2019年3月23日土曜日

多忙すぎる?自分の生き方を創造するヒント Vol.1
Crazy Busy? Tips to Create the Life You Want


今回は精神科医で注意欠陥障害の専門家 Edward M. Hallowell の記事からです。ユーモアを交えながらどうすれば日々のストレスから解放されるのかについて書かれています。ゆるーい気分で読んでみてください。
(この記事を読んでる時間が無駄!?)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

どのように人生のコントロールを失うのか、どうすればいいのか


昨年の夏、僕たち家族は古いダイヤル式の電話しかない湖のほとりのコテージに滞在した。あまりに人里離れていたので携帯が繋がらないそのコテージにあったのは、ピーチ色でへたれたソファ脇のテーブルに置かれたボロボロの電話帳の上にあった真っ黒の電話だけだった。

その電話のダイヤルを初めて回したときはこうだった。それは朝。目覚めに泳いだ後コーヒーを淹れソファに腰掛け、友人に子供と一緒に私の家族と一緒にマイナーリーグの野球を見に行かないかと電話で誘うつもりだった。緊急ではないし急ぐこともなかった。

ダイヤルを回し始めたばかりで僕の中に短気の火が点いた。一度回すたびにダイヤルが元に戻るのを待たなければならない。それはものすごくゆっくりだった!それから、錆びた金属の引き出しみたいに、元に戻るたびいらいらする音を出した。5、4、3、2…。なんとか全ての番号を回し終えるまでに、僕はすっかり腹を立てていた。こんなに鈍い電話に我慢できる人間なんているだろうか?いらいらが爆発した。

そこでハッと気づいた。これは馬鹿げている。友人と話し終えた後、もう一度彼の番号を回してみてどれくらい時間がかかるかを試してみた。きっかり11秒。そのゆっくりとした11秒間はまるで命がかかっているかのように途方もなく僕を苛立たせたのだ。なんという馬鹿になってしまったんだろう。なんてイマドキな人間なんだろう。無意識の苛立ちに恥ずかしくなった。急ぐ必要がない時でさえ急いでしまう人間になってしまっていた。

休暇の毎日が過ぎるにつれ、僕は変わり始めた。あの古い電話が教えてくれたことに感謝し始めた。動きの悪い引き出しのような電話の音が、長い年月を経てもなお頑強に働き続ける古い風車の音のように聞こえるようになった。ブッダのごとくサイドテーブルにゆったりと落ち着いた電話が、そこにまだ在るうちに、夏を、子供達の幼少期を、円熟した結婚生活を、人生のよい時間を、ゆっくりと楽しみなさいと戒めてくれる賢明な助言だと考えるようになったのだ。



何に忙しいのか?


これまでになく今が忙しく感じていて、もうこれ以上ペースを保てるのかわからないと思っているのはあなただけではない。携帯電話、24時間ひっきりなしに来るメール、ショートメッセージ、忙しい朝、子供のサッカー試合の果てしない送り迎え、慌ただしく食べる食事、そして長い勤務時間。そうなろうと思ってもいないしどこから始まったのかもわからないまま、自分では作ってもいないし(少なくともそのつもりはない)嫌だと思っている慌ただしさの中に僕たちは生きている。

忙しいことは、本質的に悪いことではない。大事なことをしていて忙しいなら、忙しいことは至福だ。あなたに合った人生のリズムを見つけたということだ。この世界は可能性に満ち溢れていて、そのエネルギーはどんどん広がっていく。その熱狂に取り憑かれたら毎日ベッドから飛び起きて忙しくしていたいと思うだろう。それは、細かいことに必死になっているわけでも家族をなんとか養っていくためではなく、この人生に恋をしているからだ。

だけど、忙しすぎて自分にとって一番大事なことができなくなっていたり、ダイヤル式の電話に腹を立てるような賢明ではないことをしてしまっていれば、その忙しさは問題とななる。

何が自分にとって一番大切なのかを決定すること、そしてそれに集中することは簡単ではない。なぜなら、やるべきことの選択はこれまでになく幅広く、常に時間、注意力や精神力を奪ってしまうからだ。うまく立ち回らなければどんどん奪われてしまい、本当にやりたいことのための時間がどんどん少なくなっていく。

どうすれば、この狂気の世界を、逆らうことなくあなたのためになるようにできるのだろう?僕は、この現代社会の奇妙さ(部分的に新しい技術によってもたらされた状況や感情といったもの)の表現をいくつか作って(作り直して)みた。これらが表現する問題に気づくことそのものが、あるいはその問題に対処するすべになるかもしれない。ではいくつか提案してみよう。



スクリーン・サッキング(Screensucking)


コンピューター、ビデオゲーム、テレビ、ブラックベリーでもなんでも、スクリーンに向かって時間を浪費すること。不思議な力によって、仕事が終わってたり番組が終わった後も長時間ぼんやりとスクリーンを見続け、特に楽しくもないのに接続や電源を切ったりできない。

例文:「論文を書くつもりだったんだけど、代わりに午後の間ずっとスクリーン・サッキングしてた」とか「博士論文を終えていないのは、実際に研究をしているふりをしながらスクリーン・サッキングに多くの時間を費やしてしまったからだ」

ヒント:故意でしているわけではないので解決するのが難しい問題。残念ながらスクリーン・サッキングに対抗するパッチなない。第一歩は洞察力だ。ログオンしたり電源を入れる度に自分が影響を受けやすいということに気づくこと。そうして構造の変化を起こす、環境や行動を。接続を切ろうと思う時間に設定したアラーム時計をマシーンの横に置く、数クリーンを違う部屋に移す、10分ごとに音が鳴るようコンピューターをプログラムするなど。独創的に自分に合った方法を考えよう。




ヒルとユリ(Leeches and Lilies)


ヒルとは、あなたの時間や注意力を無駄にさせ、疲弊させ、そもそもこの一連の作業をなぜ始めたのだろうと思わせるような人々や課題を指す。ユリとは、それに取り組んでいると満足感が得られ生きていることそして今していることに喜びを感じさせる人々や課題のことだ。

ヒント:完了させようとしたり(課題の場合)、彼らをハッピーにさせたり(人の場合)するのをやめて、できるだけ多くのヒルを取り除こう。習慣や罪悪感、強情さ、恐怖などのせいで難しいかもしれない。あなた自身が友人らしく振る舞わない誰かの「友人」だとしたら、その人に他の誰かの時間を無駄にさせたり、誰かの気分を害させるようにしてみよう。失敗した課題をなんとか頑固に成功させようしているのなら、時間を使う以外にどれくらい効果的になれるかを考えてみよう。僕らは、得意なことにエネルギーを注ぐより不得意なことがうまくなるよう何年も無駄にすることが多い。あなたがヒルに耐えることが普通になっているなら、目を覚ませ!この惑星で持っている短い時間を有効に使うことを自分自身に許そう。そしてできるだけユリを育てよう。



死の矢(Doomdarts)


僕たちのほとんどが容易に対処できる以上のものを引き受けてしまうため、全部に絶えず注意を払うことは特に難しい。死の矢とは、毒矢みたいに意識に突然入ってくる忘れていた義務を表現する僕の言葉だ。自分の車で楽しくドライブしていたり楽しく夕飯を作っている最中に、どこからともなく忘れていた義務(夫の誕生日プレゼントとか、書くと約束した友達の提案書の見直しとか)が意識に突き刺ささってその毒があなたの中に広がり、数分の間にあなたは不安で取り乱してしまう。

ヒント:死の矢が当たったらすぐ、その問題にどう対処するか頭の中で計画を立てよう。「後で対応しよう」というのは計画ではない。死の矢は刺さったままで毒を吐き続ける。いつどのように対応するかを自分に言い聞かせ、内なる監理者にその計画にOKを出させる必要がある。そうすれば矢は抜け落ち、痛みなく前に進むことができる。



メールの声(EMV, or E-Mail Voice)


電話で話している時にメールを読んでいると、声が奇妙になる。わずかだが、それは間違えようもない。MITメディア・ラボの賢い人たちは、携帯電話で話しているときに電気的に注意をモニターするプログラムを開発した。Jerk-O-Meter(訳注:びっくりメーター?)と呼ばれるその機械は、まだ明瞭ではなくちょっと冗談めいて聞こえる。APレポートによれば、「会話にどれほど集中しているかを0から100のスケールで人を評価するため、話しのパターンや声のトーンを分析する」

ヒント:無作法なことだが、EMVは日課のように毎日起こる。あなたに話しかけている間なにか別のことをさせたくなければ、ただ穏やかにそれを指摘すればいい。それだけでその人はこちらに注意を戻してくれるだろう。あなた自身がやっているとすれば、自分にされている時どんなに不快かを考えよう。あるいは、同時にメールを書いている誰かに話しかけてみてもいい。



ギガ罪悪感(Gigaguilt)


十分やり切っていないという罪悪感は今に始まったものではない。ジョン・ミルトンは、盲目のせいで力が弱っている自分への罪悪感を感じ僕たちや彼自身にこう言っている。「ただ立って待っている人だけが満たされる」あの輝かしい罪悪感の見本サミュエル・ジョンソンは「自分ができる限り多くのことをしなければならない人は誰もいない」と彼自身を安心させた。しかし、コンピューター技術とそのギガバイトのメモリは、直接的にも間接的にも、1人の人間が絶えず把握しておかなければならない事柄の数をあまりにも増やしてしまっていて(大きい数字というより無限大)、それを全部把握出来るとはずだと思っているのだが(とても莫大で実質的には無限大)、何かを見失ってしまう可能性はうなぎ登りだ。僕らのほとんどにとってそれは100%確実だ。こうして何かを忘れたり誰かを失望させたりするギガ罪悪感をもたらすのだが、何もかも把握しておくことなど不可能で誰をもを喜ばせる時間を持つことも同様に不可能だとわかっていてもなおそうなのだ。

ヒント:多くの辛い感情のように、ギガ罪悪感には理屈に合っているわけではない。不可能を自分に期待するなんて明らかに理屈に合わないのだが、僕らの多くがそうしている。僕が知る最善の方法は体系をもった理屈を立てることだ。何に対処して何にしないかを指示してくれるようなシステムを作る。そうすれば、毎回そこで決定する必要がなくなる。例えば、自発的な委員会に参加するのは一回につきひとつだけにすると決めることができる。あるいは一度に受けるのは、ある一定数の依頼人、患者、顧客だけにする。あるいは、夕食の間は絶対に電話に出ないとか。母親に電話する時間帯を決めておいて母親に電話がくるのだとわからせておけば、他の時間は罪悪感を感じることはない。

自分に一番大事なことに時間を残しておく。そして自分に大事なことをしている時に誰の役にも立っていないという罪悪感を感じるのなら、自分に最も大事なことをする時間がないなら他人にとってもあまり役に立たないと思い出そう。気分が落ち込み、疲弊し、短気で怒りっぽく、役に立たなくなってしまうだろう。自分自身か誰かと話しをして、あなたはみんなのためになにもかもをすることはできないし、自分がしたいと思うほどですらできないという事実を折り合いをつけよう。



クズ(Kudzu)


東南アジアから米国にうっかり入ってきてしまったこの草は、30m以上も深く根を張って駆除することができない。僕はクズという言葉を「グチャグチャの山」につけたが、これは、僕らの速度をのろくさせるそこら中の人々からの絶え間ない不意の小さな依頼のことで、働いているところ住んでいるところ構わず侵略してきて止めることも駆除することもできない。メールにはびこっているスパム、郵便ポストに溢れかえる広告、そうしないように懸命になっているにも関わらずどんどん入ってくるどうでもいい情報などなど。

ヒント:物理的なクズへの最良の解毒剤は、管理者らが呼ぶところのOHIOだ(Only Handle It Once=処理するのは一回だけ)。書類や会報など有形のものに対しては、できる限り(1)すぐに返事する(2)名前をつけたファイルに入れる(3)捨てる。大抵の場合、(3)が一番だ。

あちこちからどんどんやって来る依頼への最良の解毒剤は遮断、誰からも連絡が来ないようにする。聞いてなければ、それをしていなくても罪悪感を感じることはない。自分に合った形の遮断方法を作ろう。誰にでもドアを開けておくのは、とにかくやめておこう。10年前にはドアを開けておくのはいいことだったが、今やそれはフーバー・ダム(訳注:コロラド川の巨大なダム)に向けてるようなものだ。








(出典)https://yogainternational.com/article/view/crazy-busy-tips-to-create-the-life-you-want?
Edward M. Hallowell, MD, a psychiatrist and ADD expert, is co-author of the best-selling Driven to Distraction (drhallowell.com).

