2022年1月29日土曜日

心配する心を癒す
CARING FOR OUR WORRY


1月22日、マインドフル瞑想の普及に貢献されたヴェトナムの禅僧ティク・ナット・ハーン氏が95歳で逝去されました。主にフランスやアメリカを中心に活動されていましたが、日本でも様々な活動をされ、多くの人の生き方を変えてこられた方でした。

今回は、心配に関する彼の言葉をシェアしたいと思います。

RIP


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「今のような時こそ、マインドフルな呼吸をし、怒りや苛立ち、恐怖などの苦悩を静かに認識し続けるのです。きっと心配で不安を感じているでしょう。こんな風に実践するのです、『息を吸い込んで、不安が私の中にあるとわかっている。息を吐き出して、私の不安に微笑みかけよう』と」



「おそらくあなたには、心配する癖があります。そうすることが必要ではなく役に立たないとわかっていても、まだ心配する。心配するのを禁じて消してしまいたいでしょう。なぜなら、心配をしている時は人生の素晴らしさに触れることができず、幸せにはなれないからです。ですから、心配に怒りを感じ、心配は必要ないと感じます。でも、心配もあなたの一部であって、だからこそ心配は現れてくる。それを優しく穏やかに扱う方法を知らなければなりません」



「あなたにマインドフルネスのエネルギーがあるなら、行うことはできます。マインドフルに呼吸しマインドフルに歩くことで、マインドフルネスのエネルギーを培うのです。そしてそのエネルギーを持って、心配や恐れ、怒りを認識し、柔らかく受け入れることができます。あなたの赤ん坊が苦しんで泣いている時、その子を罰したいとは思わないでしょう。なぜなら、その赤ん坊はあなただからです。あなたの恐れや怒りは、あなたの赤ん坊のようなものです。窓からただ投げ捨てられるなどとは想像しないでください。あなたの怒り、あなたの恐れ、あなたの心配に対して、乱暴にならないでください」





瞑想の方法


座る瞑想は、本来の自分に戻ってあらゆる注意を自分に向けて慈しむことです。祭壇におられるブッダの穏やかな像のように、私たちもまだ穏やかさと安定性を放つことができます。威厳を持って真っ直ぐに座り、自身の呼吸へと戻ります。あらゆる注意を、私たちの内側と周りへと移します。精神をゆったりとさせ、心を柔らかく優しくしましょう。

座る瞑想はとても癒されます。痛みや怒り、苛立ち、あるいは喜び、愛、安らぎなど、それが何であれ私たちの内側にあるものと、ただ共にいられることに気づきます。それに押し流されることなく、そこにあるものとともに居ます。来るままに、あるままに、そして去るままに。無理したり、抑圧したり、あるいは考え事がないふりをする必要もありません。愛情のある目で受け入れ、考え事や心のイメージを観察します。自身の中に湧き上がるかもしれない嵐の中でも、静かに穏やかでいられるのです。

もし、座っている間に脚や足先が痺れたり痛くなったりしたら、静かに姿勢を調節しても構いません。呼吸を追うことで集中を維持することができるので、ゆっくりと注意深く姿勢を変えましょう。

座る瞑想を実践した後は、私たちは大抵、室内での歩く瞑想をします。息を吸い込む度に一歩、吐き出す度に一歩と歩きます。周囲の人たちに気づき、より大きな存在としての調和を感じます。皆がゆっくりとマインドフルに動くのです。




2022年1月24日月曜日

甲状腺のためのヨガ:喉を刺激し不調を予防する5つのエクササイズ
Yoga for thyroid: 5 exercises to stimulate the throat, prevent disorders



1月は「甲状腺認知月間」で、世界中の甲状腺患者や甲状腺の研究治療に携わっている人に捧げられています。甲状腺は、体内全ての細胞、組織、内臓に影響を与えるホルモンを作り出している、つまり、体が正しく働くため大きな役割を果たしている首に存在する小さな腺です。

米国甲状腺協会によれば、甲状腺疾患を持つ人の60%がその症状に気づいていません。そのため、甲状腺に影響を与える様々な健康状態について啓蒙するため甲状腺認識月間が必要となっています。今日では高血圧や肥満から起こる誰もが知るものとなった甲状腺疾患を緩和する手段や解決法を知ってもらうことが必要なのです。

甲状腺障害は、男性よりも女性に多いと考えられています。甲状腺障害の主な要因のひとつはストレスの多いライフスタイルにあります。以下の5つのヨガポーズを甲状腺障害の補完治療として、喉を刺激し、障害を予防、そして自然に治療することで元気を取り戻しましょう。


どんなヨガも始める前に医師に相談することが大切です。以下のエクササイズは今あなたが受けているいかなる治療や投薬の代替ではありません。補完としてのみ行うようにしてください。






1. サルヴァンガサナ(肩立ちのポーズ)




方法:
仰向けで横たわります。両脚を上にゆっくりと90度まで持ち上げます。お尻を持ち上げて両脚を頭の方向に伸ばします。次に、両脚、お腹、胸を持ち上げて一直線にしてみましょう。

両手のひらを背中に置いて支えにし、顎は胸に引きます。心地よい範囲で、できるだけ長くこのポーズを保ってみましょう。15秒から1分間は保ってみましょう。。


効果:
このポーズには、肩や首のストレッチ、脚や臀部の引き締め、甲状腺や腹部の内臓の刺激など数えきれない効果があります。甲状腺機能低下症、亢進症の両方によいとされ、ストレスや更年期症状の緩和を助けます。




2. マツヤサナ(魚のポーズ)




方法: 
床に両脚を伸ばして仰向けに横たわり、両手は腿の傍に置きます。手のひらは肩の近くに置いておきます。息を吸って、手のひらで床を押し肩と頭を持ち上げ、頭頂を床に下ろします。

背中をそらして、合掌した手を上げておきます。両脚を45度の角度まで持ち上げます。このポーズを10秒保ってから下ろしましょう。


効果:
このエクササイズには、胸やお腹、股関節屈筋、首のストレッチなど多くの効果があります。また、コミュニケーションと自己表現に関連する喉のチャクラ、そして叡智や知識と結びついている頭頂のチャクラという体の重要な二つの部分を刺激します。


注意:
首や背中の怪我、頭痛のある時はこのポーズは避けましょう。





3. ウシュトラサナ(ラクダのポーズ)




方法:
ヨガマットの上に膝まずき、両膝と両足を揃えます。骨盤を前に押し出して後方に倒れます。

頭と背骨を、無理なくできるところまで後方に曲げていきます。両手を足に置き、体、背中の筋肉をリラックスさせ、数秒間保ってから元に戻りましょう。


効果:
肩や背中のストレッチと強化、股関節の伸展や股関節屈筋の深いストレッチなど、ウシュトラサナは、胸を開いて呼吸を促進させるだけでなく、腹部を広げて消化や排泄を促します。首をストレッチし甲状腺の血流を増加させることで甲状腺を刺激、脊椎を緩める、腰痛の緩和、姿勢の改善や腿の脂肪を減少させるなどの効果があります。




4. ブジャンガサナ(コブラのポーズ)



方法:
お腹を下にして横たわります。両手のひらを胸の横に置き、腕は体に寄せて肘を後ろに下げます。息を吸って額、首、両肩を持ち上げます。

両腕の力を使って胴体を引き上げます。自然に呼吸しながら前を見ましょう。お腹が床についているのを確認します。このポーズを5秒間保ちます。ゆっくりとうつ伏せに戻りましょう。両腕を体の脇に置いて、頭を横に向けて休みます。


効果: 
このブジャンガサナという横たわった後屈ポーズは、背骨、臀筋、胸、腹部、肩、肺を強化し、血流を促し、体内のストレスを解消します。甲状腺の機能を高め、首や喉をストレッチすることで甲状腺機能低下症に悩む人に良いとされます。




5. シャヴァアーサナ(屍のポーズ)





方法:
仰向けに横たわり、両脚を伸ばして両腕を体の横にリラックスさせておきます。そっと目を閉じて、両足の先を心地よい自然な幅に開いておき、両腕は体から少し離してに沿わし手のひらを上にして休ませます。

自然に呼吸し、全身を地面に重く下ろし、意識をつま先に集中します。それから、意識を、つま先から頭の頂点まで、体、臓器、細胞のそれぞれの部分へと解き放ち始めましょう。心が逸れてしまった時は、そっと体に戻します。

眠ってしまわないように気をつけながら、目が奥の方へ下りていき、顎が緩むのを感じます。意識を回りの音へと向け、最も遠くの音から最も近い音までを見つけてみます。

リラックスして感じられたら、意識をそっと体に戻し、目を閉じたまま指先や足先を細かく動かし、ポーズを終えましょう。両膝を引き込んでゆっくりと片側へ寝返り、安楽座(あぐら)で座ります。その心地よい座位でしばらく休んだ後、そっと目を開けて意識をゆっくりと外側へと向けます。



効果:
深い呼吸を伴うシャヴァアーサナは、どんなヨガポーズよりも神経をリラックスさせ、すぐに体温を下げます。甲状腺機能低下症、亢進症の両方にとてもよい効果があり、夜眠れない亢進症患者のための仮眠のような効果もあり、ストレスを解消、細胞を再生し、体をリラックスさせ、そして妊娠中の女性が薬を使うことなく自身を癒すのにも役立ちます。










(出典)https://www.hindustantimes.com/lifestyle/health/yoga-for-thyroid-5-exercises-to-stimulate-the-throat-prevent-disorders-101642059191365.html


2022年1月17日月曜日

ヨガとエゴ  Vol.2
Yoga and the Ego

前回からの続きです。

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エゴを評価する


ありふれた4つの言葉「私は、私に、私の、私のもの(I, me, my, mine)」というの使い方に気づくことで、エゴの相対的なサイズ感を得ることができます。これらの言葉はもちろん日々の考えや発言の中で意味を持ちますが、時には特別の意味を含むこともあります。「私の考えでは・・・」と、誰かに向けて意見を言います。こうした時、これらの無害な言葉は、自分自身についての便利な言い方以上のものになります。


例えば、ブリハダラニャカ・ウパニシャッドという聖典のガルギャという高慢な男は、賢王アジャタシャトルに純粋な自我(「ブラフマンについてお教えしましょう」)を教えることを提案します。王はそのような智慧を聞きたいと思いその提案を受けます。しかし、どうしてもガルギャは王を満足させることはできず、王はガルギャの語る自我を認識してはいるが完全にではないと言います。ガルギャはついに、実は自分の語っていることを理解していないので王の指導に従うと認めざるを得ませんでした。ガルギャのプライドと彼の知識が不完全である問題に言及した王は、ガルギャに教えを与えるのです。


チャーンドギャ・ウパニシャッドにも同様の物語があります。このお話は、遠方で学ぶ間にエゴを大きくしてしまった、賢者アルニの息子であるシュヴェタケトゥについてです。彼が父の元に戻った時の彼は「熱心で、自分のことを読書家であると認識しており、そして傲慢であった」と書かれています。


彼の父は問題を感じとりシュヴェタケトゥに、高みにある自己について先生に教えを乞うたことがあるかと尋ねました。シュヴェタケトゥは、先生たちはそれについて何も教えてはくれなかったし、もし先生たちが知っていたら、そう教えてくれたはずだと答えます。素晴らしいことに彼の自惚れはすぐに消え去り、自己についてもっと教えてくださいと父に頼み、そうして教えが始まりました。


先生の助けがなくても、いくつかの段階を通して自身のエゴのバランスを取り戻すことはできます。大きくなりすぎたアイデンティティの感覚を変える方法のひとつは、自分自身を一人称で言及することをやめることです。三人称で自分を言及することは、エゴの大きさの観点を得るための古くからの方法です。「私は、私に、私の、私のもの」という言葉を使おうとするたびに自分の名前で置き換えます。「ポールの考えは・・・」「ポールは・・・したい」「ポールが強く感じるのは・・・」この置き換えを何度も強く行うことがエゴの評価する力強い方法となるのです。


