2021年3月22日月曜日

ヨガの逆転ポーズ:逆転ポーズとその効果 Voi.2 
Yoga Inversion: A Guide to What It Is, and How You Can Benefit

 

それでは、逆転の記事から比較的容易なポーズを紹介した部分です。

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ヨガの逆転アサナ(ポーズ)


以下は初心者でも行える4つのアサナです。

1. 下向きの犬のポーズ (アド・ムカ・シュヴァナサナ)


下向きの犬のポーズは、最もよく行われるアサナの一つです。その対象はハムストリングス、臀筋、四頭筋、そして上背部の筋肉群です。

  1. まず四つ這い、つまり両膝と両手を地面につけます。
  2. 両手は肩の真下、膝は股関節の真下に置きます。
  3. 両手を真下に押し、骨盤を天井に持ち上げながら両脚を伸ばしましょう。踵は地面からやや離れていても構いません。身体が上下逆のV字型になります。
  4. 膝を少し曲げて背骨を伸ばし、頭は肩の真ん中において下を向きましょう。ハムストリングスと上背部に少しストレッチを感じるはずです。
  5. 体重は、身体全体に均等にかかるようにします。
  6. そこで30-60秒ホールドしましょう。




2. 両脚を壁に上げるポーズ(ヴィパリタ・カラニ)

両脚を壁に上げるポーズは、脚をストレッチして腰痛を和らげる優しいポーズです。

  1. 床と壁の角に畳んだタオルを置きます。そのタオルの上に座り床に横たわりましょう。両脚を壁に立てかけて、踵が床と平行になるようにします。
  2. 坐骨や臀部が壁から数センチ離れるように、また尾骨や仙骨が畳んだタオルの上に乗るようにしましょう。
  3. 膝をリラックスして両脚が優しく壁に触れた状態にしておきます。優しいストレッチを感じるでしょう。
  4. この姿勢で5ー20分間ホールドします。この間、ゆっくりとしたこ呼吸を練習しましょう。



3. 子供のポーズ(バラサナ)


子供のポーズは、穏やかさを促進し、背骨や腰、肩、首などを優しくリラックスさせる簡単で強度の低いポーズです。

  1. まず四つ這いになりましょう。
  2. お尻を下げて踵の上に座り、膝の上に胸をおろして、額を床に着けます。
  3. 手のひらを床に向けて両腕を体の前に伸ばします。背中に優しいストレッチを感じるでしょう。
  4. Hold this pose for 30–60 seconds.このポーズで30-60秒ホールドしましょう。




4. 前屈のポーズ(ウッタナサナ)


前屈ポーズは背骨、ハムストリングス、ふくらはぎをストレッチするのに役立ちます。

  1. まず、両脚を股関節幅に開き、両腕を体の横から頭上へと伸ばしましょう。
  2. 優しく両腕を体の横に振り下ろしながら、股関節から曲がります(背中を丸めないようにしましょう)。
  3. 手のひらを足の前の床かヨガブロックに置きます。膝をやや曲げて両脚を真っ直ぐに保ち(膝は固定しない)、股関節が足首と並ぶようにしましょう。
  4. 少し前方に寄り掛かり、足の母趾球に体重をかけます。大腿四頭筋(腿の前)を使ってハムストリングス(腿の裏)をストレッチしましょう。
  5. 頭を垂れてこのポーズで30-60秒間ホールドします。







逆転アサナに慣れてきたら、もっと難しいポーズを試したくなるでしょう。カラスのポーズ(バカサナ)や、ヘッドスタンド(サーランバ・シルシャサナ)、羽で飾った孔雀のポーズ(ピンチャ・マユラサナ)、ハンドスタンド(アド・ムカ・ヴルクシャサナ)や車輪のポーズ(チャクラサナ)などです。より難しいヨガの逆転に進む際には、医師などの診断を受け流ようにしましょう。



結論


ヨガの逆転は、怖く感じるかもしれませんが、血流や柔軟性、体力、エネルギーレベル、自尊心などを促すなど多くの効果があります。

 
ヨガの逆転は、一般的には安全ではありますが、妊婦や循環器の病気、怪我などのある人には難しかったり安全出ない場合もあります。また、初心者には向かず経験のあるヨギだけが試してもいいようなポーズもあります。


ヨガの逆転を始める前には、初めてのポーズ、アドバンスのポーズなどの前に必ず医師などと相談することが大切です。


ヨガの逆転ポーズには多くの効能があるので、毎日の運動に取り入れていくと良いでしょう。








2021年3月19日金曜日

<日記>世界睡眠デー

今日は、世界睡眠医学協会(World Association of Sleep Medicine)が定めた「世界睡眠デー」です。


今年のスローガンは 「Regular Sleep, Healthy Future」
規則正しい睡眠、健康な未来、という感じでしょうか。


ある調査によると、日本人の睡眠時間は、OECD加盟国中で最も短いそうです。
確かに朝早くから夜遅くまで働く(遊ぶ?)日本人のイメージがありますね。


私自身は、睡眠不足がもっとも体調に影響するので(肌の調子も違う)ため、
毎日必ず7時間以上は寝るようにしています、というかそれ以下だとスッと起きられません。
ひどいときには10時間でも眠れる時もあります、
これは、体質にもよるので、誰にでもお勧めできることではありませんが。。。


ヨガや瞑想、毎日規則正しい時間に就寝し起床することなど、不眠を予防する方法がいくつかあります。
以前の記事も参考にされてみてください。



それでは、今夜もよい眠りを・・・zzz



呼吸の「失われた技術」が睡眠や回復に影響する 
How The 'Lost Art' Of Breathing Can Impact Sleep And Resilience



睡眠はスーパー・フード 
Sleep is a Superfood



2021年3月18日木曜日

ヨガの逆転ポーズ:逆転ポーズとその効果 Voi.1 
Yoga Inversion: A Guide to What It Is, and How You Can Benefit


ヨガの逆転ポーズにはさまざまなものがあり、サンスクリット語でも知られていますが、心臓や腰が頭より上になるポーズのことです。

怖いと思うかもしれませんが、大丈夫です。ヨガの逆転ポーズは、簡単なものから始められ徐々に難度を高めていきます。簡単に言えば、ヨガの逆転は前屈のようにシンプルなものもあります。熟練者にとっては、ハンドスタンドも含まれるでしょう。

ヨガの逆転の目的は、柔軟性や血流、エネルギー、自尊心をも向上させることです。そのいわゆる効能がどうであれ、逆転ポーズがあなたにとって安全で正しいことなのか不安に思うでしょう。

この記事では、ヨガの逆転ポーズの健康効果、考えられる危険、そしてビギナー向けのポーズを紹介していきます。



ヨガの逆転ポーズとは?


ヨガの逆転ポーズは、ヨガポーズ(ヨガアサナ)の分類で、頭が心臓や腰より下になるもの、つまりは通常の垂直にたった姿勢から体を「逆転する」ものです。

地面から心臓の距離が頭よりも高いポーズは全て、逆転ポーズと考えられます。ダウンドッグ(アド・ムカ・シュヴァナサナ)、壁に脚を挙げるポーズ(ヴィパリタ・カラニ)、ヘッドスタンド(サーランバ・シルシャサナ)などよくみられるポーズも逆転に含まれます。

ヨガの逆転ポーズは、緊張を解き、血流やエネルギーレベルを上げ、筋肉を強化すると考えられています。また、感情的な成長を促し、精神や魂を鎮静化し、エネルギーを心臓へ送り、より地面とつながるのに役立つと言われています。

逆転アサナは簡単なものから難しいものまで幅広くあるので、経験や強さ、健康状態、過去の怪我などにしたがって選択する必要があります。

健康な人であっても、それぞれのアサナを安全に行い、怪我を防ぎながら最大の効能を得る方法を知ることが大切です。




ヨガの逆転ポーズの健康効果


ヨガの逆転ポーズには多くの効能があります。以下は、研究結果が示しているものです。(詳細は一番下のリンクからソースをご覧ください)

血流をよくする

ヨガの逆転ポーズは、血流やリンパの流れをよくし、酸素や栄養を体全体に運び老廃物を取り除くのに役立ちます。

逆転ポーズは、骨盤から心臓へ、そしてそこから酸素を受け取るために肺へ流れる静脈血の流れを刺激します。このポジションはまた、心拍数を下げることで血液がより多くの酸素を取り込むのを助けます。


エネルギーレベルを増加する可能性

ヨガの逆転ポーズは、敏捷性やエネルギーレベルをあげる可能性があります。

理論上は、体を逆転するポーズは、敏捷性をあげて疲労を回復する可能性があります。それは、細胞に取り込まれる酸素や栄養が増え、ドーパミン、ノルエピネフリン、セロトニンなどのエンドルフィンが分泌され、注意力が増して気分が向上するからです。

さらに、上下が逆になることは集中力を要するため、徐々に、どんな状況に出くわした時も集中できる能力が向上するでしょう。


柔軟性と体力が向上する


全ての年代において、ヨガでバランスや柔軟性、体力を向上することができることが知られています。

逆転アサナは、心身への大きな気づきと、重力に逆らいながら伸展した位置で体を支えるための体力を必要とし、それによって筋力や忍耐力、柔軟性が徐々に向上していきます。

各ポーズは異なる筋肉群に効き、四肢全体の柔軟性や強さが高まり可動域が広くなります。

ヨガの逆転ポーズに特定した研究は存在しませんが、ある研究では、下向きの犬のポーズを週2回10週間行ったところ、膝と股関節の伸展に著しい向上がみられ、ハムストリングスや腰の柔軟性が高まったことを示唆しています。


自信が高まる


ヨガの実践は、自尊心や体のイメージ、全体的な自信を上昇させると考えられています。

特に、ヨガの逆転ポーズを正しく行うためには時間と練習が必要であるため、謙虚さや忍耐、不屈の意識をもたらすと多くのヨギが主張しています。

しかしこのようなポーズは、一旦できるようになれば、日々の生活の中で障害を克服することができるという大きな自信を与えてくれます。非執着の概念や不完全性を受け入れることを教えてくれるのです。


腫れや痛みを緩和する可能性


壁に両脚をあげるポーズなど特定の逆転のポーズは、リンパの流れを促し下半身の痛みや腫れを緩和する可能性があります。リンパ系は、体から老廃物や副産物を取り除き、体液平衡を保つのに役立ちます。

逆転アサナでは、重力と穏やかな動きによって、リンパと血液が四肢から心臓へと流れます。そのように、痛みや不快感、腫れなどを軽減することができるのです。



しかし、高血圧や脚や首に怪我のある人は、逆転ポーズは避けるべきです。


ヨガの逆転ポーズのリスク


多くの人にとって、逆転アサナは健康に大変効果があります。しかし、逆転ポーズがリスクとなる人もいて、ヨガに関係する怪我の主な原因です。

関節に問題のある人、首や背中の怪我、あるいは同様の問題のある人は、医師などの許可がない限り逆転ポーズを練習するべきではありません。

逆転ポーズでは心臓より頭が下になるため、血液が顔へと勢いよく流れます。緑内障、高血圧、血流に問題のある人は、こうした姿勢を避けることが望ましいでしょう。

妊娠期間は、ヘッドスタンドやショルダースタンドなどの体を完全に逆転する難しいポーズは避けるべきです。
4点が(両手両足が地面に)着いているダウンドッグなどの強度の低いポーズは、妊娠に関連する合併症や既往症がない健康な妊婦には安全だと考えられています。
つまり、妊娠期間は新しいエクササイズを試す前に医師などに必ず相談するということです。


最後に、ビギナーとして始める場合は、怪我のリスクを下げるため簡単で難度の低い動きから始めることが重要です。もしヨガが初めてならば、訓練を受けたインストラクターと直接会えるヨガクラスに参加し、安全に正しく行えることを確実にした方が良いでしょう。




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次回はポーズの紹介です。




2021年3月13日土曜日

ヨガとの関係性は食事との関係性を反映する 
How Our Relationship with Yoga Can Mirror Our Relationship with Food


ヨガの実践者として、私たちは時々、完璧でなければならないと感じることがあります。多くの人が、クラスで誰かをみていて、シルシャアサナ(ヘッドスタンド)や手のひらに足の裏をのせた立位の前屈、またはチャクラアサナ(車輪のポーズ)などができる人をみて羨ましがったりしたことがきっとあるでしょう。けれど、そうした嫉妬には意味がありません。アサナは、自己受容を学ぶことに役立つ理想の乗り物です。私たちは実践で時間とともにこの受容を学びますが、それを学ぶためには完璧である必要は全くありません。