2019年3月20日水曜日

ヨガは高齢女性の尿もれを防ぐ 
Yoga May Reduce Urinary Incontinence in Older Women

高齢になってくると、外から見えない筋肉もまた衰えてきます。
先日、80才台の生徒さんが内臓のヘルニアで手術を受けられたケースはより深刻なものでしたが、これもまた深層筋の衰えも原因の1つでしょう。そんなに深刻なものではなくても、女性で尿もれを経験したことのある方はかなり多いと思います。
今回は、米国でのニュースからです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

3ヶ月間のヨガ
50歳以上の女性の尿もれの頻度を減少させるという研究



米国はカリフォルニア州サンフランシスコ大学(UCSF)の研究者らは、日常的に尿失禁があるが医療的治療を今は受けたくない任意の56人(平均年齢65歳)の女性で実験を行った。18ヶ月間に渡り任意に抽出した女性らは、3ヶ月間、週二回のアイアンガー・スタイルのヨガセラピーに参加と週一回の自宅練習を行う者と、あるいは「時間・注意管理」(time-and-attention)のために作られた特定しない筋肉のストレッチと強化プログラムを行う者に分けられた。

尿失禁頻度の変化は基準となる排泄の記録で評価し、この3ヶ月の実験では50人の女性(89%)が記入した。そのうち75%が90%を超えるグループ・クラスに参加、88%が90%以上の自宅練習を行った。その結果、ヨガ・グループでは74%、時間・注意管理グループでは51%に尿失禁頻度の減少がみられた。どちらのグループにも悪化の傾向はみられなかった。この研究は、2018年5月サンフランシスコで行われたAmerican Urological Association(米国泌尿器科学会)の年次大会で発表された。

「これらの結果は女性にとって大変期待のもてるもので、下部尿路障害の症状を減少しQOLを向上させることにより女性に大変有効で、単純に行動範囲が変えられる」と議長を務めたミーナ・ダヴルリ博士(ニューヨーク、モンテフィオーレ・ヘルス・システム)は述べた。「療法的なヨガのプログラムは、他の医療治療と比較して多くの患者が簡単に一週間の習慣に組み込むことができる大変行いやすい方法です。医師らは、失禁への最善の対策として患者と話し合う際、この素晴らしい結果を選択肢のひとつに加えることができるでしょう」



B. K. S. アイアンガーの名前から名付けられたアイアンガー・ヨガは、1970年代の初めに創設されたハタヨガのひとつで、ポーズ(アサナ)の実践における細部、正確さ、アライメントと呼吸のコントロール(プラナヤマ)に重点を置いている。体力、柔軟性、安定性がアサナを通して得られる。アイアンガー・ヨガではアサナの実践において、補助としてベルトやブロック、ブランケットなどのプロップスを使用することが多い。




(出典)https://www.hospimedica.com/womens-health/articles/294773891/yoga-may-reduce-urinary-incontinence-in-older-women.html

By HospiMedica International staff writers
Posted on 24 Jun 2018

2019年3月18日月曜日

ヨガの怪我についての10のウソ vol.2 
10 Myths About Yoga Injuries


前回からの続きです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ウソ その6 : 手でアジャスメントをする時、指導者は生徒の身体の抵抗によって安全でない領域まで無理をさせているという警告を受け取るはず


これは、ティーチャー・トレーニングで私が教えられたことですが、ヨガ・スクールで間違って学んだものの1つとして付け加えることができます。


これには2つの欠陥のせいだとリーフは指摘します。抵抗は常に問題の兆候というわけではなく、抵抗がなければ全て良好という明らかな印でもありません。実際、とても柔軟で全く抵抗のない人を押したり手で導いたりするのは、どちらかといえば硬い生徒を押すよりも危険である可能性があります。「非常に柔軟な生徒に圧力を加えると、関節の生理学的に正常な可動域を超える恐れがあり、それによって不安定になり痛みを生じることがあります」


彼は、下向きの犬のポーズで、生徒の腰を斜め上後方に引く時を例にあげています。「ここでの抵抗は、骨盤の前傾がなく腰椎が前弯しているあまり柔軟でない大形の男性などなら、丸まった背中を伸ばすのに有効かもしれませんし、どの方向に骨盤を動かせばいいのか彼にヒントを与えることができるでしょう」この圧力を感じないような抵抗がない生徒の場合は、すでに過剰に柔軟な関節の動きをより大きくしてしまうかもしれません。「過剰に柔軟な生徒の場合は、この良いと思われているアシストに対して身体が全く抵抗しません。この場合の圧力は適切とは言えません。もっと前傾して、過剰に腰椎を前弯させてしまう恐れがあります」

柔軟な身体へのアジャストには最大の注意を払うべきだとリーフは助言しています。限界まで深めるようなアジャスメントより、深みを制限するためにアジャスメントする方がおそらく良いでしょう。こうした柔軟な生徒には、すでに過剰に柔軟な関節を安定させることが不可欠なので、柔軟性を高めるアジャスメントよりは、弱めたバージョンのポーズで強化を促す動きをさせる口頭での指導がより効果的でしょう。



ウソ その7: 押したり引いたりしない生徒自身の努力を促すアジャスメントはいつも安全


生徒に指導者の手の中で「持ち上げ」たり「押し」たりを促すアジャスメント(大抵は筋肉を使わせるため)は、多くの場合、押したり引いたりするよりは安全です。「生徒は、インストラクターができない動きの内面の効果を感じます。しかし、アライメントがよくない状態で動きを促すと、よくない位置で筋肉収縮を行うよう指導しているかもしれません。間違ったアライメントで力を加えると怪我をする可能性があります」


そうしたよくない力は、外からもあり得ますし(指導者のせいかもしれません)、生徒自身の身体から来る内側からもあり得ます。例えば、三角のポーズで、肩が前に巻いた状態で上の手を指導者の手のひらに押すと肩を痛めることもあります。


力を入れるよう促す前に、生徒に骨を正しい位置に収めさせるには、口頭で指示してみてくださいとリーフは勧めています。例えば、肩が前に巻いていたら、肩を上にそして後ろに動かして肩甲骨を背中に引くよう指示する。(最適な肩の位置を自分の体で)デモンストレーションをする。肩がどこにあるのかわかりやすくするため壁などの補助を使う(「肩を壁まで引いて」)など。それから押すように指導しましょう。



ウソ その8: クラスで誰かが怪我をしたら指導者はいつもわかる


「私のクラスには怪我をしたことがあル人はいません」とか「私のクラスで怪我をしたことがあるのはたった1人だけです」などと確信を持って言えれば素晴らしいことです。しかし、実際には生徒の怪我を全て知ることはできません。単純に、生徒がそう言わないからです。


私の場合は、怪我をしてしまったアジャスメントを受けても黙っていました。先生の気分を害したくなかったし、どんな方法でも非難したくなかったからです(左臀部の痛み以外は全ての面でクラスは最高だったのですから)。しかし、リーフが「その4」で指摘したように、多くの怪我はすぐには感じず、私も怪我をしたかどうか完全には確信を持てなかったのです。鳩のポーズで先生がたった一回腰を押したとき突然鋭い痛みを感じ他にも関わらず、クラスの終わりにはかすかな熱しか感じませんでした。怪我をしたとわかったのは、実に1日後のことだったのです。


私のように、先生の気分を悪くしないよう、怪我かどうか確信できないから、問題を口にするのをためらう人はいます。おそらく、行動で示して単純に二度とクラスに戻らない人もいるでしょう。どちらの場合も、指導者は知らないままです。


指導者に怪我のことを伝えるのは大切だとリーフは強く言います。「怪我を指導者に伝えることで、何が起こったのか探ることもできるし、おそらく同じことが起きるのを防ぐこともできます」指導者側は「どう感じますか(感じましたか)?」と尋ねていつもコミュニケーションを取ることができるでしょう。神経質な雰囲気を作らず生徒の行動に批判的にならず、何かよくないと感じたら伝えて欲しいと伝え、怪我をしたと言われたら受け入れましょう。(「伝えてくれてありがとう。怪我をさせてごめんなさい。その怪我に気をつけておきましょう」)



ウソ その9: ゆっくり動けばいつも安全


ゆるやかな動きをリーフは尊重します。「ヨガ・クラスで最も大きな不満を感じるのは、みんながポーズに入れる十分な時間をインストラクターが与えない時です。誰か怪我をするのではないかと不安になります」


しかし、ゆっくり動くことも万能の解決策というわけではないと彼は認めています。「動きが間違って行われていると、どんなにゆっくりでも痛めることはあります」骨が正しい方向へ向いていないこと(例えば、右膝が右足の中心線の方向に向いていないなど)で怪我が起こるとすれば、ゆっくり動いたとしても、右膝が自動的に右足の中心線方向に向くとは限りません。ゆっくりした動きが与えてくれるのは、膝の位置に気づいて正す時間をなのです。


生徒も指導者も、ゆっくり動いてどんなポーズもどんな移行もアライメントにマインドフルであり続けるべきだとリーフは勧めています。




ウソ その10: 昔の怪我は過去のもの!(心配無用で先生にも言わなくていい)

リーフによれば、小さな怪我は完全に治癒する可能性がありますが、そうでない可能性もあります。過去に怪我したり脆くなった体の部分は、現在もとても脆い可能性が高いのです。


「ヨガの指導者も含め、どんな活動的な大人にも、『アキレスの踵』と言われるような脆い箇所が体にあり、痛みや捻髪音(音)、動きや強さ、連携の制限があるものです。これは、昔の骨折や後遺症、運動経験、幼少期、スポーツの怪我などの結果なのです」


様々な理由により、そうした場所は再び怪我をしやすいのです。まず「傷ついた組織は柔軟にならないので、また怪我をしやすくなります」第二に、怪我が完全に治癒していても、怪我の元になった間違った動きのパターン、最適とは言えないアライメントをまだ行なっている可能性があります。(右膝は治っていても、いまだに右足の中心線の方向に向いていないかもれません。)第三に、その場所からの反応をあまり感じなくなっているかもしれません。「以前に怪我をした手足の自己受容の感覚は小さくなっていることが普通です。つまり、注意を向けていないと感じないこともあるのです」これは、痛みやチクチク感などの警告がはっきりとしないかもしれないことを意味します。この脆くなった箇所には(はっきりとした警告を出しているかどうかに関わらず)、全てのヨガクラスで気をつけなければならないのです。「例えば、同じ足首をなんども挫くなら、そこが気をつけなければならない「弱い結合部」で、特にバランスポーズや片足のダウンドッグなどで足に負荷をかける時には注意が必要です。仙腸関節の痛みや過度の柔軟性があったなら、常に非対称のポーズには注意するべきでしょう」


脆い部分への気づきを持ち続けることに加え、インストラクターに過去の怪我(現在の怪我だけでなく)について知らせることをリーフは勧めています。特に過去の後遺症が繰り返されたり深刻な場合には必要でしょう。そのように、その部分に注意するよう指導者が力になり、少なくともそこへの圧力を避け、そしておそらくは特定のポーズを変更したりしないようにしたり助言をしてくれるはずです。




危険を避ける

上記にあげた提案の多くは(正常でない感覚に気をつける、ゆっくり動く、アライメントだけでなく今の状態や制限に常に気をつける、生徒と指導者が明確にコミュニケーションする)、リスクを最小限にするために大変重要です。しかし、これらは決して確実というわけではありません。

「ヨガクラスでも生活のなかでも、怪我を予防する魔法の方法などありません」とリーフは締めくくります。しかし、これがヨガをしないという理由にはならないと彼は思っています。結局のところ「何をするにも想定されるリスクがつきものです」

体を強くし、柔軟性を高め、心肺機能の健康促進、依存症からの回復、ストレス解消、感情や痛みからの解放、一般的な幸福感などヨガのパワーを肯定する研究が多くあるので、リーフは彼の患者らにヨガクラスに出るよう勧めることが多いそうです。彼はまた、特定の怪我からの回復に対するヨガの役割を評価しています。「ヨガ・フローやポーズなど体の左右に繰り返すリズミカルで対称的な動きは、患者が正常な運動パターンを思い出すのに効果的です。例えば、均等な重力配分で片足で歩いてばかりいた患者にはヨガが役にたつでしょう」リーフは言います。


では、ヨガクラスで怪我してしまったら?コーチやヨガティーチャーから習った「RICE」はウソではありません。リーフによれば、遅すぎる「R」や「I」に反対する声もあるけれど RICE(rest=休む、ice=冷やす、compression=圧迫、elevation=持ち上げる)はよいアドバイスです。「この理論での大きな変化は、今では「休む」ことが何週間も完全に動かさないということではないと理解していることです。つまり怪我がどれくらい深刻かにより、外傷後24時間から48時間の間、その箇所の動作を止めるというわけです。例えば、激しい痛みと腫れ、青黒い変色のある足首の捻挫には、48時間の休みが必要です。しかし、軽い捻挫の場合は、その日のうちに足首を動かし始めた方が良いでしょう」中断なく血液を凝固させる時間をとることが重要だとリーフは説明しています。

冷やすことは、治癒には関係がありません。「痛みを感じなくする効果があります。怪我のあと、1、2日は4時間おきに約10分間、怪我を直接冷やさなければなりません」さらに、圧迫包や高くあげることはどちらも腫れを防ぎます。「腫れを防げなければリハビリが長引くかもしれません」1、2日のRICEのあと、腫れや痛みが治れば、徐々に活動を再開するべきでしょう。(もちろん、怪我をしたら医師に相談しましょう。怪我の状態により特別な処置が必要になる可能性もあります)





ヨガを練習したり指導したりするときは、安全に行うようにしていたとしても常にいくらか怪我の可能性があるということを忘れないでいることが大切です。

そのためには、この不確実性に向き合いながら冷静でなければならないことを受け入れ、この世界を全てをコントロールすることなどできないことを受け入れ、そして完全性とともに不完全性をも勇気をもって受け入れなければなりません。幸いなことに、これらはヨガが私たちに教えてくれるスキルなのです。




2019年3月12日火曜日

ヨガの怪我についての10のウソ vol.1 
10 Myths About Yoga Injuries


脊椎の状態と負荷の関係が守られていれば、危険は避けられるということを前回見ましたが、今回は「怪我」についてです。

長くヨガをしていると、結構いろんな場所を怪我してしまう人が多いのに気づきます。そしてまた、それをまるで勲章のように自慢する人がいるのも事実です。が、特に歳を重ねると後遺症を引きずってしまうことも多くなりますし、怪我などしない方がいいに決まっていますよね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

マットの上で起こる怪我を防ぎ、あなたの生徒たちを守るための魔法のような秘訣は誰もが知りたいものです。しかし、この安全への願いは、時にヨガの怪我を誤解させている可能性もあります。例えば、十分にマインドフルで(注意深く)あれば怪我は防げると信じているかもしれません。または、十分にゆっくり動けば、完璧にポーズを取れば、怪我など決してしないとか。

けれど、怪我の裏にある要因は複雑で変化に富んでいるため、全ての場合において正しい怪我の予防法と一般化するのはとても困難なのです。40年の経験を持つアトランタの理学療法士ビル・リーフは(「The Back Pain Secret」の著者)、正しいと信じたいヨガの怪我について以下の10のウソに懸念しています。