しかしまた、この方法は裏目に出ることもあります。長期にわたると、異常な傲慢につながる可能性があります。自分自身を名前で呼ぶことは、「王位のあなた(つまり「王は話したいと願っている」というような)」が話しているような印象を与えます。そして、あなたは何か霊的なことを行っているが他の人はそうでないという意味を他人に与えてしまう可能性もあります。


エゴを把握しておくもう一つの方法は、より捉え難いものです。自分のエゴを守るために真実を曲げてしまうのに気づくことができます。ちょっとした誇張や、偽りをほのめかす過度の強調、情報の隠蔽、エゴのために物事を円滑に進めようと見え透いた嘘をつくこと。こうしたことは自分の正当化であり、隠し事をしているように感じさせます。エゴの問題に警告を与えてくれます。


チャーンドギャ・ウパニシャッドには、エゴに関する真実を語る人物が出てくる素晴らしい物語があります。聖典を学ぶ資格を得たいと願うサッチャカーマ(「真実を求める者」)という少年がいました。しかし彼は、自分の出生に疑いを持っていました。そして自分の経歴に自信がないので、サッチャカーマは先生に受け入れられるかどうか不安に思っていました。そこで、母親に助けを求めます。ところが母親は「あちこちの家でメイドとして働いていた時にあなたを身籠ったので、父親が誰なのかわからない」と驚くべきことを明かします。少年は、教わりたいと考えていた先生に、母親が言った通りに話をしました。「私の母親は、あちこちの家でメイドとして働いていた時に私を身籠ったので、父親が誰なのかわかりません」すると先生はこう答えます。「こんなことを説明することは、徳のない者には敵わない。私についてきなさい、息子よ。真実を偽らなかったお前を弟子として受け入れよう」




エゴを広げる



サッチャカーマのエゴは、非常に力強いものでした。多くの場合、人のエゴというのは根底にある弱さに苦しみます。その欠陥はヨガではアシュミタ、「自分であること」と呼ばれますが、内にそれだけで存在する純粋な意識に気づくことなく、世界とその中にある自分の役割を本能的に認識した結果です。短期的には、エゴは、「内」からの教訓を聞くことよりも外見(名声、評判、利得)を保つことの方が簡単です。そして、精神的な導きが通り過ぎていく日々の生活の中では、エゴは、多忙な電話オペレーターがメッセージを長い間保留にしすぎて不注意から無くしてしまうかのように振る舞います。


それでも、自分自身のどこかで、指の爪や経歴を長くする(自分自身で作り上げた外観を大きくする)ことが人生の目的ではないのではないかと感じています。そして、ヨガは、この世界に行きながらもより高みの源から強さとアイデンティティを得ることは可能だと伝えています。重要なのは、どこに優先順位を置くかということです。外観を保つという巨大な作業で費やすエネルギーを少しだけでも手放すことができた時、自分の内側にある何かもっと実りあるものが手に入ります。


その方法は?精神的な教えの素晴らしい集積であるバガヴァッド・ギーターが、それを垣間見せています。ギーターは、人生の精神的な目的は、心とエゴに隠されている無限の意識を紐解くことだと思い出させてくれます。それによれば、自制がなければエゴが健康であることはあまりありません。内にあるより意味のあるアイデンティティの覆いを外すことで、アイデンティティを見かけと同一視するエゴの癖を止める必要があります。これは、まずは瞑想の中で可能となり、そして徐々に日々の暮らしに広げていけます。あるいは、その順序が逆のこともあるでしょう。


柔軟性、謙虚さ、陽気さ、献身、誠実さ、他者を傷つけようとしないこと、こうしたことが進歩の印です。しかし、この世で行うべき行動から身を引くことは、そのリストにはありません。「行動に完全に心身を向けよ。行動しないことや不十分な行動から、何が得られるというのか」これは、ギーターのメッセージの素晴らしい意訳です。エゴが、傲慢に振る舞う時、責任を逃れようとする時、批判や非難の圧力にもがいている時には、ただ注意すること。これらは、エゴには、より高い観点により沿う必要があるという兆候です。


「どんな観点?」と思うでしょう。ギーターの観点の先端は、その結果への個人的な執着を捨てて行動することに向けられています。これは、朝から晩まで(寝ている時も)自分のために行動を行う欲望とともに暮らす毎日の生活でも同様です。つまり、エゴの根底にある欠陥は、目的を持った人生を通して正すことができると言えるでしょう。奇跡は必要ありません、ただ静かに気づくだけです。エゴが期待を持たずに働く時、偽りのアイデンティティは消え去り始めます。それは間違いありません。


ヨガの目的はエゴを消滅させることだと恐れる人もいます。その人たちは、エゴは捨ててはならないアイデンティティを与えてくれ、瞑想は自我の基本そのものを脅かすものだと言います。そんな考え方に、ヨギは驚きを隠せません。ヨギにとってエゴとは、自分のアイデンティティのもっとより深い状態に到達する限りは、ただの道具にすぎないからです。ヨガの道はエゴを消滅させることではなく、満たすものだと考えます。ペルシャの有名な神秘主義者ルーミーはこう記しました。


「間違った行いと正しい行いを超えたところに草原がある。そこであなたに会おう。魂がその草の上に横たわる時、世界は語れないほどに満たされる」

2022年1月13日木曜日

ヨガとエゴ  Vol.1
Yoga and the Ego

自我とは、意識とは何でしょう?
目に見えているものは本当にそこに存在しているのか、目に見えないものの存在はどうなのか。ヨガ哲学の一部についての記事です。
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エゴ(自我)。よく耳にするごく当たり前の意味を持つこの言葉は、心の中にある「自分」、自分自身について持っている感覚のことを指します。普段、エゴについて考えるときは、感情と結びついています。エゴは、安心や自信を感じたり、怯えていたり不安だったり、あるいは傷ついていると感じることもあるでしょう。希望や欲望に押しつぶされたり、気まずい選択に葛藤していたり、あるいは他人の要求や非難に抑制されたりするかもしれません。言い換えれば、エゴが落ち着きと喜びを求めているにもかかわらず、それが常に楽しみや歓喜の源というわけではありません。


「エゴ」という言葉を使うことの多い精神分析医の間でさえ、エゴが何なのかについて心からの同意はありません。この言葉自体はラテン語の借用です。ラテン語の短い文章 Ego「私は(それだ)」のように「自分」を意味します。ジグムンド・フロイドが、精神の一部を示すために使用していた言葉から、現代の意味を持つようになりました。その精神の部分が、本能的な衝動を抑えて倫理や社会的規範に対処しようとすることから生まれる葛藤を解決するための手段だ、と彼は信じていました。しかし後に、エゴは実際に存在するのかという議論が心理学界で起こります。そして、もちろん、エゴを顕微鏡で確認することは誰にもできないのです。


「そうかもしれない」とあなたは考えるでしょう。「でも、人生で確固としたエゴを何回か見てきたし、エゴの存在について全く疑問を感じない」そうした観察は、この言葉にもう一つの意味を与えます。私たちが「エゴ」という言葉を使うのは、他人との関係の中で映し出す自尊心の物差しとして捉えています。大きくなったエゴは、自分をかなり過大評価した自尊心です。またそれは、良心の声を軽視してしまっていることを示唆します。


こうした見解を前提に、健康的なエゴとはどのようなものなのでしょうか?そして、どれが健康的なエゴだとわかるのでしょう?これはもちろん本が一冊書けるほどの内容ですが、話を戻すと、ヨガではこの問題についていくつかの興味深くやりがいのあることが語られています。




ヨガにおけるエゴ


ヨガでは、哲学と心理学が密接に結びついており、一方の概念が他方を明らかにしています。例えば、ヨガ哲学の信条では、すべての個人は意識や気づきで満たされています。しかし、ヨギたちは、現代の理論とは異なり、意識は自然に湧き起こり、進化によって宇宙の奇跡がもたらされたわけではないと考えています。彼らによれば、意識は永遠で、それだけで存在し、現存する宇宙の中心に存在しています。それはあらゆるところに、いつの時も、そして全てのものに存在しています。全ての植物や動物、人間の命はその一部を映し出しているのですが、意識はそれらの存在の表れには全く依存していません。


この純粋でそれだけで存在する意識という哲学的背景のもと、精神(心)がどのようなものかという像が生じます。精神は自覚はしてはいませんが、意識の道具です。精神は、個人を外の世界と(感覚を通して)交流させ、内省の道具となります。ですから、サンスクリット語での精神を指す言葉のひとつは「Antah karana (内なる道具)」なのです。そして、古代のある時点で、この類稀な精神的道具を所有した種が「man(人)」であり、「考える、思考する」という意味のサンスクリット語の動詞 「man」が語源となっています。


同様に、精神には四つの機能があります。内なる傍観者、霊的理知と倫理観の源として働く、知性。日々の思考や気づきの手段として機能する、より低い精神。維持する能力や記憶。そしてエゴ。この意味においてのエゴはサンスクリット語で「Ahamkara」です。興味深いことに、これはサンスクリットの代名詞「I(aham)」と「作り手」「引き起こす人」という意味の「particlekara」の組み合わせです。つまり、この言葉は文字通り「自らを作る、あるいは引き起こすもの」という意味になります。


つまりヨガは、哲学的なもの心理的なもの、二つの注目すべき考えを示しています。一つは、ヨガにおける「見る者」が伝えてくれるのは、内側に知覚している意識、そして精神だと捉えているものは、実は実際には見えない内側にあるより深い意識の表れであるということです。そして、当たり前だと思っている個人のアイデンティティの感覚は、私たちの最も根底をなす自我ではありません。それは心理的なプロセスの結果です。精神は、エゴあるいは個人という自我という一時的なアイデンティティを与えてくれ、それは心理的な外見として作用します。しかし、この外見はもっとより深みにある主要なアイデンティティ、つまり根底をなす自我を、知り得る純粋な意識を覆い隠します。しかしながら、エゴのバランスが崩れれば崩れるほど、意識をそのまま受け止めることが難しくなります。

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次回に続きます。

2022年1月6日木曜日

お腹の調子が悪い?消化の火を刺激して維持する方法 
Tummy Troubles? How to Ignite and Maintain Agni

年末年始のご馳走三昧、そして休み中の運動不足でお腹の調子が悪くなったりしていませんか?今日はそんなお腹に、アーユルヴェーダのヒントです。
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楽しいとは言えないこんなようなことはありませんか?お腹の調子が悪くて、そこにいるみんなにわかってしまう。しばらくは必死で堪えて(周りの人も気づいていないと願って)無視するか、あるいは一時凌ぎに薬を飲むかも知れません。けれど、遅かれ早かれ消化不良の痛みが襲ってくるのです。


どうしてでしょうか?アーユルヴェーダの専門家であるロバート・E・スヴォボーダ氏によれば、「消化不良は全ての病気の元であり、その症状から他の全ての症状が起こる」からです。アーユルヴェーダでは、健康の鍵は正しく働くアグニで、消化の火という形で栄養を吸収しアーマと言われる老廃物を取り除くのを助けます。消化がうまく働いていると、体の全ての組織や臓器に栄養を与え健康を支えます。アグニのバランスが整って強いときは、以下のような恩恵があります。


  • 消化の働きが効率的になる

  • 毒素の蓄積が最小になる

  • 体内の温かさ

  • エネルギーと生命力
  • 心が明晰になる

  • 精神力

  • 健全さ


けれど、アグニが弱く、消化が不完全で毒素が残ると、身体中の血液やリンパ、エネルギーの流れを妨げます。こうした老廃物を自分で取り除くことができないときは、アーマが蓄積されて病気になります。アーマの蓄積の兆候には以下のようなものがあります。

  • 消化の働きが悪くなる(膨満感、ガス、便秘、下痢)

  • 毒素の蓄積の表れ(舌苔、体臭、過剰な粘液、嗅覚異常、混濁尿)

