2015年12月30日水曜日

坐骨神経痛を和らげるポーズ
Poses to Soothe Sciatica

以下の7つの易しいポーズが
坐骨神経痛の主な原因である「梨状筋」に働きかけます


坐骨神経痛は、古くから存在しています。それは紀元前5世紀にまでさかのぼり、医師や患者らは一様に、ローマ時代のライチや熱い炭、そして20世紀のクリームや注射に至るまで考えられる治療は何でも試してきたのです。坐骨神経痛の主な原因は、そんなに謎めいたものではないのですが、いまだに何万人もの人が悩まされています。2005年には、アメリカの成人の5%以上が坐骨神経痛に悩まされており、また生きているうちに一度でも経験する可能性は40%であるという統計があります。が、よいニュースです。多くの場合は、マインドフルで対応したヨガの練習によって痛みを克服することができます。


Yoga International より
「Sciatic Nerve」というのが坐骨神経


その名の通り、坐骨神経痛とは坐骨神経まわりの圧痛や疼痛で、一般的に身体の片方に現れます。両脚にひとつずつ、二本の坐骨神経があります。人間の身体のなかで最も長い神経です。脊椎から出ているいくつかの神経根に始まり、仙骨の隙間を通り坐骨神経の本体とまとまります。坐骨神経は、臀部の深い筋肉(中臀筋、大臀筋)の層の間を通り、腿の後ろから脚の外側、そして足までつながります。

坐骨神経痛は、かがむ、走る、座る(運転中は特に)など日々の受動的能動的どちらの動きの中で何度も起こります。

症状:
  • 坐骨神経路にそった痛み(腰、臀部、腿やの裏側、ふくらはぎなど)
  • 脚や足の疲労感、しびれ、感覚の喪失
  • ピリピリ、ちくちく、ひりひりした感覚、圧迫感などの知覚異常
  • 立ち上がるときに膝が崩れてしまう
  • 下垂足(足首が曲がらず踵をしっかりつけて歩けない状態)
  • アキレス腱や膝の反射が衰える


坐骨神経痛の原因を探る


医師は大抵、坐骨神経痛の原因を腰椎ヘルニアにあるのではと疑います。そうであったら深刻な問題なので、もし腰の痛みや坐骨神経のピリピリとした痛みを感じたり、脚や足にしびれやピリピリした感覚があれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。急性のヘルニアが神経を刺激している可能性があり、坐骨神経痛以上に深刻だからです。



坐骨神経痛はまた、臀部にある小さな、しかし重要な筋肉である梨状筋に原因があることがあります。実際、2005年の研究では、坐骨神経痛の約70%の原因がこの筋肉にありました。梨状筋は、深い部分にいくつかある股関節の回旋筋のひとつで、腿を外旋するときに使います。また、歩くときに腰を伸ばしたり、腰を曲げるときに腿を収縮したりします。坐骨神経は、骨盤と仙骨の前にある硬く小さい腱と梨状筋との間に挟まれています。もし梨状筋が硬いと(大抵はそうなのですが)、坐骨神経に圧がかかり、その下の腱を押し、それが耐えられない痛みを引き起こします。それが梨状筋症候群です。


梨状筋が原因だというサイン:
  • 痛みやしびれがふくらはぎの外側から足の薬指と小指の間にある
  • かかとやつま先で歩くのが困難
  • 腿やふくらはぎの裏からかかとがピリピリ、脚が凝り固まっている(脊椎が原因の場合もある)
  • 座ると痛みがあり、腿の裏がちくちくする。立ち上がると痛みはなくなるが、つま先にしびれが残る
  • 運動や長時間座ることで臀部や坐骨神経が痛む。立っていても痛みは起こることもあるが、座るとよりひどくなる


試してみましょう。痛みのある方を上にして横になります。脚をまげて膝頭を前の床におろすとお尻に痛みがあるでしょうか?何か膝の上に軽い重しをのせて膝を床から上げようとすると、特に痛みますか?臀部に鋭い痛みがあれば、坐骨神経痛を起こしているのは梨状筋であるということです。




