素のある蓄積した胆汁とともに大腸が空になるのを促すのだ。


11. ニルヴァーナ(音楽プレーヤー) — この装着可能な商品は、音楽と同期しながら左耳管から優しい電波を送り体の迷走神経を刺激する。そして脳内の神経伝達物質の分泌を刺激して体中に穏やかな感覚を作る。


12. リラクゼーション – どうやって落ち着くかを身につけることが、迷走神経を調整する一番の方法だ。ホフマンによれば、最もリラックスできる活動は迷走神経を刺激するという。

結局、もっとも深く効果を感じられる場所がここだ。本を読む、音楽を聴く、子供が遊んでいるのを見るとか、それが何であれ、リラックスできることを見つけてその時間を持つことを勧める。〜ジャスティン・ホフマン医師






(出典)https://upliftconnect.com/12-ways-unlock-powers-vagus-nerve/

2018年10月17日水曜日

迷走神経の力を解放する12の方法 vol.1
12 Ways to Unlock the Powers of the Vagus Nerve

神経系を書き直す

迷走神経というのは最も重要な神経なのだが、その存在すら知らない人もいるだろう。

迷走神経は曲がりくねった運動と知覚の繊維束で脳幹から心臓や肺、腸へ繋がっている。また、肝臓、膵臓、胆嚢、尿管、女生殖器、首、耳、下、腎臓にも枝を広げ作用し合っている。不随意神経中枢(副交感神経系)を起動させ、心拍数を一定に保つ、食べ物を消化する、呼吸、発汗などありとあらゆる無意識の体の機能を調整している。また、血圧や血糖バランスを調整し、全体的な腎臓機能を活性化、胆汁やテストステロンの分泌、唾液分泌を刺激し味覚を調整、涙を出す、女性では妊娠やオーガズムに大きな役割を果たす。

カリフォルニア州サンタ・ローザのジャスティン・ホフマン自然療法医師によれば、
迷走神経がなければ、私たちが生きている鍵となる機能が保持されない
全国的に知られるスポーツ栄養・強化コンディショニング・コーチのブランドン・メンターは以下のように強調する。
迷走神経は健康全般に大変重要で、複数の内臓や体の組織と密接に繋がっている。

迷走神経には、実質的に全ての内臓に刺激を与える繊維がある。感情の管理や処理は心臓や脳、腸の間の迷走神経でされるので、精神的・感情的に激しい状態では内臓が強く反応する。

迷走神経の機能障害は、肥満、徐脈(異常に遅い心拍)、飲み込みが難しくなる、消化器官の病気、めまい、気分障害、B12欠乏、慢性の炎症、ひどい咳、卒中などありとあらゆる問題を引き起こす。

一方、迷走神経の刺激が以下のような症状を改善することが知られている。
  • 不安症
  • 心臓病
  • 耳鳴り
  • 肥満
  • アルコール依存
  • 偏頭痛
  • アルツハイマー
  • 腸管壁浸漏
  • 血流の悪化
  • 気分障害


このスーパー神経の詳細


12ある脳神経で最も長いのが迷走神経だ。それよりも長い神経系は脊椎だけである。その約80パーセントの神経繊維(5つの道筋のうちの4つ)が、体から脳へと情報を送る。5つ目の道は違う方向に走り、脳からの信号を身体中に往復させる。

脳幹から始まる迷走神経は、首を通って胸部へ向かい左と右に分かれる。どちらも何万もの神経繊維から成っており、心臓、肺、胃、膵臓など腹部のほとんどの臓器へと枝分かれしている。

迷走神経は神経伝達物質アセチルコリンを使い、副交感神経系で筋肉収縮を刺激する。神経伝達物質とは神経繊維の先から放たれる化学的なメッセンジャーで、点から点へと信号を送り伝え様々な臓器を刺激する。例えば、迷走神経から放出されるアセチルコリンの通して脳と横隔膜が通じなくなったとしたら、私たちは呼吸を止めてしまうことになる。



ボトックスや重金属水銀などの物質は、アセチルコリンの生成を妨げることがある。ボトックスは迷走神経を止め、死をもたらすことで知られている。水銀はアセチルコリンの働きを妨げる。水銀が心筋の受容体にあるチオール蛋白質に付着すると、心筋は収縮のための迷走神経電気信号を受け取れなくなる。心臓血管系の問題が起こるのが通常だ。脳から数センチの歯の詰め物に使われている水銀や、大気に3千トン放出されている水銀が、アセトクロリンの生成を妨害しかねない。水銀を含んだワクチンもまた、迷走神経に関連する小児の自閉症の原因である可能性もある。

ホフマンはこう述べている。
理論上、アセトクロリンの量や機能をよくするものは何であれ、迷走神経の健康にもよい。

アセトクロリン受容体の感度を高めるため、自然の向知性薬フペルジン、ガランタミンがよいとホフマンは言う。

迷走神経の障害はまた、糖尿病やアルコール中毒、上気道ウィルス感染などを引き起こしたり、手術中の神経部の偶然の切断などを起こすこともある。ストレスは、疲労や不安とともに神経を炎症させる。悪い姿勢など単純な事でさえ迷走神経に悪い影響を与える可能性もある。

また、瞑想神経の健康に食事が関係するとも考えられている。病的肥満を引き起こす「カフェテリア・ダイエット(高脂肪、高炭水化物のジャンクフード)」は、迷走神経の感度を下げる。辛い食べ物もまた神経を鈍くさせる。



腸内の感覚


鍼療法師で東洋農村医学博士のマーク・サーカス医師によれば、「腸で感じる」と言うのはただの想像ではない。

腹で感じる本能は幻想ではなく、日々私たちを導く実際の神経信号だ。


というのも、消化器官の機能を司る腸管神経系(ENS)は、迷走神経を通して中枢神経(脳)と通信しているからだ。これは腸脳中枢として知られる。ENSは2つ目の脳、あるいは太陽神経叢にある予備脳と呼ばれることがある。サーカスは以下のように続ける。
ENSは自立しているだけでなく脳にも影響を及ぼすことが現在わかっている。実際、迷走神経に沿って流れる信号の90%は上部からでなくENSからだ。 