  • 体内の冷え

  • エネルギーが低くなる

  • 心がぼんやりして、忘れやすい、混乱する、集中できない

  • 精神的、感情的に弱くなる

  • 病気


実は、消化の力を整えることは可能です。おすすめの方法をいくつか見てみましょう。






太陽の力を活性化する


アグニは太陽神経叢(みぞおち)にあります。熱を作ってこの場所にある筋肉を強化することで、火を焚きつけて消化力を高めることができます。

習慣的な有酸素運動をおこなう。 アーユルヴェーダの一般的なルールは、額や腋の下、背骨に沿って汗が出るまで毎日運動することです。

腹筋を強化する。毎日、腹筋運動、クランチ、脚上げなどを5-10分行う。

プラナヤマを練習する。 消化力を高め全体的な健康を維持するために最も大切なエクササイズがプラナヤマの実践です。資格のある医師のもとで教わるべきアグニ・サラというものもありますが、まずは、腹筋の引き締めと上下に激しく動かすパンピングという2つのステップを覚えましょう。




食べる前に


腹式呼吸を5分間行いましょう。これによって体の休息と消化の反応やリラックスする神経が活性化され、消化器への血流が増加します。


右側の鼻腔が開いているか確認します。 ヨガの考えでは、どちらの鼻腔が優勢かによってエネルギーに微細な影響を与え、消化を助けたり妨げたりします。左の鼻腔が優勢の(開いている)ときは、エネルギーはより陰(冷たく受け身的)。右の鼻腔が優勢の時はエネルギーはより陽(熱くアグレッシブ、活動的で消化には理想的)になります。


ヒント: もし、食事の途中で、優勢な鼻腔が右から左に変わったら、食べるのをやめます。これは、十分食べたという体の微細な信号です。また、食後に左側を下に5分間横たわることで、右の鼻腔を開いたままにできるため、消化力が刺激されます。




食事でするべきこととしてはいけないこと


消化の火を点け(たり消したりす)るのは、何を食べるかではなくどう食べるかだと、アーユルヴェーダの医師たちは考えています。有効な食べ方6つのヒントです。

すること

  • バランスの良い、野菜中心の自然食法に従う

  • 最も重い食事はアグニが最も強い正午あたりに食べる

  • 食べない時間を毎日12時間作る(例:午後7時から午前7時まで)

しないこと

  • 食事中に冷たい飲み物を飲んで消化の火を消すこと

  • 食べ過ぎでアグニを疲弊させること

  • 夜遅い時間の軽食やジャンクフードで内臓を弱めること




腹部マッサージ


調子の悪い(そして無視していた)お腹には、愛情をこめた優しいケアが驚くほど効きます。
オーガニックのごま油を温め、静かな場所で灯りを暗くし、横たわって、5分間ほど時計回りにお腹をゆっくりと優しく撫でます。これによって、ガスの溜まったお腹が鎮まって、消化力を高めるとともに、体や呼吸に意識を向けやすくなります。







2021年12月31日金曜日

「手放すこと」の5段階:手放し方を身につける Vol.2
The 5 Stages of Detachment: Learning How to Let Go

 前回の続きです。

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手放すことの5段階


物事が順調に進んでいる時、自身が力強く肯定的に感じる時、健康で創造性に満ちている時、愛に包まれている時は、なぜそんなにも執着を手放すことについてヨガの文献にたくさん書かれているのだろうと不思議に思いがちです。喪失感や悲しみ、失敗に対峙するときは、それに対してもっと興味を感じるでしょう。手放しの実践が、激しい苦痛から抜け出し安らかさに近い何かへと進ませてくれる生命線となります。


けれど、手放しへと一気に飛び込める訳ではありません。ですから、バガヴァッド・ギーターは、小さなことから始めて、毎日手放す筋肉を働かせ養うことを勧めているのです。手放しには練習が必要で、段階的に姿を現します。



第一段階:承認


大きな喪失や強い執着に対処する時はいつも、私たちの感情を承認して働きかけることから始める必要があります。こうした感情は、執着の面倒な局面です。何かが欲しいと感じる時の興奮した欲望や、それを失うことへの不安、そして得られなかった時に現れる絶望感。


承認とは単に、あどうしても欲しい、喪失感を感じると認識するだけではありません。何かを欲しいと思う時、どのように欲しいのかを感じ、身体の中の「欲しという感情」を見つけます。勝利を確信している時には、胸を叩いて「自分、自分、自分!」と言いたがっている自分の一部とともに居ましょう。大切なものを失う不安や恐怖は押し退けるのではなく、わき起こるままにしてそこに呼吸を送ります。そして、実際に喪失した絶望を感じるときは、それを受け止めましょう。泣いてもいいのです。



第二段階:自問


感情を感じ取れたら、自問を通じてその感情を処理しなければなりません。そのためには、欲望や哀しみ、絶望が意識の中に起こる感情の場所を調べることから始めます。その感情に名前をつけて、その中身や物語を徐々に吐き出します。(慰めが必要な部分を扱うために、前もって少し自分と話すことが、時には役立つかもしれません。能力があるのだと自分に気づかせたり、役立つ教えを思い出したり、助けや導きのために祈る、あるいは吐き出す度に「癒されますように」と言うだけでも。)


プロセスの自問部分を始めるには、自分の内に居る目撃者と繋がります。そして、感情のエネルギーを探ります。このエネルギーに深く入れば入るほど、そのやっかいな性質は、糖分の間は解け始めます。感情に対処するプロセスでは、その感情と共に居る自分と少し離れたところに立つ自分の両方を探る方法を見つけるのが重要です。



第三段階:処理


手放すことの3段階目では、今まで歩んできた人生で、取り組んでいる責務や人間関係、ライフステージの中、それらが結果的にどうなるかに関わらず、何が有益なことなのかに気づき始めます。息子の誕生日の後帰宅して「少なくとも会った」と考えた母親は、この認識の解釈のひとつを経験しました。私たちの多くは、しなかったことで得た教訓であっても、何かを実際に得られたと気づく時に、手放すことの第三段階に到達します。


ある若い科学者は、2年間を費やしてきた彼のキャリアを決定する研究で大きな成果に近づいていましたが、ある日科学雑誌を手に取ったとき他の誰かが達成してしまったことを知ったのです。彼はひどくショックを受けて研究への意力を失いました。「絶望的なことばかり考えてしまう」と彼は私に言いました。「『お前は全く不運なんだ。科学の神様がお前に成功させることはない』と考えてしまう。ラボに行くことさえ嫌だった」


彼はその絶望をいくつかの方法を組み合わせてやり過ごす方法を学びました。マインドフルネス(「それは単に思考にすぎない」)、それに向かって話をすること(「物事は良くなる!」)、そして祈りです。今までの研究からどれほど学ぶことができたか、そしてそれが後にどれほどに役に立つかに気づき、距離を置けるようになった(彼が実際に使った言葉は「癒された」)と語りました。



第四段階:創造的行動


この科学者は、何かを証明する必要からではなく、それをすること自体に本当の熱意をもって新しく始められるようになった時、第四段階に達するでしょう。


喪失や欲望で感覚を麻痺することもあり、行動する意思を失ったり、意味がないあるいは無益な方法で行動している自分に気づきます。プロセスに時間をかける理由の一つは、行動する時、いくらかコントロールができると自分を納得させるために、恐怖や何かをしなければという必死さで麻痺しないためです。喪失の早い段階や強い欲望に囚われた時、基本的な生存のために最小限だけを行うということも、時にはより望ましいこともあります。けれど、前身するに従って、考えや計画がどんどん浮かび始め、それを行うことに本当の興味を感じるでしょう。それが創造的な行動を取る時です。



第五段階:自由


喪失について(あるいは欲望対象について)考えることが、通常の幸福感の邪魔をしなくなった時、この段階に達します。欲望、恐怖、そして絶望は心の中に深く入り込み、どんな執着の残骸があってもそれに引き寄せられるのを感じます。こうした感情によって突然襲われることなく、今起きていることをじっくりと考えられるようになった時、本当の手放すことに達し始めていることに気づきます。


第五段階は真の自由という状態で、賢者アビナヴァグプタは重荷を下ろす感覚だと表現しています。些細なことではありません。そうした困難な感情のひとつから自分自身を解放するたびに、ヨガの文献が束縛の鎖だと呼ぶものの、もうひとつの関係の扉を開けるのです。




捧げることによる手放しの実践


毎日行っても、人生の大きな障害に対処する方法としてでも、柔らかな態度で行うと、手放しの実践はより容易になります。おそらくは自身のユーモアのセンスで前進するパワーを得ながら、勇敢に自分の弱さを断ち大変なことに立ち向かうという、精神生活へ向かう禅の武士たちには多大な敬意を感じます。けれど、私がそういった方法で手放そうとすると、感情が深く凍結してしまうように思えます。


そこで代わりに、手放すことを容易する私の方法は捧げるという実践です。自身を精神的な存在(ヴェーダの文献では、存在、気づき、至福と言われます)につなげ、そして今していることは何であれ、今しようとしていること欲していること、今解放しようとしていることをささげるのです。それは、バガヴァッド・ギーターで確率された昔からの方法、つまり、あなたの努力の結果を神に捧げることです。


全ての精神的伝統は、何らかの献身(そしてなんらかの神)を持ちますが、手放しの実践については、最も力強い献身法は、自らの行動を捧げ、恐怖や欲望、疑い、妨害を、ひとつの意識へと向けることです。行動を捧げることにより、特定の利益や個人的な目的でなく、ただ「偉大なる意識」を称え感謝し、それと自身の意識をつなげるために行動するよう、自身を訓練することができます。欲望や恐怖、疑心を捧げることで、それらが私たちを捉える力を緩めることができ、私たちの切望とそれらの達成の両方の源である「存在」の中で信じることを思い出すことができます。



献身の実践がどんなものかを見ていきましょう。


まず、つながるための最も大きく優しいレベルの真実を思い浮かべます。思いやりの心、特定の先生や神様、一体感、あるいは単に自然界全体(人間、動物、植物、地球、空気、恒星、惑星、宇宙そのもの)でもいいでしょう。あるいは、自分の存在、自分の命にもっとも不可欠だと感じる存在やエネルギーに気づくことでもいいでしょう。


これができたら、これから行う行動、あるいはそうなって欲しいと思う結果を心に浮かべます。心の中で、それを「存在」に捧げます。「可能な限り最高の形で達成されることを願いながら、これを全ての源に捧げます」というようなことを言っても良いでしょう。もし問題が強い執着や、自分自身の妨害となるもの、誰かであれば、それを心に描いて捧げます。「この状況でバランスをとり調和を得られますように」とか「物事が全ての人ためになりますように」「至高の善に従った結果となりますように」など言うこともできます。


特定の人間関係への欲望や、自分の幸福への希望、愛する人など、あなたが捧げているものを深く気遣うなら、それを手放すことに躊躇しているのに気づくかもしれません。そんなときは、もう一度捧げましょう。希望や恐怖、欲望、怒り、正義感などと自分自身との同一視が緩んだと感じるまで続けます。執着に囚われたと感じるときはいつでも、もう一度捧げましょう。


捧げることができたら、内面に作り上げた感情のスペースの中に居続けます。「存在」の育みの力は、恐怖や執着を本当に消し去る唯一の力です。その広大で優しいエネルギーを知れば知るほど、それが私たちの力と愛の源であると気づきます。そして気づいた時、手放しはより大きなものへと変わります。欲望や恐怖を手放すことではなく、私たちはこんなにも大きく、その中の小さな感情の全てを包むことができ、それでいて完全に自由であることへの気づきへと変わるのです。

