慢性的なストレスは私達の身体的・精神的健康をむしばみ、また病院を訪れる主な原因となっています。従来のほとんどの医療が病気の症状を対象としているのに対し、病気の第一の原因のひとつである「慢性ストレス」に対処するものはほとんどありません。3RP(Relaxation Response Resiliency Program、弛緩反応回復プログラム) はそのように考えられたもので、患者にストレスを軽減したり、回復力を高める方法を教えます。理論的には、こうしたプログラムがストレスや健康上の問題を減らし、また医療費の相当な削減に繋がることになるはずなのです。
マサチューセッツ総合病院ベンソン・ヘンリー研究所では、2006年1月から2014年の7月の間、3RPトレーニングを受けた患者(4452人)と治療をしない対照群(13149人)の医療記録を調べ、この仮設をテストしました。
3RPグループと同じ年齢、人種、性別の対照群の記録と比較するため、トレーニングを受けさせたグループの3RPの1年前とその後の記録が分析されました。一年ごとの支払請求可能な治療の発生数(診察、画像解析、ラボ分析、内科的治療、救急医療など)に興味深い結果が現れました。
3RPの参加グループの中には、研究の期間中に研究所にて3RPトレーニングを個人あるいはグループで受けたどちらの患者も含まれました。3RPの包括的な目標はストレス反応を減少させ、弛緩を生じさせ、回復力をあげることです。8セッションに渡るトレーニングは、リラクゼーション、瞑想、マインドフルネス、認知力の訓練に社会的支援とポジティブ心理学を統合させたものです。
3RPグループと対照群を比較すると、アフリカ系よりアジア系が多く、ユダヤ人であったり無宗教であり、対照群よりも平均収入が多かったのです。どちらのグループも、ほぼ同じ期間(四年半以上)同じ医療制度の中で過ごしました。
医療費の違いは2グループ間で顕著にあらわれ、3RPグループでは請求可能な医療や診察に平均43%の減少がみられました。一方、対照群では、外来患者数、特殊医療、入院の増加がみられました。研究者らは、3RPグループで削減された医療費は、平均で年間640~25500ドルに換算されると見積もっています。これは、特に慢性疾患の患者で医療費の削減が顕著だったことを示しています。
残念ながら、少数の例外があるにせよ、アメリカの健康保険業界は医療を補うものに対する支払意欲という面において現代社会にかなり立ち遅れています。2012年の健康白書が、アメリカ国民の10%以上もの人が、前年の間、ストレス解消や健康増進のためにヨガや瞑想、太極拳、気功など心と身体の訓練を習慣的に行っていると示しているにも関わらず、なのです。
この医療費研究のデータがはっきりと証拠を示すのは、健康保険に関する会社やシステム、提供者が、医療の基本的な形として心身セラピーを含むことでもっと患者の健康と金銭的な幸福のために役立つべきだということです。この研究の著者が述べているように、「医療の焦点は、後期疾患の特別治療に高額を使用することから、患者中心のアプローチや、健康増進や自己管理支援、予防治療、効果的な疾病管理などを行う組織的なチームに重点をおくことへと変化してきている。我々が出した結果によれば、3RPなどの心身治療は、個人の病気の苦しみを減らすとともに医療財源の使用をも減らし、変わりつつある医療環境に適している」
これは、患者にとってもシステムにとっても双方両得の筋書きではないでしょうか!
出典: Yoga U online
https://www.yogauonline.com/yogau-wellness-blog/study-finds-yoga-meditation-can-reduce-health-care-utilization
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