近年の研究では、抗生物質が腸内細菌のバランスを崩すといかに私たちが攻撃的になるかを示している。カナダのオンタリオ、ハミルトンのマクスター大学による昨年の重要な研究では、特定の有益な腸内細菌がPTSDを実際に防ぐことがわかっている。米国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)の報告によれば、プロバイオティクスが腸や迷走神経の信号を健康に保つのに役立つそうだ。

イリノイ州グレンビューの統合医療医師でカイロプラクターのアビー・クレイマー医師はこう説明する。


プロバイオティックが迷走神経の活動を促進するのは、腸や消化機能と関連性があるからだ。亜鉛もまたストレスや精神衛生の問題を持つ人にとってとてもよいサプリメントだが、それもまた迷走神経に関係してくる。



電気を高める

医師たちはこれまで長い間、脳にある神経の作用を利用してきた。迷走神経刺激(VNS)と呼ばれる迷走神経の電気刺激は、てんかんや鬱患者の治療に使われることもある。VNSは迷走神経を通って脳に規則的で緩やかな電気パルスを送ることで発作を防ぐように作られている。このパルスはペースメーカーのような装置で供給される。胸の皮膚下に置かれ、首の迷走神経へとワイヤーが繋がれる。てんかん患者への迷走神経刺激の効果の研究者らは、発作の減少に無関係な2つ目の効果を患者が経験するということに気づいた。気分がよくなるのである。

米国科学アカデミー紀要(PNAS)に発表された2016年の研究では、バイオ電子機器を使った迷走神経刺激が「リュウマチ性関節炎患者の症状が著しく改善したことを示した。この慢性炎症性疾患は米国で130万人の患者がおり、治療に年間何百億ドルものコストがかかっている。












次回に続きます。

(出典)https://upliftconnect.com/12-ways-unlock-powers-vagus-nerve/

2018年10月11日木曜日

脳には静寂が不可欠 科学が証明 
Science Says Silence is Vital for Our Brains


騒音は害、静寂は癒しだという証拠


静寂の価値というのは、人生の中で誰もが感じることだ。静寂は、快適で居心地の良いものだ。インスピレーションを与え、心や体、魂を育む。その一方、騒々しい世界は私たちの創造性や内なる繋がりを押し流し、回復力を奪う。私たちの疲れ切った脳や体を再生するために必要なのは静寂だということを、現代の科学は示している。

研究によれば、騒音は私たちの脳にとても強い身体的影響を持ち、ストレス・ホルモンレベルの上昇を引き起こす。音は、耳を通して電気信号として脳に伝わる。私たちが寝ている時も、この音波によって体が反応しており、記憶や感情に関係する脳の扁桃体を活性化しストレス・ホルモンを分泌する。つまり、常に騒音のある環境で暮らすと、こうした有害なホルモンがとてつもなく高いレベルになるということだ。

興味深いことに、「noise(騒音)」という言葉はラテン語の「nausia (不快感、吐き気)」、あるいは痛み、損傷、怪我という意味のラテン語の「noxia」からきていると言われている。騒音は、高血圧、心臓病、耳鳴り、睡眠障害などに繋がる。私たちは皆、騒音公害の有害な影響を経験している。過剰な騒音は体の感覚に大きなストレスとなり、今日では、神経質で秩序のない騒音環境下で正常に活動できないとより多くの人が言われるようになっている。しかし現代の科学によって、騒音は有害だが静寂が癒しとなるとなると証明している。



静寂の効果


2011年、世界保健機関(WHO)は欧州における健康問題を調査し規模を測った。それにより、西ヨーロッパの3億4000万人(アメリカの人口にほぼ相当)が、騒音が原因で毎年1000年分の健康的な生活を失っていると結論づけられた。WHOはまた、3000件の心臓病死の根本原因は過剰騒音だと述べた。Psychological Science誌で公表されたコーネル大学のゲイリー・W・エヴァンズ教授の研究では、ミュンヘン空港近くの児童たちへの空港騒音の影響をグラフにした。騒音にさらされた子供達は、騒音の無視というストレス反応を起こしたと示した。子供たちが空港の有害な騒音だけでなく、人の話す言葉など日常の騒音もまた無視するということを、教授は発見した。
この研究は、(聴覚障害を起こすレベルでなくても)騒音がストレスを作り人に有害であるという最も強固でおそらく最も信頼できる証拠である。 :ゲイリー・エヴァンズ教授
静寂の効果の研究は科学者らが能動的に始めたわけではなく、たまたまその効果を発見したのである。最初は、科学的研究において騒音や音楽の効果を比較するため、科学者らが基準として静寂を使い始めた。2006年、ルチアーノ・ベルナルディ医師が騒音と音楽の生理学的影響を研究、驚くべき発見をした。彼の研究の被験者らは騒音や音楽の間に任意の長さの静寂を与えられ、大きな効果を経験したのである。リラックスさせる音楽や実験が始まる前のより長時間の静寂よりも、脳にとっては2分間の中断の方がずっと大きなリッラクス効果があったのだ。実際、ベルナルドの「無関係」の中断が研究の最も重要な側面となったのだ。彼の重要な発見のひとつは、静寂は差異によって強められるということだった。

The brain responds to silence
脳は静寂を認識し力強く反応する


多くの瞑想の指導者や実践者はこれが事実だと言えるし、スピリチュアルな指導者は生徒たちに1日のうちに何度も瞑想的な小休止を取るように指導する。静寂には意味がないと考えがちだが、科学は逆を示している。脳は静寂を認識し、力強く反応するのだ 。デゥーク大学の再生生物学者イムケ・キルストののちの研究では、1日2時間の静寂が記憶生成や感覚に関係する脳の海馬の細胞発達を促すことを発見した。



スイッチを切る時間を取る


注意回復理論(Attention Restoration Theory)によれば、知覚インプットが低いレベルの環境にあると脳はその認識能力のいくらかを「回復」することができる。デジタルな世界ではなかなか脳のスイッチを切ることがない。常に膨大な情報を処理している。現代社会の絶え間ない注意の必要性が、私たちの前頭葉(意思決定や問題解決などを司る脳の部分)に大きなストレスを与えているという研究がある。ひとり静寂の中で過ごす時は、脳はリラックスしてこの絶え間ない集中を解放することができる。