自分が何者であって、何者でないかを受け入れることは、人生の最も困難なことの一つです。アドムカヴルクシャサナ(ハンドスタンド)やチャクラサナ、エカ・パダ・ラジャカポタサナ(片脚の鳩の王のポーズ)の心地よい完成形になれないあなたの体の構造を受け入れることができますか?練習の時に、自分に問いかけてみましょう。この瞬間に自分がいる場所を受け入れることを練習しているのか、それとも完璧になる欲望のために練習しているのかを。


ヨガポーズで完璧を目指そうとする努力は、食べ物との関係性の中で完璧を目指そうとするのとよく似ています。摂食心理学と心身滋養のコーチとして、時々「自分は十分でない」といもがいていることが、摂食障害として現れるのを目の当たりにします。完璧への奮闘は、大抵の場合は食べ物そのもののことについてではありません。そうでなく、食べ物との関係性は、足りないと思っているもの、欲望、また人生の中で明確にできないものを示すことが多くあります。食べ物が、自分の思いや感情、過去の記憶などにアクセスして癒すことができないでいることに対して、それ自身を消し去ったり、落ち着きを得たりする手段となるのです。


私たちは人間として、自分の痛みや「十分でない」という気持ちの原因が何なのかをいつも直に見つけることができるわけではなく、また、不快な気持ちをどう処理していいのかもわからないことが多いのです。ただ、ストレスや辛い過去の経験で居心地が悪くなることを知っているだけで、そんな時には、食べ物がはけ口となりえます。


完璧へ追い立てられると、拒食を引き起こすこともあります。患者さんを観察していると、拒食する人は、過去、現在、未来にかかわらず、状況をコントロールしたがっていたり必要があったりすることが多く、そのコントロールのために食べ物を手段としています。そういった人には、ヨガの実践や、「完璧な」食事という表現から離れて食べ物との滋養のある関係性を作り上げることがとても大事です(けれど、手っ取り早い解決法はありません)。


「完璧になりたい」という欲望が現れるもうひとつの現象は過食です。私たちの多くは、過食によって「自分は十分でない」という感情を鎮ませることができます。「食べ物は太る」とか「食べ物は敵だ」というような有毒な思い込みは、滋養に値しないというネガティブなメッセージを送ることになり、ストレス反応を引き起こします。こうした有毒な考えは、少しか食べずに後で大食いするという食事のサイクルにつながります。なぜならその間、体が必要なもの、栄養を得られずにいるからです。ネガティブな感情を鎮めるための過食は、複雑な状態ですが(ここでも、手っ取り早い解決法はありません)、過食をする人が食べものに対するリラックス反応を育むために役立つ方策のひとつは、ゆっくり食べることです。


メディアの示す美しさの表現は、食べ物が太らせるというメッセージを送り続けて、「十分でない」感情をより高めます。食べ物は栄養であり、体はそれを堪能する喜びと繋がっていますが、美しさの歪んだイメージを受け取った時、残念ながら、それが心と感情の一部に取り込まれ、食べ物との有毒な関係性が悪化する可能性があります。


現代の生活にあるストレスで社会がより警戒状態にある中、より多くの人がヨガの実践の必要性を感じています。ヨガの人気はますます高まり、アサナやプラナヤナ、瞑想など全てストレスを緩和するのに役立つと広く知られるようになってきました。こうした自己探求の方法によって、内にある不快感を発見し、どのように痛みから隠れているのかに気づくことができます。ヨガの実践は、自分自身と再び繋がらせてくれ、価値がないという感情を癒してくれますが、過食や拒食の習慣も落ち着かせることができるかもしれません。


時間が経つにつれ、実践は、違いを生むのでも不安な感情を消し去るわけでもなく、自分の内側や周囲で何が起きているのかにより気づかせてくれるのだと気づくでしょう。どこでどのように自分自身を大切にすることができるのかを十分に理解するためには、大抵の場合は、すでに感じている痛みと向き合う必要があります。本当の問題が何なのかを知らないままで、どのように痛みに向き合い、食べ物で自分を罰することをやめ、感情を処理し始めることができるのでしょう?ヨガの実践は、自己再生へ導いてくれる指標となります。それは感じているいう事実を伝えてくれるメッセンジャーとなり、その知識をもって人生に良い変化を作り出すことができます。


ヨガは、心と精神と体をより深く経験させてくれるものだと考えられています。アサナを練習する度、逆立ちで上下逆さになったり、後屈で胸を開いたりして、違う視点で世界を見る機会をもたらしてくれます。新しい視点を作ることで、すでに役に立たなくなった習慣や癖を解放することができます。自身を探求することは、完璧を目指すよりもずっと満たされるものだと体感することもあるでしょう。自分の思いや感情、人間関係や存在そのものを探求することを選択した時、人生の可能性は無限になります。


今度ヨガをする時、完璧を目指そうとせず替わりにこうしてみましょう。呼吸と繋がり、速度を緩め、体に注目し、実践への探求が語りかけるままに任せましょう。そして食事の時にも同様にしましょう。食べる前に、深呼吸します。全ての感覚を使って食事を探求する決意をします。おそらく、今まで経験したことのないほど、この探求で満足感を得るでしょう。あなたの食事やあなたのヨガの練習に寄り添い、その瞬間瞬間にあなたが感じていることに寄り添うと、自己発見と癒しへの真の道へと歩き始めることができるはずです。

2021年3月9日火曜日

前鋸筋のための3つのエクササイズ 
Three Ways to Target the Serratus Anterior

今回は、逆立ちやアームバランスの時に必要となってくる前鋸筋をみていきましょう。
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「前鋸筋」という言葉を聞いたことがありますか?秘密の場所というわけではありませんが、他の筋肉と比べてあまり気にされない場所です。発音しづらいせいかもしれませんし、筋肉に特化したヨガクラスではもっと大きな筋肉群(ハムストリングスや四頭筋など)に注目するからかもしれません。


前鋸筋は、第8あるいは第9の肋骨の上部から起始し、肩甲骨の内側へと走っています。まず第一に、これらは肩甲骨を突き出す(お互いを遠ざける)役目をしています。また、胸郭に対して肩甲骨を維持して安定させる役割があります。これらの動きは、プランクやチャトゥランガ・ダンダアサナ(四肢の杖のポーズ)、アームバランスや逆転のポーズなどで、上背部、肩、胸の筋肉の動きをサポートします。





前鋸筋のどこがそんなに重要なのでしょうか?前鋸筋は、ヴィラバドラーサナ1(戦士のポーズ1)やアド・ムカ・ヴルクシャサナ(ハンドスタンド)で両腕を頭上にあげる時など、肩の上方への回転や動きに重要な役割をしています。


しかし多くの人のこれらの筋肉は、硬く弱くなっています。毎日、常に頭と首を胸椎より前に突き出してタイプしたりメールをしていて、上背部が丸くなり常に肩甲骨が突き出た状態になりがちだからです。


時間が経つに連れ、常にスイッチが入った状態で前鋸筋の繊維が縮み、慢性的に短くなります。そして、やがて柔軟性を失い萎縮していきます(そうして筋肉が硬いのに弱くなる)。


結果として、安定させるために、他の筋肉が担う負荷が増えます。これが、さらに前鋸筋を弱め、首の痛みや肩の挟み込み(大抵は、回旋腱盤の使いすぎや炎症が原因)までを引き起こします。


これは多くの場合、首周りの緊張や痛みとして現れ、特に、多くの人がストレッチやマッサージが必要だと思うような僧帽筋の上部に出ます(それがまた、前鋸筋をなおざりにする原因となります)。


前鋸筋が弱くても、最初のうちは特定のポーズをする邪魔にはなりませんが、時間とともに筋肉のバランスが崩れ、やがて怪我の原因となります。


前鋸筋は、後鋸筋とともに胸郭を持ち上げて肺の拡がりを支持し、起立姿勢を保つのに重要な役割を担っているため、前鋸筋が弱まると最終的には呼吸が浅くなる原因ともなります。


両腕を頭上に動かすことが困難で、菱形筋や僧帽筋上部が痛み、あるいは頭が前方へ突き出して(肩が丸まって胸が縮んで)いることに気づいたら、前鋸筋に注目するとそうした組織の問題を緩和させることができるかもしれません。


あなたの肩甲骨は後方へ開いていますか?タダサナ(山のポーズ)で真っ直ぐ立った時の肩甲骨の動きで、前鋸筋にストレッチや強化が必要かどうかがわかります。例えば、タダサナで、胸を広く保った状態で、肩甲骨が背骨に近く、背中で平らになっていますか?(それならOK!)


背中と肩甲骨



プランクやチャトランガで、その形を維持できていますか?それとも、片方か両方の肩甲骨が翼のように浮いていますか?もしそうなら、肩甲骨の内側の下端が持ち上がるため、背中と同じ面上にはなく、肩甲骨と背骨の間に谷ができています。


プランクで浮き上がった肩甲骨




翼のように浮き上がった肩甲骨は、この辺りの神経機能障害に関係していて、多くの場合は使いすぎや後遺症が原因です。アームバランスのポーズをサポートするために前鋸筋を強化したい時には、以下のようなストレッチと強化のエクササイズが有効かもしれません。


可能なら、各エクササイズを10回以上くり返し、2-3セット行うことをお勧めします。何度か繰り返す内、毎日の活動の中で前鋸筋を機能的に使っていることに気づくでしょう。



プロップ:折り畳んだブランケットかブロック、半分の高さのブロック2つ、そして友人(肩甲骨の動きを見てもらうために!)




ダンダアサナ(杖のポーズ)で床を押す


ダンダアサナから始めます。腰が丸くなっていた李、股関節やハムストリングスが硬い場合は、折り畳んだブランケットかブロックの最も広い面に座ります。足首を曲げたまま保ちましょう。


坐骨からしっかりと根付かせて体を安定し、そこで立っているかのように、両脚を踵への方へ伸ばします。腿に力を入れて、やや内側に回転させ、膝とつま先を天井へ向けておきます。

背骨を頭頂から上方へできるだけ伸ばし、仙骨から頭頂を直線に保ちます。手のひらをそれぞれ腰の横におきましょう。床に届かなければ、半分の幅のヨガブロック2つか、同じ幅のしっかりした本2冊、あるいは、平らでしっかりしていて滑らないものを補助として手の下に置きましょう。

床を押し、腕を伸ばし、肩の前を後方へ引きます。そして、肘を後方にやや曲げましょう。腋の下の後ろ側に何か感覚を感じるはずです。頭の上に向かって伸び続けましょう。胸郭が持ち上がるのに気づきます。


半分の幅のブロックを使って




ここで3回呼吸してから解放します。この姿勢でホールドできる時間が、徐々に伸びていくでしょう。

強化されてきたら、手で床を押しながら足首を組み両方の坐骨を持ち上げて、負荷をかけることもできます。



片腕を交互に挙げる肩甲骨の動き


四つ這いから始めます。両膝は股関節の真下に、手首と肘は肩の真下に置きます。5-10センチ程度前の床を見て、背骨を真っ直ぐに保ちましょう。

下腹部を引いて腹筋に力を入れます。左手でしっかりと押しながら、右の指先を前そしてやや右へ移動し、右腕が右肩に対して斜めになるようにしましょう。

右腕を肩の高さの半分まで持ち上げ、手のひらを(小指が下になるよう)顔の方向へ向けます。右肘をやや曲げて、右肩の上部を少し伸ばしましょう(落ち込ませたり、縮ませないように)。






ここから、頭を挙げて前を見たまま、息を吸って、指先の方向へ腕を伸ばします。





息を吐いて、肘を肋骨の右の方向へ曲げ、右の肩甲骨をもう一度引き込んで、床と垂直になるようにします。

右腕を再度伸ばして、右手を床に下ろし、四つ這いに戻りましょう。左側で繰り返し、それぞれ10回まで交互に腕を伸ばしましょう。



プランクのバリエーションで肩甲骨の腕立て伏せ


両膝をついたプランクから始めます(必要なら、折り畳んだブランケットを膝の下に敷きます)。胸を広げて、三頭筋を胸郭に近づけようとするように上腕を外旋し、肩甲骨の内端どうしを近づけるように引き込みましょう。

腹部全体に力を入れ続けます。そこで一呼吸し、やや背中を丸くしながら床を押して遠ざけま、肩甲骨を突き出しましょう。そこで一呼吸、そして少し胸を落として肩甲骨を引いて近づけます。


肩甲骨の引込

肩甲骨の突出




エクササイズの間、あまり腕を動かさないようにしましょう。肩甲骨を引くと胸は数センチ落ち込み、肩甲骨を突き出すと胸は持ち上がります。全ての動きは、肩甲帯の中で起こっています。


コツ:エクササイズの引込み段階で、肩甲骨がまだかなり「翼」になっていたら、この練習を四つ這いから始め、徐々に膝をついたプランクへと進みましょう。強くなってきたら、肩甲骨腕立て伏せを、プランクの姿勢でやってみましょう。






2021年3月4日木曜日

ヘッドスタンドとショルダースタンドでの
アライメントのコツ 
Alignment Tips for Headstand and Shoulderstand


ヨガをしていなくても、首まわりの問題は日々の生活の障害になるということに気づいています。たびたび、朝起きた時に「首凝り」や「首の痛み」に悩まされることもあるでしょう。赤ん坊はとても美しいラインで頭と首を支えています。では、成長するにしたがって、私たちはこのアライメントと心地よさをどのように失っているのでしょうか?