坐骨神経痛を和らげるヨガ


ハムストリングスのストレッチが有効です
坐骨神経痛の原因が、椎間板ヘルニアにある場合、優しいポーズから立位のポーズやダウンドッグなど基本的なアサナへと移るヨガの練習が、腰背部を調整、長く強くします。ヘルニアは必ずしも手術が必要というわけではなく、ヨガによってヘルニアによる症状を減らしたり、ヘルニアそのものを改善することさえも可能です。ですが、ヘルニアがどれくらい深刻かは医師に診断してもらうことが大切です。手術が必要な場合もあるからです。
坐骨神経痛の原因が、梨状筋が短く、硬いための圧迫にある場合は、この筋肉のストレッチに注目しましょう。最初は優しく徐々に行いましょう。梨状筋の使いすぎは痙攣や深臀部の痛みを引き起こし、坐骨神経痛につながる可能性があります。



基本的な梨状筋のストレッチ:アルダ・マツエンドラサナ


簡単な脊椎のツイスト(アルダ・アツエンドラサナ)によって、梨状筋が緩やかにストレッチすることで自由に伸び、ポーズの完成形に近づくに従ってそれは徐々に強くなっていきます。あまり激しくストレッチすると坐骨神経の痛みを起こす可能性があるため、注意深く行うことが大切です。痛みを起こさないよう、以下のようなバリエーション・ポーズで調整してみましょう。左側の梨状筋を伸ばす方法が書かれているので、必ず反対側も行うようにしましょう。

 脊椎のツイストの準備

膝を曲げて足が前の床に着くように、折りたたんだブランケットの角に座ります。左膝の下、左の臀部の外側に右足を置きます。右膝は前を向くようにします。臀部のストレッチを優しく行う時は、左足は右膝の内側の床に置き、左足がだいたい左の臀部と並ぶようにします。強く行うときは、左足を右膝の外側に置きましょう。左の坐骨が右側より軽くなるはずです。左の坐骨の方に傾いて左右のバランスをとりましょう。これがストレッチの初めです。左膝を手でおさえて身体を安定させ、息を吸って背骨を上に向かって伸ばします。もしストレッチが強すぎたり脚に向かって痛みを感じたら、我慢できるようになるまで、下に敷いたブランケットを厚くしましょう。

左の臀部にストレッチを感じなければ、身体の真ん中を超えて胸の右側に左膝を優しく引き、両坐骨は均等に床につけたまま、手とやや反発するように膝を押します。この動きが坐骨を床に着け、梨状筋のストレッチを深めます。

20秒~2分ほどポーズを続け、反対側も繰りかえします。2~4回行います。時間とともに梨状筋が伸びてきたら、徐々にブランケットの厚みを低くしていき、最後は床に座るようにします。


 簡単な座位のツイスト



アルダ・アツエンドラサナの完成形では、上体が直立した膝の方に回転しています。上体を大きく回すため、左手を身体の後ろに置き、左膝を右手で押さえ続けます。胸を持ち上げ、腰の自然なカーブを保ちます。息を吸いながら上に伸ばし、広げ、息を吐きながら背中を丸めることなくツイストしましょう。

鼠径部の緊張を解きながら、膝の外転を強めて梨状筋の動きを深めていきます。ツイストしながら、置いた手で左ひざを胸に優しく引いて寄せます。膝の内側と鼠径部をリラックスさせ、坐骨に向かって柔らかく溶かします。抵抗を感じながら膝を胸に引き、大腿骨を臀部外側に緩め、梨状筋に向かって押し、解放していきましょう。

肘を膝に引くか、二の腕を膝の外に置くことでツイストを深めます。この段階で膝を腕に押しつけると、臀部の方に効くようになり、梨状筋が緩んでしまいます。梨状筋症候群に悩まされているのなら、この筋肉をさらに緊張させたくはないでしょうからあまり深くツイストしないほうがいいでしょう!


 立位のツイスト



立位のツイストは、アルダ・アツエンドラサナの優しい立位バージョンです。椅子を壁際に置きます。右の臀部をストレッチするためには身体の右側が壁側に来るように立ちます。右足を椅子に置き、膝を約90度曲げます。立っている脚はまっすぐにし、右手を壁に置いてバランスを保ちます。左の踵を上げてつま先で立ち、手でバランスを取りなから身体を壁側に回します。ツイストを保ったまま、息を吐きながら左踵を床に下ろします。右臀部を下げて、左右の骨盤の高さをそろえます。数呼吸します。