2021年12月28日火曜日

「手放すこと」の5段階:手放し方を身につける Vol.1
The 5 Stages of Detachment: Learning How to Let Go

年の瀬も目前となり、今年最後のクラスの終わりには、新年を迎えるにあたって「手放すこと」についての瞑想を行いました。「手放す」とはどういうことで、どんなメリットがあるのでしょうか。
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私が初めて、執着を手放すことと自由の関係性について真剣に考えた時のことは忘れません。そろえは20代の頃で、ヴァーモント州の友人と一緒に、恋愛相手との辛い別れから立ち直ろうとしていた時です。ある夜、私の憂鬱に嫌気がさした友人が地元のラジオをつけたところ、ラム・ダス(訳注:心理学者でスピリチュアルなヨガの指導者)が話をしていました。彼は、インドでの猿の捕まえ方という有名な逸話のことを語っていました。ナッツ一掴みを口の小さな壺に入れておくのです、と彼は話しました。猿は壺に手を突っ込んでナッツを掴むのだけれど、掴んだ手は壺の口から出せないことに気づくんです。ナッツを手放せば逃げられる。でも、そうはしない。


執着は苦痛につながります、とラム・ダスは締めくくりました。それは「手放すことは自由につながる」のと同じくらいシンプルです。


彼は私に話しかけているのだと思いました。1日に2箱タバコを吸う習慣や、辛い恋愛関係、私は確かに執着していて、そして確かに苦しんでいました。けれど、一握りのナッツを手放すことは考えられなかったのです。恋愛というドラマ無しの、タバコやコーヒー無しの人生など想像できなかったし、ましてや、それ以外のちょっとした依存、つまり心配や憤り、判断など無しでは考えられませんでした。それでも、猿と壺の話は、いつか作動するエネルギーのように私の心に残りました。


一年後、私は駆け出しのヨギとなりました。最近のトラブルについて聞いてくれるような女友達と出歩かなくなりました。その代わり、不満を言うといつも「手放して」と答えてくれる人たちと過ごすようになりました。シンプルさを追い求めて、軽率にも、仕事を辞め、アパートを出て、彼氏と別れました。捨てられなかったものは、不安、憤り、そして批判する傾向。つまり、ある行動から他の行動へと単に移動しただけで、その結果、まだ苦しみ続けていました。



手放すとは?


数年の間、大切なものを無用なものの代わりに捨ててしまうまで、手放すとは外界の話ではないのだと私は気付きませんでした。実際、人生の大きな精神的な課題によくあるように、手放すことは深いパラドックスに関係しています。人生で混乱があまりない人は、精神的な実践のための時間をより多く持っているのは事実です。けれど、長い目で見れば、家族や所有物、政治行動や友人関係、仕事への注力などから自身を切り離すことは精神的な人生を貧しくする可能性があります。人や場所、スキルや考え、お金や所有物に関わることは、現実の世界で精神的な基礎となります。こうした外側の関係性や、それらの作るプレッシャーがなければ、思いやりを身に付けたり、怒りやプライド、心の冷酷さを減らし、精神的な洞察を行動に移すことが難しくなります。


ですから執着を手放すことは、生活の糧や力、自尊心、他人との関係性などという基本的な問題に対処しないことの言い訳にはできません。また、手放すことを、無関心や不注意、消極的態度と同一視することもできません。その代わりに、手放すことをスキルとして実践することができます。おそらく、人生に誠実さを気品を与えるために必要なスキルとして。


バガヴァッド・ギーターは、間違いなく執着を捨てる実践についての基本的な文献ですが、この点について素晴らしくはっきりと著されています。クリシュナはアルジュナに、執着を捨てて行動することは、それを行うこと自体が正しいことであり、成功するか失敗するかの心配することなく、それが為されなければならないゆえである、と語ります。(T.S.エリオットはクリシュナの助言をこのように言い換えています。「我々には試すことしかできない。あとは知ったことではない」)


同時に、クリシュナはアルジュナに、運命が求める彼の役割の中で最善を尽くすことから逃げてはならないと繰り返し思い出させます。ある意味で、バガヴァッド・ギーターは、最大のプレッシャーの下で最大の気品を持って行動する方法についての長い教えなのでしょう。ギーターは実際、手放すことについて私たちが持つ多くの質問について記しています。例えば、家族や喜びを感じる能力を諦めるべきではなく、自分を純粋で不死の意識としてではない身体や個人として識別する傾向を捨てるべきだと指摘しています。



執着を手放す方法


けれど、バガヴァッド・ギーターは全ての質問に答えてくれる訳ではありません。その方が良いでしょう。一歩ずつ、自分で答えを見つける方法を発見することが、精神的な人生の醍醐味ですから。例えば、恋に落ちた時にどうやって執着を手放せるのでしょう?どうやって、行動の結果を深く考えることなく、ビジネスを始めたり、小説を書いたり、司法試験の勉強をしたり、救急病棟で働くことができるのでしょう?欲望と執着を手放すことの関係とは?手放すことと燃え尽きから来る無関心との違いは?


社会的な行動はどうでしょう?例えば、怒りや不公平感に捕らわれずに正義のために戦うことは可能でしょうか?そして、手放すことと優秀であることに関係性はあるのでしょうか?精神的な実践を含めて何に対してであれ、優れることは、100パーセント身を投じる用意ができていなければほとんど不可能です。それでも手放すことはできるのでしょうか?


そして、自分の子どもや自分の身体との関係など、文字通り執着と定義されるような本当に解決困難な問題もあります。それを手放すことは命そのものを手放すかのように感じるそても本能的な執着にどう対応できるのでしょうか?


私のある友人の18歳の息子は、学校をドロップアウトし、働かないことを選択して今は路上生活をしています。友人と彼女の元夫は、息子を学校に止めるため、彼が選んだならどんな教育でも金銭的に支援すると約束するなど、あらゆることをしました。どれもうまくいかなかった時、彼らは専門家の助言に従って金銭的支援を打ち切りました。今では、彼に会いたいときは、彼がいる公演まで北へ6時間車で行って彼を探します。息子は全ての状況に満足しているようですが、それでも彼らは夜中に目が覚めて、凍えて空腹でひどい怪我をしていないかと思い、毎日、心配や恐怖や怒りのさまざまな感情を生きています。


「自分の人生をどう生きるか彼が決めたこと」と、彼らが信じてきた精神的な教えを引っ張り出して彼ら自身に言い聞かせます。「彼の旅の一部だから。彼には彼のカルマがある」けれど、息子の幸せに執着することをどうしたら止められるでしょう?長い間育んできた配慮や責任の感情に繋がっているその絆をただ切れるでしょうか?こんな時、(成功を手放すことよりも困難なのは周知のごとく喪失であるため、多くの場合は喪失です)手放す実践についての辛い事実に対峙します。手放すことは、決定的に達成するということはほとんどありません。それは、瞬間ごと、日々、真実をそのまま受け入れるプロセスであり、結果に身を任せて正しいと考えている行動をとることに最善を尽くすことなのです。


ホームレスになった息子のある誕生日に、彼の母親が彼を探して夕食に連れていき、新しい服を買いました。彼はそのパンツが気に入らず、着古した方を着て帰っていきました。「少なくとも息子には会えた。少なくとも、愛していると伝えることができたわ」後で私の友人は言いました。「他の選択がしたくなったらいつでも、ここに居る私たちが援助すると思い出させることができたわ」


この友人の、息子に対する複雑な感情を持つ様を素晴らしいと思います。できないことについて認め続けながらもできることを行い、困難を誤魔化すことなく、その状況で最善を見つける方法を探っています。彼女の手放しには、全く楽観主義的なところはありませんし、苦労してやっと手に入れたものです。人生ではこれが私たち全てに遅かれ早かれ必要となります。この世界が愛し方を教えるための学校ならば、それはまた、喪失への対処法をも教えてくれるからです。



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次回に続きます。


2021年12月26日日曜日

リラクゼーションのテクニック:呼吸のコントロールでストレス反応を鎮静 
Relaxation techniques: Breath control helps quell errant stress response



「闘争逃走反応」という言葉は、ストレス反応としても知られています。これは、危険に対峙するか、それとも避けるかという体の準備です。適切に喚起されれば、ストレス反応のおかげで多くの困難に立ち向かうことができます。しかし、問題となるのは、例えば金銭的な困難や交通渋滞、仕事に対する不安や人間関係など、それほどまでには重要でない日々の出来事によって絶え間なく反応し続ける時です。


健康の問題はすべて同じところに行き着きます。主な例は、心臓疾患の大きな原因となる高血圧です。ストレス反応はまた、免疫機能を抑圧し、風邪などの病気に罹りやすくなります。また、ストレスが溜まると、不安症や鬱にも関連する場合があります。ストレスの全ての原因を避けることはできませんし、避けるべきでもありません。しかし、それらにより健康的に反応する方法を養うことは可能です。そのひとつは、1970年にハーバード医科大学で心臓病学者のハーバート・ベンソン博士によって最初に開発されたテクニックで、リラクゼーション反応を喚起することです。リラクゼーション反応は、瞑想やヨガ、漸進的筋弛緩法など多くの方法で誘因することのできる深い休息の状態です。


リラクゼーション反応を喚起するいくつかのテクニックに共通する特徴は、呼吸への集中です。まずは深く呼吸することを学びましょう。



深い呼吸の効果


深い呼吸は、横隔膜呼吸、腹式呼吸などとも呼ばれます。深く呼吸すると、空気が鼻を通ってたっぷりと肺に入り、下腹部が膨らみます。


多くの人にとって、深い呼吸は不自然だと感じるでしょう。これにはいくつかの理由があります。一つには、私たちの文化では、呼吸にあまり良い身体的イメージを持たないことです。平らなお腹が魅力的だと考えられていているので、女性も男性も腹筋を引きこんだままにしがちです。それが深い呼吸を邪魔し、徐々に浅い「胸式呼吸」が普通になり、緊張や不安が増加します。


浅い呼吸は、横隔膜の可動域を制限します。肺の下部は酸素を十分に取り込めません。そうして呼吸が短く不安に感じるのです。


深い腹式呼吸は、十分な酸素交換を促します。つまり、入ってくる酸素と出ていく二酸化炭素の効果的な交換です。驚くほどのことではありませんが、それによって心拍数が下がったり血圧が安定したりします。



呼吸の集中の練習


呼吸への集中により、ゆっくりとした深い呼吸に集中し、気を散らすような考え事や感覚から離れることができます。お腹を引き込み続けがちな人には特に役立ちます。


まずは第一歩。静かで心地よい場所を探して、座るか横たわります。最初は普通に呼吸します。そして深い呼吸をしてみましょう。鼻からゆっくりと吸い込んで、肺を満たしながら、胸と下腹部を大きくしましょう。お腹を十分に膨らませます。今度は、口から(より自然に感じるなら鼻からでも)ゆっくりと吐き出します。


実際に呼吸に集中します。上の呼吸ができるようになったら、コントロールした呼吸を習慣的に練習します。心地よく座って目を閉じ、深い呼吸と共に、役に立つイメージや、集中できる言葉やリラックスできるフレーズに集中しましょう。



リラクゼーション反応の誘引法


ストレスへの反応を少なくするのに役立つテクニックがいくつかあります。呼吸への集中は、下記のほとんど全てに役立ちます。

  • 漸進的筋弛緩法
  • マインドフルネス瞑想
  • ヨガ、太極拳、気功
  • 祈りの言葉
  • 誘導イメージ療法



習慣的に行う


どのリラクゼーション法が自分に最適なのかみてみたいでしょう。気に入ったものがあまりうまくいかない時や色々やってみたい時は、別のものもあります。下記のコツも役立つかもしれません。

  • 心地よく静かに座る(あるいは横たわる)ことのできる特別な場所を選ぶ
  • あまり一所懸命にしない。おそらく緊張が高まるだけでしょう
  • そして、受け身にもなりすぎない。リラクゼーション反応を引き起こす鍵は、意識をストレスの原因から深く穏やかなリズムへと移すこと。そして、必ず集中する焦点を持つこと
  • 毎日の習慣にしてその感覚を定着させるために。毎日1、2回同じ時間に練習してみる
  • 毎日10-20分間程度は練習してみる







(出典)https://www.health.harvard.edu/mind-and-mood/relaxation-techniques-breath-control-helps-quell-errant-stress-response

2021年12月22日水曜日

生理痛のための5つのヨガポーズ 
5 of the Best Yoga Poses for Menstrual Cramps


10代のころからひどい生理痛に悩まされた私、毎月鎮痛剤が手放せませんでしたが、ヨガを始めてからほとんど必要がなくなりました。
ドクター曰く、普段動かない場所が月に一度、突然動き出すので痛みが起こる。普段から動かしておけばいい、のだそうです。
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辛い生理痛は、できることなら何とかしたいものです。ヨガのように体を動かすことなんかしたくなと思うかもしれません。


けれど、生理痛を和らげるのに効果的なヨガポーズがいくつかあり、それらを一度試してみれば、痛みのいつもの対処法の一つとなるかもしれません。



生理痛のためのヨガについて


生理痛のためのヨガによって、効果的に痛みを緩和できます。


まずは、整理中に特に痛みを感じる部分について考えてみましょう。お腹や骨盤、お尻、腰など。特定のヨガポーズで、こうした部分の痛みの緩和をすることができます。


また、PMSの感情的な症状や生理期間はヨガで減少させることができ、痛みを抑える以上の効果があります。


ヨガにはさまざまな種類があり、数えきれないほどのポーズや変化型があります。一から始めるのは、少し面倒に感じるかもしれません。ヨガの経験があろうとなかろうと、生理痛を緩和するためにヨガをしてみてはいかがでしょうか?