今度外出したら、周りの人たちの座っている姿勢を見てみましょう。赤ん坊の頭と首を長く伸ばしたような姿勢をしている人は、おそらく滅多にいないはずです。みんな、猫背で寄り掛かり、黒板やコンピューターのスクリーンを見るために見上げているでしょう。首の痛みがどのように悪化するかをよく知るため、そして防ぐため、首の解剖学をさっとみていきましょう。

首、つまり頸椎は7つの椎骨から成っていて、頭骨から肩の上までカーブを描いた構造で積み重なっています。それぞれの間、そして頭骨と第一頸椎の間には水分の多い結合組織厚いクッションである椎間板があり、椎骨を支持し正常な可動域を作り出しています。頸椎は椎骨のなかでも最も動きの大きい場所で、屈曲、伸展、回旋など驚くべき可動域を持っています。人間よりも大きな可動域を持つ動物はあまりいません。

おそらく、椎骨について忘れてはならない最も顕著なことは、その後方が凹にカーブした構造でしょう。首が休んでいる時は、ややカーブした形になっていて、これを生理的湾曲と言います。この湾曲した位置から離れるに従い、首の前方の椎骨、そして後方の面関節の両方で乖離するため、安定性が失われていきます。

もちろん、首や頭を動かしたり、普通の活動を行うために、この湾曲は変化します。そして、この湾曲を動かさなければ、ヨガ・アサナをすることもできないでしょう。しかし、椎骨の基本的な湾曲をできる限り尊重して維持する方法で動かすことを身につけることは、首の健康を取り戻しケガを防ぐのに最も効果的です。以下は、首に直接影響のある人気のアサナで、どのように首を守ればいいのかについてです。





ヘッドスタンドでの両腕と頭のバランスを探る


ヘッドスタンド(シルシャアサナ)は、おそらく、ヨガをしない人にとっては最もヨガっぽいと思うポーズでしょう。私がヨガを始めたころ、とうとう「本当」のヨガをしていると感じたものです。通常の禁忌(月経、妊娠、高血圧、裂孔ヘルニア、眼圧、網膜障害)で、ヘッドスタンドをおすすめできないのは、首に問題がある場合です。しかし、その他の人にとっては注意と気づきをもっていれば、行えるものです。

私がまず生徒にアドバイスするのは、ポーズの主な焦点がバランスにならないよう壁を使うことです。また、頭にはほとんど荷重をかけないことを勧めます。これは腕を強化するだけでなく、肩を天井に向かって引き上げる習慣を作ります。これが、荷重を首から肩甲帯へ移動するのに役立ちます。強い引き上げの動きで肩を使い続けることが重要なので、おかしな言い方をすれば、ヘッドスタンドもまた「ショルダースタンド」なのです。時間が経つにつれ、強化され自信がついてくれば、自然と荷重が頭へと移動していきます。最終的に洗練されたヘッドスタンドができるようになると、荷重は頭にあるのか腕にあるのかわからないほどに成っているはずです。それがヘッドスタンドです。



その他重要なことは、シルシャアサナでは頭は体の真下にくるということです。友達や先生に横から見てもらい、次の2点をチェックしてもらいます。まず、上腕が垂直担っているかどうか。垂直から遠ざかるほど、より大きな圧迫が首にかかります。2番目は、耳が上腕で隠れているかどうかです。

もし、横から見て、耳が完全に見えていたら、頭が手よりもずっと前にあるためで、体の真下ではないということです。もしそうなっていたら、首は荷重を平均して支持していないことになり、怪我や不快感の原因となります。もし、耳が見えていると言われたら、下りて数呼吸して、頭を数センチ肘の方へ移動してから、再度試してみましょう。新しい位置でバランスを取りにくい場合は、壁を使いましょう。バランスよりアライメントが重要だということを忘れないでください。バランスはいずれすぐに戻ります。

最後に、ヘッドスタンドでは、視線は部屋の方を真っ直ぐ見て、床や天井を見ないようにします。床を見ているなら首は湾曲しすぎています。天井を見ているなら首は真っ直ぐになりすぎています。どちらの場合も、首の安定性が悪くなり、頸椎周りの、特に腱や筋肉など軟組織へ必要以上の負荷がかかります。





ショルダースタンドは首のバランスではない


伝統的なヘッドスタンドのカウンターポーズはサルヴァンガサナ(ショルダースタンド)です。ヘッドスタンドで首が自然な湾曲(最も安定した位置)にある一方、ショルダースタンドでは、首が完全に屈曲しているためにその湾曲は平らになります。また、ショルダースタンドでは、荷重が最もかかる場所が首になります。頸椎が深く屈曲した状態では安定性がかなり下り、荷重のかかる場所は怪我の危険が増します。(ヘッドスタンドの禁忌はそのままショルダースタンドにも当てはまります)

怪我を防ぐため、ショルダースタンドでは、肩の下にブランケットを使うことをお勧めします。特にショルダースタンドでブランケットを使うことを躊躇う人が多いのはわかっていますが、ブランケットが有益なのには2つの理由があります。

まず、通常の頸椎の屈曲は、人が思い描くような90°ではなく最大で50°程度にすぎません。50°よりも深く顎先を胸に近づけるには、胸椎上部の屈曲が必要となります。この丸まりや屈曲は、理想的なショルダースタンドとは逆になってしまいます。

自然な首の屈曲角度になるよう、十分なブランケットを肩の下に置くことをお勧めします。まず、分厚いウールのブランケットを5枚置き、そこから必要ならば増やしたり減らしたりしていきます。ブランケットで肩が支えられ、首が自由になるようにします。(ブランケットに直角にボルスターを置いておくと、ポーズの出入りが楽になるでしょう)ブランケットを使っての練習の始めは、両足で壁を蹴りながら上がり、勢いをつけて足をあげないようにしましょう。





ショルダースタンドの間、首の後ろを先生に確認してもらってもいいでしょう。首の後ろが柔らかく最大にストレッチされていないようにします。ブランケットが十分かどうかは横からみてもらうとわかります。首の根本が頭骨の下端よりもやや高い位置にあれば、おそらく首が守られている高さにあります。


ショルダースタンドでブランケットを使う方がいい理由の二つ目は、首とは関係ありません。あなたが十分に高い位置にある時は、お腹が完全に開いて腹部の内臓が「上に動く」ように見えます。高さが足りなければ、腹部がやや凹んで内臓が落ち込んでいるように見えます。これでは、内臓や横隔膜の重みが心臓や肺を圧迫するのでよくありません。首を守り内臓を引き上げるため肩が高く持ち上下られていると、心臓や肺はより守られます。



ヨガの練習で首を安全に保つためのその他のコツ


首まわしをしない


ヨガで最も練習されているポーズの一つは首の回転です。体の回を実際的に360度回転させようとするものです。この動きを私はお勧めしません。

頸椎における脊椎関節構造(面関節と呼ばれます)の研究によると、頸椎は柔らかな平の表面で水平に対して45度傾いています。頸椎が実際に可能な動きというのは、面をすべらせる動きの「前と上」の「屈曲」(顎を胸に)、そして望遠鏡を閉じるような面のすべり「下と後ろ」の「伸展(後屈)」です。

回転と横曲げは、これらのふたつの動きの組み合わせです。例えば、右に頭を向ける時、首の左側の面が前と上に動き、右側の面が下と後ろに動き、それぞれがお互いに落ち込みます。飛行機が右へ旋回するところを思い浮かべてみましょう。左翼が持ち上がって右翼が下がります。頸椎は、股関節のように構造的に球関節ではないのでこのように動きます。ですから、360度の動きである首の回転は首にとっては非生理的な動きなのです。

椎骨の本来の構造を尊重した動きになるので、一度に一方向にストレッチをする動きの方が首にとって、より健康的です。特注:横に首を倒す時(耳を肩の方向に近づける)、顎は上ではなくやや下を向くようにします。椎骨の構造を頭に入れて動くと、怪我の防止になるだけでなく、椎骨関節を動かした時に聞こえる「ギリギリ」を減らす可能性もあります。




最後に


最後に、首にとっても最もいいことは、できるだけ後方への小さな湾曲を保ったままニュートラルの位置に維持することです。この湾曲を保ったまま、座り、運転し、アサナを練習し、歩き、そして眠ることができれば、痛みのない健康的な首への可能性を最大限まで広げることができるのです。





2021年3月1日月曜日

ストレッチが癌を減らす可能性があるという新研究 
New Research Suggests that Stretching May Reduce Cancer



ストレッチの最も良い方法はどのようなものかという研究は数多く存在するが、解剖学的の全ての場所における、良い、あるいは通常の可動域で動かすことが重要だと同意する専門家がほとんどだ。だから研究の相互評価のなかで、運動が癌患者にも効能があるということを知っても驚くに値しないだろう。先月、Scientific Reports誌が、マウスの乳がんモデルにおいてストレッチが腫瘍の成長を減少させるという研究を掲載した。研究の結論は以下の通り。



癌に対する自然免疫を増大させ、1次的・2次的な癌予防に役立つ、投薬以外の治療の開発がますます関心を集めている。最近の研究では、毎日10分間の穏やかなストレッチが局部結合組織の炎症と繊維症を減少させることが示された。間質内の素因が、腫瘍の微環境に影響を与える可能性がある。66個体の雌マウスに、マウスの初期乳癌細胞を第三乳房脂肪体に注入した。マウスは任意に抽出し、ストレッチするものとしないものに分け、4週間毎日10分間治療した。最終的に腫瘍体積は、ストレッチ・グループで、その他の治療をせずストレッチしなかったグループと比較して52パーセント縮小した。ストレッチ・グループでは、細胞毒性免疫反応が活性化され、抗炎症性メディエーター(Specialized pro-resolving mediator; SPM)のレベルが上昇した。これらの結果は、免疫枯渇、炎症解消と腫瘍成長の関係性を示唆する。ストレッチは、投薬以外の穏やかな治療介入となり、癌の治療や予防に重要な要素となりうる。



著者が述べていることの重要性に気づいただろうか?乳癌においては、毎日10分間ストレッチするだけで十分で、癌細胞を対象とした特定の免疫物質が増加するだけでなく、免疫系枯渇の主なマーカーであるPD-1(programmed death recepter-1) のレベルをも減少する。(注意:免疫系の増大は常に注意が必要)




炎症が病気の原因


間質結合組織内の繊維症や瘢痕組織は、ねじ曲がった足場のように働き、癌が根をはって組織層に「結合」し、血液供給や栄養源に侵入し、それによって成長し続けさせてしまう。あなたの組織や存在がハイジャックされたと考えるといい。

かなり前から、癌は、循環器病や糖尿病、関節炎など多くの病気と同じ分類にあるということがわかっている。共通点は何だろう?そう、答えは「炎症」だ。また、炎症は、そのものの性質により、最終的には100パーセントの確率である程度の繊維症を引き起こすことがわかっている。

その病名がどうであれ、繊維症は根本において、我が国(米国)の死因の第一番目とみなされており、残念ながら一般の人だけでなく医療の世界においてもそうであるという事実を忘れてはならない。

常に最も注目を集めている癌研究は乳癌だ。神経学者のヘレン・ランジュバン医師が、ハーバードの Osher Center Integrative Medicine にて講演したのは、彼女のラボで実験したマウスモデルの乳癌に対するストレッチの効果である。ランジュバン医師は、筋膜と全ての病気の関係性が、これまで誰も思いつきもしなかったほど大きいということを語るますます増えつつある科学者たちのひとりだ。ストレッチされた腫瘍が、ストレッチされなかった検体よりも半分以下に小さくなることを、これ以外にどう説明できるだろう?