研究者らが発見したのは、静寂のもとでは新しい細胞がニューロンを二分化しシステムに統合するのを助け、また静寂を体験している時の私たちの脳は内外の環境をよりよく理解することができるということだ。私たち全体の幸福に欠かすことのできないこと、つまり人生の意味の理解と総体的な見方が可能になるのだ。


Silence relieves stress
静寂は、脳と体のストレスと緊張を解く


騒音がストレスを作る一方で、静寂は脳内と体のストレスと緊張を解く。静寂は私たちの認識能力を回復し活性化する。騒音は集中力と認識能力を奪い意欲と脳の機能を下げる(騒音影響の研究に裏付けられている)、しかし様々な研究によれば静寂に身を置くことで過剰な騒音にさらされて失ったものを驚くほど回復することができる。古代のスピリチュアルな師たちはこれら全てをよく知っていたのだ。静寂は癒しである、静寂は私たちの内面深くへと導く、静寂は心と体のバランスを取る。今や科学が同様のことを言っている。

自然や静寂の癒しの効果は十分に立証されているが、この探求もまた健康と幸福、そして脳の活性化のために付け加えることができるだろう。静寂という簡単だが古代からの経験は、現代の狂ったライフスタイルを鎮めるのに必要な鎮痛剤となりえるのだ。


静寂は空。空は目覚めた精神の拠り所である。– ブッダ




(出典)https://upliftconnect.com/science-says-silence-is-vital-for-our-brains/

2018年10月8日月曜日

<日記>長野県でヨガリトリート



シンガポール時代に最初に通っていたヨガスタジオのオーナーが長野県穂高でリトリートをするから一緒に来ない?と誘われたのは今年の5月。
誘ってくれたのは、アメリカ西海岸の赴任を経て現在東京にいる私の最初のヨガの先生。
主催の元オーナーは、現在オーストラリアの南西部にいるシンガポーリアンで、
学生時代を長野県で過ごしているので日本語がとても上手。その彼女が、今のオーストラリアでの生徒さんたちを連れて長野にやってくるという話でした。
・・・ややこしいいでしょ?笑

まあ、早い話が、英語しか話さないオーストラリア人たちと久しぶりに会う古い知り合いと一緒に長野で一週間過ごすということ。面白そう!

というわけで行ってきました。

ご存知の方も多いかもしれません。
穂高にある養生園
1日2回のマクロビ菜食(10時半と17時半)、22時消灯で睡眠をたっぷりとる。
山に囲まれ自然がいっぱい。温泉があり、セラピーがあり。
化学物質をできるだけ排除して、人間にも自然にも優しい暮らし。
そして自己免疫を高めるための養生をする。




今回のリトリートは、彼女と養生園のスタッフが考え抜いてくれたプログラム。
朝はヨガやウォーキングで始まり、
本当に美味しいブランチのあとはいろんなアクティビティ。
のんびりしたりお風呂に入ったり、はたまた歩きに行ったりイベントがあったり。
あっという間の一週間でした。



携帯の電波も入らない場所で、テレビもラジオもなく、
ただ風と雨の音を聞き、太陽の光を感じ、
みんなと会話を楽しみ、一緒に食事をしたり片付けたり。
体の緊張が徐々に解けていくにしたがって、心も柔らかくなっていきました。
泥臭い人間界よりまるで天界の方が近いような、そんな気持ちにもなりました。

最終日、みんなと別れることが嘘みたいで。
きっとみんなも、すごく特別な経験になったはず。
もちろん私にとってもすごく特別な経験になりました。










2018年9月13日木曜日

人生に白黒はない 
No Black and White in Life

Sadhguru のページからです。
ヨガ哲学では欠かせないバガヴァット・ギータですが、そこにある人生の真実とは何でしょうか。
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クルクシェートラの戦いの直前、クリシュナは彼の軍隊全てをドゥルヨーダナに差し出した。サドグルは、この場面を述べ人生には黒も白もないということを説く。



質問: 
もしクリシュナがダルマ(訳注:徳、正しい行い)を行おうとしていたなら、なぜ彼は自身や彼の軍をドゥロヨーダナに差し出したのでしょう?


サドグル: 
クルクシェートラの戦いの状況では、誰もが中立のままでいることは出来ませんでした。どちらかを選ばなければなりません。ヤーダヴァの長として、クリシュナはパンダヴァ側(訳注:パンドゥの息子5人兄弟)にもカウラヴァ側(訳注:クルの子孫100王子)にも多くを捧げなければなりませんでした。彼自身はこの戦いを望んでいませんでしたし中立でいたかったのですが、それは不可能なことでした。ハスティナプールに対して彼には憎しみなどありませんでした。彼はドゥルヨーダナ、ビシュマ、ドローナチャリヤ、クリパチャリヤを選ばなかっただけでなく、多くの立派なリーダー達は敵側でした。彼らと敵対していたわけではないし、彼らもクリシュナには大きな尊敬を持っていました。ドゥルヨーダナ側にもパンダヴァ側にも遠縁の親戚関係がありました。クシャトリヤのダルマに従えば、親戚が助けを求めてきたら断ることは難しいことでしょう。

戦士階級のダルマはクシャトラ・テジ、そして霊的階級にはブラフマ・テジがありました。クリシュナは、クシャトリヤとブラフミンの間になんらかの同盟をもたらそうとしました。こうした指針や規則というのは、社会を円滑に機能させるために作られたものです。ブラフミンは、毎日決められた時間だけヴェーダ(訳注:聖典)を座って研究しなければならないと言われていました。同じダルマをクシャトリヤの一人に課すとしても、その者には適していないかもしれないし、もしそうしたとしてもよき管理者にもなれず、またよき戦士にもなれないでしょう。これは全ての階級にも言えることです。ですから、それぞれ社会で行うべき義務を持つカテゴリの人それぞれにダルマが存在するのです。クリシュナやヴィヤーサは、全ての人がまとまって大きな力として機能できるように、クシャトラ・テジとブラフマ・テジを近づけようと努力したのです。