坐骨神経痛のためのストレッチ


ハムストリングスのストレッチはまた、坐骨神経痛を和らげるのに大きな役割があります。というのも、ハムストリングスが硬いと、硬い梨状筋をともに損傷しやすい坐骨神経を締め付けるからです。坐骨神経痛は、特にシートのせいで猫背になりやすい、長時間の車の運転や運動などで起こるハムストリングスや周りの筋肉が緊張することで起こります。このような場合、休憩をとるか、下記のハムストリングスストレッチを行うといいでしょう。


立位のハムストリングスのストレッチ


椅子やテーブル、ベンチなどに右足を置きます。足は腰よりも下、脚はまっすぐ、膝とつま先はまっすぐ前、そして大腿四頭筋を使います。もし膝関節がロックしたり外側に曲がってしまうようなら、少しだけ曲げて守りましょう。上げている側の臀部は持ち上げず、むしろ下に向けて解放します(脚や足が外側に回転しないよう)。数呼吸し、両サイド行いましょう。より深いストレッチをするには、背骨と足をまっすぐに保ち大腿四頭筋に力を入れたまま骨盤から前屈します。

右の臀部を下げるため、上げた方の腿の上の方と立っている方の足に輪にしたベルトをかけます。臀部の外側でベルトを締めるか、優しく下げるかして腿骨を下げます。脚を入れ替えるか、効いている側に集中してもよいでしょう。そのまま数呼吸します。




3つの有効なヒップ・オープナー


一般に、坐骨神経痛は、腿の外転を伴う臀部の受動的なストレッチが有効ですが、バダコナサナのようなポーズは、腿が外転し股関節の筋肉が硬くなり、効きません。


ゴムカサナの変形


ゴムカサナ(牛の顔のポーズ)は、股関節の受動的ストレッチの良い例です。両脚を前に伸ばして床にダンダーサナで座ります。もし、まっすぐ座れない場合はブランケットの端に座りましょう(二枚目のブランケットとタオルは近くに置いておきます)。右膝を曲げて右脚を左脚の上に置きます。手で右足を左臀部の外側近くに引きます。左足を右方向に動かします。手を床に置き、臀部を持ち上げて右膝が左膝の上にくるように重ねます。

ブランケットの上に座っている、左脚が床に着かない、または左膝関節がロックするか痛むときは、二枚目のブランケットかタオルを巻いて左膝の下に入れて支えにします。左手で右足を固定します。息を吸いながら背骨を頭頂まで長く伸ばし、吐きながら腿の付け根を曲げて首を長くリラックスさせながら胸を左膝に近づけます。おへそを膝に近づけ、背骨を伸ばすように動きましょう。

おそらく、伸ばした脚の外側、ハムストリングスとふくらはぎの外側に最も強い伸びを、右の臀部に軽い伸びを感じるでしょう。大腿四頭筋に力を入れてハムストリングスの解放を促します。右臀部の外側のストレッチを深めるためには、胸を右に回転します。伸ばした脚側の親指の付け根と踵の内側を伸ばし、小指側をやや後ろに下げ、脛の外側を硬くしましょう。つま先は上に向かせます。できれば、右手で左足の外側を持ちます(膝や臀部の外側が詰まるのであまり強く引かないように)。数呼吸から1分くらいキープし、反対側も繰り返します。


鳩王のヒップストレッチ

ラジャ・カポターサナは、最も強く梨状筋をストレッチするポーズです。ポーズをしたまま呼吸をし、梨状筋を解放することができるよう、ストレッチは少しするだけにしましょう。四つん這いから始めます。右膝を右前に持ってきます。右足は踵が左腰と一直線になるように、また脛が約45度になるようにします。膝を守るために足首は曲げておきましょう。右の梨状筋を伸ばすために、上体を前屈し、左つま先を立て、左脚を後ろへまっすぐ伸ばし、腰が床に下りるに従って右腿を自然に外側へ回転させます。臀部を床につけ、マットの前に並行に置き、骨盤を回転させたり片方に落ちないようにしましょう。右臀部が床につかなければブランケットを使い、数呼吸から1分程度脛の方に前屈します。前屈したり、上体を起こしたりしてストレッチを調節しましょう。



もし、この鳩のポーズが強すぎたり難しかったら、このバリエーションを試しましょう。右脚をテーブルにのせて、テーブルに手を置いてバランスをとりながら左足を後ろに下げて前屈しましょう。







出典:YogaInternational
https://yogainternational.com/article/view/7-poses-to-soothe-sciatica

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