以下は、生理痛のためのヨガポーズです。試してみてくださいね。



生理痛を緩和する5つのヨガポーズ

その1: 子供のポーズ・バリエーション


子供のポーズは最も知られているヨガポーズの一つで、ほとんど経験のない人や初心者にも知られているでしょう。このポーズが、特に腰に現れる生理痛のためのポーズです。

子供のポーズに入るには、両膝を床に置くところから始めましょう。痛みを緩和するために、一般的な子供のポーズよりも膝を広めに開きます。

前屈し、腕を伸ばして、心地よい範囲で体を曲げ下ろします。できれば、額を体の前のマット上に下ろして、ゆっくりと、胸ではなくお腹を使って横隔膜呼吸を5回しましょう。頭を一方に向けても構いません。その場合は、片方に向けて5回呼吸してから、反対に向きます。

お尻のあたりをリラックスさせて、腰の筋肉をゆっくりとストレッチしましょう。




その2: キャット&カウ


キャット&カウは、背中だけでなくお腹の筋肉も使う、2つの働きを持つポーズです。

カウ(牛)のポーズから始めましょう。四つ這いになって、両手が方の真下にあるか確認します。膝は股関節の真下にしましょう。優しく頭を前にストレッチし、息を吸いながら空を見上げます。同時に、尾骨も空に向けてお腹を地面に下ろしましょう。

では、キャット(猫)のポーズに移ります。何度か自然な呼吸をします。そして、深く吸ったら、ゆっくりと息を吐きながら背中を丸めましょう。頭と尾骨は地面方向にストレッチします。優しい背骨のアーチは背中の筋肉を温めるとともに腹筋をストレッチし引き締めます。

キャットポーズで息を吐き、カウポーズで息を吸います。5ー20回繰り返しましょう。






その3: 横たわったツイスト


このポーズは、腰や下腹部に効果があります。

まず、仰向けに横たわります。左膝を曲げて、右側へ倒します。左を見て、左右の腕を開き、手のひらを空に向けて置きます。このまま、5回以上呼吸しましょう。

左足を伸ばして床に戻し、右脚を曲げて左側へと繰り返します。このポーズは腰回りや肩をリラックスさせます。各サイドで5ー10回繰り返します。



その4: 鳩のポーズ


鳩のポーズは、生理痛のストレスを抱えている腰回りをよりリラックスさせるのに役立ちます
。腰まわりのストレッチや和らぎを与えてくれます。

まず、まっすぐ座りましょう。右膝を曲げて、左足を後方へ伸ばします。両手を腰に置いて、背中を反らします。両腕を頭上に伸ばして合掌すると、より強いストレッチが得られます。

四つ這いになります。右膝を右手首の方向へ移動させ、右足首を伸ばして左の腰と並べます。ゆっくりと左脚を後ろに下げましょう。バランスを取るため、そして個人の柔軟性によっては、両手を床に置いたままでも良いでしょう。

後ろに脚を伸ばすと左の腰にストレッチを感じ、また右側にもストレッチを感じるかもしれませんが、痛みのないようにしましょう。もし痛みを感じたら、ポーズを変更する必要があるかもしれません。

このまま数呼吸行い、元の位置まで戻ったら、左膝を曲げて右脚を後方へ伸ばし繰り返します。5-10回行いましょう。



その5: 屍のポーズ


このポーズはヨガの最後のポーズとしてよく行われ、特に生理痛に対処するためのマインドフルネスの練習をするのに効果的です。これは体をストレッチするというより、心をリラックスさせて集中するために行います。

屍のポーズは、シャヴァアーサナとも呼ばれます。仰向けに横たわって、手のひらをそれに向けて下ろします。ゆっくりと体を、頭頂から首、肩、背骨、腕、手、腿、ふくらはぎ、足首、そして足と、リラックスさせていきます、。¥

瞑想的な呼吸が、生理痛以外のものへ集中するのに役立ちます。屍のポーズは、腹式(横隔膜)呼吸の練習するのにぴったりです。長く深い、コントロールした呼吸を行い、忙しい浅い呼吸をしないようにしましょう。








辛い生理の症状には何も効かないと感じることもあります。ヨガや食事法、瞑想、マッサージなども役に立たないかもしれません。痛みの原因は、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)や、子宮内膜症などでないかを確認したほうがいいかもしれません。その場合は医師にご相談ください。



2021年12月17日金曜日

ヨガポーズの魅力の影にある気まずい真実 
The Uncomfortable Truths Behind Our Fascination with Yoga Poses



ヨガはポーズの見た目を完成させるものではない、という概念について。
ヨガといえばエクササイズという認識が広いと思いますが、ある意味それでもいいのかなとも思います。それぞれの解釈でそれぞれのやり方で。その気になれば哲学を深めるもよし、体の健康維持のためでもよし、見た目を追求するもよし。ただ、その人のヨガを誰かに押し付けたり、エゴを大きくしすぎないことは大切かもしれません。
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ヨガと聞けば、おそらく体のエクササイズのことだと思うでしょう。伝統的なヨガの指導者たちは、ずっとヨガ的な精神性を称賛してきましたが、それでもなおヨガといえばポーズだと米国(訳注:日本でも)では考えられています。


ポーズは、基本的なヨガの実践における導入部として素晴らしいものですが、精神的な理解への唯一の道だというわけではありません。ポーズは、子供たちに瞑想の準備をさせる素晴らしい方法です。ヴィンヤサのヨガクラスは、実は、子供たち、特に少年たちのエネルギー維持のために開発されたものです。
 

最初にマットの上に立つ時は、年齢がどうであれ誰もがヨガの旅では幼い子供です。ポーズは、信心を超えた精神性という中心的な要素への導入です。時には、悟りへの道に旅立つのに必要なのは、単に体を動かして呼吸とつながるということなのです。


アメリカ人にとってポーズは、その世界観にあっているので理解しやすいのだと思います。アメリカ人は、他の何よりも身体的な美に価値を見出すので、身体的な鍛錬に身を捧げることに価値を感じます。


それと同様に、ポーズを取ることは、生まれてからずっと養ってきた慣れ親しんだものです。身体的な健康が究極の財産であり、身体の衰えはそうした大切なものの終わりを告げるものです。


けれど、身体を完璧な状態に保つ本当の目的は何なのでしょうか?年を取らないため?時を止めるため?けれど、年を重ねる能力は人生の最高潮(クレシェンド)です。年を取ることは、最も鮮やかな瞬間で、最も深いものです。あなたは、年を重ねるために存在しているのです。私は、年を重ねる能力とは、謙虚さと優雅さをもって年をとることだと思っています。年を重ね、そのプロセスを楽しむこと。手を広げて年を取ることを迎え入れること。身体の状態やポーズに執着することは、年を取らないでいようとすることと同じです。


実は、ポーズはそんなに重要ではないのですが、ヨガ業界によれば、ヨガの確固とした実践とは、「エクソシスト」のリンダ・ブレアみたいに背骨を反らして、山の崖っぷちで逆立ちをし続けなければならないのです。一般的な考えでは、より多くのポーズを知っているほどヨガが上手で、ヨガが上手であればあるほどうまく生きられると言われます。そんな風に体を捻じ曲げられれば、良い人間であり、おそらく他の人よりも良い人間なのです。けれど、それがヨガなのでしょうか?他の誰かよりも良い人間であることが?


そんなことは全くありません。どうやって他の人よりも良い人間になれるというのでしょう?そんなものはありません。そしてそれこそが、ヨガ業界が物事をダメにしている部分です。なぜなら、ヨガは誰かよりも上になろうとするものでは決してないからです。それは、優位性です。優位性とは、周りの人よりも良くあってより多くを得るということです。
 

資本主義は優位性の子供であり、資本主義のおかげで、私自身を含めた多くの人がヨガについて耳にした唯一の原因でもあります。けれど、ヨガは、資本主義が大声を上げ始める以前からありましたし、資本主義が定義できるものを超えて存在しています。そして、どれほどたくさんのポーズを練習しようと、逆さになったりプレッツェルみたいに曲がったりしようと、最終的には全く同じ結論を描くことになるでしょう。どんなヨガポーズも、あなたを他の誰かよりも良くするものなどありません。


根本的に、ポーズをマスターすることは議論に値しないのです。ポーズは、完璧になるためではありません。結局、あなたは、ポーズを取ったり練習したりする以前にすでに完全であり、その真実は変わりません。


ヨガポーズをとりつかれたように練習すること、特に同じポーズを何度も何度も練習することは、痒みをかきむしったりかさぶたを剥がすようなものだと、私は考えています。正直にいえば、私はポーズを自傷行為として行っていました。太陽礼拝や深いバックベンド、逆転ポーズなどを、ベッドが血に染まるまで爪を噛むのと同じ理由で行っていました。なぜなら、自分を傷つけるのが心地良いからです。


ヘッドスタンドやスプリット、車輪ポーズなどをやり続けたかったのは、私が真実を知っている証拠だと感じられたからです。まるでガールスカウトのバッジのように、まるで額に付いた金の星かのように、練習の写真を欲しがっていました。ママ、見て、今日、学校で至福に至る方法を見つけたわ。どうすれば大丈夫かわかった。生き方がわかった、正しくやる方法がわかったわ。


どんなに腹筋が締まったとしても、何らかの精神的な報いは常に地平線にあります。ポーズは体を疲弊させ、精神を今の瞬間に落ち着かせることができます。ヨガポーズが身体をボコボコにやっつけた時、精神は(やっと)休むことができます。筋肉や骨、靭帯が共に働いて、全ての真実のコンセントにつなぐように、そして全身がひとつになった時に初めて、自分自身の内側を見ることが可能になるのです。けれど、ヨガの道とは、死、つまり、避けることの出来ない崩壊の最終段階への準備です。それは、予防策ではなく、永遠の旅とその行先に、完全に存在する道なのです。


どう言うわけか、体はかつて動いていたようには徐々に働かなくなります。そして、皮膚に皺や弛みができ、その根底にあるものに気付かされます。そして、その避けることのできない報いから得た知恵は、常に、浅はかな栄光や身体的特徴に優るのです。


ポーズは、特に複雑である必要はありません。正直に言って、本当に知っておかなければならないのは一つだけ、座るポーズです。実際に、今、やってみましょう。座って静かになりましょう。脚は必要ないので、脚を組む必要はありません。仰向けに横たわっても構わないので、真っ直ぐ座る必要もありません。今は快適ですか?いいですね。では、このポーズを保ってみましょう。


心が早っていますか?息を止めていますか?ソワソワしますか?話したくてたまりませんか?昨日のことが心配?今日この後の予定について考えていませんか。


おそらくは。恐怖。結局、あなたは人間であり、そうした諸々は完全に普通のことです。時間を止めようとしないでください。ただ、今ここにいましょう。ただ、自分自身の目撃者となりましょう。