クシャトラ・テジによれば親類が助けを求めてきたら断ることはできないとなっているため、クリシュナは自身と彼の軍隊との選択を任せたのです。軍事的視点から、軍隊こそよい判断です。ドゥルヨーダナは軍隊をとることが賢明だと信じていましたが、すぐには決められず悩みました。選択が取られるとパンダヴァはクリシュナに言いました。「生きようと死のうと、我々が生きるならあなたと生きたい。もし死ぬのならあなたと死にたい。あなたがいなくては我々に何ができようか?」そしてそれが彼らに違いをもたらしたのです。
さて、問題は「クリシュナがダルマを守るのなら、彼の力をダルマに反するようにできるのか?」彼は、誰に対しても白黒で判断するような道徳主義の人間ではありませんでした。パンダヴァが完全に純粋な存在と考えたわけでもなければ、カウラヴァが完全な悪だとも考えていません。彼はそんな風に人生を見ていませんでした。彼は常にカウラヴァと良い関係を保っていました。ドゥルヨーダナの妻バヌマーティは彼の信者の一人でした。カウラヴァを悪だとは見ず、ただその時の多くの悪の原因となっていただけでそれを終わりにしたいと思っていたのです。彼らにどんな嫌悪や怒りを持っていたわけでもなく、悪とみなしていたわけでもありません。ですから、ダルマを自身の中に築こうと努力しなければならないのです。そうでなければダルマに反することになります。どんな人間も人生の中でダルマに反する時があります。決してダルマに反しないという保証などありません。それに気付かなければなりません。正しい道にいるよう努力しなければなりません。さもなければ簡単に滑り落ちてしまいます。これは、もう絶対に落ちることがない意識のレベルに達するまで、すべての人間にあてはまるのです。

様々な方法で、クリシュナはドゥルヨーダナにダルマのために努力させようとしました。彼にクリシュナか軍隊かを選択させた時でさえ、戦いを避けようとしました。ある意味では、ドゥルヨーダナに軍隊を与えたのは大変賢い方法だったでしょう。そうした意味で、ドゥルヨーダナは「クリシュナは自分側にいる」と感じたのです。10万人の強固な軍隊ではなく一人の人間をとるなんてパンダヴァはなんてバカなのだと考えていたでしょう。これでドゥルヨーダナが理解して平和になることもありえましたが、失敗しました。


そのものになる


質問: 
サドグル、あなたは3つの局面について話しました。クリシュナの遊び心、次に包含性、そして3つ目には愛と献身です。このコンテクストにおいて3つの質問があります。まず、行動が引き起こした熱を失うことなく遊び心を持ち続けられるのはなぜか?次に、私は友人や家族のためにますます行動しなくなっています。ただ一人で居たい。周りを含むことの意味がよくわからないのです。そして3つ目には、常に動きすぎる心や判断が愛や献身を邪魔すると思っています。日々の生活の中でこの3つの局面をどのように応用できるでしょうか?

サドグル: 
応用はできませんが、成し遂げることはできます。生活の中で応用できるような類の方針や秘訣ではないのです。そのものにならなければならないのです。含まれたもの(全て)にならなければなりません。愛にならなければなりません。あなたが行なったり利用したりできるものではないのです。委ねるべきものなのです。あなた自身を燃やすものなのです。もう自分が重要ではなくなります。

なにかを使おうというあなたはまだ応用レベルなのです。プログラムの中のその訓練を撤廃できればと思って居ます。確かに美しいものです。人間が本当に持続できる力ではありますが、プログラムを評価したりそれを持ち去ろうと私といる人たちは愚かです。その意味で、彼らはどこにも行けません。健康になるかもしれませんが、人生においてそれ以上知ることは何もありません。
応用することはありません。持ち帰ることもできません。信心深くなろうとしないでください。愛そうとしないで、全体になろうとしないで。それはできないのです。そのものになる必要があるのです。愛することはできません。愛とはあなたよりもずっとずっと大きなものです。その一部になることはできます。恋に落ちるのに筋道はありません。自分自身をもう重要だと思わなくなった時、愛がそこに起こるのです。内面が自分でいっぱいだとしたら、人生において愛の可能性はありません。人間関係や協調のことをわかってはいるでしょうが、どうすれば燃えるのか知ることはありません。燃やし方を知らなければ自らの光を得ることはありません。





(出典)https://isha.sadhguru.org/us/en/wisdom/article/no-black-and-white-in-life

2018年9月4日火曜日

ヨガの呼吸:胸からお腹かお腹から胸か?  
Yogic Breathing: Chest to Belly or Belly to Chest?


ヨガの世界では、呼吸の方向性について議論があります。ヨガの呼吸法や技術はたくさんあり、生徒はこうよく尋ねます。「胸に吸うところから始めて次にお腹を膨らせるのか、お腹を先に膨らせてから胸を広げるのですか?」この一見無邪気な質問が、ヨガ・ティーチャーらに顔が青くなるまで議論させることになるのです。正しい答えはあるのでしょうか?あります、がその前に最初から始めましょう。

まず、事実を整理しましょう。お腹で呼吸はできません(お腹に空気が入ったとしたら、あなたはかなり深い問題に陥っています)。もちろん息を吸う時はお腹を広げないといけませんが、空気がそこに入るからではありません。



ヨガの呼吸:基本的な事実


ヨガでの複雑な呼吸のプロセスを理解するために、2つの重要な事実を知る必要があります。


事実 1: 空気は気圧の高い方から低い方へ流れる

事実 2: 肺に筋肉組織はなく、意思で肺は動かせません。その代わりに肺の外側が胸郭の内側と横隔膜の上部に着いています。それによって、肺はこれらの構造の動きに引っ張られて動きます。ですから肺を直接動かすことはできませんが、意図的に胸郭を広げたり、横隔膜の(これは筋肉なので)動きに影響を与えることができ、それが間接的に肺を動かすのです。