 

ヨガを含む代替医療が、炎症を減少する可能性


こういう風に考えてみよう。あなたの癌を従来通りに治療すると決めたとしても、抗炎症食(特に「ワールブルク効果」を理解しているなら)、ストレッチやヨガ、飛び跳ねる(トランポリン)、グラウンディング(別名「アース」)などなど簡単なことをただ付け足すこともできると知ることは素晴らしいことではないだろうか。

これらの共通点はなんだろう?これらは皆、体内の炎症の度合いを下げるのだ。

ランジュバン医師の話を聞いてみたい人は、以下をどうぞ。(英語)












2021年2月26日金曜日

ヨガは神経システムにどのように影響を与えるのか 
How Yoga Affects Our Nervous System


神経システムについて、その素晴らしさ、そしてどのようにヨガがよい影響を与えるのかについて耳にしたことがあるかもしれません。神経システムを落ち着かせ穏やかに調整するのに役立つヨガの特別なテクニックについて聞いたこともあるかもしれません。もしかすると、神経システムの詳細についても聞いたことがあるかもしれません。


しかし、この複雑なシステムとそれがもたらすことについて本当に理解しているでしょうか?実際のところ、神経科学者でさえ神経システムを完全には理解できてはいない一方で、基本的な局面についてわかっているところもあり、ヨガが、それを調整するのに役立つというエビデンスも増えてきています。



神経システムとは?


人間の神経システムは、並外れて複雑で、その大部分は未知の部分ですが、運動を起こすため電気的・化学的エネルギーを発し、脅威を察知し、消化を行い、心拍を調整し、呼吸を行い、思考する、など多くのことに関わっています。


神経システムは大きくふたつの分けられますが、多くの人が考えているのとは異なり、交感神経と副交感神経ではありません。 そうではなく、中枢神経系と末梢神経系です。


中枢神経系は脳と脊椎を含みます。末梢神経系は、中枢神経系意外の神経組織であり、神経繊維や神経節(ニューロン細胞の塊)を含みます。


末梢神経系はさらに、自律神経系(呼吸などの不随意機能をコントロールします)と、体神経系(歩くなどの随意機能をコントロール)に分けられます。



自律神経系とは?


不随意機能の中枢として、自律神経系はさらに、交感神経(「逃走闘争」部分)と副交感神経(「休息消化」部分)、そして腸神経系(内臓部分)に分けられます。


ヨガは全ての神経系に影響を与える可能性がありますが、ヨガの指導者や実践者はまず交感神経と副交感神経に注意を向けがちなのは、それらが実践によってより直接影響力のある部分だからです。



副交感神経とは?


交感神経系は、多くの場合「逃走闘争」反応に関連付けられます。これの部分は、体が危険の可能性に警戒する役割を持っています。


私たちが危険を察知すると、心拍が上がり、瞳孔が開き、呼吸数が上がって、新鮮な酸素の多い血液を脳に送ります。私たちの体はまた、呼吸や心拍、感情など全てを調整する神経伝達物質やエピネフリン、ノルエピネフリンなどのホルモンを送り出します。消化器官は、ほとんど働きをやめ、大切な酸素が豊富な血液を骨格筋に送ります。こうした様々なことが、ほとんど一瞬で起こります。こうした変化が、究極的には脅威と闘うかその場から逃げる準備をするのです。これが、交感神経反応が自動車のアクセルペダルと類似している理由です。アクセルをいっぱいまで踏み込むと、全力で前へ走り出すのです。


しかし、私たちの体はとても賢く、交感神経系も生活スタイルの変化に飲み込まれたりはしません。例えば、体は生死を分ける脅威へのストレスと大切な会議のストレスをうまく区別しません。つまり、うるさい上司という脅威を、私たちの体はライオンに襲われる脅威と同じように受け止めるのです。


さらに、こういったストレスは慢性化します。毎晩、帰宅した後にもしょっちゅう送られてくる仕事のメールで、交感神経状態のままになり、慢性的に心身にストレスを受け続け、やがてはストレスに関連した病気だらけになってしまうのです。さらに、慢性ストレスによって内分泌系に刺激ホルモンをもっと作るよう信号を送り、体内のストレス反応の周期が継続されていくことになります。


しかし、ヨガの世界での悪い評判にもかかわらず、交感神経系は、実は私たちが完全であるために不可欠な部分です。危険と直面した時に安全を確保するためだけではなく、体全体のバランスをとるという複雑な基盤の重要な一部なのです。


実際、ヨガの練習の時は、交感神経系が活性化しています。より動的でより速いペースのフローやより長いホールド(より困難な)は、交感神経反応を刺激します。チャトランガへジャンプバックする時、心拍数が上がります。逆立ちのポーズで止まると、血液を骨格筋へと流す準備をします。ウォリアー3でバランスを取ると、神経伝達物質が多量に分泌され、活力を与えるホルモンが血管の中を流れます。この神経系の活性化はまた、ランニングなどの激しい運動をする時にも起こります。


つまり、交感神経系を刺激することは、実際は、全く健康的で普通のことなのです。  



副交感神経系とは?


副交感神経系は、多くの場合、「休息と消化」反応と言われます。自律神経のこの部分は、交感神経反応を抑制します。


「ブレーキ」と呼ばれることの多い副交感神経系は、心拍数を下げ、消化を刺激し、呼吸速度を下げ、血流を四肢から生命維持に必要な内臓へと戻し、アセチルコリンなどの穏やかにする神経伝達物質を分泌させます。


この神経系はまた、ヨガの実践では崇められており、過剰にストレスを受けた体や心をリラックスするのに役立つためです。リストラティブヨガなどの実践を、特にリラックスのために、より穏やかな状態になるように行います。


しかし、この神経系がヨガの世界では一般的によいものだと見えると言って、常に副交感神経系を活性化させる必要があるというわけではありません。交感神経と副交感神経の両方の間を、ごく自然に揺れ動くことができるのが健康です。そして、この揺れ動きを心拍数の変化で計測することが可能です。



心拍数の変異性


健康な人が息を吸うと、自然に、交感神経系が刺激されて心拍数がやや上がります。息を吐くと、副交感神経系が刺激されて心拍数はやや下がります。この心拍数の変異性は、全体的な健康の目印となります。一般的に、交感神経系と副交感神経系の間を素早く簡単に変動できる方が、全体的に、より健康的な神経系であると考えられます。


慢性的にストレス反応から「抜け出せない」人は、心拍数変異性に乏しいため、心拍数はおそらく慢性的に高いままでしょう。反対に、自律神経の健康的なバランスを保っている人は、心拍数変異性が高いため、ストレスの多い状況の後でもすぐに下げる調整が行えます。


ストレスにすぐに反応することが大切です。しかし、ストレスが過ぎたら容易に落ち着けることも大切なのです。ここで、ヨガの出番です。




ヨガが自律神経系に与える影響とは?


ヨガを通して自律神経系に影響を与える方法はたくさんあります。以下は、ヨガが自律神経系の異なった部分を刺激するのに役立つ方法のうちのいくつかにすぎません。


ダイナミックなヨガ


アシュタンガやパワーヨガ、ヴィンヤサなどのダイナミックなスタイルのヨガやエクササイズは、すでに言った通り、交感神経系を刺激できます。  これは激しい動きへの健康的で普通の反応であり、免疫の強化、呼吸機能の改善、循環器の健康増強などに役立ちます。


リストラティブ・ヨガ


リストラティブ・ヨガには反対の効果があります。その名の通り、リストラティブ・ヨガは、心身ともにとても穏やかでリラックスさせるものです。いわゆるリラクゼーション反応を刺激し、神経を副交感神経モードに移し、穏やかさや安心感、心地よさ、健康的な消化などを促進します。


プラナヤマ


プラナヤマは、自律神経系に作用する実に早く効果的な方法です。実際、上記のように、毎回呼吸をするたびに自律神経に影響(心拍数変異)を与えています。

迷走神経の一部が、喉頭や呼吸横隔膜を通っているため、呼吸はまた瞑想神経緊張にも影響を与えます。瞑想神経の活動量が迷走神経緊張です。迷走神経には多くの副交感神経繊維があ流ため、迷走神経が受ける刺激が強いほど副交感神経系が活性化されます。

呼気を長くするなどの特定の呼吸法は、特に副交感神経系と関係が深く、体を「休息と消化」反応へと移すことができます。反対に、吸気を強めると反対の効果があります。


シャヴァサナ


シャヴァサナで練習を終えるのもまた、自律神経系に影響を与えます。このポーズは落ち着きや内省を促すため、心拍数や呼吸速度などをゆっくりにし、特に刺激のある動的な練習の後には効果的です。その簡単な外見にもかかわらず、副交感反応を開始し神経系を鎮めるために大変効果的な実践法です。


瞑想


瞑想は、鎮静効果のあるもうひとつの実践法です。心身が平穏な時、私たちは慢性的に抱えている緊張を手放し始め、副交感神経系を刺激します。




ヨガの練習と総合的な健康の鍵はバランス


私たちにの体内の全ては、常に、総合的なホメオスタシスのために適合と調和を得ようと働いています。

ストレスの多い世界に生きる私たちは、副交感神経系を刺激するような練習から効能を得ることができます。しかし、それは交感神経系を全く無視していいというわけではありません。忘れないでください、本当の健康の指標は、どちらの神経系が活性化しているかではなく、どれほど効率的、効果的に素早くそれぞれの間を移り変わることができるかです。

結局のところ、生きている中で前進するには、アクセルとブレーキの両方が必要なのです。全速力で壁にぶつからないよう、適切な道具を適切なタイミングで使うことがでければいけません。そして幸いなことに、その道を進むために役立つヨガが、私たちにはあるのです。







(出典)https://yogainternational.com/article/view/how-yoga-affects-our-nervous-system

2021年2月19日金曜日

平均以上の可動域が必要な4つポーズ(追加) 
4 More Common Poses That Require Greater-Than-Average Mobility

前回に続き、可動域に関する追加の記事です。
こうなってくると、よく出てくるポーズのほとんどが、インスタで見るような形にはなれないかもしれないと気づくかもしれません。
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人はみな、形もサイズも違っていて、プロポーションが違い、生活スタイルも習慣も違うということを私たちはわかっています。けれど、ヨガマットの上に立った途端、なんとなくその違いを忘れてしまい、全てのポーズで同じ形、角度になると期待してしまいます。


教科書通りのアライメントは、多くのポーズで、(下記のように)基本的だと思われているものでさえ、平均以上の可動域を必要とします。けれど、「平均」とは計算して出てきたものであり、誰も実際に「平均」な人はいません。一般的に、私たちは平均よりも可動域が大きいか小さいのです。肩には大きな可動域があるかもしれないし、股関節では小さいかもしれません。もしくは、左右に可動域に差が出るような姿勢や仕事、スポーツが原因の筋肉の緊張を抱えているかもしれません。


なぜなら、私たちはみなユニークで、全てのヨガポーズで理論的に理想的にするために自分の体に無理をさせることは意味がありません。ですから、練習を探求と調査の機会ととらえ、自身の関節や筋肉、筋膜などのユニークな組み合わせを知る機会としましょう。


では、「平均」の可動域とよくあるヨガポーズの「伝統的な」バージョンを比べていきましょう。




1.戦士のポーズ1(ヴィラバドラーサナ1)


後ろの足首背屈 20−30° (平均 12-20°)
後ろ足の内反30-45°  (平均 5-35°)
肩の屈曲 180°   (平均 165-180°)

 
戦士のポーズ1(ヴィラバドラーサナ1)は、集中とエネルギーを上にもち上げて、力強い土台を作ります。後ろ脚の股関節屈筋をストレッチし、胸を開き、肋骨の横から広背筋を伸ばします。この基本的なポーズが、太陽礼拝Bの鍵となることを踏まえれば、このポーズは誰でもが可能なものだと考えるかもしれません。しかし、両腕を頭上に伸ばすことが困難な体がある一方で、多くの人にとって、このポーズの伝統的なアライメントを妨げているのは後ろの足首関節の可動域です。後ろの踵を地面においたまま、骨盤を前に平行にするのは心地よいものではなく、多くの生徒にとっては不可能ですらあり、前の膝を曲げ得るとその難しさはより深まります。このポーズで多くの人が追求しているアライメントは、足首の通常の可動域を超えているため、難しいのは当たり前なのです。


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2. 戦士のポーズ2(ヴィラバドラーサナ2)



後ろ足の内反 35-45° (平均 5-35°) 
前の股関節の外旋 70-90° (平均 40-50°)
前脚の外転 70-90° (平均 40-50°)  



戦士のポーズ2(ヴィラバドラーサナ2)は、安定した、固い決意を持った、力強い立位のポーズです。両足がしっかり床について、両腕は肩の高さ、これはこのリストの中で最もやりやすいものです(股関節の通常の可動限界という条件があれば)。


しかし、「教科書通り」のアライメントは、前脚を真っ直ぐ前に向けて90度に曲げ、股関節をマットのサイドに向けていますが、これは、特に前の股関節と後ろの足首に、ほとんどの体型の人よりもずっと広い可動域が必要となります。戦士のポーズ1のように、前膝を深く曲げるにつれ、後ろの足首の可動域がより必要となります。


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3. 牛の顔のポーズ(ゴムカアサナ)



上の肩関節屈曲 180° (平均 165-180°)
上の肩関節外旋 80-90° (平均 80-90°)
下の肩関節内旋 60-90° (平均60-90°)
股関節外転 30° (平均 20-30°)
下の股関節外旋 60-85° (平均 40-50°)
下の股関節外旋 50-70° (平均 40-50°)