ウソ その1:ヨガは100パーセントの割合で100パーセント安全


ヨガは、いつもとは違う方法で身体を努めて動かす運動です。その局面が大変よいものである一方、時には怪我に繋がることもあります。2016年「Orthopaedic Journal of Sports Medicine」で公表されたこの研究のような)統計によれば、ヨガによる怪我(多くは筋挫傷や捻挫、骨折など)の割合が上昇しています。


しかし、どんなヨガで怪我をしたか簡単に数に出せないものもあります。どうやって怪我をしたのかよくわからないヨギ患者が多くいるとリーフは言います。「ヨガクラスで突然起こる怪我もありますが、怪我の多くはもっと漠然としています。多くは累積的で時間をかけて起こります。不安定な関節が原因の怪我は、何年間にもわたる関節の過伸展の結果起こります。よくある首や腰の問題は(ヘルニアなど)、痛みや痺れなどの症状が起こるのは何ヶ月、時には何年も後になって起こることがあります」



多くの怪我は徐々に起こるため、「ヨガの怪我」とそうでないものの間の線引きが曖昧です。ヨガの途中で初めて感じた怪我の中には、マットの外での動きのパターンによるものかもしれません(私がチャトゥランガで感じた痛みは、悪い姿勢で左肩にいつも重いバッグを持っているからかもしれません)。逆に、日常生活で感じた痛みがマットの上での動きのパターンからきているかもしれません(左肩に重いバッグをかけた時に感じる痛みは肩を前方に巻いた状態でずっとチャトゥランガをしてきたことに関係するかもしれません)。そして、腰を丸くして重い箱を繰り返し持ち上げてきたことが、ヨガクラスでの腰痛に関係するかもしれませんし、ヨガの激しい動きで脊椎に問題が起こり、洗濯カゴを持ち上げるまでそれに気づかなかっただけかもしれません。「深い屈曲(前屈)は椎間板の損傷を起こし得ますし、深い伸展(後屈)は椎間関節の損傷を起こし得ます。どちらも、何年間もの間、脊椎を支えている靭帯を摩耗させてしまいます」


ヨガが怪我に関係しており、原因となることもあるということを受け入れれば(クラスで現れることもあるし、もっと後で現れることもある)、自分自身や生徒を練習の守るための対策をとることができます。しかし、日常生活の動きがクラスで経験する怪我に関係がある場合もあるので、マットの外での気づきや注意はヨガの怪我を避けるのにも有益です。




ウソ その2: 注意深く経験豊かなヨガ指導者は絶対に怪我をさせない


軽率で経験の浅い指導者はもちろん生徒に怪我をさせてしまうことが多いでしょうが、経験豊かなヨガティーチャーでも怪我を起こしてしまうポーズを教えたりアジャスメントをしたりすることがあります。


「全ての怪我を防げる指導者などいません。怪我の可能性を下げることは誰でもできます」とリーフは言います。


リーフによれば、生徒の限界を尋ねてそれにより添い、「このヨガの練習は旅であり、ひとつとして同じ筋骨格系の経験をもった身体はないということを常に彼らに思い出させ」ることで怪我の危険を下げることができます。補助具を使った方法、ポーズのより優しいバージョンなど、例外ではなくルールとして見せることで、安全を保つことができます。重要なのは、特別に注意を払ってアジャスメントをし、ゆっくりと注意深くポーズを移行するよう指導することです。


生徒の側としては、過去の筋骨格系のどんな状態もインストラクターに知らせるべきであり、「自分の身体に責任がある。身体を大切にし、何かよくないと感じたらやめること」を常に念頭においておくべきです。




ウソ その3: 注意深く経験豊かな生徒は絶対に怪我をしない


野心家で経験不足の生徒が怪我をしやすい一方で、経験豊かな実践者であっても、私たちの多くがよく知るように、怪我をします。


「どんなコンディションのアスリートでもそうであるように、より経験豊かな実践者は初心者に比べて怪我をする可能性はとても低くなります」とリーフは言います。しかしまた、とても経験豊かな実践者でさえ今まで感じなかった身体の変化や脆さなど、あらゆる変化を感じます。


例えば「妊娠中は、ホルモン変化によって組織や靭帯が緩んでいることに経験のある生徒や指導者が気づかないこともあり、仙腸関節への非対称なストレスは避けるべきです」ヨガ・トレーニングの集中した期間の筋肉疲労もまた、経験のあるヨガ実践者が怪我しやすくなる要因だとリーフは言います。


経験に関係なく、老化によっても怪我をしやすくなります。「Orthopedic Journal of Sports Medicine(スポーツ医学整形外科ジャーナル)」に2016年に掲載された研究では、65歳以上では全般的な怪我の率が3倍でした。怪我をした人はみなヨガ初心者で野心的すぎたのでしょうか?また経験のある人たちの中には、慣れたポーズで身体が違う反応をした人がいたのでしょうか?「骨が脆くなっているため、前屈や深い後屈など極度の可動域を必要とするポーズをやめた方がいいということを、何十年も練習してきた骨粗鬆症のある高齢の生徒は気づかないことがあります」また、老化による筋肉量の減少によって経験豊かな人でも怪我をしやすくなっており、すでにある怪我や病気の可能性も多くなると彼は付け加えています(詳細はその5を参照)。


生徒はみな、体内に起こる変化を、日々の小さな変化であっても常に気づく必要があります。そして指導者は、以下のように気づきを与えるべきです。「あなたの練習は、1日、1年といった動的な経験であるべきで、ポーズのもっと難しいバージョンに挑戦してもいいし、その他のポーズはしなくてもいい。マットの上に来るたびにその体験は変わります。身体に『今度にしよう』『これで十分』と言わせてあげましょう」




ウソ その4: 身体の声を聞いていたら怪我はしない。気をつけていれば全ての怪我が発する警告を前もって受け取ることができる


自身の身体からの信号を注意深く聞くのは素晴らしいことである一方で、その警告は、特に初心者にとって、いつも簡単に理解できるわけではないとリーフは指摘します。「新しい生徒は、感じているのが「正常」なのかを常にわかっているわけではありません。ハムストリングスの引っ張り、つま先のチクチク感、股関節の「パ キ」という音が、よいストレッチなのか怪我をしそうなのかはすぐにはわかりません」リーフによれば、こうした感覚や音は時に後者を知らせています。


しかし、経験豊かな実践者でさえ分析するのが難しい警告もあります。リーフによれば、片足のバランス・ポーズでぐらつくのは強さとコントロールを得るプロセスの一部で大丈夫なのですが、激しいぐらつきは、足首や膝のねじれ(ツイスト)や、膝蓋骨(膝頭)や半月板(膝軟骨)、膝や足首の靭帯の損傷の警告であったり、今にもこけそうだという警告かもしれません。「軸足の膝や足首がひどくぐらつき始めたら、それは車のダッシュボードに警告ランプがついているのと同じです。言い換えれば『停止』サインです。ドゥリシティ(視点)に集中してもぐらつきがおさまらなければ、両足をついた方がよいでしょう」


さらに「全ての怪我をすぐに感じるわけではありません。腰痛は大抵の場合、原因になる動きの数分から数時間のちに現れ、頚部や腰仙部の痛みなどの診断は累積的で、損傷したその時ではないのです」言い換えれば、怪我の前に痛みを感じないばかりでなく、怪我そのものをすぐに感じないという可能性もあります。


痛みだけでなく、しびれやチクチク感を感じたらポーズをやめるようリーフは勧めます。必要ならいつでもポーズから出てもいいと指導者は生徒に許可するのが重要です。




ウソ その5: ポーズを正しく(理想的なアライメントで)行っていれば怪我はしない


まさに全てのポーズは理想的なアライメントで練習するべきです。しかし「怪我は、正しく行わなかったからというわけではありません」とリーフは言います。


「ヨガクラスのうち1つのミスアライメントが原因で怪我が起こるのは少ないです。それよりも、小さな首や背中のヘルニアなど気が付いていない問題やすでにある怪我が、そのポーズで痛みが現れるという方がはるかに多いです」それはまた「正しく」ポーズを行っていても痛み現れることがあるのです。


小さな怪我は「生理学的容量が限界になるまで」またはその弱い組織や骨が限界まで負荷をかけられるまで、感じなかったり、違う場所の痛みに感じたりします。


「もしヨギに気づいていない肩回旋筋腱板損傷があったらー」(最高50パーセントの50歳以上に自覚症状のない回旋筋鍵盤損傷があるので(80歳以上には80パーセント!)、特に高齢者には高い確率です)、「糸通しのポーズ(四つ這いから片腕を反対の肩の下に通すポーズ)をするまでそれに気づかないこともありえます」それは、ポーズを間違って行っているのではなく、単に身体の弱い部分に圧力をかけたため既存の怪我にその時初めて気づいたというわけです。


ヨガクラスでの突然の痛みはまた「我慢の限界」の可能性があり、よいアライメントに関わらず、すでに弱い組織や骨にダメージを与えているのかもしれません。「肩回旋筋鍵盤損傷などの肩組織の問題があるなら、糸通しのポーズなどはどんなに正しく行っていても損傷を深める可能性があります。骨粗鬆症だとしたらー」(米国では50歳以上の55パーセントに骨粗鬆症か骨量低下があると推定されるため、ありえないことではない)「どんなに正しいアライメントであったとしても、上体を曲げすぎて突然骨折することもありえます」


隠れた怪我や病気をヨガクラスで悪化させないために(やり方がどんなに素晴らしいかに関わらず)、深刻な問題になる前に少しでも長引いた痛みは調べた方がいいとリーフは言います。「小さな怪我に早期に対処することは、早い治癒を意味し、回復できない状態までの累積を防ぐことになります」初期段階での診断をリーフは勧めています。例えば高齢女性なら、骨粗鬆症が練習内容を変える必要をもたらす可能性があるため、骨密度を調べるといったようなことです。



----------------------------------

後半は次回に続きます。

(出典)https://yogainternational.com/article/view/10-myths-about-yoga-injuries1

2019年3月6日水曜日

あなたの脊柱、あなたのヨガ 
Your Spine, Your Yoga

前回まで脊柱側彎症を取り上げましたが、そもそも背骨の正しい位置や形何なのでしょう?今回はそんな記事からです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

人の背骨の働きは、第一には上半身と下半身の間に安全に負荷を伝えることで、次に自由に動くことです。この順番に注目しましょう。負荷やストレスを伝えることは、動くことよりも重要です。ヨガクラスではこれらが逆になっていて、安定性よりも可動性が重視されることが多いのです。

直立二足歩行では、脊柱は下半身を押し下げている上半身の荷重に対応するのに十分な強さがなければなりません。四つ足で歩く動物の脊柱は、このように継続的に支える必要はありません。彼らの脊柱はより可動性に注目することが可能なのです。私たちの脊柱の最も重要な優先事項は安定性で、最も安定しているのはニュートラルの位置にある時です。つまり、ニュートラルからもっとも離れた場所にある時に最も不安定だということです。



ニュートラルな脊椎とは?


もし脊椎がまっすぐな棒だったら、曲線が大きすぎたり小さすぎる場所が簡単に見えるでしょう。どんな曲線も、そのまっすぐな脊椎から逸脱しているとわかります。しかし、すでに曲がっている脊柱のニュートラルとは何なのでしょう?どんな曲線が大きすぎるのでしょう?小さすぎる曲線とは?脊柱生体力学者のスチュワート・マクギルによれば、ニュートラルな脊柱とは、「脊柱が最もリラックスしており、ニュートラルから外れて関節が曲げられた時に生じる関節の緊張がない場所です」

残念ながら、人によって様々であるため、あなたのヨガの先生のニュートラルとあなたのニュートラルは違うことがあるのです。

タダサナで立った時、脊柱に緊張が最も少ない場所を見つけることができますか?そうならば、おそらくそれがニュートラルの位置です。

残念なことに、慢性的な悪い姿勢もまたリラックスして感じられるのですが、筋肉の正常な張りがなくなっていて結合組織に多くのストレスがかかっているかもしれません。筋肉が弱くなると、筋肉の働きに関係してきます。

脊柱の緊張に注意を向ける時には、筋肉の緊張だけでなく関節や筋膜のストレスにも注目しなければなりません。言うのは簡単ですが、それには練習が必要です。様々なポーズをとって背骨の感覚を感じる実験をしてみましょう。どの場所で、自由で軽く、長くしかもリラックスしていると感じられるでしょう?そこがおそらくあなたのニュートラルの位置です。この実験でもわからなければ、鏡や資格のある先生の目でニュートラルの脊柱を見つけましょう。



脊柱の安全な圧迫


ニュートラルな脊椎とそこから最も遠い位置との距離が、脊椎の柔軟性と言えます。脊椎は、ニュートラルな位置から最も遠い時に荷重やストレスに耐える力が最も小さくなり、これらの負荷に耐える力が最大になるのはニュートラルの位置あるいは最もニュートラルに近い時です。

ヨガの世界では、脊椎のこの2つの能力を混同しがちで安定性よりも動きに注目しがちです。格好良く見える深く弧を描く後屈や捻りに見惚れます。美しく背後に下りてブリッジしたり足首を掴むようなヨギを素敵だと思わずにいられません。しかし、ほとんどの脊椎にとっては、そのような劇的な可動域を得ようとするととても大きな代償を払うことになるかもしれません。可動域の最大に近い時に、脊椎の関節を何度も伸展しすぎることで起こる、怪我や外傷です。可動性よりも安定性の方が重要であるため、脊椎を動かす際には以下の2つの指標が重要となります。

1. 脊椎に荷重がかかっている時は、できるだけ脊椎をニュートラルに近い形にし、かつ強く硬直させて動きを制限する。

2. 可動域を高める時は、脊椎に負荷をかけない。



これを言い換えれば、ストレスがかかっている時は堅める、動きを高める時は負荷をかけない、ということです。もし脊椎に大きなストレスがかかっておらず、かつそうした動きが可能なのならば、深い後屈や捻りをしても構いません。