今この瞬間へと呼吸するのが、ヨガポーズの機能の全てです。全てのポーズのたった一つの目的は、止めている呼吸やソワソワや、心の中で耳障りに響きわたるノイズの目撃者となることです。そして、私の経験では、こうしたことを全て行うには、胡座を組んでやるのも難しく、シルクドソレイユのコントーショニストを真似するのも無理です。


けれど、ポーズがヨガの最重要ポイントではないからといって、意味がないわけではありません。集中を体に向けている時は、自分自身を今この瞬間へと結びつけています。今以外に向かう場所はありません。ポーズに取り組むことは素晴らしく、多くを教えてくれます。ポーズの練習は、本当に良い暗喩のようなもので、本当に良い暗喩のように、全てのポーズは表面で見えているよりも実際はより深いのです。

2021年12月10日金曜日

忘れっぽい?集中力と注意力を高める神経科学者推奨のエクササイズ 
Forgetful Much? Try This Neuroscientist’s Simple Exercise to Boost Focus and Attention



神経科学者で「Peak Mind」 の著者であるアミーシュ・ジャア博士は、このところマインドフルネス界のジョン・カバット・ジンみたいに大きな注目を集め話題になっていますが、ある朝、目覚めると歯に感覚がないことに気づいてショックを受けました。そう、まるで局所麻酔したかのように歯が痺れていたのです。多忙でストレスの多い生活が原因で注意危機に陥っており、博士自身が脳科学ラボで研究している「注意システム」により注意を向ける警鐘となりました。

「注意は、大きな能力です」ジャア博士は言います。「注意力の調整することで、日々の生活を理解し、考え、感じ、記憶を味わい、将来を夢見ることができます」

ジャア博士によれば、私たちには3つの高度に調整された「注意システム」があり、脳の中で指揮者のように働いて、後で見つけ出すことのできる考えや経験を蓄えている作業記憶システムを連携させています。




注意が失われる原因は?


わかっているのは、ジャア博士のように昼夜を問わず忙しくしていると、私たちの注意システムはひどく劣化する可能性があるということです。博士の仕事は、高ストレスの教授や研究者で、またTEDのスピーカーで、母で、そして今では新進の作家であり、彼女の多忙な生活をとても優秀な指揮者のように管理しています。もちろん、忙しいと感じていましたが、ほとんどの場合は平気でした。注意システムは、それを変えてくれと懇願していたのです。

注意について、もうひとつショックだったことは、ある日の夕食後、ソファで横たわってリラックしていた時のことでした。幼い息子が「ワンプって何?」と尋ねたのですが、何のことがわからなかったのです。ワンプという名前の生き物が出てくるセウス博士の「One Fish, Two Fish, Red Fish, Blue Fish」を何百回も読んだことがあるのにも関わらずです。

研究者であるジャア博士はすぐに、同じような症状の人が大勢いることを発見しました。私たちは、注意を払わないでいるために、人生の半分を失っているのです。




幸い、ラボや軍の兵舎、消防士のような前線で働く人々とともに行ってきた彼女の研究により、マインドフルネス(ヨガのような活動を含む)が注意システムを元に戻すのに役立つ可能性があることがわかりました。




注意システムを理解する


「注意システム」は3つのサブシステムから成っていて、「ワンプ」に満ちた複雑な人生の中で私たちがうまく機能するよう共に働いています。

  1. 懐中電灯
    注意を集中する時、それがどの点であっても、それは頭の中で明るく強調され顕著になります。例えば、クラスのためにヨガマットが必要だとしましょう。部屋を歩き回ってあなたのマットの色や形、テクスチャを探すと、ほら、あった。ありがとう、懐中電灯さん。


  2. 投光照明
    懐中電灯が狭い範囲で集中するなら、投光照明は広い範囲で多くを照らします。マットが見つかったので、車を運転してヨガクラスに行きます。投光照明は、道路を見て、止まれの標識に注意し、スピードに注目し、歩行者や自転車に気をつけ続けます。何かを探しているわけではなく、注意を集中する必要のあるものに反応していつでも懐中電灯をさっと取り出せる準備ができているのです。


  3. ジャグラー
    ジャグラーは、瞬間ごとに行動を指揮し、監督し、処理します。ジャア博士が言うように「ジャグラーが、行動とともに何をするかという目的を確実にします。つまり、ジャグラーが、行動が順調に果たされるよう頭の中で目的を保ち続けます。(駐車場に車を停めてメールをチェックしている時、ジャグラーが、あなたのスクロールしている手を止めてクラスに行かせようとする)」



注意に注意を払う


作業記憶によって、脳内のこれら3つのサブシステムがそれぞれの役割を調整されています。「作業記憶とはメモ帳のようなものです。脳内の一時的「作業領域」であり、そこで懐中電灯や投光照明、ジャグラーの情報をとても短い時間(数秒から長くても1分)で処理されます」ジャア博士は言います。

注意を払う時は(懐中電灯や投光照明、ジャグラーであっても)いつでも、処理される情報は、作業記憶内に一時的に保存されます。共に、注意と作業記憶システムは意識的な経験で形作られ、そうした情報を日々の生活を送る中で用いることができるのです。

「注意というのはパワフルです。が、揺るぎないというわけではありません」ジャア博士は言います。

脳は、サバンナでガゼルを狩るには懐中電灯、危険を察知するには投光照明、ジャグラーを満足させるために夕食を持って帰るなど、作業記憶のメモ帳の3つのサブシステム間で素早く揺れるようになっています。この能力がサバンナで不可欠である一方、そのせいで激しい「注意市場経済」(宣伝文句や警報、「ニュース速報」の点滅など)の脆い餌食にになります。




注意が最も消耗するのは


けれど、Appleに怒りをぶつける前に、知っておいてください。携帯電話は問題の一端に過ぎません。僧たちは、紀元400年から心の動揺全てを避けようとしていて、それがとても困難なことだと気づいています。
 
注意が最も消耗されるのは、実は、思考や感情、後悔、心配、欲望、予定など、忙しさが煮立った大鍋のような頭の中なのです。「注意は常に、居てほしい場所から引き離されて、それが真実から最も遠いものであっても心がより『関係があり』『緊急』だと決めたものへと移ります」博士は言います。そんなストレスや、沈んだ気分、恐れだけでなく、注意の質が下がり、ああ!すっかり忘れてた!と言うことになるのです。

ジャア博士の研究(そして、彼女の歯が痺れた体験)から、注意に影響を与えるのはストレスの多い体験だけではないことがわかっています。「やるべきことが多すぎると感じたり、心の明晰さや集中力の変化に気づき始めるかもしれません」その結果、ワンプのページ全部が隠れてしまい、心の中の買い物リストが消え、年金をもらい始めるずっと前から「何話してったっけ」の瞬間がやってきます。

大きな能力をケアする方法のひとつは、マルチタスクしようとしないことです(代わりにひとつのタスクを)。けれど、もちろん、ストレッサーの多くは避けられません。仕事、子供の世話、夕食の準備などが一気に直撃します。

ストレスの原因のひとつも諦めるつもりのない博士は、その強力な懐中電灯の光線を注意システムの理解に向けました。マインドフルネス瞑想を毎日行うこと、「今この瞬間に注意を落ち着けて、何が起こっているのか、何が起こるのかの物語を論じることなく体験すること」が、心の曇りを晴らし、心を整理し、心の集中力を強め、それによってより人生を体験することができるのです。




プレッシャー下でマインドフルに


毎日20分のマインドフルネスを続けるうちに、博士は歯の感覚を取り戻しただけでなく、よりその瞬間を感じ、より効果的に体により落ち着けるようになりました。「自分が有能だという感覚やコントロールできている、困難に向き合ってそれを乗り越えられるという自信を感じました」

「自分自身を行動指向で、結果主義、高い目標にぎりぎりまで挑む競争的な野心家だと考えていたので、これで得られたことは驚きでした。もっと強く求める、より早く良く考える、より多く行動するということではない心の使い方を、初めて体験しました。それは、人生のその瞬間を感じる、受け入れる、好奇心を持つことでした」

ジャア博士は、私たちは考えることや行動することにまとまって慢性的に中毒になっていると考えています。その状態にあるというモードには、簡単にはなれません。しかし彼女の研究では、マインドフルネス瞑想が、より効果的に考えたり行動したりするのに役立つと示唆されています。

「Peak Mind とは、考えたり行動することを優先しない状態です。注意のどちらのモードをも制御します。集中しながら受け入れられる、このバランスによって、注意に関する困難を乗り越え突破できるのです」




STOP の実践法


博士は、著書 Peak Mind の中で、パフォーマンスを最大にする毎日の集中と注意システム喚起を通して注意コントロールを取り戻すことに的を絞った、12分間の脳トレ・プログラムを開発しています。

マインドフルネスが初めての方や、毎日の12分間脳トレをするのはまだ無理だという方に博士が推奨するのは、以下の STOP を1日に数回行い、いつでも注意がどこにあるのかへの気づきを高めることです。

  • S(Stop) = この瞬間にしていることを止める

  • T (Take a breath)= 呼吸をする

  • O (Observe)= 心の中や周囲で起きていること(思考、感情、身体感覚)を観察し、それに引き込まれることなく気づく。ただ観察し、身を任せ、そして受け入れる。

  • P(Proceed)= より集中し、より明確に続ける

博士が1日を通して注意を払うことでマインドフルネスを実践し始めた頃、心がバッタのように常にあちこち飛び跳ねてちっとも集中できないことに気づきました。「一日中、どんなに心が彷徨っているかにショックを受けました!」マインドフルネスを毎日2ヶ月行った後、劇的な変化を感じました。生きていると強く感じたのです。

現在、ジャア博士は、Peak Mind の毎日の練習と20年間の脳研究のおかげで、人生を豊かに生きられるようになっただけでなく、集中力、そして不思議なワンプのように消えていく人生の半分を取り戻すため、毎日数分間の脳トレを広めるため皆さんの注意を惹きつける使命に取り組んでいます。

2021年11月26日金曜日

筋膜に関する誤解と真実 
Fascia Myths and Fascia Facts


今回は「筋膜」について、です。

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最近のヨガの世界で、「筋膜」が流行りの言葉のようになっているのに気づいていますか?この最近理解されてきた体の組織についての記事がたくさんありますが(私自身もこの数年間に2本書いています)、多くのヨガクラスで、特にボールやフォームローラーなどのセルフマッサージの道具をローリングするようなものなど、筋膜が注目されるようになっています。

筋膜が注目されるのは、本当に興味深いトピックだからだと思います。筋膜は、体全体に広がる複雑に絡み合った一種の結合組織で、全ての筋肉、骨、臓器、神経、そして血管やリンパ管を包んで互いに絡み合っています。実際、私たちの体内組織を一つにまとめる構造を作っているだけでなく、スムーズで効率的な動きを作るために筋肉システムと協働し、結合組織システム全体で体内のエネルギーを吸収伝達しています。こうした深い洞察によって、動きを理解する方法を拡げる力を得ることができ、それはとても刺激的なことです!