牛の顔のポーズ(ゴムカアサナ)に関連する動きの組み合わせは、体のさまざま部位の効率的なストレッチとなります。腕の位置は、胸と肩のほとんど全ての筋肉に影響し、慢性緊張のよくある原因(三頭筋、広背筋、三角筋)をも含みます。そして、股関節を開くヨガポーズの多くが股関節を外転する一方で、ゴムカアサナは、両脚を体の中心線で交差させます。しかし、このポーズの複雑さはまた、どうして多くの人にとってこのポーズが難しいのかを説明しています。ひとつの局面では可能でも、他のところで伝統的アライメントの達成が難しいのかもしれないからです。


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4. 弓のポーズ(ダヌラアサナ)


股関節伸展 20-30° (平均 10-30°)  
肩関節伸展 80-90°(平均 40-50°)  
脊椎伸展(胸椎・腰椎) 50-75° (平均 35-55°)



胸を開く後屈は、肩を前に引いて胸を圧迫するという日々の姿勢への強力な対抗策です。そうした理由から、姿勢と呼吸の両方に効果があります。仰向けの後屈はより効果的かもしれませんが、頭と肋骨を重力に逆らって持ち上げることは、忘れられている体の背面を強化しることができます。弓のポーズ(ダヌラアサナ)は、この分類に入ります。しかし、両腕と両脚が繋がっているため、コブラ(ブジャンガアサナ)やバッタ(シャラバアサナ)のようなものより大きな可動域が必要となります。


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気づいていようと気づいていないであろうと、私たちはすでにそれぞれのヨガポーズを行う自分自身の道を見出しています。私たちの体は、私たちが理解しているよりも適応性と弾性がありますが、同時に限界もあります。全ての人に、全ての関節の動きに限界点があり、ヨガポーズでは、他の日常の活動以上にその限界点に直面することが多くあります。それは、基本とされているこうしたポーズにおいても、言えることです。その知識が、理論的な理想を手放し、肉体的な練習を変化させてくれるでしょう。心を開いて、私たちの練習の行く先にあるものに好奇心を持って、マットの上に立ちましょう。

2021年2月12日金曜日

平均以上の可動域が必要な5つのポーズ 
5 Common Poses That Require Greater Than Average Mobility


人の顔がひとりひとり違うのと一緒で、同じ体の人は一人としていません。大きさも長さも重さも角度も違えば、その部分部分を使って出来上がる形や動きもみんな違います。陸上競技に向いている人や器械体操に向いている人、重量挙げやレスリングに向いている人など、いろんなものの好みが人によって違うのと同じくらい、体の構造も違います。では、ヨガに向いている人と向いていない人がいるのでしょうか?いいえ、ヨガは誰にでもできるものです。では、みんなが同じポーズをしなければいけないのでしょうか?
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この記事では、Yoga Medicine®の指導者であるレイチェル・ランドが、お馴染みの5つのポーズを深く掘り下げ、アサナに対してよりオープンマインドなアプローチをする重要性について説明しています。




もし、生徒たちにやめさせたいことが一つあるとしたら、それは、「忍耐と努力で誰もが成し遂げられるポーズの形というのはたったひとつしかない、その理想形でないものは全て間違いだ」と信じることです。そういった誤解が多いのは、生徒たちから受ける多くの質問やコメントからわかります。「ダウンドッグでどうすればかかとが地面につくようになりますか?」とか「いつになったら、足を組んで座る時に両膝が床につくほど股関節が開くようになるでしょう?」とか「私のハムストリングスは硬いから、このポーズは苦手です」というような。


けれど、問題は生徒自身にあるのではなく、そのポーズやそのポーズが「どう見えるべきか」という期待にあるとしたら?というのも、基本的なヨガポーズでも必要とされる可動域を分析すれば、その多くが平均的な可動域を超えていることがわかるからです。


私たちのどんな関節の可動域も平均より大きい小さいがあり、つまり、ヨガポーズの理想形は可能かもしれないし不可能かもしれないということです。ありがたいことに、練習の恩恵を得るのに理想的である必要はなく、そこには、体力、安定性、バランス、集中力などが含まれます。そして、特定の形にポーズを取る必要性を手放した時、自身の個性的な身体の構造を尊重しながら、ポーズの恩恵を受けるためのスペースを作ることができるのです。




では「平均的な」可動域とは?


さらに進む前に、「平均的な」可動域とは何かを見ていきましょう。理学療法士や運動の専門家などが通常用いる可動域チャートは、大勢のサンプルにわたる特定の方向に対する関節の限界価を測定したものです。ですから、平均というのはそれらのサンプルから算出されていて、最も柔軟な人と最も柔軟でない人のおおよそ中間に当たります。


もちろん、可動域が平均よりも大きな人もいれば小さな人もいますが、平均値を理解することで練習の中で可能なことに対する期待をコントロールするのに役立ちます。




可動域は大きくできるのか?


端的に言えば、柔軟性とは、筋肉と筋膜の弾性、そして骨の形状と比率による強力な限界のあらわれです。限界を作っているのは、筋肉張力なのか骨の圧迫なのかはどのように知ることができるのでしょう?軟組織の張力は、関節の、動こうとしている方向と反対側にあることがほとんどです。例えば、前屈ではハムストリングスに引っぱりを感じます。骨の圧迫は関節の同じ側に感じます。前屈では、関節がぶつかっている前面の深い組織を感じ、それ以上の深い屈曲を妨げています。


ヨガによって、時間とともに軟組織の柔軟性が高まる可能性があるので、特定のヨガポーズでそれ以上深く動いていくのを妨げているのが筋肉張力であれば、そこに関連する筋肉をストレッチすることで可動域を大きくすることは可能でしょう。しかし、人の骨格というのはそれぞれ異なっており、変化しないので、全ての関節の可動域の限界は人それぞれだというわけです。


もし骨の圧迫がヨガポーズに限界を作っているのなら、骨による制限を避けるために位置を変えてアライメントを調整する方法があります。けれど、それをするには、教科書通りのポーズへの執着を手放し、よりオープンマインドなアプローチをする必要があります。


では、このアプローチによって改良される可能性のあるポーズをいくつか見ていきましょう。全てのレベルのクラスでよく行われ、平均以上の可動域が必要となるポーズです。




1. 下向きの犬のポーズ(ダウンドッグ)


股関節屈曲 90° (平均70〜90°)
肩屈曲 180° (平均165〜180°)
足首の背屈 45° (平均12〜14°)


ダウンドッグ(アド・ムカ・シュヴァナーサナ)がヨガクラスの定番なのには、正当な理由があります。ハムストリングスやふくらはぎ、大胸筋や広背筋をストレッチするポーズです。また、上半身と下半身のバランスを作るのに役立ち、両手でより楽に体重を支える準備となります。


下向きの犬のポーズは大抵休憩のポーズで使われますが、首の横を圧迫しないで両腕を挙げ、背中を丸めないで両脚を伸ばし、踵を床につけようとするのはとても休憩ではないと感じる人は多いはずです。こうした困難は、肩や股関節、足首に平均以上の可動域が必要だからだ、とは想像しないでしょう。


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2. 立位の前屈

股関節屈曲 160〜170° (平均70〜90°)



ヨガスタジオを見回して難なく二つ折りになっている生徒をみれば、立位の前屈(ウッターナサナ)は簡単なポーズだと思わざるをえません。けれど、ダウンドッグで平均以上の股関節可動域が必要だとわかった今、ウッターナサナはもっとずっと大変だということがわかるでしょう。


前屈はハムストリングをストレッチし、背骨と首を優しく牽引し、内側への集中を養う機会となります。けれども、胸と膝、あるいは頭とすねをくっつけるという目標は、ほとんどの人には単純に不可能なことです。股関節の平均可動域は、両脚を伸ばした状態では70〜90°で、前屈の半分にもなりません。このポーズにはある程度の変更が必要だという人がほとんどだということを示しています。


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3. 上向きの犬のポーズ(アップドッグ)


足首底屈 80°(平均20-50°)
背骨伸展 70-80°(平均35-55°)
手首伸展 90°(平均65-85°)



上向きの犬のポーズ(ウルドゥヴァ・ムカ・シュヴァナーサナ)は、一般的に、腹筋や股関節屈筋など、体前面の固まった筋肉をストレッチします。また、足の甲の筋肉を伸ばすという稀な機会を与えてもくれます。このポーズを含めた太陽礼拝はまた、より深い後屈に応用できるアライメントのレッスンにもなります。
しかし、手首や背骨、足首に驚くほど広い可動域が必要となるため、ヴィンヤサの練習の中で予想外に難しい部分となっています。


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4. 三角形のポーズ(トリコナサナ)


股関節外転 80-90°(平均40-50°)
股関節屈曲 90°(伸展した脚での平均70°)
股関節外旋 80-90°(平均40-50°)



開いた三角形のポーズ(ウッティタ・トリコナサナ)は、全レベルのクラスのシーケンスに取り入れることのできる素晴らしいポーズです。前脚のハムストリングスのストレッチ、中臀筋と体側上部の腰方形筋の偏心の強化、微細な開胸、そして両脚を床につけてバランスと安定性を築く機会を与えてくれます。けれども、このポーズがきついと思うのは、あなただけではありません。通常以上の前脚の可動域を必要としますし、特に手のひらを床に付けようとすると尚更です。


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5. 座位のツイスト(アルダ・マツエンドラサナ)


股関節内転 45-50°(平均20-30°)
腰椎・胸椎回転 90°(平均40-70°)
股関節外旋 80-90°(平均40-50°)



座位のツイスト(アルダ・マツエンドラサナ)は、ヴィンヤサクラスでよくみるポーズで、立位ポーズと床でのポーズの間の移行に使われることも多くあります。姿勢の癖を変えて、安定した土台から背骨を自由に動かすのに役立ち、私たちの観点も変える可能性もあります。また、股関節の外側や腿の筋肉を解放する素晴らしい機会を与えてくれます。しかし、このポーズを部分的な変更なしで行うには、背骨や股関節に平均以上のかなりの柔軟性が必要となります。



詳細:








私に透視能力はありません。生徒さんの骨や結合組織の構造は見えません。彼らの可動域が平均より上なのか下なのか、わかりません。ダウンドッグで踵が床につくことがあり得るのか、前屈で胸が腿につくことがあり得るのか、わかりません。幸いなことに、こうしたことをやるように伝えることが、指導者としての私の目標ではありません。効果のある結果をもたらすようなヨガの体験をしてほしいのです。




生徒さんたちをより現実的な可能性に向けて導くことで、イメージされるアライメントの概念から外れたものは間違いだという考え方から彼らを解放することができます。つまり、肉体だけの力づくの決意ではなく心を開いた好奇心を養うことができ、各ポーズの理想形ではなくポーズの効果を重要視することができるようになります。私について言えば、このアプローチは、ヨガの本質へとより近づく道になります。





(出典)https://yogainternational.com/article/view/5-common-poses-that-require-greater-than-average-mobility

2021年1月29日金曜日

加齢に最も影響される脳領域をヨガが強化する可能性 
Yoga May Bolster the Brain Regions Most Affected by Aging

脳スキャンの研究が、記憶、感情、思考に関する領域への伝統的な実践の効能を示唆



ヨガは、伝統的な東洋医学に深く関連しており、身体をエネルギー経路と結びつきのシステムだと捉えています。そしてそれは西洋医学とはなかなか一致するものではありません。しかし、今世紀の始めから、ヨガの科学研究が格段に増えました。近年の多くの研究が、ヨガを、腰痛や鬱、不安症や神経痛などの治療の「代替療法」として使われていることを評価してきています。しかしまだ、ヨガの研究の質は偏っており、多くは自身で報告する統計データに依存しています。そういったことから、より客観的な測定、脳スキャンに焦点をあてた2019年の論文に私は驚嘆しました。決定的ではないものの、その結果はヨガが脳の健康を向上させることを示唆しており、ヨガと科学がともに歩める道を表しています。


イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のスポーツ心理学研究所のディレクターであるナハ・ゴテが率いた論文では、ヨガの脳に与える影響を評価するためにあらゆるタイプの脳をスキャンした11の査読された論文を調査しました。ゴテと研究者たちは、ヨガに関して次の三つの要素を含んだ研究に限定しました。身体的なポーズ、呼吸法、そして瞑想とマインドフルネスです。おおむね年齢や健康状態、運動レベルなどが一致している被験者で、長期間の実践者とヨガ初心者の脳を比較していたのは6つの研究でした。5つの研究が、ランダムに特定期間のヨガの実践をさせ、その前後で被験者の脳をスキャンし、コントロール・グループと比較調査していました。


ゴテは、これはまだ「初期分野」であり、ほとんどの研究が小規模だと認めています。しかし、さまざまな母集団ではあるものの、3つのパターンが一致して浮かび上がっています。ヨガの実践は、記憶の鍵となる海馬の灰白質の体積増加、高次認知機能がある前頭葉の特定部分の体積増加、そして、デフォルト・モード・ネットワークの相互連結の拡大に関係している可能性があるのです。このネットワークは、記憶や感情を処理すること、そして「自己反映プロセスと呼ぶ、自分自身についての情報処理」を行っていると、ウェイン州立大学の認知神経学者であり共同執筆者であるジェシカ・デモワソーは説明しています。彼女によれば、これらの領域の灰白質が多いことの意味は完全に明らかではないけれど、「より高度な機能であることを示すかもしれないニューロン間の関係がより密接になっているのかもしれません」


デモワソーの研究は、脳内の加齢に関連する変化に焦点を置いており、加齢とともに、特に認知症の場合は収縮しがちである構造がヨガによって強化されているようだと言及しています。ヨガの結果増えた体積は、有酸素運動の研究で見られるものをよくにています。これはこんな問題を提起しています。これは本当に瞑想の要素をもつヨガに特別に見られるものなのか、あるいは他の脳を維持させる運動と同じなのでしょうか?