大きな動きをしながら大きな負荷を脊椎にかける例の1つは、頭上に両手を伸ばしたラクダのポーズです(ウシュトラサナ、下の図3c参照)。このラクダのポーズでは、上半身の荷重全てが脊柱にかかっており、脊椎下部の関節にとても大きな垂直のストレスをかけながら劇的に伸展しています。このポーズは、「脊椎に荷重がかかっている時はあまり動かさない」という先ほどの原則から外れています。(この場合は、上半身の重量全体を支えなければなりません)

ラクダ・ポーズの(a)と(b)を見てみましょう。両手は床かかかとに置かれています。ここでは上半身の重量全ては脊柱にかかっておらず、垂直方向のストレスは大きく減少しています。「脊椎の伸展時には負荷を下げる」という二番目の原則に従っているため、これらはより安全なアプローチになります。

これらの原則を完全に理解したなら、ポーズの練習方法が大きく変わることでしょう。
図3: ラクダのポーズは、(a)のように脊椎へのストレスを最小で行う方法、または(b)のように両腕で上半身の重みを支えながらより深い後屈をする方法、そして(c)のように大きなストレスを脊椎にかけながらかつ深く伸展する方法があります。これらの位置が良い状態なのかそうでないのかは各個人の脊椎によりますが、(c)は間違いなく最も危険です。



脊椎の差異


平均的なヨギは24個の可動椎骨を持っていますが、誰もが平均というわけではありません。ほとんどの人は12本の肋骨を持っていますが、13本の肋骨と13個の胸椎骨を持つ人もいれば、たった11本の肋骨とたった11個の胸椎骨しかない人も少数ですがいます。ほとんどの人の腰椎骨は5個ですが、たった4個の人もいれば6個の人もいます。ある人には、仙椎が4つあり、ある人には6つあります。ある人の尾骨は3つですが、他の人には5つあります。幸いなことに、頚椎は全ての哺乳類と同じ数で(キリンでさえも!)7つだというのは事実なようです。しかし、平均の数を聞いたり、解剖学の教科書にある図をみたりすると、私達皆がそうではないかもしれないのに、12の胸椎と5の腰椎を持っていると考えてしまうのです。実際に持っている骨の数が、あなたのヨガの練習と自然な脊椎の可動域に影響を与えるのです。下の表1は、これらの差異がどれくらの頻度で起きるかを示したものです。

表 1: 太字は平均値と脊椎差異の相対頻度。赤の数字は仙骨より上の可動椎骨の総数を示しており、青字は胸椎と腰椎の可能な組み合わせを示している。
 可動椎骨総数         出現頻度 
 胸・腰椎の数          頻度 




通常より椎骨がひとつ多い人が30人のヨガクラスに1人はいて、20人のクラスに通常より椎骨がひとつ少ない人が1人いるということです。椎骨の多少がその人の柔軟性に関係するかどうかは明確ではありません。通常と異なるのがどの場所の椎骨なのか、またその椎骨の形状に依るでしょう。しかし、腰椎が胸椎よりもより伸展・屈曲しやすいことから、
数の多い腰椎は、屈曲・伸展のポーズで通常よりも大きな可動域をもたらすことが推測できます。しかし、腰椎は胸椎のようにねじることが出来ないため、胸椎の数を犠牲にして腰椎が多い場合は、捻りの可動域を小さくする可能性があるでしょう。

美しく大きな弧を描く後屈や、他の極限的な脊椎の動きを賞賛する世界では、そうしたポーズを望ましく賞賛すべきものだと考えがちです。しかし、最大限のパフォーマンスや柔軟性を追求するよりも最適な健康を得て維持することに焦点をあてるようにすれば、ヨガの練習に機能的視点が必要となってきます。より大きいことが良いというわけではないのです。健康でいるために、大きな可動域や脊椎の大きな柔軟性など必要ないのです。むしろ柔軟すぎる脊椎は多くの場合で不健康なことが確かにあるのです。


みんなそれぞれが個性的であり、経歴や生活が同じという人は1人もいません。つまり、脊椎のエクササイズやヨガポーズ、そして気にしなければならない注意は一人一人違います。「腰を守るために前屈をする時には膝を曲げなければならない」などという大雑把な一般論は、全ての人に当てはまるわけではありません。多くの人がそうである一方で、両脚がまっすぐで前屈しても大丈夫な人もいるのです!人には様々な差異があるので、あなたの体に最も合った動きやエクササイズを見つけることが挑戦なのです。他の人の体に効果のあるものはただの指針であり、指示でもなければ定説でもないのです。





2019年3月1日金曜日

脊柱側湾症のためのヨガ・シーケンス Vol.4
A Yoga Sequence for Scoliosis Vol.4


シーケンスの最終回です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

16. 座位の開脚前屈のバリエーション


この座位での開脚前屈でひねるバージョンの側屈では、背骨のための牽引を行います。足か足首、脛が把みにくければ、ストラップを輪にして足にかけましょう。

座って両脚を約90度に開きます。両かかとを下に押し下げ、つま先が天井を向くように足首を曲げましょう。

両手を右腿の両側に歩かせ、胸を右に回します。

左の坐骨を床に押し付けながら、左手を右脛か右足首の外側、あるいは右足先の方へ動かし前屈しましょう。





右手を右腿の横に置いたまま押し下げ、胸を右に回転させます。

ここで5呼吸しましょう。それから上体を戻し反対側にうつります。

よりやりにくい側で繰り返します。



17. 牛の顔の腕をした安楽座・英雄のポーズ


「このポーズは肩甲骨の菱形筋、肩甲下筋、大円筋、小円筋、棘下筋、そして傍脊柱筋(特に凹側の)のストレッチになります」とリーフは言います。ストラップを使うよう指示されていますが、簡単に両手が繋げるようであれば必要ありません。

鏡の前で快適に脚を組んで座ります。より快適にするためにブロックやボルスターの上に座ってもいいですし、膝に負担がかかるようなら英雄のポーズで膝をついてもいいでしょう。再度、背骨をニュートラルに整えましょう。

左手にヨガ・ストラップを持ち、左腕を天井へと伸ばします。

左腕を曲げて肘を天井へ向け、ストラップを背中に垂らします。右腕を曲げて右手を手のひらを外にして背中へと持っていきましょう。右手を右の肩甲骨の内側へと移動し、ストラップを掴んだら、優しくストラップを伸ばすように引いてみましょう。ここで深い横隔膜呼吸を5回以上行いましょう。




腕を解放し、組んでいる脚を左右組み替えてから、反対側を行いましょう。難しく感じる方で繰り返します。



18. ディールガ・シュヴァサム


練習のはじめに行ったプラナヤマに戻り、呼吸がより深くたっぷりとしやすくなったかどうかを確かめましょう。

呼吸に集中できるリラックスできる姿勢を取ります。脚を組んで座ってもいいですし、英雄のポーズ、仰向きに横たわってもよいでしょう。最初のポーズで確認したように、背骨をよりニュートラルに調整し、片手を胸にもう片方をお腹に置きます。

目を閉じ、呼吸、姿勢、そして内面を感じましょう。息を吸い、左右の肺が下から上へと満たされてくのをイメージしながら、腹部と胸郭下部を膨らませ、そして胸郭の中心、最後に胸の上部を膨らませます。息を吐き、左右の肺が上から下へと空になっていくのを想像しながら、胸の上部を空にし、胸郭の中心、そして肺の下部と腹部を空にしていきましょう。吐く息の最後に少しお腹を引き込みましょう。

両サイドの違いを感じます。息を吐きながら、より制限のある側に「落ち込み」がないようにしてみましょう。



全部で5〜10回繰り返しましょう。



19. 横向きのシャヴァサナ


リーフによれば「この受動的なポーズは、無理なく両側を対称にし、痛みを和らげる効果もあります」ボルスターを使いましょう。畳んだブランケットやブロックを頭の下に置いてもいいです。湾曲が2つある場合は、他に巻いたブランケットやタオルも使いましょう。


ボルスターをマットを横切るように水平に置きます。最も突出している場所の胸にサポートが必要になります。ですから、胸椎が右へ出ているなら、横向きに寝た時に右側の胸郭が支持されるようボルスターを置きましょう。(S字曲線がある場合、腰椎が左へ出ている場合は、どちらの湾曲も優しく圧迫されるよう、シャヴァサナの途中で寝返りして左のウェストの下に巻いたブランケットかタオルをひいて左を下に横たわりましょう。)下の腕以外に頭を支えるものが欲しい時は、ブロックか畳んだブランケットをマットの端のあたりに置きます。

背骨がより中心線へ向かうようにボルスターの優しいサポートで、凸面を下に横たわりましょう。下の腕(あるいは畳んだブランケットかブロック)の上に頭を置き、上の腕を頭の上に伸ばします。



もし快適なら、上の腕を曲げて体の目に置いておいてもよいでしょう。膝は自由に曲げます。快適なら目を閉じましょう。 




そこで5〜10分間優しく呼吸し、あなたを対称へと導いてくれる重力と時間に委ねましょう。









(出典)https://yogainternational.com/article/view/a-yoga-sequence-for-scoliosis

2019年2月25日月曜日

脊柱側湾症のためのヨガ・シーケンス Vol.3
A Yoga Sequence for Scoliosis Vol.3


では、シーケンスの後半です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

9. ゆっくりとしたキャット&カウ


背骨を柔軟にするこのお馴染みの動きをここではゆっくりと行い、最大限の横隔膜呼吸によって背骨周りの緊張をほぐします。

立位から前屈してマットの方へ下り(快適なら膝を曲げて)、両手が床に着くまで膝を曲げます。両足を片方ずつ下げて床に膝を下ろしましょう。

手のひらをマットに肩幅くらいに開いて置きます。両肩を両手首の真上に、股関節が両膝の真上に来るようにしましょう。

息を吸いながら背中を丸め、その猫のポーズで2呼吸ホールドします。次に息を吐きながらやや背骨をそらして牛のポーズになり、この優しい後屈をしながらゆっくりと2呼吸しましょう。



少なくとも5回は繰り返します。



10. 四つ這いの側屈


この四つ這いからの側屈は凹面を伸ばします。

四つ這いから、左手を約15cm前に、マットの中心あたりに置き直します。頭を右に回し右の腰の方を見ましょう。次に右肘を曲げて、右の腰を右の肩の方向に動かし腰の右側を縮めて(左を伸ばして)みましょう。



ここで5呼吸します。

四つ這いに戻って反対側も行います。どちらかやりにくい方でもう一度繰り返しましょう。



11. 四つ這いからプランクへ


「非対称を修正する方法がわかったら、それを続けるためにコア・マッスルを強化し始めるといいです」とリーフは言います。「コア・マッスルは胴体の正しい形を保つのに必要で、腰痛の解消にも繋がります。ここでは、腹斜筋、腹直筋、腹横筋、背中側の多裂筋、脊柱起立筋などを強化します」

四つ這いになり、ポーズ1で行った自己修正での最もニュートラルな背骨を作ってみましょう。伸ばし、腰と肩の高さを揃え、頭は中心に、そして回転を戻します。


ここで5回呼吸しましょう。

あるいは・・・より強度を高めたい時は、片足ずつ下がってプランク・ポーズになります。ここで、一呼吸ごとに吐き切ったところで腹部を引き込みながら5、6回深く呼吸し、最後に両膝を下ろしましょう。






12. 針に糸を通すポーズ、子供のポーズのバリエーション


捻りに関しては、リーフは脊柱側彎症の人には「針に糸を通すポーズ」がいいと言います。というのは、他のツイスト・ポーズよりも伸展を促しながら胸郭が快適に感じられるからです、「上半身の重みという下向きの圧力が、背骨の圧迫された部分を伸ばすのに役立つのですが、これは垂直の座位や立位では得られないものです」


四つ這いから両足を揃え、快適な範囲で臀部をかかとの上に下ろし、伸ばした子供のポーズになります。

右腕を左肩の下から通し、頭の右側をマット(かブロック)の上に下ろしましょう。ここで少なくとも5回横隔膜呼吸をしながら、右手の指先は遠くに伸ばし左手で床を押して胸をやや左へ回しましょう。




捻りを解放したら、伸ばした子供のポーズに戻り、反対側も行います。よりやりにくい方で繰り返しましょう。



13. 前腕のサイド・プランク


サイド・プランクは、側弯症の曲線を緩和するのに効果的だと言われるポーズのひとつです。プランク・ポーズを長時間行うと手首に負担がかかるため、ここでは前腕を使ったポーズを勧めています。

四つ這いから、前腕を下ろしましょう。片足ずつ後ろに下げて前腕のプランクになります。右の前腕をマットの前のラインに平行になるよう、そして指先が左の肘に触れるように置き直しましょう。同時に、左の足首を右の足首の上に載せ、力強く両かかとに向かって伸ばします。

強度を下げるには、左脚はまっすぐにしたまま左足を右足のすぐ後ろ側におろしましょう。

左手を左の腰に置くか天井に向かって腕を伸ばしましょう。腰をマットから高く持ち上げます。



ここで5呼吸し、吐く息ごとに腹部を引き込みます。そして前腕のプランク(あるいは前腕をついた四つ這い、子供のポーズ)に下りたら反対側も行いましょう。
よりやりにくい方で繰り返します。



14.「スーパーマン」エクササイズ


「多裂筋などの強い背筋は、安定性と姿勢に重要で、腕や脚の動きのしっかりした土台となります。このスーパーマンのポーズの特に捻ったバージョンは、多裂筋を強化してくれます」