呼吸のしくみ

呼吸をする時、何が起こっているのかは以下です。



空気が肺に入ってきたら、全体が一度に満たされます。先に肺の底をそして上部を満たすことはできません。酸素は液体ではなく気体です。ですから、液体のように容器(肺)に下から満たすことはできないのです。

The degree of movement of the diaphragm and the ribcage in breathing can vary.
呼吸における横隔膜と胸郭の動きの範囲は様々です。
  • 横隔膜呼吸、深い呼吸では、動きを横隔膜に委ねています。通常、活動は最小レベルです。
  • 胸呼吸、浅い呼吸の時は、形を変える胸郭に委ねています。激しい活動のときや、腹部の内容物が横隔膜の動きを制限している時(例えば胎児がいる時など)に多く見られます。


この画像から見られるように、腹腔はいろんなものが詰まっています。生命維持のための内臓、消化管などです。吸気で横隔膜が下がると、腹部の中身が押し下げられ前方以外に行き場所がなくなり、それでお腹が前に出ます。

ここまでは、自然な呼吸パターンを見てきました。息を吸うと、胸とお腹が同時に膨らみます。息を吐くとどちらも元の形に戻ります。

なお、このパターンは筋肉をコントロールして、意識的にも無意識的にも変えることができます。無意識な筋肉の妨害の例のひとつは、「リバース・ブリージング」のパターンで吸気でお腹を押し出さずに引き込む場合などです。

吸気でお腹を引き込み続けたら、腹部が前方に行くのを妨害し、腹部はそのまま止まり横隔膜の動きが制限されます。なので、代わりに胸郭に委ねることになります。もしこれをずっと長い間していると、横隔膜の柔軟性が失われ、呼吸が短く浅くなります(誰もそうなりたくありませんよね?)



ヨガの呼吸


ヨガでは、しばしば意識的に自然のパターンを変える練習を行います。例えば、腹部を先に膨らませ次に胸を膨らますことがあります。あるいは、胸が先でそれから腹部をふくらましたりもします。どちらも多くの理由のために自発的に行うものです。


吸気ーまず腹部をそして胸部を膨らませる

  • 横隔膜の動きを強調するため
  • 「リバース・ブリージング」パターンを克服するため
  • 体のグラウンディング効果を作り出すため




吸気ーまず胸部をそして腹部を膨らませる


  • 背骨を伸ばし姿勢を向上させるため
  • 呼吸を徐々に深めるため
  • 体へ高揚感をよりもたらすため


    受動的な呼気では、吸気で収縮していた筋肉は弛緩し、元の場所に戻ります。

    能動的な呼気では、腹部の筋肉を使って腹部を引き込み横隔膜を上へ動かします。息を吐きながら徐々に腹部を収縮させると腰を支持し安定させます。



    ヨガの呼吸とプラナ



    もっとも重要なのは、呼吸の持つエネルギー効果にヨギたちはとても関心を持っていたことです。呼吸は、身体中を巡る生命力、プラナの媒体です。バガヴァッド・ギータに寄れば、呼吸ごとに生命力の2つの主要な流れであるプラナ・ヴァーユとアパナ・ヴァーユに繋がることができるとされています。



    アパナ・ヴァーユは、重力と平行しており下方に動き、老廃物や病、老化、死、意識の減少などをなど取り除きます。プラナ・ヴァーユは空と風の要素と平行しており、下方への動きをし、体に取り込んだ食べ物や水、経験、情報など全てに影響します。

    しかし、アパナ・ヴァーユは精神や感覚を通して上方に分散し、特に感覚や上方が溢れた現代には顕著です。これが体力の衰えや肉体と精神の調和の乱れに繋がります。



    プラナ・ヴァーユとアパナ・ヴァーユを1つにする


    2つの主要なヴァーユを結合させると、私たちのエネルギーが強まりより高みへの目覚めへと繋がります。ヨガの練習は、アパナ・ヴァーユを引き上げてプラナ・ヴァーユと結合し、プラナ・ヴァーユを引き下げてアパナ・ヴァーユと結合させる働きをし、その結合は体のプラナの中心であるお臍のあたりで起こります。

    プラナとアパナと結合させるために、吸気で意識的な筋肉の収縮を用いて息の象徴的な下方への動き(鼻ー喉ー胸ー腹)に集中します。また、呼気で象徴的な上方への動きに着目します(腹部を恥骨からお臍とゆっくりと収縮させ、胸郭を圧縮します)。




    では、最初の質問に戻りましょう。
    正しいヨガの呼吸とは、胸からお腹なのかお腹から胸なのか?
    答えは:状況次第です!
    ヨガの練習においてあなたが何を成し遂げようとしているかによるのです。

    2018年8月30日木曜日

    ダウンドッグの肩のアライメント:「外旋」は最適の指示? vol.2
    Shoulder Alignment in Downward Dog: Is External Rotation the Best Cue?

    前回からの続きです。
    じゃあ、どうすればいいの?ですよね。
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    ダウンドッグの肩:新しいアプローチ


    先ほど言ったように、ほとんどのヨガ・ティーチャー・トレーニングでは伝統的に、肩のインピンジメントを最小限にするためと信じられているためダウンドッグではかたの 外旋を勧めています。しかしここで見てきたように、痛みと機能障害のモデルとしての「肩関節インピンジメント」は、近年の研究によって急速に時代遅れとなってきています。腕をあげると肩の軟組織が骨と衝突するのは完全に正常なことで、肩に痛みがあろうとなかろうと、頭上に腕を挙げれば誰の肩でも自然に起こります。肩の屈曲に伴った痛みは確かに起こりますが、痛みというのは実際は複雑で複数の要素が組み合わさったものなのですが、ヨガの世界では多くの場合単純に考えられています。肩のインピンジメントが本質的に病気だという証拠はほとんどないという事実に加え、心理的、社会的な痛みの経験に関連するような解剖学を超えた複数の要因があるのです。

    これを念頭に置いて、ダウンドッグのアライメントを再度検討するのが適切でしょう。現在の証拠で支持されていない理由によるモデルであるため、安全性を確保するための外旋は必要ありません。ダウンドッグにおいて外旋は肩に全くよいものである一方、このポーズで内旋することも本質的に何も間違ってはいません。実際、私たちの体を探るためにこの2つの方向の間のどこにいても構わないのです。

    とすれば、どちらの回旋にもよい悪いがないのならば、ダウンドッグでどちらの方向に肩を回旋するよう教えればいいのでしょう?