現時点で断言することは困難です。「ヨガの素晴らしいところは、自分にとって良いことさまざまなこと全てを組み合わせるということです」しかし「それは研究するにはやっかいなこと」と、国立衛生研究所の一部、国立補完統合衛生センターの上級研究者であるキャサリン・ブッシュネルは述べています。これまでの小規模の研究観察では、脳の構造や機能の変化とヨガの因果関係を立証するのは困難です。例えば、ブッシュネルの研究では、経験豊かなヨガ実践者はヨガをしない人と比べて痛みに対する耐性が大きく、その耐性は島皮質と呼ばれる領域の灰白質の増大に関係があります。しかし、ヨガがその直接の原因だとは言えません。「ヨガをしたいと思うのは人格が関連しているのかもしれませんし、その人格が灰白質の増大に関係しているのかもしれません」




小規模の実験を基礎としたより良い研究とともに、より明確な答えが出てくるでしょう。例えば、ゴテが最近政府の補助金受けた研究では、任意に選んだ168人の高齢者に6ヶ月間、ヨガ、エアロビ、ストレッチや筋トレを行わせる予定です。各活動が脳の構造と認知機能に与える影響の違いを比較することが目的です。ブッシュネルはこう言及しています。「まさに私たちが必要としているのはこうした試験です」

2021年1月2日土曜日

頭痛のための5つのポーズ
5 Poses for Headache Relief



どのようにして「頭痛の危険要因」を避けるのか
ストレスを緩和するヨガポーズがいかに頭痛を持続的に緩和してくれるのか




私は子供の頃から頭痛に悩まされてきました。毎年の健診で私は医師にどうすればいいのかを尋ねたものです。先生は「方法はあまりないね」と答えるのです。「アスピリンを飲んでごらん」大人になった今でも、医師たちは同じアドバイスをします。数年前、偏頭痛の薬を処方されました。頭痛はノックアウトできましたが、その後1日中私自身もノックアウトされてしまったのです。


私が本当に聞きたかった助言は、薬が必要になる前に頭痛を止める方法でした。私が気づいていたのは、頭痛が起こりやすいのはストレスを感じた時、一日中きちんと食べなかった時、赤ワインを飲んだ時、そしておかしく聞こえるかもしれませんが雨の日です。これらのは頭痛を防ぐヒントになったのでしょうか?


ジョンズ・ホプキンス大学の準教授である神経学者であり、「Heal Your Headache: The 1-2-3 Program for Taking Charge of Your Pain(あなたの頭痛を癒す:痛みのための1-2-3プログラム)」の著者であるデイヴィッド・バックホルツ博士は、頭痛に対処するこのような防止法を主張しています。最近、私はバックホルツ博士と頭痛の原因、そしてヨガや健康的な習慣がどのように頭痛の辛さを防いだり緩和することができるかについて話をしました。彼は、頭痛に関するアドバイスを初めて私の直感で理解できた初めての医師でした。


頭痛は、ストレスやホルモンの変動、不眠、天気の変化、特定の薬品などのトリガーに晒された時に起こります。


頭痛がやってくるときは、大抵私にはわかります。肩や首が緊張して硬くなります、なので、硬くなった筋肉が頭痛の原因かと考えていました。そうではない、とバックホルツ博士は言います。顔や首の血管の腫れや圧迫が頭痛の原因だというのです。


ストレス性、緊張性、そして偏頭痛を区別している多くの医師とは異なり、バックホルツ博士は、偏頭痛を最大とする痛みの連続系だと考えています。彼によれば、緊張性やストレス性の頭痛と一般的に考えられているものは、単に同じ病気の弱いバージョンです。


頭痛は、どの強度であっても、ストレスやホルモンの変動、不眠、天気の変化(特に気圧)、特定の薬品、特に避妊ピルやホルモン補充療法などのトリガーに晒された時に現れます。食事、睡眠習慣、そして女性には月経周期などずべていつでも頭痛の「トリガー負荷」に関係しています。トリガー負荷の閾値が他の人より低い人がいて、そういう人たちにはより頻繁に頭痛が起こります。しかし、これらのトリガーのいくつかを減少させることで頭痛をコントロールすることができます。



”頭痛の「トリガー負荷」を減らす


バックホルツ博士によると、頭痛を起こす特定の食べ物を排除することは大きな違いをもたらします。残念なことに、原因となる食べ物には大好きなものも含まれます、チョコレートやチーズ(特にブルーチーズや熟成したチェダーなど)、ヨーグルト、バナナ、柑橘系や果物のジュース、ピーナツバターなどです。多くの場合はパッケージに「天然うまみ調味料」と書かれ、レストラン(中華だけでなく)でも使われているMSG(グルタミン酸ナトリウム)は、頭痛の原因のひとつとして知られています。硝酸塩(肉の保存に使用)やアルコールもまた、アルコール飲料と同様、原因のひとつです。他のものよりもよくないアルコールもあります、赤ワインやシャンパンは最も耐えがたく、頭痛に対してはウォッカが最も扱いやすく、白ワインやビールはその中間になります。頭痛をコントロールするためには、これらを排除し、ひとつずつ取り入れてみてどれが頭痛の原因かをさぐるといいと博士は勧めています。



頭痛のリバウンドを防止する


その他の頭痛の原因はカフェインです。最初は、腫れた血管を収縮させることで頭痛をすぐに緩和してくれます。しかし、最初の効果がなくなれば、血管はさらに腫れ上がり、「跳ね返り」頭痛の周期を作ってしまいます。それを踏まえ、カフェインを完全にやめることも有効ではないかと博士は言います。数日から1週間の頭痛を耐えて、そのあとの長期間の頭痛の回数や強度が下がるかを見てみるのです。


同様に、エキセドリン、タイレノールなどカフェインが含まれる市販薬は短期間緩和してくれますが、薬への依存の周期を促進します。処方の偏頭痛薬も同じ効果があります。アスピリンやタイレノールの使用は安全ですが、市販薬を日常的に使うなら、全体的なトリガー負荷を減少させることで防止する必要があると博士は忠告しています。



緩和法を見つける:ヨガはどのように役立つのか


頭痛の主なトリガーのひとつがストレスですから、ストレスを緩和し管理する方法を見つけるのは防止するためには必要な部分です。バックホルツ博士は、頭痛持ちには、定期的で継続的なヨガの練習を、そして週数回の早足や水泳などの有酸素運動で補うことを勧めています。夜間の十分な睡眠とともに、これらがストレスを緩和し、エクササイズ中に分泌されるエンドルフィンが頭痛の防止に役立ちます。頭痛の最初の兆候が現れたら、仕事や家事などを一旦やめて鎮静するヨガのポーズを練習する時間を作ると良いと博士は助言しています。




では特に私に効いたポーズをいくつか紹介しましょう。可能なら、頭痛が始まりそうな時にこのシリーズを練習し、またとてもストレスの多かった日の防止法として利用してみましょう。



チャイルド・ポーズ(アド・ムカ・ヴィラサナ)


体の前にボルスターを水平に置き床に膝をつきます。つま先を揃え、両膝を広く開いて、胴部と両腕を前方に伸ばします。反対の肘をつかんで額をボルスターに置きましょう。目を閉じて完全にリラックスし、そのまま3ー5分間ポーズを続けましょう。



上向きの合蹠のポーズ(スプタ・バダコナサナ)



ボルスターの上に折り畳んだブランケットを置きます。顔がボルスターと逆を向くようにボルスターの前に座り両足を揃え、両膝は開いて床へ下ろしましょう。必要なら、それぞれの膝の下にサポートとして折り畳んだブランケットを追加します。仙骨にストラップをかけ、腰、脛、そして足の下に回します。しっかり支えられていると感じるまで、ストラップを締めましょう。ボルスターの上に横たわって頭をブランケットに載せましょう。そこでリラックスして5-10分間休みます。




ボルスターを使ったブリッジ・ポーズ(セツバンダ・サルバンガーサナ)


ボルスターふたつを並べましょう。ひとつは壁に水平に、ふたつ目は数センチ離して縦に置きます。仰向けで横たわり、両肩と頭は床に下ろし、足は壁につけておきます。両腕を快適な場所に休ませ、横に開くか、肘を曲げて手のひらを上に向けておきます。このポジションで5-10分間ホールドします。



壁に脚をあげるポーズ(ヴィパリタ・カラニ)


ボルスターを壁から数センチ離して水平に置きます。床に座って右へ向き両手で体を支えます。下半身をボルスターの上に載せましょう。両脚をあげて、脚の後ろ側が壁につくまで壁に寄ります。(このポーズの入り方は最初は落ち着かないと思うかもしれません。)ボルスターの上で腰が持ち上がって支えられていると感じるまで、位置を調整しましょう。首や頭の下に折り畳んだブランケットを置きたいと思うかもしれません。(このポーズは逆転のポーズなので、生理の時はやめておきましょう)



椅子を使った屍のポーズ(シャヴァサナ)


ブランケットを載せた折り畳み椅子を用意し、その前に折り畳んだ2枚のブランケットを縦にして置きます。ブランケットの上に横たわり、膝を曲げ膝下を椅子のシートにおきましょう。目を閉じて、体全体をリラックさせ、5-10分間休みます。






(出典)https://yogainternational.com/article/view/5-poses-for-headache-relief


2020年12月31日木曜日

臀筋を使う Vol.2
Recruit the Glutes

 

ヨガポーズで臀筋群を活性化する


ただ裸足で歩くというだけで、臀筋の最善で最も効果的なエクササイズのひとつとなり、ヨガの練習は裸足での運動の効果を拡大し大幅に増加させてくれます。臀筋群は、両脚に荷重がかかっている時に本領を発揮するので、臀筋のためのヨガは主に立位やバランスのポーズとなります(臀筋は後屈ポーズでも重要な役割を持ちます)。



ウトゥカタサナ(椅子のポーズ)




ウトゥカタサナは、大抵は大腿四頭筋を燃焼するポーズだと考えられていますが、臀筋にも効果的で、このポーズを練習することで上記にあるような相互収縮などを体験することができます。ウトゥカタサナは、全体的にスクワットより膝に優しいのですが、大腿四頭筋や臀筋の強化にも効果的です。


ポーズに入るには、ウッターナサナ(立位の前屈)で前屈します。足の親指同士をつけ、内踵を少しだけ離しておきます。両膝を深く曲げ、膝の内側をくっつけ、同時に両腕を前に伸ばして、古いスタイルでプールに飛び込むかのように手のひら同士をつけましょう。


足先を少し持ち上げて、体重が踵に移動するようにしましょう。四頭筋の中心がより強く働くのを感じるでしょう。膝頭に向かって疲れを感じないようにしましょう。より深く曲げるためには、内腿の上部を床に向かっておろします。


踵の中心を床に押し、臀筋が使われて腰がウエストラインから下方へ伸びるのを感じるまで、坐骨を踵に向かって引きましょう。臀筋群が働くと、内腿が硬くなるのを感じるでしょう(でも詰まりを感じてはいけません。もしそうなら、もう一度下方へおろしましょう)。四頭筋の中心もより強く働くはずです。両肩を後ろへ引き腕を頭上に挙げて完全なポーズに入りましょう。



このアライメントは全ての立位ポーズで確認することができます。どの場合も、体重を踵のより中心に移動しつま先の掴む力を緩めることで、臀筋や腿、腰の動きを感じるでしょう。臀筋にかかる効果がより大きくなるのは、特にアルダ・チャンドラサナ(半月のポーズ)などのバランスポーズです。