1. お腹を下に楽に横たわり両腕を体の前に肩幅で伸ばし、手のひらは内に向け、両足は腰幅でつま先を伸ばします。鼻は床から少しあげておきましょう。

2. 息を吐き、背骨に向かってお腹を引き込み頭を持ち上げ、左腕と右脚をあげましょう。そこで5回呼吸します。

3. 下に降りて反対側も行います。



4. 下に降りて、それからやりにくい方で繰り返します。

5. 下におり、両足を持ち上げたまま3〜5回呼吸をしましょう。



6. 下におり、両足はマットの上に置いたまま両腕を持ち上げそこで3
〜5回呼吸します。

7. また下におり両足を下げたままもう一度両腕を持ち上げます。今回は、まるで右側にいる人にパスする大きなボールを持っているかのように上半身をやや右にねじります。ここで3〜5回呼吸します。



8. 下におり、反対側も行います。

9. 下に下りて、やりにくい側を繰り返します。


10. 下におり、両腕、頭、胸、両脚をあげ3回呼吸をします。





15. 伸ばした子供のポーズでの側屈


このバージョンの伸ばした子供のポーズは、背骨の凹面を伸ばし、今行った後屈のカウンターポーズです。

腹ばいから四つ這いに戻りましょう。両手を右に歩かせて、両腕をのばしたまま左手を右手の上に載せます。快適なところまで、かかとの方向に臀部を下ろします。


(ストレスなく)より遠くへより右へ伸ばしてみて、そこで5呼吸しましょう。

両手を中央に戻したら、左へも同様に行いましょう。
よりやり辛い方で繰り返します。



ーーーーーーーーーーーーーーーーー
次回はこのシーケンスの最終回です。



(出典)https://yogainternational.com/article/view/a-yoga-sequence-for-scoliosis

2019年2月21日木曜日

脊柱側湾症のためのヨガ・シーケンス Vol.2
A Yoga Sequence for Scoliosis Vol.2

前回からの続きです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


5. 立位の横滑り


この「横滑り」は、背骨と胴の凹面を伸展させ続けるのに役立ちます。


手の指が前に来るよう、左手を左腰に置き右手を右胸郭の下部に置きます。頭と両肩を水平に保ちながら(そして両足をしっかり床に着けて)、腰がやや右へ胸郭がやや左に動くように、両手を身体の中心線に向かって押しましょう。



ここで5回、できるだけ深く呼吸しましょう。それから反対側に移ります。動かしにくい側で繰り返します。



6. 立位の側屈とブロックを使ったツイスト


このポーズは、よりニュートラルな背骨を実現するための、伸展させ回転を無くし骨盤を水平にする道筋を教えてくれます。


1. 両足を骨盤幅にして山のポーズで鏡の前に立ち、左足の30cm程後ろにブロックを一番低い高さで(階段のように)置きます。

2. 左腕を頭上に挙げ、右に曲げましょう。そこで2呼吸ホールドします。

3. 側屈したまま、すぐ左側にいる人と握手しようとするかのように右腕を胸前から伸ばします。胸郭も少し左に回しましょう。そこでさらに2呼吸します・

4. ゆっくりと頭を前後に10回振ってから、中央に戻ります。

5. 次に、両腕の位置はそのまま、左足指の付け根を後ろのブロック上に乗せ、骨盤の位置に変化があるか観察しましょう。そこで5回ほど、ゆっくりと深い呼吸をします。

6. 両腕を下ろして山のポーズに戻ります。



ブロックを右かかとの後ろ30cm程度の場所に動かして反対側を行います。やりにくい側で繰り返しましょう。



7. 壁登り


この練習は、湾曲の凹面を伸ばすのに役立ちます。「湾曲が大きいほど、壁に手を歩かせた時に指先が同じ高さになりにくくなります」とリーフは言います。「が、気長に構えましょう。あまりに急いで伸ばそうとすると、脊椎湾曲による制限を無理させる可能性があります」

下記のステップ5では、腰を水平にしなければなりません。これは鏡がなければ難しいとリーフは認めますが、これにより自分の両手をよく見ることになります。「指先がより均等な高さになってきたと気づいたら、それは脊椎の湾曲がよくなってきたと考えられる肯定的なフィードバックです」指導者が、腰の水平を見極める手助けをすることもできるでしょう。


1. つま先と鼻を壁にかなり近づけて山のポーズで立ち、垂直バージョンのコブラのポーズを作るかのように、両の手のひらを胸の横で壁に平らに置きましょう。

2. 壁においた左手を上方に5、6cm滑らせます。そこで数呼吸しましょう。

3. 次に右手も5、6cm上げ、数呼吸止まります。

4. 左右交互に行い、脊椎にそって少しでも伸展の感覚があるかを観察しながら、快適な範囲でできるだけ高く手を歩かせましょう。

注意:両手は同じ高さになっていますか?低くなってしまっている方を少し高くできるかどうか見てみましょう。

5. 低くなっている方のかかとを上げたら、腰の両側(両肩、両手も)がほぼ水平になるまで、足指の付け根を下に押し、低い側の骨盤を両肩に向かって少し持ち上げましょう。

そこで約5回横隔膜呼吸をします。


6. 次に、上げていたかかとを下ろし、両肩をできるだけ水平に保ったままゆっくり両手をもとの胸の高さまで下ろしましょう。




8. 壁落下


この練習を通して the Scientific Exercises Approach to Scoliosis にある腕立て伏せのような動きで、よりニュートラルな位置を保つ訓練をすることで脊椎湾曲の凸側を強化します。これはかなり難しい動きなので、前述の練習やプランク・ポーズが容易にできる強さがある人だけが行うようにしてください。

この「落下」を練習する前に鏡でアライメントを確かめたくなるでしょうが、理想的には、よりニュートラルなアライメントの感覚を徐々に記憶し、鏡の助けを借りずにその位置に近づけるようなるでしょう。


1. 壁に向かって腕の長さよりやや遠い位置で立ち、最初のポーズで確かめたよりニュートラルな山のポーズで姿勢を修正しましょう。(あなたの目標は、この脊椎のアライメントを次の動きの中でずっと保つことです。)体の前で両腕を伸ばし、手のひらは壁に向けて指先が肩の高さになるようにします。ここで息を吸います。

2. 息を吐いてゆっくりと壁に向かって「落下」していき、両ひじを曲げて手のひらを壁に着け、両手は胸の脇にして自分の体を受け止めます。(最初は、かかとが床についたままになるように壁近くに立つようにしてください。この動きがかなり簡単だとわかったら、壁から一歩下がりましょう。前方に落ちた時にかかとはやや上がるでしょう。)ここで息を吸います。

3. 息を吐き、壁から体を離すように手を押し、腕を前に伸ばした山のポーズに戻りましょう。ここで息を吸います。



10回、または疲れるまで繰り返しましょう。


ーーーーーーーーーーーーーーーー
次回に続きます。




(出典)https://yogainternational.com/article/view/a-yoga-sequence-for-scoliosis

2019年2月20日水曜日

脊柱側湾症のためのヨガ・シーケンス Vol.1
A Yoga Sequence for Scoliosis Vol.1



編集注:以下はヨガ実践者や指導者向けの一般的な推奨です。医療専門家の個人的な助言の替わりにはなりません。



脊柱側彎症で医師の許可があり湾曲症の理解を援助してもらっているのなら、マインドフルなアサナが腰痛や呼吸困難といった一般的な症状の予防や治療に効果のある役割を務めることが可能かもしれません。


腰痛の秘密:女性の腰痛の本当の理由と治療法」の著者である理学療法士のビル・リーフによれば、脊柱側彎症のあるヨギと彼らの指導者がいくつかの事柄を頭に入れておけば、ヨガの力が増大する可能性もあります。この記事では、どんな種類のヨガでも脊柱側彎症にとってどうすれば最適に行えるかについて一般的なヒントを提供します。以下は、ヨガと理学療法から選んだ動きで、多くのヒントを含んでいます。


「脊柱側彎症のヨギは、見てわかるように鏡を使って脊柱をニュートラルなアライメントに近づけるとよいでしょう。よりニュートラルな位置に保つには筋肉を働かせる必要がありますが、動きを徐々に強くしていくことで脊椎の凸側を強化でき、側屈のようなポーズは凹側を伸展させてくれるでしょう」とリーフは要約します。


特に2段階あるいはS字の湾曲がある場合、どちらが凹(短く内に曲がっている)でどちらが凸(で長く外に曲がっている)なのかを覚えておくのは、生徒だけでなく指導者にもわかりづらいものと彼は認めています。生徒や指導者が湾曲とその影響についてよくわかっていないこともあれば、他の合図を出した時にそういった湾曲をずっと心に留めておくことが困難な場合もあります。こうした理由から、左側一方や右側一方のポーズではなく、両側に非対称のポーズを行い、より困難な方にもう一度繰り返すようにするとよいことをリーフは気づいたのです。


この方式は以下の練習のポーズの多くで使われていますが、どちら側がより困難なのかが一度わかれば、再度その方向に繰り返さないで、強く柔軟になるよう単純にそこにさらに5呼吸止まりましょう。


各ポーズで何呼吸ホールドするか、何回繰り返すか、何回休むかによりますが、以下の全てのシーケンスを行うにはおよそ1時間かかります。


脊椎側湾症の人がこうした練習から効果を得るためにはどれくらいの頻度がよいのでしょう?リーフによれば、多くの要素に依存するといいます。
「座ったり立ったり、また肉体労働をする人、痛みや呼吸困難などの症状がある人は、こういったかなり長時間の練習を毎日行うと効果があるでしょう。
より活動的だが重いものはあまり持たない、症状が軽いなどの人は、長時間の練習は週に2回程度でよいでしょう。しかし何らかの練習を毎日行うことが重要です。
痛みのない生徒であっても、彼らに最善だと思われるポーズを少なくとも1、2種類毎日行うことを推奨します。
長期の側弯症の場合は、トレーニングする脊椎の場所を常に「覚えておく」ことが必要です。そうでなければ、古い異常な湾曲を身体が「記憶」していてより慣れ親しんだ非対称へと戻る可能性があるからです」


全てというわけではありませんが、胸椎の右へのC字曲線、または胸椎の右と腰椎の左というS字曲線が最も多くみられるため、脊椎側弯症の人は左側の伸展と右側の強化からより効果を得られると感じるでしょう。
以下の非対称ポーズはこの曲線を考慮していることに注意してください。まず左側を伸展(あるいは右を強化)、そして反対側を行ったあとより困難な側で繰り返します。おそらくこれが主流でしょう。もし湾曲が逆だとわかっていたら、指示の逆に、困難な方から始めて次に簡単な方、そして困難な方で繰り返すようにしてください。自分の湾曲がわからないときは、理学療法士や医師に評価してもらいニュートラルな位置に戻すにはどういった調整が必要なのかを知ることは、大変役にたつはずです。


必要なものは、鏡(練習している自分がよく見えるように置く)、ブロック(ポーズ6で使用)、そしてストラップ(ポーズ16と17で)。最後のポーズ19では、ボルスターやブランケット、タオルが必要となります。


このシーケンスの強度を上げたいときは、スピードをあげるのではなくポーズの時間を長くするかポーズを繰り返してください(常にやりにくい方を長くするように)。強度を下げるには、ポーズ1から5では椅子を使い、次にポーズ9、10、12、15を四つ這いで行った後たっぷりとシャヴァサナで休みましょう。




シーケンス

1. 鏡の前での山のポーズ探求で自己修正


「鏡の前で立ったり座ったりすることが第一で、自分の状態を理解するのに最もよい方法です」

両足を骨盤幅に平行にして鏡の前に立ちます。両足を地面にしっかり着け頭頂に向かって引き上げることで背骨を伸ばします。どれくらい伸びましたか?骨盤、両肩、頭の位置を鏡で確かめます。腰や肩をどれくらい水平にできますか?頭が左右に傾かず中央にできますか?胸郭の左右が均等に前を向いていますか?胴をやや左右にわざと回転させると何が起こるかを観察します。片方に捻ると実際には「ねじ戻す」ように見えますか?(そして多分両肩も水平にしやすくなっていませんか?)




鏡の中でより「規則正しく並んで」いる位置を見つけたら、「胴体の筋肉を緊張させて、数呼吸その位置に留まります」このアライメントの感覚を忘れないように最善を尽くしましょう。この練習のいろんな場面で、鏡の助けがなくても戻ってくる位置なのです。



2. ディールガ・シュヴァサム


このプラナヤマは完全な横隔膜呼吸を促し、肺の容量が少なくなった脊椎側湾症には重要です。このバージョンでは、両手は腹部と上胸部に置きます。「上胸部は腹部のようには動きませんが、手をここに置くことで横隔膜呼吸の正しい動きに気づくことができます」

ポーズ1で作ったよりニュートラルなアライメントで立ち、片手をお腹にもう一方を胸に置きましょう。両目は開けたまま呼吸しながら鏡に作った自分の姿勢を見ましょう。

息を吸いながら、左右の肺が底から上まで満たされるのを想像します。お腹と胸郭下部を膨らまし、それから胸郭の中心あたり、最後に胸部の上部を膨らましましょう。息を吐くときは、左右の肺が上から下へと空になっていくよう想像します。上胸部を空にし、そして胸郭の中程、最後に肺の下部と腹部を空にします。呼気の最後には少し腹部を引き込みましょう。




窮屈に感じる場所に特に注意しながら、5〜10回繰り返します。肋骨同士がとても近付く箇所を膨らますようにしましょう。胸部曲線のくぼんだ箇所に起こることが多いです。息を吐くときも、そこが縮んでしまわないようにしましょう。疲れを感じたら、浅い呼吸を1、2回して休憩しましょう。


このプラナヤマに慣れたら、全てのポーズでディールガ・シュヴァサムのような呼吸をするようにしましょう。




3. 上方に手を伸ばす山のポーズ


このポーズは、背骨を伸ばすことができます。

鏡の前で山のポーズをとったまま、快適に行える範囲でできるだけ高くまっすぐに両腕を頭上に挙げましょう。鏡を見て片方の手がもう一方より低いことに気づいたら、その手を疲れない程度にさらに上げてみましょう。