こうした固有の興味深い事実に加えて、筋膜について、実際に信用するには研究がまだ追いついていないにもかかわらず、広く信じられていることがあります。今日は、ヨガのコミュニティにおいて、広く知れ渡っている筋膜のトピックやマッサージとローリングについて、科学に基づいた生産的な意見交換の受け入れを促すため、こうした特定のことがらのいくつかを見ていこうと思います。



誤解その1 : フォームローラーやマッサージの道具でローリングすると、筋膜の癒着やコリ、瘢痕組織をほぐすことができる。


マッサージセラピストなら、クライアントの体の硬い部分を見つけて、マッサージし、「ほどけて」「リラックスする」のを手の下に感じた経験があるはずです。クライアントの筋膜をにあるコリを手で物理的にほぐしたと考えるのは自然なことでしょう。そして、私たちも自分でマッサージの道具をローリングして同じように感じることもあります。

しかし、筋膜は、鋼鉄のように強いコラーゲン繊維だという事実を知っている人は多くありません。実際に「ほぐす」には、大怪我をしてしまうようなとても大きな力を加える必要があります。これはマッサージセラピストの手やマッサージボールでできるようなことではありません。

転がしたりマッサージした後、体の硬い部分の感触が変わるのを感じるかもしれませんが、この変化は筋膜の構造が変化したわけではありません。筋膜の構造変化はとてもゆっくりで、時間をかけて変化します。コラーゲンが完全に変化して作り変わるには約3年かかります。マッサージの後に経験する組織の質の瞬間的変化は、癒着やコリや瘢痕組織の「分解」ではなく、神経が介在して起こる組織の緊張度の変化なのです。


マッサージやローリングなどの軟組織の治療が、癒着やコリ、瘢痕組織の物理的にほぐすわけではなく、主として神経伝達に働きかけるということを理解すれば、こうしたトリートメントを力づくではなくより優しく行うべきだと気づくでしょう。深く力強い圧力でローリングしたりマッサージをすると、神経の脅威レベルや感度が高まり、せっかくの努力が逆効果を招く可能性があります。より優しく柔らかく行う方が、脅威レベルを下げ組織をリラックスさせるための神経系を鎮めさせられる可能性が高まるのです。

フォームローラーやボールをローリングしたりマッサージすることは間違いなく素晴らしいことで、体を気持ちよく感じさせる効果のある道具ですが、なぜ効果があるのかというメカニズムをより理解すると、自然により賢く使えるようになるでしょう。





誤解その2 : 体に痛みを感じるのは、筋膜に多くのコリや癒着、瘢痕組織があるから。


こう考えている人がとても多いのですが、痛みの仕組みについて正しくない情報に基づいていることがわかります。痛みの最も基本的な側面は、痛みは中枢神経からのアウトプットであり、体の周辺部分からのインプットではないということです。私たちが痛みを感じるとき、体の特定の部分に感じるため、この概念について混乱しがちです。痛みは、組織の中にあるように感じるので、そこで痛みが起こっているように思うのです。しかし、痛みは実際には組織にあるわけでは全くありません。100%神経的な体験なのです。

痛みはアウトプットであり、体の周辺部にある癒着やコリや瘢痕組織のインプットではありません(もしそうなら、問題は全く別の話です!)。実は、それらは痛みを作る能力を持ち合わせていません。この概念を掴むのは、特に私たちはマッサージセラピストが「コッた感覚のする」場所に触れると柔らかくなったり痛みを感じたりするのを知っているため、困難かもしれません。また、実際にそこに「コリ」や固まった場所がないのに触ると痛い場所がある場合もあります。こうした痛みを感じる部分は、スムーズでコリがないように感じます、そして、触ると、痛みに全く関係のない場所にコリを感じる場所も少なくないのです。

お分かりの通り、痛みと組織の質は別のものであり、共通する時もありますがほとんどの場合はそうではありません。皮膚下の固まった部分の全てに問題があると考えるのは簡単ですが、実際には、そうした部分のほとんどはおそらく正常で健康的な感触です。そして、。体のどこに感じるかに関わらず、痛みはコリや癒着、瘢痕組織にはあまり関係がなく、それよりも特定の部分の周りで反応している神経に関係しているのです。これを理解することで有益で進歩的な見解を得ることができますが、それは、組織が「硬い」「凝っている」と感じることを異常だとみなさなくなれば、自分自身やヨガの生徒、マッサージのクライアントのための反偽薬を作り出すことが少なくなるからです。(反偽薬とは、痛みのように悪い結果をもたらしてしまう、無害な事柄や行動への否定的な思い込みのことです)




誤解その3 : 筋膜は脱水することがあり、ローリングやマッサージで脱水を治すのに役立つ。


これは本当に興味をそそる考えですが、私の知識の範囲では、この主張を支持する研究はありません。これに関する問題点のひとつは、脱水や水分補給プロセスの仕組みが明確にされていないと言うことです。

簡単に言えば、結合組織は細胞やコラーゲン繊維、基質と呼ばれるゼラチン状の非生物から作られています。筋膜が脱水するというなら、おそらく基質が脱水するのだと考えられます。

しかし、どのように基質が脱水していると確認できるのか、私にはわかりません。外から見てわかるのでしょうか?おそらく皮膚を見て?どこかに痛みを感じているからでしょうか?(先程述べたように、痛みと組織の状態にはあまり関係性がありません。)

たとえ筋膜の脱水状態を調べる確かな方法があったとしても、どのようにマッサージやフォームローラーでのローリングが水分補給するのか、はっきりしません。結合組織の基質は確かに水分を含んでいますが、ローリングの圧力がこの水分をどのように変化させるのでしょう?(飲んだ水分は基質の水分とは異なる経路を通っているので、筋膜の水分補給とは異なります。)ローリングが筋膜に新たな水分を加えるのか(どのように?)、すでに存在している水分を体の別の場所から脱水した場所へ移動させるのか?もしローリングで水分が増えるのなら、皆さんの臀部は、毎日何時間も座ることで圧力がかかっているので、とても水分に満ちていて特別に健康的なはずです。

多くの人がこの水分の話を信じているのは、賢いヨガのインストラクターや経験豊かなマッサージの先生など知識豊かな誰かから聞いたからでしょう。しかし、実際に結合組織の生理学にこの主張を裏付けるものを探してみれば、それはあまり多くないということに気づきます。マッサージが脱水した筋膜に水分を与えるのは本当かもしれませんが、明らかな方法でこれを示す研究はまだ存在しないのです。科学が何か確かな証拠を作り上げるまでは、このような主張をするのは少し待った方がヨガ界のために良いのではないでしょうか。




要約すれば、筋膜は、あまりある理由から信じられないほど素晴らしい体組織です。しかし、言葉を選んで、ほぐしたり水分補給しなければならない痛みのある癒着や瘢痕組織でいっぱいだというような筋膜についての主張をやめることが、自分自身や生徒に対しても良いことでしょう。また、マッサージセラピーや、ボールやフォームローラーなどセルフマッサージの道具は本当に素晴らしく多くの人に素晴らしい効果をもたらすものですが、こうしたマッサージにおいて、多くの場合に見落とされがちな神経の役割への気づきを認めたり伝えたりすれば、これらの道具を自分自身や生徒、クライアントのために、よりパワフルに使うことが出来るようになるはずです。





(出典)https://yogainternational.com/article/view/fascia-myths-and-fascia-facts

2021年11月22日月曜日

アサナは何のため? 
What is the Purpose of Asana?

今回の記事は、ヨガポーズ、アサナに関するQ&Aです。
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Q:私は、これまで様々な先生のヨガクラスを受けてきました。先生達が教えているのは基本的には同じエクササイズで、「ハタヨガ」だとか「アサナ」だと言います。先生達の多くは、アサナは体に良いだけでなく、精神を開く方法でもあるという印象を持っていて、アサナがクンダリニを目覚めさせると言う人もいます。私は、こうしたポーズと精神性にどう関係があるのかわかりません。何かを見落としているのでしょうか?アサナが精神的な成長にどのように役立つのでしょう?


A:アサナについては、本来、考えられ教えられていた方法と、現在教えられているものとの間にはとても大きな違いがあります。古代では、目的は瞑想であり、アサナは、できるだけ気を散らすことなく長時間座って瞑想できるよう、心と体の能力を高める方法でした。体が健康で、精神が内に向かって一点に集中している時にのみ、人は人生の内なる局面を見つけることができるのです。この自己発見が、精神的修養の真髄です。


自己発見のプロセスで、修行者は、体と呼吸、呼吸と精神、精神と魂の間にある繋がりを見出します。しかし今日では、体の健康を高めるために「ヨガ」クラスに行く人がほとんどで、アサナは、ほとんどのクラスで体に関することに対処する方法として教えられ、体や呼吸、精神、魂のこの内なる繋がりに注意を向けることはほとんどありません。ヨガは、結びつきの道であり、ヨガの実践は、自身の異なる局面間の繋がりがあることに気づかせてくれるものです。肉体的なレベルのアサナはヨガではなく、精神的な成長にはほとんど役に立ちません。


例えば、ブラナヤマ(呼吸法)の実践は、精神を内側へと集中させ、精神の変容を支配する力を得るための最も確実な方法のひとつだと言われています。アサナを呼吸法から切り離すのは、現代のやり方です。プラナヤマのないアサナの教えというのは、どんな聖典にもありません。しかし、現代の指導者の中には、アサナを教える際にプラナヤマの方法を伝えない人が多く存在していますが、それでも自分たちが教えているものをハタヨガと呼んでいます。こうした種類のアサナの実践は健康を促進するでしょうが、精神の明晰さを高めることはできず、すなわち精神的な目覚めが生じることもありません。


言い換えれば、あなたの言うクラスはハタヨガクラスではありません。聖天によれば、ハタヨガとは、体の健康と精神の明晰さ、そして霊的な輝きへの完全なる道です。ハタヨガの実践とは、アサナ(ポーズ)、プラナヤマ(呼吸法)、集中、そして瞑想を組み合わせたものです。ハタという言葉自体が、その目的を示しています。ハは「太陽」タは「月」です。つまりハタヨガとは、陰陽のエネルギーのバランスを取る能力を得る実践なのです。ハタヨガの実践により、自身の陰陽や男女の性、受動能動の局面のバランスを取ることで、精神と体の調和した状態が作り上げられるのです。肉体的なポーズに呼吸や瞑想の訓練を組み合わせなければ、こうした調和状態になれると考えることはできません。そして、この内なる調和がなければ、内側そして外側の世界の両方から沸き起こる気を散らすものや邪魔するものに抗う時間とエネルギーが、膨大な無駄となるのです。




Q:ヨガとはアサナと同じ意味で、瞑想は別のものだと考えていました。アサナはハタヨガの一部にすぎず、プラナヤマや瞑想が伴わなければアサナの実践だけではハタヨガではないということですが、なぜ、現代ではアサナと瞑想との繋がりがなくなったのでしょうか?


A:私は、生活のあらゆる場面にヨガが浸透している環境で育ちました。ヨガをはっきりとした道や修練ではなく、生き方だと考えていました。ヨガを実践しながら大人になりましたが、26歳でアメリカに来て初めて、そのことに気づきました。どんな種類のヨガをしていたのかと尋ねられた時、その意味がわかりませんでした。私にとってヨガはヨガでした。総合的な知識とそれにもっぱら集中することから、一部を切り離すというテクニックには馴染みがなかったのです。もう一つ私が驚いたことは、肉体的なポーズに焦点を当てていることでした。常に、プラナヤマや瞑想とともにポーズを実践してきたからです。


1時間やそれ以上の体系的な体のストレッチは、心が落ち着くと共に活力を得られます。その効果はすぐに現れて明らかです。呼吸や体のエネルギーの流れに働きかけた効果、つまりプラナヤマの効果の一つですが、長く続きます。こうした効果は力強いですが、とても微細です。それよりも微細なのが瞑想によって得られる効果です。ヨガが西洋にもたらされた時、ポーズを普及させるのは容易でした。人々の、体に働きかけるという概念を理解する準備ができていたからです。しかし、呼吸や精神に働きかけるという概念を受け入れるほどではありません。ですから、アサナはすぐに市場に広まりましたが、プラナヤマや瞑想のより微細な実践はほとんど広まりません。そうして、アサナの実践は、瞑想から切り離され、それだけで洗練されていき、多くの人々の間で、アサナがヨガの同意語となったのです。彼らは瞑想がヨガの欠かすことのできないテクニックだということを知らないのです。


ヨガと瞑想に違いがあると考えることは、無知からきています。聖典には、別の実践だとは決して書かれていません。実際、最も権威のあるヨガスートラは、ヨガは精神の変化をコントロールすることだと定義しています。そのコントロールする力を得るテクニックこそがヨガのテクニックなのです。そして、すべての解説者らの言う通り、完全にバランスの取れた精神状態とその状態へ至る道のどちらもがヨガなのです。





Q: 実際には、何がハタヨガを精神的なものにするのですか?