アルダチャンドラサナ(半月のポーズ)





このポーズは、あまり人気のあるポーズではありませんが、それはバランスを取るのが難しく、また軸足側の股関節に詰まりや不快を感じることが多いからです。股関節を安定させ、腰を伸ばし、ハムストリングスの付着部を保護するために臀筋が十分使われていないと、こうした問題が現れます。膝がロックされていたり腰が反りすぎていると気づいたら、アルダ・チャンドラサナで3つ全ての臀筋を活性化することに注目しましょう。



このポーズに入るには、左側のトリコナサナ(三角形のポーズ)から始めましょう。左膝を曲げて体重を前方の左足に移動し、右足を後方へスライドします。左膝を曲げたまま、床と平行になるまで右脚を持ち上げましょう。軸足を伸ばして膝をロックしたくなるのを我慢しましょう。その代わりに、左膝を曲げた状態でつま先をやや持ち上げ、体重を踵の中心、後方へ移動します。バランスを取るためにつま先を使っても構いませんが、ふくらはぎとハムストリングスを堅めるだけなので、つま先で床を掴まないでください。踵の中心で地面を押し、左脚をゆっくりと伸ばしながら腿、腰、臀筋の反応を感じましょう。坐骨周りの筋肉が硬くなって坐骨を踵に向かって下げ、四頭筋に力が入って腰へとエネルギーを引き上げます。腿そのものは、膝が足の中央に並んだ状態を保ち股関節の詰まりを防ぐために十分な幅で外旋するでしょう。ポーズを反対側で繰り返します。





最初は、特に膝をロックし膝頭が内側へ回転してしまうと、ポーズの中でバランスを崩すかもしれません。しかし、過伸展による大腿骨の内旋が癖になると、間違いなく股関節の痛みに繋がりポーズも不安定になることを覚えていてください。この新しい外旋を促進するため、母指球と内踵を地面にしっかりと付けたまま臀筋を働かせ、そして脚を真っ直ぐに伸ばしましょう。ポーズが軽く感じるようになり、土踏まずが強く、そして股関節が沈見込んだり詰まったりしなくなるはずです。



アルダ・チャンドラサナでは、実際に層になった臀筋群をさまざまな面で使うので、「全ての臀筋」のバランスをとるポーズになります。挙げた脚が適切に支持されれば、これは腰の痛みや疲労に悩む妊婦にも良いポーズです。腰の長さと臀筋が胸腰筋膜を引っ張っているという感覚は、赤ん坊という追加の重みを抱えていることから来る腰のストレスを緩和することができます。それ以上に、筋膜に対する大臀筋の引きが、腱が特に動きやすい妊娠の時期に仙骨を安定させることにも役立ちます。

  • アルダ・チャンドラサナは、臀筋群の全ての層を運動させることができる

  • 大臀筋は脚を挙げ、それを高く保つために腿を外転させる。また、股関節を開いてバランスを保つためにちょうど良い幅に軸脚の腿を外旋させる中心的な役割を担っており、それが腰の筋膜を伸ばして仙骨を安定させる。

  • 中臀筋は、軸足の股関節を安定させる中心的な役割を担い、大臀筋とともに挙げた脚の股関節の前を長く伸ばす。中臀筋は、軸足の股関節で最も働き、ポーズに安定を軽さを与える。

  • 小臀筋は最も深い層であり、股関節を覆い大腿骨頭の全面に付着している。軸足の股関節を曲げて腿を外旋させ、股関節で感じやすい詰まりを防ぐのを助けている。

踵の中心で地面に根付き、臀筋群を働かせれば、アルダ・チャンドラサナのようなバランス・ポーズはアライメントが整った姿勢を促進します。そして臀筋だけでなく体全体で感じられる多くの恩恵を受けることができるのです。



(出典)https://yogainternational.com/article/view/recruit-the-glutes




2020年12月28日月曜日

臀筋を使う Vol.1
Recruit the Glutes




あなたは知っていましたか?姿勢の改善、膝関節や股関節の安定、腰痛の緩和が、臀筋を構成する3つの筋肉を使うことで同時に可能だということを。これらの筋肉の主なものが、あまり評価されていない完全な姿勢のための「皇帝」である大臀筋、そして彼の従者である深層筋の中臀筋と小臀筋。これらの臀筋は、正しく使えていれば、腰椎や仙骨、股関節、膝などの健康に不可欠な役目を担っています。使い方が正しくない場合は(大抵はそうなのですが)、関節に問題が生じたり、ハムストリングスが過剰に発達したり硬くなります。まず、臀筋の解剖学をみていきましょう。そして、これらの筋肉がヨガポーズの中でどのように役立つのかを学びます。




臀筋の解剖学


臀筋には3つの層があり、それぞれが機能的に様々に補完し合っています。臀筋の主な機能は、最も外側にある大臀筋によって行われます。大臀筋は股関節伸展、すなわち腿を後方へ伸ばし、股関節の前をストレッチします。また、水平方向へ股関節を回転させ、腿を外へ回します。これらの動きは、単純な歩くという動きには不可欠で、もし大臀筋がうまく働かなければ他の筋肉(特にハムストリングス)が補完しなければならなくなり、その過程で硬くなり過剰に発達します。

 
中臀筋は、脚に体重をかけている時に大腿骨を寛骨臼内で安定させる働きをします。例えば、ヴリクシャサナ(木のポーズ)やパダングシュタサナ(足先を持つポーズ)などで、片足でバランスを取る際、中臀筋が股関節を水平に保ち、側方に揺れたり倒れたりするのを防ぎます。これは、上げた脚の方向へ骨盤が倒れるのを防ぐため、腰の外側が収縮し(腿の外転)ているのです。より重要なのは、単純に歩く動きで不可欠な役割を担っており、この筋肉がなければ、前へ進もうと片脚を挙げる毎に側方へ倒れてしまうでしょう。中臀筋は三日月か半月の形をしており、腰骨の外端に沿って着いており、骨盤の後ろの仙骨から大腿骨頭の前に向かって伸びています。


最も深い層では、小臀筋が股関節を内旋、屈曲させます。基本的には大臀筋と逆の働きをしており、大臀筋を補完して動きのバランスを作ります。また小臀筋は股関節を外転させ、パダングシュタサナなどのポーズで脚を挙げ、股関節を屈曲するときに、大腿骨が関節内で摩擦を起こさないようにします。









完璧な姿勢のための鍵




臀筋はそれぞれ「使わなければ無くなる」タイプの筋肉で、残念ながら私たちの多くには臀筋を使わない姿勢をする癖があり、臀筋が発達しません。よくある姿勢が後傾姿勢で、股関節が脚を通って走っている重力ラインよりも前に傾いている状態です。このミスアライメントを補完するため、大抵の場合、膝は後方へロックされ腰は前傾して上体が丸まります。これらは全て臀筋が正しく働くのを妨げています。臀筋が平たく発達しなくなり、ハムストリングス(股関節と膝をこの位置で支えるのを助けています)が硬くなって過剰に発達します。つまり問題は2つの要素からなります。


臀筋は脚に荷重がかかった時に働きますが、本当に正しく荷重がかかった時にだけ、正しく働くのです。臀筋や脚の筋肉の使い方が理想に最も近づくのは裸足で歩く時なのですが、これは歩くたびに体重が踵の中心にくることに大きな理由があります。靴を履いて歩く時には異なることが起こります。靴そのものが、臀筋を正しく使えているかどうかを教えてくれます。靴の踵を調べてみましょう。特に踵の後ろ外側がすり減っていることがわかるかもしれませんが、これは踵の外側が一番先に地面に着いているというサインです。実際、ほとんどの靴が、高く柔らかい踵のおかげで、このような歩き方をするようになっています。


では踵の後ろ外側に体重をかけると何が起こるのでしょうか?脛や足首が硬くなるほどに足首を曲げて足を下ろすと、下の脚がまだ後方へ倒れたまま土踏まずが潰れて内側に回転します。これが足首を硬くし、脛骨過労性骨膜炎になりやすく(特にランナー)、土踏まずを弱くするあるいは平たくする、そして足底筋膜炎による足の裏の痛みへと繋がっていきます。膝にも影響があります。下の脚の角度によって膝が過伸展しやすくなります。ハムストリングスは硬くなり、股関節の前傾により股関節の前部がストレスを受けて弱まります。


裸足で歩くと、これは変わります。足首をあまり曲げず踵の中心から下ろすことが多くなり、足指の付け根がすでに床に近い状態になります。踵からつま先へと一歩の間により自然に荷重が移動し、足首は土踏まずの強さを維持できる位置にあります。これが上記の問題を少なくし、臀筋を正しく使えるというおまけもあるのです。


自分の姿勢をチェックするのは簡単です。臀筋の動きを観察しながら、上記の様々な歩き方を試してみましょう。親指と人差し指で大臀筋をつまんで、それぞれの場合でどのように働いているかを観察します。まずは靴を履いてやや大袈裟に後傾姿勢をとってみましょう。上体を後方に倒し、腰を前に出して膝をロック、歩き始めましょう。おそらく、臀筋の動きはとても小さく、前に体を出すためにハムストリングスに重みを感じるかもしれません。では、膝のロックを外してやや「マイクロベンド」し、腰を後方へ動かして体重が踵の中央へ乗るようにしてから、歩きます。臀筋群の動きを比較してみましょう。臀筋がより働くのを感じたら、それは改善のサインです。


最後に、靴を脱いでもう一度歩きましょう。床が硬ければ硬いほど、足首の屈曲を小さくして踵の中心からおろしたくなるはずです。そして踵を下ろすときに特に、臀筋をより強く働かしていると感じるでしょう。つまり、踵の中心に体重をおき歩く時に臀筋を働かせることに集中することで姿勢を正すと、良いことが起こるのです。

  • 踵が地面を蹴る時にやや前傾することで(後傾姿勢で後ろに傾くよりも)胴部のアライメントがよくなる

  • 膝や股関節がややマイクロベンドになり、足首や脛の緊張を減少させて腱を保護し過伸展を防ぐ

  • 歩く際に踏み込む時踵から足先へと進み土踏まずが強く維持され、足裏の潰れを少なくし、足裏と足首の疲れを防ぐ

股関節を正しく調整すると、特に上記のポイントで臀筋を使うことができます。そして臀筋が働けば、腰や膝関節、股関節を安定させることができます。




臀筋を働かせる:体への影響

腰を安定させる


腰を覆っているのは、強靭な結合組織の膜で、腰、股関節、胴部、そして肩の筋肉に編み込まれています。胸腰筋膜として知られ、腰の「策具」を形作り、船のマストを支えるように脊椎を支持しています。大臀筋が収縮すると、下方へと交差する支持部分を緊張させ、特に歩行や前屈などの臀筋群が働いている場合に腰椎が長く仙骨が安定します。



健康的な膝と股関節


臀筋が使用されると多くの筋肉もまた相互に収縮し、それに沿って主に四頭筋が使われるのですが、それだけでなく内転筋(内腿の筋肉)が外転筋としての臀筋の動きを補完します。膝の健康を維持するには、特に四頭筋の内側広筋が重要です。臀筋を使うと内側広筋が同時に使われ、膝の健康維持の可能性が高まります。


結果として、こうした相互収縮(股関節の前部にある腸腰筋の小さな収縮も含みます)が起こり、大腿骨頭が寛骨臼のより中心へと保たれ、股関節の全体的な摩耗を減少させます。反対に、大臀筋が使われていないと、他の筋肉が腰のアライメントを支持しなくなり(特に関節の前部)、股関節そのものが摩耗し深刻な症状につながっていくのです。



(出典)https://yogainternational.com/article/view/recruit-the-glutes



2020年12月25日金曜日

股関節の痛み:対策と予防 Vol.2 
Hip Pain: Overcoming and Preventing It



内転筋と外転筋のバランスを見つける有用なツールはヨガブロックです。ヨガブロックを使うと、同時に大腿骨を回転することなく、鼠蹊部を和らげて内腿上部を坐骨に向かって引く方法がわかります。この過程で、中臀筋のバランスのよい動きができるようになります。


両方の腿の上部の間にブロックを置いて始めましょう。内転筋の動きがわかるはずです。両手を股関節の谷へ、そして人差し指を谷に沿って置いて鼠蹊の筋肉が感じられるようにします。

大腿骨を平行にしたまま、両膝を曲げます。これが回旋筋群をある程度中和し、内転筋の動きをよりわかりやすくします。体重を踵に少し移動し、つま先を和らげましょう。


 

股関節のバランスを取るーステップ1


では、硬くしないように、内転筋に優しく力を入れましょう。内腿の上部を坐骨の方向へ「溶かし」、ブロックを締め付けないように後ろへ引きます。この動きが内腿の後ろから来るのを感じましょう。腿の付け根の筋肉が人差し指がの下で、柔らかくなるのを感じるでしょう。柔らぐとともに、仙骨が前傾し腰のアーチが強くなります。