左右の肺を底から上部まで呼吸で満たし、上部から下に向かって吐きながら、5呼吸ほどホールドします。



4. 立位の側屈


この優しい側屈は、背骨に沿った傍脊椎筋群と肋骨の間にある肋間筋をストレッチすることにより凹部に長さを作るのに役立ちます。

山のポーズで立ち、右手を右腰に置きましょう。左腕を挙げ、頭上から右へと伸ばして、安定が失われない程度に腰を左に動かします。視線は天井を見上げるか、右足の外側の床に向けます。(あるいは見上げるよう頭を回転させてから下を向く。)



ここで複式呼吸を5回行いましょう。そして山のポーズに戻り反対側も行います。より困難な側の方でこれを繰り返し、さらに5呼吸しましょう。



ーーーーーーーーーーーーーーーー
次回に続きます。




(出典)https://yogainternational.com/article/view/a-yoga-sequence-for-scoliosis

2019年2月8日金曜日

ヨガセラピストの人間観:5つの鞘 
A yoga therapy perspective on the human system: The panchamaya model

IAYTのサイトからヨガセラピーについてです。
ヨガセラピーの基本的考え方について書かれています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ヨガセラピストが考える個人というもののヨガ哲学は、タイッティリーヤ・ウパニシャッドと呼ばれる書物からきています。その第二章には、それぞれ繋がりあった5つの「鞘」、パンチャマヤ・コーシャ(パンチャ=5)という人間というものの認識モデルが書かれています。


第一は「食べ物のバスケット」であるアンナマヤ・コーシャです。この鞘は、食べ物によって持続しのちに食べ物になる私たちの一部です。次は、プラナマヤ・コーシャで、気や身体の生命力で呼吸とともに移動すると言われています。この2つは5鞘のなかで最も明確なものです。より微細な鞘は、低いレベルにある精神や直感的な衝動であるマノマヤ、命を理解できる高度な精神であるヴィジナナマヤから始まります。5鞘で最も微細なものはアナンダマヤ・コーシャです。(アナンダマヤ・コーシャはよく「至福」体だと誤解されますが、「至福」という概念自体が、私たちには「畏怖」と繋がることを通して「全ての意識」と繋がることのできる能力があるというパラダイムを正しく伝えきれていない)


これらの鞘はそれぞれ結びつき合っており、依存しています。ヨガセラピストは、患者が最も不快に感じている場所から個別に始めます。協力し合い、回復し、症状を最小化し苦痛を減らすための力を患者に与えるための治療プランを、協力し合って作ります。


対症療法では、身体をもっと機械的に見ています。何かが壊れたら直すというものです。身体の部分ごとに専門家がいて、構造的な問題には理学療法を行い(そして各臓器にも専門医がいて)、呼吸とエネルギーの問題には呼吸器の療法があり、精神の問題には心理学者と精神分析医がいて、精神的(霊的)な危機にはありとあらゆるタイプの聖職者がいます。


ヨガセラピーは、個人をもっと総合的に見ており、ページごとに分けられる本のようではなく、輪ゴムで作ったボールのようなものだと考えています。そのようにヨガセラピストは、これらの鞘の断絶を見つけて効果的に統合する「多面的な知識を持つ人」として援助することができます。統合された治療プランを作ることは複雑なので、患者のニーズによっては何回かのセッションが必要なときもあります。


認定ヨガセラピストは、ヨガセラピーの範疇を超えるかもしれない特別なニーズに対処するため、西洋医学の専門家とも協力してあたります。専門的なツール(ヨガポーズ、呼吸法、心像誘導、瞑想、ヨガ倫理に基づくライフスタイル指導)でほとんどの人に適切なケアプランを作ることができますが、より深刻で深いニーズもあります。患者がそういった場合に専門的訓練を受けたヨガセラピストは、より個人のニーズに合うよう適切な医療専門家と相談して治療にあたるのです。

2019年2月2日土曜日

滑液を理解する:関節の炎症をヨガで予防 
Understanding Synovial Fluid: How Yoga Can Prevent Inflamed Joints

YogaJournalからの記事です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ヨガは関節内の滑液を循環させるが、滑液が多すぎるのは炎症の兆候
ヨガが関節の炎症をどのように防ぎ、また治すのか



膝関節
各骨膜関節は繊維膜で覆われており、靭帯や腱とともに骨と骨を繋げる働きをしている。
関節包の内側は、滑液を作る滑膜でできている。


クラスが終わって生徒たちが気持ちよく温まってハッピーな時、私はチューンアップしてオイル交換したような気分かと冗談っぽく尋ねます。実際には、ヨガでそれ自体は変わらないのですが、液体を身体中で動かすという素晴らしい働きをします。血液は動脈・静脈を循環し、リンパは細胞の周りを流れます。どちらの液体からも代謝副産物が除去され,
血液には酸素と栄養が補充されます。ヨガはまた関節内の滑液を循環させますが、一般の認識とは異なり、この重要な物質の生成を刺激したり温めたりはしません。

では滑液とは何でしょう?ヨガで滑液が流れるなら、それによって私たちの健康や柔軟性にどんな効果があるのでしょうか?



滑液を理解する


滑液とは、ほとんどの関節を満たしている滑らかな液体です。別々の骨が交わり重なる場所が関節ですが、椎間板や骨盤の後ろにある仙腸関節など滑液を持たずとても限られた動きしかしないものあります。その他は滑膜関節で、自由に動くことができ、摩擦なく滑るように動けるよう骨の末端を保護する仕組みが必要となります。この仕組みは、骨の末端を覆う滑らかで白っぽい硝子軟骨、そして軟骨表面の空間を満たして骨の間のスムーズで痛みのない動きを促進する滑液からなっています。このやや粘性のある液体はまた、他の体組織と異なりそれ自体に血流のない硝子軟骨に栄養や酸素を送るため大変重要なものです。どんな関節の動きでも、滑液の流れを助け軟骨に栄養を与えます。ですからヨガポーズは軟骨に栄養を与えるのを助けるというわけです。

各骨膜関節は繊維膜で覆われており、靭帯(骨と骨を繋ぐ)や腱(筋肉と骨を繋ぐ)とともに骨と骨を繋げる働きをしています。関節包の内側は滑液を作る滑膜でできています。身体は自動的に、この滑りをよくする液体を必要な分だけ作っています。ヨガが滑液生成を刺激すると聞くと素晴らしいことに思えますが、実際にはその湧き出る泉が乾いたらいつでも、というわけではないのです。



炎症:滑液が過剰に


実際、滑液の量が問題になるのは多すぎる時だけです。これは炎症の一部で、腫れや痛み、赤み、熱などが現れます。炎症は損傷への身体の反応で、硝子軟骨の摩耗など関節炎のプロセスの一部でもあります。(骨関節症や自分の関節組織を攻撃する自己免疫疾患であるリューマチ性関節炎が進むと、滑膜も痛く炎症し骨が直接骨に当たるまで軟骨が摩耗することもあります。摩耗で起こる関節炎は通常高齢者に多く見られます。)

滑液生成が増えるのは(腫れることでわかります)損傷や炎症が起こっているので、ヨガで生成を刺激しようとは思わないでしょう。実際、私たち指導者は、何ヶ月も何年もストレスや怪我を防ぎながら関節をより健康に強くする方法で練習するよう生徒に勧めるべきです。関節のダメージを防ぐ最良の方法のひとつは、関節やその周りの痛みに気をつける、またそうした痛みを失くすためにポーズのアライメントを修正したり変更したりするよう教えることです。関節やその周りの痛みは次のどちらかに当たります。(関節を安定させるよう作られており過伸展の際に関節が過可動を引き起こす)靭帯や腱などの結合組織を過伸展している。あるいは、関節炎の原因となる関節面を圧迫している。ですから「関節の痛みは無い」のがルールです。関節への運動は、軟骨や周囲を損傷することなく関節の可動性をよくする方法を正確に知っている訓練された医療専門家に任せるべきです。

一方で、すでに炎症した関節のある生徒がいたら指導者はどうするべきでしょう?例えばよくあるのが足首の捻挫ですが、痛みがあり腫れていて、熱く、赤いかもしれません。足首の靭帯は、穴に足を突っ込んだりハイヒールで滑ったりして強く伸展してしまうことがありますが、どんな関節も靭帯や腱の損傷で炎症します。よくある例は、関節の状態以上にオーバーワークしたり、事故や運動などで起こる断裂です。ヨガ中で関節を炎症するまで働かせすぎるのは、おそらく間違ったアライメントで繰り返しポーズを取ることで靭帯や腱にストレスを与えている場合です。また、例えばかなり弱ってしまって萎縮してしまっている肩の筋肉は、たった数回の太陽礼拝でもすぐ使いすぎになりかねません。そしてもちろん、関節炎の関節はすぐ炎症を引きおこしてしまいます。



ヨガはどう滑液を循環させるか


ここでの結論は、炎症した関節は、その炎症を強くしたり長引かせたりするリスクが大きいため、決して痛みを感じるところまで押したり伸ばしたり、強く動かしたりしてはいけないということです。健康促進する方法で炎症に対応するようにすべきです。足首の捻挫を例にして問題解決を計りましょう。足首の捻挫は、一般的に包帯や固定具、ひどい時にはギプスで安定させます。これらにより動きを制限し、邪魔されることなく組織が治癒していきます。でももし替わりに、炎症した関節を動かしたり伸ばしたりしたら、なんども微小外傷を起こし治癒を遅らせ、もっとひどい怪我になるかもしれません。

ですから、炎症に対処する時は、強く動かすのは身体の別の場所にして、きちんと痛みや腫れが引いてしまうまで炎症した関節は比較的安静にするようにしましょう。関節を全く動かしてはいけないということではありません。優しいおだやかな動きは、靭帯や腱、筋肉への血流を促し、硝子軟骨へ滑液を循環させることで治癒を助けます。しかし、炎症や痛みが深刻な時、また改善がみられなかったり悪化した場合は、医療専門家に相談し、必要な検査を受け治療プランの指示を受けるようにしましょう。





2019年1月29日火曜日

年とともに体が動きにくくなる理由 
Why Do We Lose Mobility Over Time?


加齢プロセスにおける生体テンセグリティの役割

(訳注:テンセグリティとは張力によって構造を維持する力やその構造)


私たちは以前より長生きできるようになりましたが、加齢に伴って動きが制限され、若い時と同じような自由を謳歌することが難しい人も多くいます。徐々に可動域が失われていく速度を緩める方法はあるのでしょうか?それに対してヨガは役に立つのでしょうか?これらの問題に関して、ヨガセラピストであるダグ・ケラー氏の考えを聞いてみましょう。

体内のスペースが失われることが、徐々に可動域が失われていく最も一般的な原因のひとつだとダグ・ケラーは言います。


「結合組織の全体的なネットワークである筋膜は、テンセグリティ構造であり、その動きを維持しつつ骨と骨との距離を保っている」とダグは説明しています。「そのシステムに故障が起きると可動域が制限される。筋膜や軟組織が硬くなりすぎたり弱くなりすぎると、テンセグリティ構造のバランスに影響する。それにより、骨と骨の間のスペースが小さくなる。そして骨が擦れ合い始めると、軟骨が徐々にすり減って可動域を減少させたり関節炎を引き起こしたりする」

組織の破壊に対する炎症反応の結果として十分な運動が得られなくなるのも、可動域が狭くなる原因のひとつです。「筋膜は、毒素を排除したり免疫を維持するため、リンパ系よりも先に防御してくれる免疫の第一線だ」

「筋膜系には、老廃物を外に出す血管や心臓などの循環器がない。動きによって機能している。スペースが狭くなって骨が擦り合うと、骨関節炎などの炎症や体内構造の崩壊が起こる」

スペースがなくなって靭帯、軟骨、関節嚢が傷むと、慢性的な動きに伴う痛みが起こります。それにより、日常生活における活動が制限され始めます。そうなると、医師らの言う「痛みのサイクル」に陥る危険が生じてくるのです。



ヨガは「慢性疼痛のサイクル」を断ち切るのに役立つ


「慢性疼痛のサイクル」では、痛みを起こす動きを避けようとします。そうした動きを避けることで血流が減ってさらなる炎症となり、筋肉の状態が悪く弱くなり、さらに関節が悪化します。


疲労、不眠、社会的孤立、さらなる忌避行動につながり、これら全てが体の自ずから治癒しようとするのを妨げます。特に、一般的にあまり動かない高齢者ではより顕著となります。



このサイクルをどう断ち切れるでしょう?