    生徒の肩にとって最善のポジションを推測する代わりに、肩の回旋について指示しないことも考えるとよいのではないでしょうか。生徒たちの複雑で洗練された神経系は、ヨガのアライメントのルールが理解する以上にどうすれば体が整うのかを理解しているのです。それぞれの生徒が、その時の彼ら固有の体にもっとも効率的な方法で肩のポジションを決めるのをただやらせてみたらどうでしょう?外旋が好きな人もいるでしょうが、内旋が心地よいと感じる人もいるかもしれません。そして回旋を全くしないほうが気持ちいい人もいるでしょう。

    ダウンドッグで肩の痛みを感じる人がいる場合には、頭上に腕を上げた時に痛みを感じないよう他の方法を探すと安全性を守ることができるでしょう。しかし、外旋だけが「安全」なアライメントだという古いモデルに執着するよりも、今はもっと多くの選択肢があります。もしかしたら、ブロック2つの上に手を置くと肩の不快感が消えるかもしれませんし、肩の内旋を試してもいいですし、肩甲骨を耳に向かって引き上げることすらしてみてもいいでしょう。なぜなら、痛みは複雑なので、ポーズに対するいくつもの変化が痛みのアウトプットをうまく変化させるインプットをもたらす可能性があるからです。

    概して、ダウンドッグで肩のポジションをコントロールしたり支配したりしようとしないほど、自分のためのポーズをより簡単に効率的に行える人が多いことに私は気づきました。アライメントは確かに役立つルールで、本当に多くの状況で使います。しかし、現代の運動科学と人体の複雑性を学べば学ぶほど、多くのヨガアサナのためのアライメントの指示が「正しい」「間違い」の絶対性を手放す方が良いと確信するようになりました。






    (出典)https://yogainternational.com/article/view/shoulder-alignment-in-downward-dog-is-external-rotation-the-best-cue

    2018年8月28日火曜日

    ダウンドッグの肩のアライメント:「外旋」は最適の指示? vol.1
    Shoulder Alignment in Downward Dog: Is External Rotation the Best Cue?

    今回はダウンドッグのポーズにおける肩関節の記事です。
    少し専門的(解剖学的)ですので、興味があれば目を通してみてください。
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    編集注:この記事はヨガの実践者や指導者への一般的情報を提供しようとするものです。医療従事者による個人的アドバイスの代替とはなりません。



    ダウンドッグ(下向きの犬のポーズ)の肩のアライメントを考える時、最初に頭に浮かぶのは何でしょう?ヨギの多くにとっては「外旋」かもしれません。例外もありますが、ダウンドッグで上腕を肩関節(肩甲関節窩)で外旋させるのは多くのヨガのティーチャー・トレーニングで教えられている基本的なアライメントです。

    外旋の解剖学的動きは実際には特定の言葉を使ってきっかけを起こすことができるので、気づくことなく肩を外旋するように言われていることもあるでしょう。例えば「三頭筋を後ろに巻いて」とか「脇の下を向かい合わせにして」とか「肘の内側を前方に回して」など聞いたことがあるかもしれません。これらは全て肩関節の外旋を促しています。そしてこうしたものはもっとたくさんあるのです!



    なぜ外旋?


    ダウンドッグでの外旋がなぜそんなに基本的なアライメントなのでしょう?主な理由は肩の安全性にあります。頭上に腕をあげる際(肩の屈曲と呼ばれます)に上腕を外旋すると
    肩関節の柔組織と肩峰突起と呼ばれる肩甲骨の「屋根状」の骨構造の間が広がります。

    この肩関節内が広がることで、腕を頭上にあげた時に特定の柔組織(例えば肩回旋筋腱板腱や肩峰下包)の上腕骨頭と肩峰突起の間での圧迫が少なくなるのです。

    腕の屈曲における肩関節の柔組織の圧迫は「肩関節インピンジメント」と言われます。屈曲の際に肩に痛みがあるときは、医師から「肩関節インピンジメント症候群(SIS)」だと診断されることがよくあります。

    理論的には、肩関節の広がりが大きければ大きいほど、腕を上げた時に組織の衝突が少なくなります。よって、肩の痛みを和らげたり防止するために、ヨガ界ではダウンドッグだけでなく、例えばウルドヴァ・ハスタサナ(両腕が頭上)、ヴィラヴァドラサナI(戦士のポーズ1)、アド・ムカ・ヴルクシャサナ(ハンドスタンド、倒立)など肩を屈曲する他のアサナでも肩の外旋という解剖学的動きを強調するのです。



    肩関節インピンジメントの研究からの新たな理解


    肩関節インピンジメントのモデルは、医学や健康業界で何十年も使われて来ており、ヨガや他の運動の世界でも明らかに影響を受けてきています。しかし、近年のより新しい研究が肩関節インピンジメント症候群(SIS)のモデルに問題を提起しており、多くの臨床医の肩痛の見解が変わって来ています。

    SISモデルに懐疑的になる理由を与える主な見解は、痛みと組織のダメージが常に1対1の関係にないことです。この研究は実は新しいものではないのですが、近年になって健康業界でより広く受け入れられ始めていることです。MRIなどのイメージング技術を使った数えきれない研究が、肩回旋腱板の裂傷、膝の半月板裂傷、脊椎の椎間板ヘルニアなど体の組織にダメージを持っていても痛みのない人が大勢いることを明らかにしています。そして、反対に、痛みを経験していても組織にダメージが全くないという人も多くいるのです。

    これは、 私たちが伝統的に理解してきたよりも、痛みというのはより複雑なことがらなのだと示しています。体には、組織のダメージ以外に痛みの認識に関わる他の要素が数えきれないほど存在しています。というのも、痛みは非常に主観的なもので感じる人によって異なるため、ヨガの生徒の肩痛が実際に「肩関節インピンジメント」のせいだと特定する方法はないのです。(ヨガの指導者としては、痛みを診断する資格などそもそもありません)

    肩関節インピンジメントのモデルに疑問を持つ第二の理由は、肩の組織と肩峰突起の衝突が組織のダメージを引き起こすかどうかはそもそも確認されていない仮説にすぎないからです。肩の組織は実際は、頭上に腕をあげる際には常に衝突しています。それは普通であって、腕を外旋しようがしまいが、腕を上げれば自然に起こる避けようのない事象なのです。事実、私たちが動く時には、全身で軟組織は骨と衝突しています。ですから、なぜヨガ界でこの特別な箇所にだけ特別の配慮や注意が向けられるのでしょうか?