このように、大腿骨を内に大きく回転させたり緊張させたりしないで、中心に向かって内転筋を「螺旋状」に動かしましょう。最初、この動きは鼠蹊部の緊張を解き、和らぐように感じます。しかし続けていると、大腿骨を関節の中心に置くには、関節の中で大腿骨を横に動かして広げるという動きが必要となります。



ステップ1:ブロックを締め付けないで後ろへ引き、
鼠蹊部を緊張させず大腿骨を内旋させずに
中心に向かって螺旋状に動かす。
ステップ2:親指で筋肉の動きを観察しながら、
ブロックを後方、下方に動かす力と
尾骨を地面におろす力のバランスを取る。



そして次は、内腿を、指先の下にある鼠蹊ではなく深いところで硬くし、腿の内側全体を坐骨に向かって後方へ伸ばします。この深い内転筋は、すでに部分的に使われいるはずです。より強くして、それらの筋肉が大腿骨に対して外側へ押すようにしましょう。内腿が反発しあって(引きつけるのではなく)磁石の両極のほうに働きます。これが骨盤底を開きます。



股関節のバランスを取るーステップ2


次に、両脚を伸ばしていきましょう。ここで中臀筋が働きます。尾骨が重くなり床に向かって降りていくのをイメージしましょう。まるで尾骨が、やや前方に曲がりながら下りているしっぽであるかのようにこの重みを感じます。内腿を後方へ溶かし続けて、この尾骨の引き下げとバランスをとりましょう。


尾骨を下げながら、脚を伸ばし続け徐々に大腿四頭筋(腿の前)を硬くしていきます。ブロックを後方へ下げ続けるために内腿がより強く働き始め、強くブロックを締め付けているように感じるでしょう。ブロックを後方へ引く力、下げる力、そして尾骨に向かって下ろしていく力のバランスをとりましょう。


脚を長く伸ばしていくつれ、臀部の上部と腰の横の動きを感じるでしょう。これが中臀筋です。親指を臀筋の上に戻し、どの筋肉が働いているかを感じてみましょう。また、大きな臀筋(大臀筋)が、尾骨に向かって内側へ締め付け始めていないか、緊張しすぎていないか、両脚が外旋して腰が硬くなってしまっていないかをみましょう。脚をまっすぐに伸ばしながら、骨盤の中心部のスペースを感じ続けます。この場合、「中心を掴む」というのは、デリケートかつダイナミックなバランスで、地面と繋がりつつ広がっています。胸が引き上がって開き、腰はリラックスして(自然なカーブを維持しつつ)伸びているでしょう。



より深い練習:パリヴリッタ・トリコナサナで股関節痛を緩和する


他の立位ポーズ、特にツイストでは、同じ動きをしていますがより著しくなります。パリヴリッタ・トリコナサナやパリヴリッタ・アルダチャンドラサナは特によい例です。というのも、正しくやれば股関節痛や腰痛を緩和してくれますが、間違ってやると挟み込みや股関節の軋みの原因となるからです。


正しい動きを覚えるため、パリヴリッタ・トリコナサナをパートナーの助けを借りて試してみましょう。パートナーに後ろ足の踵の外側あたりに片足を置いて立ってもらいます。そこにしっかりと立っていてもらいましょう。ベルトを後ろ脚の内腿の周りにかけます。



パリヴリッタ・トリコナサナ
ベルトが腿上部を内側、坐骨に向かって後方へと螺旋状に動かす。
練習で、この動きを自分でできるようになる。




ツイストに入ったら、パートナーに股関節から斜めにとても優しく引いてもらいます。あなたの股関節の左右が並んで安定する程度の強さで引いてもらい、内腿の筋肉(大腿骨でなく)が内側そして坐骨に向かって後方へ螺旋状になるように内側をやさしく引いてもらいましょう。ベルトは、内腿の筋肉の強さであり支えの役割をします。ここでは、股関節を平行に保ちながら、この動きを自分で作り出すことを身につけましょう。


それから、前脚に注目します。アライメントを確実にしましょう。膝を少し曲げて必要なら腿を調整し、坐骨と膝、踵の3点を並べましょう。それから脚を伸ばし、腰の外側に力が入って硬く強くなるのを感じましょう。


次に、大腿四頭筋を強くして下腹部に引き上げ、脚を地面に向かって伸ばしましょう。先程の練習で親指を置いていた臀筋上部から脚を下ろします。そこから、お尻の中心、大腿骨を通るエネルギーの流れを感じ、腰の外側を後方へ引きましょう。


ストレッチと力が、腰の前で同時に起こっていることに注目しましょう。腰が固まって丸くなるので、脚を伸ばしすぎないようにします。同様に、しっかり伸ばさないと、腰が過剰に落ち込んで腰の外側(中臀筋)に不快な張力を感じ、内腿を締め付けます。バランスが取れていると、中臀筋が股関節前部から骨盤の重みを引き上げてくれます。後ろ脚の内腿(ベルトの力を借りて)の引き上げと広がり、そして中臀筋の動きによる前脚からの伸展とグラウンディングの組み合わせにより、股関節が左右平行になるのです。最終的には、股関節が広がり、強く、そして安定します。


これらの筋肉を使うのがより難しくなるのは、全体重が片足にのるバランスポーズで、特にパリヴリッタ・アルダチャンドラサナのようにツイストとバランスの組み合わせです。ここでは、後ろ脚の内腿はより強く働かなければならず、中臀筋のより力強い働きで前脚をグラウンディングしなければなりません。股関節を左右平行に安定させるため、腰の外側と臀筋が強く働きます。


パリヴリッタ・アルダチャンドラサナ
このポーズでは、解放され支持された内転筋が引き上がり、
中臀筋が長く伸展することでバランスが作られる。




このように股関節に働きかけることで、股関節痛や怪我を防止するのに役立つだけでなく、何世紀も前に市場でシャンカラチャリヤが学んだ教訓を思い出させてくれます。それは、ヨガマットの上だけでなく日々の生活にも当てはめることが重要な教訓です。私たちの中心を保つことで、精神的にも肉体的にも、強さ、広がり、そして内なる自由の感覚を得ることができるのです。

2020年12月22日火曜日

股関節の痛み:対策と予防 Vol.1 
Hip Pain: Overcoming and Preventing It


股関節痛 – 主な原因


聖人のシャンカラチャリヤは、早い時期に人生の偉大なる教訓のひとつを見つけていました。内なる自己をしっかりとしがみついていられなければ、私たちは平凡な毎日という石臼に粉々にされていまうだろう。この気付きは、子供だったシャンカラチャリヤが、市場で小麦を挽いている女性に出会った時のことでした。その光景に深く取り乱した彼は、涙を流しながら先生のもとへ走っていきました。「人生ってそういうものなんですね」と彼は泣きました。「毎日、時間の石臼で粉々に挽かれているのですね」先生は、彼と一緒に市場へ戻って、石臼の上の石を持ち上げて言いました。「見なさい。中心の軸にしっかりとしがみついている粒はそのままだ。そういうものだけが道を見失わずに済むのだよ」シャンカラチャリヤは感動し、この教えを晩年にも役立てました。私たちもまた、様々なレベルにおいて役立てることができます。


この教えは、私たちの人生の精神面と同様、身体の状態にも応用することができます。何年も使い続けた私たちの関節は、荷重というストレスの下で、ギイギイ、パキパキ、ゼイゼイと「粉々に挽かれ」てしまいます。


単純な要素が組み合わせが、股関節に十分な大きさのストレス嵐を作り上げ、それが股関節痛を引き起こします。特に、ジョギングや散歩の好きな人、週末のアスリート、そしてもちろんアサナの練習をしている人(注意が足りない時には)など、活動的な生活を送っている人たちに多いのです。この問題と、それが原因で起こる股関節痛を理解するには、二つの重要な筋肉群を見ることが必要です。内転筋(内腿と鼠蹊部の筋肉で両脚を身体の中心線へ引く)と外転筋(股関節の外にあって、腿を中心線から離す)です。


 


多くの人で鼠蹊部の筋肉(内転筋)が硬くなりがちで、大腿骨頭をソケットに引き込みます。大腿骨はソケットの中心で外転筋によって安定しなければならないのですが、これは鼠蹊部の筋肉とは逆の働きをします。しかし、この外転筋が弱くなったりストレスを受けていると(大抵の場合はそうなのですが)、結果として崩れたバランスがきしみや関節の悪化、股関節痛となる可能性があります。

しかし、必ずしもそうでなるわけではありません。ヨガは、私たちの広がった中心「近くでホールドする」ことへの理解を与えてくれ、スピリチュアルな面だけでなく股関節の健康に保ちしなやかに歳を重ねていくツールとなります。ヨガは、人生のあらゆるレベルのバランスと調和を目的としており、股関節の痛みや怪我を防止しながら安定、活性化するのに役立ちます。



股関節痛と怪我


内転筋、または鼠蹊部の筋肉には2種類あります。短い方は、恥骨から内腿へと伸びており、よく負傷します。これらの筋肉は、長時間の座り続けや運転、姿勢のストレスなどから硬くなります。この硬さは、悪いフォームでのランニングや、片側のヒップの上で子供を抱える、左右非対称のヨガポーズを間違って行うなどの骨盤を捻ることで、より悪化します。また感情的ストレスによっても両腿をぎゅっと寄せることになるため、硬さが生じます。


その結果起こる怪我は、鼠蹊部の損傷です。突然の勢いのあるストレッチ、特に筋肉が温まっていない時には、筋繊維や腱が裂傷します。例えば、ランナーが中心線を超えて前脚を出して走ると、短い内転筋が硬くなり疲労します。そのストレスは、坂道を駈け上がる時(トレッドミルも含む)に増大するのです。






怪我はアサナの練習でも起こります。パリヴリッタ・トリコナサナやエーカ・パダ・ラジャカポタサナのようなポーズで、前脚の内腿を恥骨から離して引くときに、鼠蹊内転筋は強く引き込まれます。これらのポーズでは、「中心線を挟んで」と指示されることが多いのですが、実際には強く挟みすぎる可能性があり、股関節の中で骨が中心に来るために必要なスペースを作ることができなくなっているかもしれないのです。


主要な外転筋である中臀筋は、股関節内の大腿骨を安定させ、股関節を安全に保つのを助けます。腰骨を大腿骨頭に向かってひきこむことで、この外転筋は股関節を安全に、そして中心線に向かって内転筋が引かれる関節内のスペースを保ちます。私たちが一歩歩くたび、中臀筋は股関節が横に傾くのを防ぎ、関節内で大腿骨を中心に保つのです。






内転筋に関しては、中臀筋の損傷は、ランニングやピボットなど骨盤が捻れたり回転する動きで悪化します。この筋肉は、片足に全体重が乗るとき、ハーフムーン・ポーズ(アルダ・チャンドラサナ)やツリーポーズ(ヴルクシャサナ)などのバランスポーズなどで特に強く働きます。中臀筋が弱く鼠蹊が硬いと怪我をし、その怪我が関係痛となって腰痛を起こし、仙腸関節の機能不全による痛みと間違われることもあります。




股関節痛を防ぐためにバランスを取る



これらの2セットの筋肉群の調整をとることが、股関節の怪我を防ぐのに役立ちます。また、脚や股関節、骨盤の動体的な使い方を新たに理解するのにも役立つでしょう。深いレベルの気づきは、タダサナというシンプルな立位ポーズを意識することから始まります。
 




私たちが脚を伸ばして真っ直ぐ立つと、大臀筋とそのほかの骨盤深くにある回旋筋によって、腿の自然な外旋が起こります。過度の回旋は股関節に問題を起こす可能性があります。中臀筋は回旋筋ではなく、内転と外転、収縮と伸展のバランスを作り出し、内転筋とよい関係を持っています。この関係は、コアが軽く、開いていて引き上がっていると、保持されます。この正しい内側の動きにより、両脚が強く地面についていればいるほど、コアが引き上がるのです。


内転筋と外転筋の正しいバランスを見つけるためにはふたつの難しい問題があります。まず、立っている時に、鼠蹊部、つまり内腿の上部にある緊張をどのように解くかと身に付ける必要があります。次に、臀筋を使いすぎず、かつ鼠蹊部を固めず、どのように両脚を伸ばすのかを見つけなければいけません。どちらの動きも、坐骨から膝の内側に走る深く長い内転筋を正しく使う必要があるのです。


 
可能性のある怪我
ツイスト・ポーズで骨盤を回旋させるほど、
股関節へのストレスは大きくなる。
腰の後ろが下がると、腰の前が引き上がり、
中臀筋の固定と引き込みが同時に起こる。






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次回に続きます。