運動、特に呼吸に基づいたヨガなどの運動がよいでしょう。

加齢に伴い、ただ動きというだけでなく、関節の統合性、潤滑、可動域を維持するようダグは勧めています。関節の健康的な可動域を使って身体中のスペースを保持するための様々な動きを取り入れることが重要です。


では、呼吸に基づいた、複数の局面を持つヨガの実践がどのように役立つのかを見ていきましょう。

「ヨガの良いところは、極端な可動域を狙う必要がないことだ。ヨガは、身体の可能な動きの面全てを網羅しており、関節を健康に保ち、筋膜系に栄養を与え、骨の間のスペースを維持するための筋肉の十分な強度を維持させるので、骨関節炎や主な関節の悪化など加齢に関係する問題を減らすことができる」

最近の科学によって彼の意見は裏付けられています。

ペンシルヴァニア大学の臨床医療教授でありリュウマチ学者のシャロン・コラシンスキ博士の膝骨関節炎の研究では、週一回90分の緩和したアイアンガーヨガのクラスを受けた者には疼痛の著しい減少と身体機能の向上が見られ、関節硬直にも明確な向上があったと報告されています。

「ヨガは関節炎の人とって疑いなくひとつの選択肢。エクササイズ効果だけでなく、精神と身体的効能がありリラックスを促しストレスを減少させる」とコラシンスキ博士は言っています。


加齢の進行に穏やかで美しく向き合うためのヨガに基づいたヒントを、ダグが教えてくれました。



ブラフマチャリヤ(節度):練習は優しく行う


ハタヨガ・プラディピカは、過度な努力がヨガをだめにするとしてやりすぎることに警告しています。たくさんするよりも、健康と幸福を保つのに役立つ練習が何なのかにマインドフルであるべきなのです。

それぞれの状態と関節の健康レベルに応じた範囲内で動かすことを、ダグは彼の患者に対し助言しています。「アサナの練習の主な目的は、臓器、血流、リンパなど身体の全てのレベルにおいて健康を保つため、筋膜系全体の統合性を維持するということ。ヨギがプラナと呼ぶものだ」

「私たちは、1はいい、だったら2はもっといいはず、ならば10やる方がいいに決まっているなどと、一所懸命になりすぎる。そして、より深く強くたくさんやるのがいいと。練習の正しい目的、つまりもっと自己を認識するということへの意識を失うのは簡単だ。自分にとって効果がある方法で行なっているだろうか?」



アヒムサ(非暴力):注意して運動し健康的なスペースを作る


ダグによれば、ヨガとは、身体の声をちゃんと聞く練習であり、どうすれば生き生きと健康だと感じる方法で運動し幸福を感じるられるのかを学ぶことです。

「体の声を聞くよう私たちは生徒に言います。しかし実際は、どのようにするかはいつもわかるわけではない。先生に尋ねるというよりは、自分自身を聞くことを学ぶところに一歩一歩繋がっていくのが練習だ。『ヨガが私を痛みつけているのか、それとも私のヨガへの誤解とそれに対する私の態度が私を痛みつけているのか?』と自身に尋ねる必要がある」


練習は、それぞれの状況、体重や生活スタイル、食事などに合わせて選択するべきなのです。同時に、乳酸などの炎症が原因の老廃物を体が燃やせるようにする方法が運動なのです。ですから、運動は重要ですが、それぞれの必要性や身体の限界を認識することもまた重要です。

ダグはこのように指摘します。例えば膝の骨関節症は、膝の屈曲を強めるとても深いスクワットのしすぎや、膝の伸展(ロック)しすぎ、そしてそれに伴う過可動が原因なのかもしれません。足をあげるところから正しいバランスをとるということが鍵なのです。



サムスカラ(癖や過去の行動):伸長と強化の間の最良点を見つける


テンセグリティに基づく練習は、体内にある自分の本質という感覚と再度繋がるために、強化と伸長の間にある健康的なバランスを含むものでなけれななりません。体内の神経のほとんどが筋膜にあり、そこでは身体がどこにあるのか(自己受容)また痛み(侵害受容)の両方のメッセージが脳へと送られる場所だとダグは言及しています。治療でダグは、患者を自己認識させるため彼らの姿勢と動きのパターンを観察することから始めています。

「自己認識が第一歩なのは、身体というのは自己修正し自己治癒する仕組みになっているから。行動を変えるには、まず意識を向け自己認識しなければならない。あまりにも多くの場合、他の目標や目的に惑わされて聞くのをやめてしまう。そうやって身体本来の自己治癒のシステムのスイッチを消してしまうようなものだ」



タパス(自己訓練):重力に抵抗する


悲しいかな、老化というのは重力との終わりのない戦いで、背中が曲がり筋肉が弱るのに屈するのがほとんどです。

「重力は、その力に逆らうことで実際のところ身体を跳ね返しているため、私たちの健康に必要なものだ。まっすぐ立とうとすれば、身体を健康に保つのと同じ方法で重力の引力に逆らって筋肉を活性化させる」

「しかし、これを忘れてしまうと重力に負け、当然もっと活動的である若年の頃持っているその弾性を失う。時間につれ、疲労したり感情的要因が現れる。少し諦めてしまうのは残念だ、なぜなら諦める必要がないからだ」



ヨガは若さの源なのか?


ダグは、ヨガの練習によってどれほど老化の影響を受けなくできるかについては断言していません。しかし、筋肉の質の向上、より素早い運動パターン、筋肉の柔軟性増加、より健康的な筋膜系を期待するのは無理なことではないと信じています。そしておそらく最も重要なことは、運動すると気分がいいということです。

「最悪だと感じる時、起きて外に散歩に出て何かをする。やりたくないと思っていても、最後にはやったことに嬉しく思う。単に筋肉や構造レベルで起こっている以上のたくさんのことが体内で起きているからだ。だから体が常になんらかの悪化へのプロセスを進んでいる間に、体が自ら再生しようとするプロセスをどれくらい手助けしているかが問題だ」と彼は説明する。

「もう一度言う、可能性の範囲は年とともに狭くなるがゼロにまでなるわけではない。そして、高齢になってもその運動能力を維持し、加齢の間も健康的で行動的なままでいられる人が大勢いるのを私たちは知っている」



2019年1月16日水曜日

サンカルパ:健康的な選択をするヨガ 
Sankalpa: The Yoga of Making Healthy Choices


YogaUOnlineからの記事です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
新年をなんらかの決心とともに迎えましたか?The Journal of Clinical Psychology(臨床心理学ジャーナル)によれば、アメリカ人の62%がいつも、あるいは時々決心をするそうです。

その裏にある数字はあまり楽天的なものではありません。同じレポートでは、92%がその決心が達成されていないといいます。実際、これを読むまでに誓いを立てた人の約30%がすでに諦めているのです。

ほとんどの人がそうなのです。「禁煙する」「借金を返す」そしていつも話題になるあれ、、「痩せる」とか目標は高いのです。いついつまでに禁煙するとか返済するとか8キロ痩せるとかを決めます。決心したら、インターネットや本、グッズを買ったりジムの会員になったり、ダイエットする方法を探したり。

あっと言う間に、多くの人が新しいルールをあきらめて静かに負けを認めているのです。タイミングが悪かったんだ、もっと条件がいい時期にやろうと自分自身に言い聞かせます。自信喪失、目標は高すぎ、体はいうことをきかない。早い話が、決心は崩壊。

何が悪いのでしょう?「決心」という言葉に戻ってみましょう。揺るぎなく不屈に聞こえますよね。そこにはなかなかたどり着けないのです。そしてその症状に取り組むという目標を立てますが、その原因の目標ではない。例えば、体重計の数字を目標にしてみても、食習慣と今の体重に対しての取り組みがない。そして、人間というのは恒常性が好き。習慣や行動を変えるのは大変なのです!意思や動機にかかわらずほとんどの決心は、基本的に維持できないのです。

結果を変える良い方法は、もっと大きな絵を見ることです。ヨガは、そのための確実は提案をしてくれます。



サンカルパ


サンカルパとは、心構えのことです。ありふれた決心よりももっと深く、心の奥から湧き上がってくる願望に向かうことで、人生の目標へと舵を切るものです。その方法はとてもシンプルです。批判的な言葉を使わず、私たちの切望(高い目標と呼びましょう)に向けた短い言葉を作ります。厳しいタスク・ベースの基準で「成功」を測るのではなく、育みたいと願う質を肯定的に認めるのです。限りのない可能性を信じて私たちの最善で真の本質に挑むのです。

サンカルパを行うときは、性格の欠点を表現しないようにします。体重を増やさない、飲み過ぎない、カードを使い過ぎない、などではなく、行いたいことをはっきりと楽しく愛着をもって肯定的な言葉にします。過去の行いを振り返るよりも、今や未来について語るのです。
例えば・・・


  • 共感と思いやりをもって自分人を受け入れる。
  • だめな習慣を認めてこれからも変えていく努力をする。
  • この瞬間に幸せであるために必要なもの全てを持つ。

もっと具体的にしてもいいでしょう。だめな習慣を変えるというのが大きすぎるのなら、同じ意味の言葉で少しずつ細かく表現してもいいでしょう。


  • 体が可能な範囲で、楽しく感謝をもってエクササイズする。
  • 強い欲求は一時的なもので他の何かを必要としているという信号だと認め、新鮮で健康的な食事をする。
  • 禁煙の辛さは、自分の健康と幸福のために必要だ。




サンカルパを作る


達成不可能な目標を掲げるというより既に内にあるものを発見するというものなので、サンカルパを作るには、少し静かに考え深く耳を傾ける時間が必要となります。そのためには、自省や独習の意味を持つ「スワディヤーヤ」とよばれるヨガの練習を用いることができます。

はじめに、これからの数日か数週間、静かに座って魂に問いかけましょう。判断や期待を捨てて、心の中に何が本当にあるのかを尋ねましょう。今の行動をさせているのは何なのか?変わろうとさせているのは何か?人生の目標により近づく道を進むための行動とは何なのか?どんな言葉があなたを奮い立たせるのか?

目標ができたら、最も効果的にそれを強固にさせる方法を考えましょう。何度も行うことが大切です。これは、1、2度口にして忘れてしまうような簡単な宣言ではありません。サンカルパを、根を張り育つために栄養を与えて洗練させていく強い種だと考えましょう。どこでどのように行うかは、あなたが何と共鳴するかによります。

もし瞑想の練習をしているなら、目標はマントラを唱えるとか、瞑想の始め方や終わり方になるかもしれません。洗面鏡のメモや、机の上の小さな額に入れたカードがサンカルパを思い出すきっかけになるかもしれません。目標を見失わせる誘惑や欲望が邪魔をするときは、もう一度繰り返して思い出すこともできます。

ところで、サンカルパの概念がより日常の行動と相容れないというわけではありません。例えば、新鮮で健康的な食事をするには、食事計画やオンラインのサポートグループ、栄養士の協力でうまくいくこともあるでしょう。微細な違いですが、心の底からの愛情ある意思で動機付けられた行動は、負担が大きかったり一時的なものにはなりにくいのです。


失敗ですって?徐々に習慣を変えるのが目標なら、失敗はありません。ただ継続するにつれ前進するだけです。もとの習慣に戻ってしまう瞬間も成長の機会となってくれます。敗北の印ではないのです。





2019年1月10日木曜日

米・2012年以降ヨガ・瞑想人口激増 
The growth of yoga and meditation in the US since 2012 is remarkable


瞑想をするアメリカ人は3倍に、ヨガは55%アップ


ヨガと瞑想という2つの古代の実践は、今やアメリカで最も人気のある代替健康法で350万人の成人が行っている。

「Centers for Disease Control and Prevention(疾病管理予防センター)」によるヨガと瞑想、カイロプラクターの2012年から2017年までの変化をみた2つのレポートの言葉である。

2017年、CDCの国立健康統計センターによるアメリカの成人の調査では、過去12ヶ月で約14.3%がヨガを行ったと答え、14.2%が瞑想をしたと報告されている。2012年にはのヨガをしていたのは9%、瞑想は4%と増加している。

そしてそれは成人だけではない。ヨガや瞑想をする子供達も増えている。2012年には瞑想をしたことのある子供は0.5%にも満たなかったが、今では5%だ。子供のヨガは2012年の3%から昨年は8%まで増加した。

またレポートでは、アメリカ人のカイロプラクターの利用のやや小さい増加も示しており、2012年の9.1%から2017年の10.3%へと増えている。

ヨガや瞑想の大きな増加は、スタジオやクラス、無料オンラインアプリなどの急増によって明らかに行いやすくなったことにある。

しかし、不安症や注意散漫などの精神的問題や慢性疼痛などの肉体的問題に悩む人々が増えるにつれ、彼らは薬に頼らない治療法を探しているのだ。

「私たちの文化には、不安やストレスを増加させる力がある。恐怖に関するメディア内の大量のメッセージなどがそのひとつだ。そしてこれは人々を不安させる」ウィスコンシン・マジソン大学の神経科学者で、健康精神センターの創設者であるリチャード・デヴィッドソンは話した。「現代の状況に人々が折り合いをつけるのに役立つヨガや瞑想などへの関心が増えてきたのだと思う」その一方で、デヴィッドソンなどの科学者らは、ヨガや瞑想が少ない副作用で広い範囲の健康問題に少なくとも何らかの効果があることを見出している。では、健康のためにヨガと瞑想が もたらすであろう効能について簡単にまとめてみよう。



ヨガに期待される健康への効能



ヨガの健康効果を研究してきた研究者らは、おそらく様々なエクササイズと同じように健康によいと言う。しかし、特に腰痛の緩和、そして病気を寄せ付けなくさせる体内炎症の劇的な緩和に有望であるようだ。

また、いくつかの任意の実験では、ヨガは糖尿病患者のQOLを向上し、循環器疾病のリスク要因を下げ、高血圧の管理にまで役立つと示している。

どうしてこれが可能なのか?ひとつの可能性は炎症に関係がある。

炎症は2通りに考えられる。有用な炎症は、細菌が入ってきた時体の免疫システムが反応したものだ。有害な炎症もある。ストレスを受けると、体の炎症反応が過剰になってウィルスや病気と戦うのを妨害するのだ。運動不足や肥満、不健康な食事をしている人には高レベルの有害な炎症がある。そして、癌や循環器病、糖尿病などの様々な慢性疾病と炎症には関係があるということがわかっている。

太極拳や瞑想など他の心身エクササイズと同じく、ヨガは有害な炎症を減少させるのに特に有益であるようである。2014年の心身療法の免疫に対する影響についてのメタ分析では、ヨガが炎症ベースの血液マーカーを減少さえることがわかった。乳がん患者と乳がん生存者の女性に対する任意のコントロール実験でも同様であった。

UCLA医学部のマイケル・アーウィンは、炎症と心身エクササイズの2015年の記述報告の著者のひとりであるが、「炎症を減少させるために必要な有酸素運動を考えるとすれば、それはかなり強度を高く維持しなければならない」しかしヨガは、と彼は続ける。「(アイアンガーのストレッチのように)最小レベルの運動で大きな効果が得られる」その理由はまだわからないが、ヨガや太極拳、瞑想の瞑想するという要素が何か関係があると研究者らは考えている。


ヨガはまた、短期的にも長期的にも腰痛を緩和するのに役立つ。2017年に発表されたヨガと慢性腰痛に関する「コクラン・システマティック・レビュー」は、特にアイアンガー、ハタ、ヴィニヨガに注目した研究結果を総括している。