    また、肩峰突起の形状を変えて肩関節の空間を広げ肩関節インピンジメント症候群を「治す」ための手術は、大抵の場合、肩を強化し可動域を増やすよう設計された簡単なエクササイズ治療と症状を和らげる効果がほぼ同等であるという質の高い研究が多くあります。もしSISが、肩峰突起の変更で空間を広げる外科手術をしないで治療できるのなら、その痛みの原因はこれらの構造における組織の衝突以外にあるに違いありません。

    もうひとつ考慮に入れなければならないのは、腱というのはとても強く、弾力性のある組織だということです。腱はコラーゲン繊維で作られていて、コラーゲンには鉄の強さがあります。コラーゲンは通常、強い力のかかった事故や医療手術などの状況においてのみ、断裂したり傷ついたりするものです。反対に、ヨガで行う肩の屈曲にかかる力というのはとても小さく、本質的に肩回旋筋腱板を傷つけることは少ないでしょう。

    これらは全て、肩インピンジメントが組織ダメージが原因だというよく知られているモデルが間違いだと暗示する強固な証拠なのです。(はっきりするために言えば、腕を上げた時に肩に痛みを感じることはないと言いたいのではなく、単に痛みが軟組織のインピンジメントだけに原因があるわけではないと言いたいのです)



    (出典)https://yogainternational.com/article/view/shoulder-alignment-in-downward-dog-is-external-rotation-the-best-cue

    2018年8月2日木曜日

    ふくらはぎを柔らかくする5つの方法 
    5 Ways to Release Tight Calves

    ハムストリングスのストレッチについて、また最近ではその強化について、ヨガの指導者らはよく話をします。が、逆に脚の下部筋肉(特にふくらはぎ)についてはほとんど語られることはありません。

    ふくらはぎにもっと注意を払うべきだと、私は思っています。「どうして?」あなたは思うでしょう。ひとつには、ふくらはぎの緊張を解くと足底筋膜炎などからくる足の痛みを解消できたり、膝の痛みやこわばりを減らすこともできるからです。

    ふくらはぎをケアしないで後悔することがあります。特にふくらはぎをストレッチに戻った時に、長い間それを行なっていなかったことに気づかされます。私の脚は強くふくらはぎは硬く十分な角度に膝を曲げることができますが、ふくらはぎにちゃんと愛を与えてあげると、私の両脚は全く違った世界に連れて行ってくれるのです。かかとがもっと地について立位ポーズと新しい関係性を作ってくれます。そしてふくらはぎがより開いて深く膝を曲げることができ、それによってウォリアー I やマラーサナのような膝を曲げたポーズがよりやりやすくなるのです。


    ふくらはぎについて


    ふくらはぎには2つの筋肉があります。歩行時に膝を曲げる腓腹筋と足首を最初に曲げるヒラメ筋で、どちらも違う方法でストレッチする必要があります。

    腓腹筋は大腿骨の内側と外側顆からアキレス腱(足首の後ろで踵骨についています)まで延びています。腓腹筋をストレッチするためには、起点と停止点をお互いに離すため脚はまっすぐ(膝を曲げない)でなければなりません。

    ヒラメ筋の起点は腓骨幹(脛の骨の細い方)の後面上部1/3から、脛骨幹(太い方)の内側の境界中部1/3まで広がっています。そして、腓腹筋繊維と結合しアキレス腱となり踵骨に繋がっています。ストレッチしながらヒラメ筋を腓腹筋から離すには、腓腹筋を少し緩ませるため膝を曲げ、それから踵をふくらはぎから離していきます。


    腓腹筋          ヒラメ筋

    アキレス腱


    次の5つは、私のふくらはぎを緩めるの方法です。ひとつのシーケンスとして一緒にやってもいいし、普段のアサナにひとつずつ散りばめてもいいでしょう。

    ヨガマット、ブランケット、壁、折り椅子、ブロック2つが必要です。セラピーボールや巻いたマットは任意となります。



    1. ふくらはぎの緊張を解くブランケット・マッサージ


    ブランケットを直径7-10cmくらいに巻きます。(手持ちのブランケットが厚いときは全部巻かないでおきます。また巻いたマットを使うこともできますが、マットは大抵の場合完全に巻いて大丈夫でしょう)両膝をつけるか骨盤幅に開き、足の甲は両膝と同じ幅で床につけた状態の四つ這いから始めましょう。ブランケットを膝の裏にぴったりつくように差し込み、できるだけ踵にちかいところに座ります。これがきつければ、体の前に置いた椅子の座かブロックに両手を置きましょう。またはお尻の下にちょうどいい高さでブロックを置いてもいいでしょう。もしもっと高くしたければブロックを2つ使うかボルスターの上に座りましょう。



    ブロックと巻いたヨガマットに座った状態


    背中をまっすぐに座ったら(すぐにそうできない人もいるでしょう)、ふくらはぎの上のブランケットの圧迫を感じます。またハムストリングスにも感じるかもしれません。その感覚を強めるために、セラピー・ボールなどより硬いものを使うこともできます。



    セラピー・ボールを使った状態


    左右に揺れてふくらはぎからをマッサージしながら、筋肉のこりや緊張を感じましょう。(ハムストリングスのマッサージはおまけです!)そして動きを止めます。30秒から1分そのままにしましょう。それから前かがみになり、プロップを数センチふくらはぎの下の方へ動かして繰り返します。このように続け、かかとまでふくらはぎ全体にプロップを動かしていきます。





