2020年3月12日木曜日

アーユルヴェーダ: 食事の方法 Vol.1 
GOOD FOOD- AYURVEDA CONCEPTS, DIRECTIONS, PREPARATIONS

アーユルヴェーダにおける食事の仕方について書かれた記事です。
全てを現代の日本で行うのは難しいかもしれませんが、参考になる点は多いと思われます。
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消化の火であるアグニ(Agni)は、体を保護する鍵となります。食物は内なる火(アグニ)の燃料となります。食物と飲料をきちんと摂れば、成長、生命、知性、健康が促進されるのです。


食物を選んで食べるために考慮すべき要素が7つあります。

食物に関する要素


1. スヴァバーヴァ(性質)
2. サムヨガ(組み合わせ)
3. サムスカラ(加工)
4. マトラ(量)
5. デシャ(生育地)
6. カラ(季節)
7. ウパヨガ・ヴィヤヴァシュタ(用法)


スヴァバーヴァ – 性質
重い軽い、乾燥している油分が多い、遅い速い、冷たい熱いなど食物の本質を見極める
例:肉や小麦は消化するには重いが、 粥(カンジ)は軽い。

サムヨガ – 組み合わせ
健康を促進する組み合わせ 例:小麦と牛乳
良くない食べ合わせ 例:牛乳と魚、同じ量の蜂蜜とギー

サムスカラ - 加工
固有の性質に変化をもたらす加工のこと
例:米は火を入れると消化するのにより軽くなる

マトラ - 量
食物の性質や種類などによる量のこと
例:重い食物は少なく、軽い食物は多く摂るべき

デシャ - 地域や場所
食物の生育地や摂取者の居住地

カラ - 季節
食物を摂取、消化する時期のこと
また、食物を摂る季節や一日のうちの時間帯を示す
例:凝乳は夜に摂らないほうがよい

ウパヨガ・ヴィヤヴァシュタ
食物を摂る方法のこと


食物を食べる手順


  • 食べる前に便通を留意する 
  • 食べる前に入浴するか、両手、顔、足を洗う
  • 他の場所から離れた清潔な場所に座る
  • 太陽の方角に向く
  • 食物を提供してくれる自然に祈り感謝する
  • 他者に食事を与える
  • 食べることをヤグナ(ヴェーダの火の儀式)とみなし、バガヴァン(神)である内なる火(アグニ)に供物を捧げていると考える
  • 集中して確信を持って食べる。食事の間はテレビを見たり会話はしない
  • 敬意と愛を持って食物に向き合い良く噛む
  • 食事に6味全てが存在することを感じる
  • 最初に甘く油の多いものを食べ、次に酸っぱい辛いもの、最後に苦いもの渋いものを食べる
  • 食物は温かくなければならない
  • いつも同じ食物を食べる(体や年齢、季節、ドーシャ、病気に合ったもの)
  • 胃の半分は固形物で、4分の1は液体で満たし、そして残りは空気に残しておく。
  • 毎日、米、小麦、大麦、蕪、葡萄、緑豆、黒糖、ギー、牛乳、蜂蜜、ザクロ、トリファラを摂る。他の地域においては類似した組み合わせをしてもよい
  • 凝乳、ギー、蜂蜜、バターミルク以外は、前日以前に作った食物を摂ってはいけない
  • 夜には凝乳を避ける
  • 食べ過ぎや不規則な食事を避ける
  • アヌパナ – 食後の飲むと満足感が得られ、消化を助け幸福感を与えてくれる。飲料水にハーブや葉、薬などを加えても良い。糖尿病患者は、血糖を下げるもの、血糖値を通常に保ってくれるハーブをとってもよい


食後の活動


タムブラム(訳注:キンマの葉)を摂取し、100歩ほど歩いて、左側を下にして横たわりましょう。食事直後の入浴、運転、水泳、激しい運動は避けます。



植物中心の食事の健康促進要素


植物中心の食事を摂る主な面のひとつは、食物繊維が豊富なことです。一般的に「食物繊維」とは植物細胞の壁で栄養のないものを指します。さらに、植物中心の食事には、飽和脂肪酸が少なく、必須脂肪酸と抗酸化栄養素、植物性化学物質が豊富に含まれます。こうした大切な植物の化合物は、心臓病や癌、関節炎などの病気を防ぐ重要な役割を担います。



食物繊維の効果


1. 腸内の通過時間を短くする
2. 胃に長く留まり、食後の高血糖を防ぐ
3. 安全性を高める
4. 膵液の分泌が増加
5. 便の重さが増える
6. 腸内フローラによりよい環境を作る
7. 短鎖脂肪酸の生成を増やす
8. 血清脂質レベルを下げる
9. 水溶性胆汁を増やす


毎日の食物繊維の目標摂取量は25から35グラムです。これは、未加工の植物を丸ごと摂るようにすれば簡単に達成可能です。野菜は繊維の宝庫です。事実、調理した人参1カップの繊維量は、全粒粉パン3枚分、オーツ麦2カップ分に当たります。


繊維の多い食事は、多くの病気の予防や治療に重要です。


食物繊維不足に深く関連のある病気は以下の通りです。
代謝肥満、痛風、糖尿病、腎臓結石、胆石、虫歯、自己免疫疾患、悪性貧血、多発性硬化症、甲状腺中毒症、皮膚病、高血圧、脳血管疾患、虚血性心疾患、静脈瘤、エコノミー症候群、肺塞栓症、便秘、憩室炎、痔、 結腸癌、過敏性腸症候群、腫瘍性大腸炎、クローン病



バランスの良い食事


健康を維持し病気を予防するために健康的な食物で構成されたバランスのとれた食事をしなければなりません。できれば赤米、大麦や小麦、緑豆(Mugda)、岩塩、アマラキの実(アムラ)、牛乳、ギー、蜂蜜、殺菌した水を含んだものがバランスの取れた食事であり健康によいと考えられています。




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次回に続きます。




(出典)https://ayurvedapc.blog/2019/06/08/good-food-ayurveda-concepts-directions-preparations/

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