エクササイズをしなかったコントロールグループと比較したヨガによる腰機能の3ヶ月、6ヶ月後の軽〜中程度の向上には、低〜中程度の根拠がある。ヨガはおそらく3、6ヶ月で痛みにやや効果的であるが、その効果は決められている臨床的重要性の最低限を満たしてはいない。

つまり、これで全て終わるという治療ではないが、効果があるという証拠はあるということだ。したがって、2017年2月、米国内科医師会は医師と患者に、エクササイズや鍼、太極拳、ヨガ、カイロプラクティックなどの「薬物以外の治療」を勧めており、可能ならば薬の処方や外科的選択を避けるようにも促している。



精神鍛錬のために人間がもつ最高のツールのひとつが瞑想



マインドフルネス瞑想は、2600年前ブッダの教えから東および東南アジアで行われてきている。ビルマのS.N,ゴエンカが言うように、ブッダが教えたのは偏狭な宗教ではなく、むしろ生き方であり、明晰さ、心の平和、苦からの解放のためのツールである。過去数10年間で、ティク・ナット・ハーンジョン・コバット・ジンチョギャム・トゥルンパ・リンポチェタラ・ブラックジャック・コーンフィールドらにによって西洋にもたらされた。

瞑想の目的は、時に心を無にすることだと誤解されている。しかし、デヴィッドソンが言うように「実際は、私たちの心の本質を発見すること。むしろ探求、究明、開拓であり、私たちが誰なのか究極的に向き合うこと」

乱れた心と体を安定させるその力は、神経科学者、心理学者、そして医師らが魅了されるものとなっている。「瞑想は自己統制で、感情の支配から解放してくれるもの」『Why Buddhism Is True』の著者である革命的心理学者のロバート・ライトはインタビューでそう答えた。「不安から自責までそういったものを実際の身体的苦痛ととらえ、それらの支配から自分をある程度解放する視点を持つテクニックだ」

最近、臨床で科学研究者らがマインドフルネス瞑想が不安や鬱、痛みも減少させることを示している。

任意に管理された瞑想と精神衛生に関する実験は少ないが、アメリカ医療研究品質局のジョーンズ・ホプキンスによる2014年のメタ分析では、特にマインドフルネスの瞑想は、成人の鬱や不安症、痛みに対し投薬と同様の効果が副作用なく期待できることを発見している。瞑想はまた、精神的苦痛をより低いレベルにまで下げることがわかっている。

また瞑想は循環器病を防ぐ効果がある可能性がある証拠がいくつかはあるが、米国心臓協会が2017年に述べたように「全体的な質、また研究データの量が多くない場合もある」

子供に関しては、より多くの学校がマインドフルネス瞑想を取り入れ始めている。子供の瞑想に関する研究はまだ初期段階だが、 Journal of Child Psychology and Psychiatry (子供の心理学と精神医学ジャーナル)に10月に発表された任意管理実験のメタ分析では、マインドフルネスを基に児童と青年に対して行われたが、実行機能、注意、鬱、不安、ストレス、好ましくない行動などに明らかに好影響があった。

ヨガや瞑想はかなり注目されてはいるが、CDCのデータではこれらに接する機会は均等ではない。ヒスパニックや黒人の成人と比べて白人成人の方がよりヨガや瞑想を行なっている。

そしてヨガや瞑想をビジネスチャンスだと見る人が増えるにつれ「信頼性を維持し誠実さをもって教えるようにするのは難しい課題」とデヴィットソンは言う。つまり、歴史の長いこれらのに敬意を払いながら厳密に広く伝えていくことだ。

CDCの新しいデータの重要なことは、これらの実践を試してみる選択を私たちが持っていることだ。チベット仏教の瞑想テクニックでもアイアンガー・ヨガでも、アプリやビデオ、対面のクラスなど。「誰にでも合うというものはない」デヴィッドソンは言う。「アプリで効果がでる人もいるし、そうでない人もいる。でも、デジタル製品にますます注意を払わされている今、精神を鍛えることがすぐにでも必要とされているんだ」






(出典)https://www.vox.com/2018/11/8/18073422/yoga-meditation-apps-health-anxiety-cdc?fbclid=IwAR03Ph-1Rzx2lcqq4waF-r_9GWQoOgYNnT2hWzWMPIXcl-Lk73KZcXxrIyU

2018年12月24日月曜日

健康的なハムストリングスのための7つの方法 VOL.3
7 Strategies for Healthy Hamstrings


さて、ハムストリングスのためのヨガ、後半です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

4. 大臀筋とハムストリングスを鍛える


大臀筋とハムストリングスが一緒に働いて、股関節伸展をさせることを思い出しましょう。毎日何時間も座って股関節を屈曲させる副作用のひとつに、慢性的に大臀筋が伸びハムストリングスが短くなるということがあります。

筋肉は、容易に収縮し弛緩できる時により効果的に働きます。ある位置で動かなくなるとこれを妨げるのです。そうすると筋肉はほとんど「怠けた」状態になり、働かせるのがより困難になって働かせようとしてもうまく働かなくなります。短くなる位置に止まるだけでなく、ハムストリングスは「怠けた」大臀筋の代わりに縮むことが多いです。この重労働に応えようとして、ハムストリングスが硬く緊張して炎症することがしばしば起こります。当然の反応として、私たちはハムストリングスをストレッチ(ヨガでよく行いますね)しますが、炎症した筋肉をストレッチするともっと緊張してしまうことがあることに気づく人も多いでしょう。その一方で、大臀筋とハムストリングスを鍛えて、同じ場所に長時間いるために起こった緊張や炎症を和らげることで、それらがより効果的に働くことを促進できるかもしれません。

理論的には、脚を伸展させたり(例えばダウンドッグから片脚を上げるなど)股関節の屈曲から伸展に移る(前屈やランジから立ち上がるときなど)たびに、臀筋やハムストリングスが使われます。しかし練習では、体は弱い箇所を補うことが得意で、代わりに脊柱起立筋や股関節外旋筋(梨状筋、双子筋、閉鎖筋)などより強い筋肉を使いがちです。ですから、ブリッジ・スライドのようなエクササイズでは大臀筋やハムストリングスを特定することに価値があるのです。

試してみよう: 滑らかな堅い床の上でブランケットかタオルを手が届く場所に置いておきます。両ひざを曲げて仰向けで横たわり、右足をブランケットの上に左足は床の上に置いておきましょう。両足と両ひざは骨盤幅にし、両かかとは坐骨にかなり近いところまで近づけておきます。両足を踏ん張ってお尻と腰椎を持ち上げて、膝から肩まで体がまっすぐになるようにします。必要なら、足首の真上に膝が来るように調整しましょう。

腰を上げ続けるのに大臀筋を使うことになります。下腹部をすくって尾骨を膝の方に伸ばすと背筋を使いそうになるのを防ぐことになり、両膝を外に開かないで骨盤幅にしておくと股関節の外旋筋を使うのを防げます。

右足のかかとに体重を移しましょう。右脚が伸びきるまでかかとを滑らせ、そして右のハムストリングスを使ってゆっくりと右かかとを右膝の下まで引き戻しましょう。5-10回繰り返してから、ゆっくりと腰を床に下ろし反対の脚に移ります。




このエクササイズが簡単に感じるようなら、両足をブランケットにのせて同時に動かしましょう。



このエクササイズを毎日か一日置きに最低1ヶ月繰り返すと、臀筋とハムストリングスの自然な強さのいくらかを取り戻すことができるはずです。



5. 股関節屈筋と四頭筋を解放する


体の前面にある股関節屈筋と四頭筋は、体の後ろにある大臀筋とハムストリングスの拮抗筋だということを思い出しましょう。四頭筋は通常ハムストリングスよりも強いですが、ヨガには四頭筋強化(平均的なクラスで何回戦士のポーズや椅子のポーズをやるか考えてみて)や、ハムストリングスのストレッチ(ウッターナサナとダウンドッグで始まってどんどん続きます)がたくさんありますが、その逆はほとんどないのです。そのうえ何時間も座っていると、もっとバランスを崩して前面の筋肉が短く硬くなり後面の筋肉が弱くなっていくことに気づくでしょう。時間が経つにつれ、このバランスの崩れは骨盤を前に引きハムストリングスをより緊張させるのです。

大臀筋とハムストリングスのストレッチをよく行うことが均衡の片方に働き、股関節屈筋と四頭筋を定期的に解放することがその反対側に働きます。頑固な股関節屈筋と四頭筋の緊張を優しく解きながら、より長時間リラックスできるポーズはとてもよいことです。私のお気に入りは陰ヨガのハーフ・サドル・ポーズです。

試してみよう: 座ります。左に体重をかけて右膝を曲げ、右かかとを右のお尻の外側近くに引きましょう。つま先を伸ばして足の甲を床に下ろしましょう。快適に感じるために必要ならば小さなタオルか畳んだマットを引きましょう。両手にもたれ、腰を少し浮かせて仙骨を両ひざ裏の方向に伸ばします。この少しの骨盤後傾が全ての四頭筋群や腰筋を伸ばすのに必要なのです。すでに右の股関節や腿の前にストレッチを感じていたら、左脚に快適なポジションを取りながら、そこにしばらく快適に止まりましょう。




そうでなければ、ボルスター、重ねたブランケットやクッションなどの上、あるいは床の上か、快適に感いじれるところで横たわりましょう。もし右膝に圧迫を感じていたら、左腰にもっと体重をうつしましょう。もし腰に少しでも圧迫を感じたら、もっと骨盤を後傾しましょう(そうするために半分サイズのブロックか、きつく畳んだブランケットの上に股関節をのせる必要があるかもしれません)。




左脚は最も快適なところにおいておきましょう。曲げた左膝を外に開くと(上図)右腿のストレッチが緩み、左足を床に押し付けて膝を天井に向けると(下図)ストレッチが深まります。



理想的な場所がみつかったら、そのままスムーズに呼吸して3分以上止まりましょう。準備がでいたら、ゆっくりと左側に転がって左脚を伸ばし、横向きか仰向きで横たわって数回優しい呼吸し感覚を感じたあと、反対側に移りましょう。このストレッチを週に2-3回行って四頭筋とハムストリングスのバランスをよくしましょう。



6. ハムストリングスとふくらはぎの筋肉バランスを整える


解剖学的な広い視点に戻ると、ハムストリングスの股関節伸展における協力筋は大臀筋で、拮抗筋は股関節屈筋と四頭筋でした。ハムストリングスの健康を考えるなら、ハムストリングスを膝屈曲で補助する腓腹筋もチェックするのは理にかなっているでしょう。

この表面にあるふくらはぎの筋肉の2頭は大腿骨の両サイドに着いており、ふくらはぎを通って(ふくらはぎ深部の筋肉、ヒラメ筋に沿って)、アキレス腱になりかかとへと入ります。膝を曲げて足をそらす(足先を脛の前面に向かって動かす)ことで、この筋肉を伸ばすことができます。ですから、腓腹筋の緊張はダウンドッグでかかとが浮いてしまう理由のひとつになるのです。聞き覚えがあるなら、あなたの腓腹筋は、膝屈筋の自然な関係性を変えてしまうほど堅くて、ふくらはぎのストレッチに時間を割く方がいいのかもしれません。。

試してみよう: 巻いたブランケットか巻いたマットを壁に平行に、腕の長さくらい離して置きます。片手か両手を壁に置いて支えにし、巻いたプロップスの上に足指の付け根で立って、かかとが床に向かってゆっくりと重力で降りるようにしましょう。両脚はまっすぐに保ち腓腹筋のストレッチに焦点を当てましょう(膝を曲げるとヒラメ筋に効きます)。





もしこれが簡単に感じたら、同じようにかかとが降りていくよう、ダウンドッグやウォリアーIの後ろの足で行ってみましょう。最低3-5回ゆっくりと呼吸し、かかとの重みで徐々にふくらはぎの筋肉が長くなるようにしましょう。このストレッチを毎日か一日置きに行って、膝屈筋がバランスを取り戻してハムストリングの緊張が解けるか確認しましょう。



7. 健康的な血流を取り戻す


健康的な筋肉というのは、強く柔軟であるだけでなく淀みのない血流によって栄養が行き渡っています。毎日ハムストリングスの上に何時間も座っていれば血流が減流可能性があります。座っている時間を減らしたり、定期的に休憩したり、様々な形でストレッチしたり、副交感神経に働きかけて筋肉の慢性的な緊張を解いたり、ハムストリングスの強化をしたり、こういったことはすべてそれぞれの方法で健康的な血流を促します。もうひとつの効果的であろう方法は筋膜リリースです。狙った圧をかけて筋肉と筋膜の緊張を解いて血流を促します。

試してみよう: テニスボールかゴムのマッサージ・ボールを2個用意します。体の前に幅の狭いV字になるよう両脚を伸ばして座りましょう(快適でなければ堅い座面の椅子に座ります)。マッサージ・ボールを、坐骨から3-5cm程度の腿の下にひとつずつ置きます。両脚をリラックスするか優しく左右に転がしましょう。それが快適であれば両手か椅子の背にもたれましょう。2回深い呼吸をしたらさらに3-5cm下へと動かして同じように行い、膝まで3ぶんの2あたらにくるまで続けましょう。ボールが脚の裏側を動くにつれ、体重をかけるようにやや前方にもたれて、ストレッチというよりもボールの上で両脚が重たく載るように集中しましょう。





ボールを取り除いて2-3分経ったら、仰向きに横たわってハムストリングスになにか変化を感じるかみてみましょう。痛みや炎症を感じたらやめるようにして、週に2-3回この練習を繰りかえしましょう。刺激によってハムストリングスが快適に感じるか観察します。


結論


ハムストリングスの柔軟性は、ヨガの練習と通常関わりがありますが、長期的なハムストリングスの健康への道というわけではありません。それらが周りの全ての筋肉とともにバランスよく働くことができるのは、大きな視野でハムストリングスを考える時だけなのです。