呼吸がどのように私達に影響を与えているか、呼吸を使って何が出来るのかについて書かれています。
https://yogainternational.com/article/view/how-to-reduce-tension-physical-and-emotional-with-conscious-breathing
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ヨガは自分を発見する一連の行為です。伝統的ですが同時に経験に基づいており、規律的、そしてまた探求的でもあり、動きと安定の両方を含んでくつろいだ気分になるけれど刺激的でもあるのです。そしてこれは全て、意図的で入念な呼吸を行うことによって起こるのです。意識的な横隔膜呼吸は神経系を沈静化し、幸せな感覚を作ります。そしてまた「気づき(意識性)」をも高めます。いつも実況放送のように、今何が起こっているのか、何が起こったのか、何が起こりそうなのかを内側で分析し判断してる心が「考えている」場所から、私達を連れ出してくれます。言葉も物語もおしゃべりも考えも無い、深い意識の世界へと繋げてくれます。そしてそうすることで、私達が本当は誰なのかの本当の理解に導いてくれるのです。実際、呼吸はヨガの実践において最も重要な要素なのです。
身体的、精神的、そしてエネルギーレベルにおいて呼吸が私達に与える影響を理解すればするほど、ヨガにおいてだけでなく、生活の中のバランスや平安を養うときにもその重要性に気づきます。たった今始めたとしても、呼吸の質で私達の人生の一瞬一瞬が豊かになる可能性があるのです。なぜなら、私達は常に呼吸をしているからです!
リラックスできましたか?なぜリラックスできたのでしょう?意識的に呼吸をゆっくりにすると副交感神経が反応します。副交感神経はしばしば「休息と消化」の神経系だといわれ、交感神経(「逃走・闘争」神経といわれています)と逆の作用をします。副交感神経が反応すると、心拍が下がり、コルチゾールやアドレナリンなどストレス関連の化学物質の分泌が抑制されます。その代わり、血管が拡張し、(特に消化・生殖器官の)細胞内の水分、栄養、酸素などが増加します。そして、身体の緊張が解け心が落ち着くのです。
身体の緊張はしばしば、無意識の筋肉の収縮によって起こります。筋肉の収縮はエネルギーを要すので、緊張のせいで疲れてしまうのです。筋肉が慢性的に収縮していると血液の流れが滞って、痛みを起こすこともあります。血流が悪いと、細胞が必要とする酸素などの栄養分が足りなくなり、二酸化炭素などの不要物が筋肉から流れ出されなくなります。そのせいで筋肉が痛むのです。
これを体感するには、不快に思うまで長い間こぶしを作るとわかります。力を抜いた後、本能的に血液を流そうと手を振りたくなるのがわかるでしょう?これは、細胞が酸素不足に陥っているからなのです。筋肉というのは、長時間緊張を保つようにはなってはいません。例えば、コンピューターの前に長時間座っているとします。キーボードに顔を近づけ、背中上部の筋肉が絶えず重力に逆らう状態になります。こうした筋肉は助けを求めざるを得なくなります。その助けは、筋肉の周りなどでコラーゲンを分泌して構造を支えるために硬くなる体中に存在する筋膜や結合組織から来ます。血流不足で身体の一部が痛むときは、その部分へのさらなる緊張や制限は痛みを和らげはしないでしょう。
筋肉の緊張は、上記例のように一日中コンピューターを使うなど悪い姿勢や反復運動など、様々な側面からひき起こります。こうした活動は、猫背、胸部や腕の内側の筋肉の凝り、頭の前傾など、骨格配置のバランスを崩す可能性があります。長時間座った姿勢でいると、腰部が扁平し、コア・マッスルが弱くなり股関節屈筋が硬くなります。身体は常にホメオスタシス(恒常性)や安定性のために戦っているので、重力に逆らうようになっていない他の筋肉に働かさせなければならなくなるのです。これらは、私達の姿勢がどのように身体の緊張を引き起こしているかのよい例なのです。
では、いかに緊張が心に関係しているか、いかに呼吸がネガティブな自虐的な考えから離れることに役立つかを見てみましょう。
ある思考が、パニックや恐怖、または一定の身体の反応(汗、震え、涙、動悸、吐き気など)を引き起こすということは、多くの人が経験しているでしょう。子供が時間通り帰ってこない時に頭をよぎるイメージ、仕事のプレゼン前の不安など、それらは実は、実際に起こっていない、ただ頭の中だけで起こっている考えにすぎないのです。さあ、まさに呼吸を思い出す時です。呼吸という身体的な行動に意識を向け、心の動揺を作っている考えを落ち着かせてSNSに支配された状況から脱しましょう。
アサナの練習は、この呼吸の練習にまさにぴったりなのです。困難なことがあると(この場合、「意図的に」難しいポーズや長いホールド)、随時、リラックスしたり滑らかにしたり深めたり、と私達は呼吸を調整します。このように、困難や挑戦、不快へ応えるために呼吸に気を向けることを身につけるのです。
残念ながら、ストレスの多い思考で自分自身の身体を緊張させていることに気づかないことがあります。というのも、私達は常に興奮や不満、不安などにさらされていてそれに慣れてしまっているからです。思考というのは、実際に私達の内側で何が起こっているのかという見方ができる程長い時間落ち着いてくれることはめったに無いのです。というのも、ストレスの多い思考が身体の緊張を引き起こし、硬直、痛み、疲労となり、それが呼吸をさらに浅くさせて呼吸の仕方まで変えてしまうのです。でも、身体も心もどちらの緊張をも解放することで、その逆をすることもできる(呼吸に働きかけて思考の質を変える)ことを知ることはとてつもないパワーとなるのです!
呼吸に繋がることで、 思考にとらわれたり自滅的な信念のパターンから解放されます。
どのように呼吸しているのかを自覚することで、考えていることとそれが身体的、感情的にどう影響しているのかの間に本当に必要となる休息を呼吸で作ることができます。身体の内側の空間に気づきをもたらすことで、呼吸と繋がることは、思考や自滅的信念のパターンのとらわれから私達を解放してくれます。
同様に、(それがなければ生きることさえできない私達の存在にとってとても大切である)呼吸に同調すると、意識が高まります。敏感ではっきりと意識し、本当に存在できるようになります。そして、最も大切なのは、最も本質的で自然のままの自身を体験することで、私達が本当は何者なのかを理解するのです。そして、それこそがヨガの体験なのです。
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