    終わったらヴァジュラサナ(稲妻のポーズ・正座)で座り、膝の裏のスペースとふくらはぎの緊張が解かれたことを感じましょう。




    2. 壁につま先のストレッチ


    こちらは、ふくらはぎの積極的ストレッチで、次のストレッチのためのよい準備となります。
    壁から30cmほど離れて立ち、まるで腕立て伏せをするように肩幅より広めに両手を壁に置きましょう。右足の指の付け根を壁につけてかかとは地面に強く押し付けます。ゆっくりと肘を曲げ壁の方へ上体を傾け、右のふくらはぎの感覚を感じます。あまり強く速く動かないで、特に足首が大きく背屈していくときに足首の前の感覚を感じましょう。15ー30秒間続けます。



    腕を伸ばしてはじめの位置に戻ります。右足の指の付け根を壁につけたまま今度は右膝を曲げ、肘も曲げて壁に上体を傾けます。この膝を曲げたヴァリエーションはヒラメ筋に効きます。15-30秒続けます。




    両腕を伸ばして最初の位置に戻って反対側も行います。サイドを変える前に何回か繰り返してもよいでしょう。




    3. 立位前屈のふくらはぎストレッチ


    腓腹筋とヒラメ筋両方に焦点をあてながら、体の背面全体をストレッチするウッターナサナです。巻いたブランケットをマットの前に置き、ブロック2つを一番高い使い方で(あるいは椅子)ブランケットの30cmほど前に置きましょう。

    ブランケットの上に右足のゆびの付け根を乗せ、土踏まずがブランケットに支えられるよう右かかとを地面に押します。同じように左足も乗せ、両足の指の付け根をブランケットに、両かかとを地面に置きます。両膝を曲げ、股関節から前屈して両手をブロック(か椅子)に置きましょう。踵を地面に押し付けながら両足を伸ばしましょう(腓腹筋を伸ばすときには脚はまっすぐでなければならないことを思い出しましょう)。

    これが難しければ、膝を緩めるかわりに両手をもっと高い位置にあげます。この場合は、このストレッチには半分だけ前屈する方がよいでしょう。ふくらはぎがウォータースライドで腓腹筋の起点から意識が滑り落ちていくような感覚を想像しましょう。30秒ホールドします。




    次に両膝を曲げてヒラメ筋を緩めましょう。30秒ホールドします。




    この繰り返しのストレッチをさらに3、4回続けましょう。



    4. 折り椅子を使ったふくらはぎストレッチ


    これは、ここでもっとも強いふくらはぎストレッチです。なので、もしもう限界だと思ったらこれを飛ばしてもよいでしょう。


    折り椅子をさかさにし、座面の裏と椅子の脚が上に座面が床に向くようにマットに置きましょう。座面の裏が滑りやすいときは、マットを置くか折り畳んだマットで覆いましょう。後者を選んだ場合は、椅子全体がマットの上にあるままであるように気をつけてください。


    股関節を曲げて両手を椅子の上側の脚におき、片足を座面の裏に乗せそしてもう一方の足も乗せます。両踵を下に押しましょう。(完全に着かないかもしれません。もし踵が部分的にでも着かない場合は片足ずつにするかやめましょう。あなたの足首には強すぎるかもしれません。)


    片足を椅子に乗せるヴァリエーション


    息を吸いながら背骨を伸ばし、息を吐いて股関節から少し深く曲げ、肘は快適に曲げましょう。そこで30秒ホールドします。そして、もっと深めたいときは両手を椅子の足に沿って下げていきます。






    椅子の足に沿って両手を下げ続け、少し止まって呼吸し、そして限界に達するまで繰り返しましょう。持続的にホールドできるところまで深めたら、そこで最長3分間留まりましょう。






    このストレッチから出るには、椅子の脚に沿って上に両手を上らせましょう。ゆっくりと椅子から片足ずつ離れ、アルダ・ウッターナサナ(半分の立位の前屈)で立ちます。それからゆっくりと立ち上がり、山のポーズで1分以上立って、足と床のつながりを観察します。立ちながら新しい柔らかで安定した感覚を感じるか注目してみましょう。




    5. トライアングル・ポーズでふくらはぎを伸ばす


    これは少しプロップをうまく使う必要があります。しかし慣れれば、この支持のあるトリコナサナ(三角形のポーズ)で長い時間止まることができるようになるでしょう。

    マットの短い方を壁に向けて置き、椅子をマット上に座面が壁と逆に向くように置きます。ブロックを一番低い置き方で地面と平行に座面の中心の下あたりに置きましょう。もうひとつのブロックは手の届く範囲において置きます。




    座面に向かってマウンテン・ポーズで立ちます。左足を大きく後ろに下げましょう。座面に両手を置いて右足の指の付け根を椅子の下にあるブロックに乗せます。右膝を少し曲げて、もうひとつのブロックを(一番高くなる置き方で)右のふくらはぎと床の間に押し込みましょう。左足を少し内側に入れ、左脚全体を安定させます。右手は座面に置き、左手は腰か天井に向かって伸ばしましょう。胸を横の壁に向けて回転させます。


    次に、右踵を床に押し付けながら同時にブロックにふくらはぎを押して右足を伸ばします。まるで、ふくらはぎが柔らかいキャンディでそれを中心からサイドに向かって引っ張るかのようにイメージしましょう。





    1分間このままでいます。このポーズから出るには、上げていた左手を腰にもどし、右膝を曲げ、左あを近くに寄せます。両足を根付かせて上体をまっすぐ持ち上げ、そして右脚を内側に入れて右足を地面におろします。足を揃えて反対側も行います。




    ふくらはぎは力強い筋肉群で、あまり注意を払われていません。このシーケンスはマッサージ、圧迫、動き、ストレッチを通して筋肉の緊張を解く効果があります。シーケンス全てでもたったひとつだけでも行えば、自分の立ち方にすぐちがいを感じるはずですし、アサナの練習において体全体がダイナミックに変わることも感じることでしょう。



    (出典)https://yogainternational.com/article/view/5-ways-to-release-tight-calves