A:ハタヨガを精神的な道へと変える初めの一歩は、生活の中に「ヤマ」と「ニヤマ」を取り入れることです。ヤマとは、非暴力、誠実、禁欲、不盗、不貪の実践のことです。これら5つの原則は、不健康な生き方をしないために役立ちます。ニヤマとは、5つの守るべきことで、清浄、知足、鍛錬、自己探求、神への降伏で、健康的に生きるために役立ちます。これらの10の原則とともにアサナやプラナヤマを実践することで、内から外へ、そして外から内へと自分自身を変化させ始めるのです。


ハタヨガを精神的な道へと変化させる次のステップは、聖なる音やシンボルへの瞑想です。これによって、自分自身と神を繋ぐことができます。精神的な結果を目指して実践を行って初めて、精神的なものとなり得ます。精神的なものへの瞑想は精神的な実践です。ただ一点に集中する力念力を目指すような瞑想はそうではありません。精神的なゴールを目指すには、精神的な方法で行わなければなりません。


ハタヨガのアサナという部分は、自身を体へと導いてくれます、プラナヤマによって、エネルギー鞘へ近づくことができます。集中するテクニックによって、精神を統一できるようになります。しかし、これらの修養が必ずしも精神的な目覚めにつながるというわけではありません。


瞑想の全てが精神的というわけではありません。水に瞑想すれば、穏やかで集中した精神を養うことができるでしょう。火に瞑想すれば、力強い精神を養い、エネルギーのレベルを向上させることができます。特定のマントラに瞑想すれば、透視力や他者を癒すような特別な力を得ることもできます。しかし、ヨガの実践でこうした特別な能力を得られたとしても、まだ本当の自分には辿り着けないかもしれません。


精神を内に向けることは簡単ではありません。世界の魅惑や誘惑は力強く、心は一つのものから次のものへと走り続ける癖があります。一点に集中する能力を養えたとしても、内に向かって内なる神を求める理由を見つけられないでしょう。


この世の体験や物質は束の間のものに過ぎず、内にある命の源は永遠であることを、心に納得させなければなりません。聖なる存在との関係性は永遠で、内なる神を抱くことで受ける喜びはどんな感覚的な喜びをも凌ぎます。こうした理解のみが、私たちの精神を内へと向けるきっかけとなり得るのです。そうした動機をもった瞑想は、精神統一を養うだけでなく、心を内側へと向かわせてくれます。そうして内への旅、一歩進むたびに価値を言い出せる旅が始まるのです。

2021年10月25日月曜日

心の健康のためのヨガ 
Yoga for better mental health

ハーバード大学のサイトからです。
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心を落ち着かせ集中させる呼吸の練習や瞑想に重点をおいてるヨガに、不安や鬱の緩和など精神的な効果があるのは驚くことではない。もっと驚くべきことは、実際に脳の働きをよくするということだろう。



脳を活発に


ウェイト・リフティングをすると、筋肉は強く大きくなる。ヨガをすると、脳細胞は新たな繋がりを作り、機能だけでなく脳の構造をも変化させ、その結果として学習や記憶などの認知機能が向上する。ヨガは、記憶や注意、認識、思考、言語などで重要な役割をする脳の部分を強化する。脳がウェイト・リフティングをしていると想像してみるといい。


MRIのスキャンや脳のイメージング・テクノロジーを使った複数の研究では、ヨガを習慣的に行っている人の大脳皮質(情報処理を司る脳領域)と海馬(学習と記憶に関わる脳領域)は、ヨガをしない人と比較すると、より厚いことが示された。脳のこうした領域は年を取ると一般的に収縮するものだが、ヨガをしない人よりヨガの高齢の実践者はその収縮が少ない。これは、ヨガが老化に伴う記憶やその他の認知機能の低下を防止する可能性があることを示唆している。


また研究によれば、ヨガと瞑想によって、論理的思考や決断力、学習、反応時間、知的鋭敏さのテストでの正確さなど実行機能が向上する可能性があると示されている。



気分が向上


どんなエクササイズでも、行うことで、ストレスホルモンのレベルが下がり、エンドルフィンなど気持ちの良くなる物質の生成が増え、より酸素を含んだ血液が脳に送られて気分が向上する。しかし、ヨガにはそれ以上の効果があるかもしれない。不安の減少や気分の向上に関係するガンマ・アミノ酪酸(GABA)という脳内物質のレベルを上げることで気分がよくなるのだ。


瞑想もまた、感情をコントロールする脳の部分である辺縁系の活動を減少させる。感情的な反応が下がると、ストレスの多い状況に直面した時の反応が和らげることができる。


鬱や不安の治療の中心は、長い間、薬や話し合い療法である。しかし、ヨガのような補完的アプローチにも効果があり、また、ヨガはその他の補完治療に匹敵している。


「Aging and Mental Health」誌で発表された15の研究の再調査では、高齢者の鬱や不安に対する様々なリラクゼーションのテクニックの効果を調べた。ヨガに加えて、マッサージ療法、漸進的筋弛緩法、ストレス管理、音楽鑑賞などが行われた。これら全てにいくらかの効果があった一方で、ヨガと音楽が鬱、不安のどちらにも最も効果的だった。またヨガの効果は長期に持続するようであった。


ヨガがPTSD(心的外傷後ストレス障害)の緩和に役立つことが、多くの小規模研究でわかっている。ヨガだけで用いられることはないが、侵入性記憶や感情喚起を緩和し、穏やかで安定した呼吸をもたらすのに役立つ付加的な治療として使用される。深くゆっくりとした呼吸は、副交感神経を活性化するのに役立つので、より落ち着いた状態になるのだ。










出典)https://www.health.harvard.edu/staying-healthy/yoga-for-better-mental-health

2021年10月21日木曜日

ヨガで姿勢を正せるか? 
Can yoga fix your posture?

柔軟性と体のアライメントに焦点をあてるヨガは、姿勢を正すことができるのでしょうか?



ヨガには様々な効果があると知られていますが、柔軟性やマインドフルネスを高めながら、姿勢を直すことができるのでしょうか?その場凌ぎのホームオフィスで長時間の作業をしていたり、ずっとスマホを見ていて首が痛くなったりしたことのある人は、おそらく姿勢を正したいと思っているのではないでしょうか?


クリーブランド・クリニックでは、立っている時、座っている時、横たわっている時に保っている体の位置を姿勢と定義しています。私たちの毎日の動きや活動が、体のアライメントに影響し、関節や筋肉にストレスを与え、時には痛みの原因になります。ありがたいことに、体のアライメントの問題の解決や凝り固まった体をほぐすのに、全てのタイプのヨガが役に立つ可能性を持っています。


腰痛を持っているなら、姿勢を正すことが痛みの根本原因をなくすことはできないかもしれませんが、筋肉の緊張をやわらげることはできるでしょう。腰痛が数週間続いている、あるいは怪我が深刻であったら、エクササイズを始める前に医師に相談してください。



ヨガで姿勢を正せるか?


どんなエクササイズも姿勢を向上するのに役立つ可能性がありますが、ヨガのようなエクササイズは特に有効かもしれません。「Journal of Physical Therapy Science」に掲載された研究では、50ー79歳の女性80人に、毎週の集中的なヨガポーズ・プログラムを行ったところ、その他の従来のエクササイズよりも背骨の柔軟性向上に役立つことがわかりました。


シカゴにある Bloom Yoga Studio のオーナーでありヨガアライアンスの役員であるケリー・マイヨルカは、ヨガだけでは姿勢は直らないが、確実に役に立つだろうと考えています。彼女によれば「ヨガは、姿勢を向上したい人誰にでも効果があります。というのも、健康的な背骨のアライメントを見出すのに不可欠な体幹の強化に役立つとても多くのポーズがあるからです。また、ヨガのマインドフルネスの練習によって、自己認識が高まり、椅子の上で猫背になっていたり、デバイスを使っている時に頭を前に突き出していることに気づきやすくなるでしょう」



あなたの姿勢にはどのタイプのヨガが最適?


Yoga and breath–work teacher Geraldine Joaquim told Live Science that body alignment is integral to all yoga poses but cites some specific yoga for back pain poses that can help the shoulders and upper back specifically:ヨガとブレスワークの指導者であるジェラルディン・ホアキムによれば、体のアライメントにはすべてのヨガポーズが欠かせないけれど、特に肩や上半身のためのポーズが腰痛に効果があると言います。


  • 猫のポーズでは、胸を前後に動かして、上半身の柔軟性を高め、背骨をストレッチし伸ばします。
  • 橋のポーズは、背骨を支えている筋肉を強化するのに役立ちます。
  • 下向きの犬のポーズは、腰痛を緩和することができ、胸と肩を開くことで筋肉を強化し、それによって椎骨をまっすぐに脊柱を整えることができます。
  • 両脚を前に伸ばし、足首を曲げ背中を伸ばして床に座る杖のポーズなどの座位のポーズでは、胸や背中の筋肉を強化し、同時に脚をストレッチ、腹部を強化します。

ホアキムによれば、「陰ヨガは特に姿勢のために良いです。ゆっくりと動くヨガで、他のヨガが注目するような筋肉ではなく、深部にある結合組織(靭帯、関節、筋膜)に焦点を当てています。陰ヨガは、ポーズをより長く維持し、呼吸を使ってリラックスすることを通して、柔軟性や血流を高め、筋肉の再生を助けます。けれど、実際、ヨガの練習のほとんどは、自然に姿勢を向上させるでしょう」



姿勢をよくするためにどう寝ればいいの?


人生の3分の1は、寝ている(あるいは寝ようとしている)ので、日中の座り方や動き方と同様に、寝る姿勢は重要です。けれど、完璧な眠る姿勢というのはあるのでしょうか?Acorn Health 臨床部長であり British Chiropractic Association (BCA)のメンバーであるカイロプラクターのフィリッパ・オークリーによれば、「最も理想的な睡眠時の姿勢のひとつは、首を支える枕と膝の間の枕を使って横向きに寝ることです。通常、首や上半身の伊民に繋がるのでお腹を下にして寝ないようにと言いますが、この姿勢で眠らないとしっかりと熟睡できない人も多くいます。そういう場合は、この姿勢でいられるように、より多くの枕や異なる枕が必要かもしれません」


「私の一番のアドバイスは、どう寝ているかについてあまり心配しすぎないことです。一晩中、寝返りし続けていますから。私たちが眠るのは回復し癒すためであり、眠り方を心配していると、深く良い眠りができなかったり、元気を取り戻す効果を得られなくなる可能性があります」


腰痛やコリで目が覚めるなら、いろんな姿勢を試してみましょう。



長年の悪い姿勢は直せる?


姿勢の「良い」「悪い」には、医学的な統一見解が存在しないと聞くと驚く人もいるでしょう。National Library of Medicine の2012年の研究では、欧州4カ国の理学療法士295人がもつ座位の認識について調査しました。


猫背から垂直まで9つの選択肢から、回答者に完璧な姿勢を選択してもらいました。85%が、2つのうちの1姿勢を選びましたが、この2つはかなり異なっていて、ひとつは腰椎の曲線が他方より小さく、上背部がよりまっすぐでした。総合的に、「正しい」背骨の位置は何なのか、最良の座位の姿勢とは何なのかについて、意見の相違がありました。


BCAのフィリッパ・オークリーは、正しいと考えている姿勢にしようと悪い姿勢になるのが
、実は痛みの原因だと言います。「『良い姿勢』を保とうと心配して、腹筋を引いて腰を反らし、体に力を入れると、実は、より痛みが増します。悪いと考えられている姿勢をやめることに心配しすぎないこと、よく動かすことに集中することが必要です。特に、多くの人が、1日の多くの時間を同じ姿勢で作業していますから」


「痛みを軽減・緩和するために、毎日の習慣的な運動を取り入れることが重要です。長時間デスクに座って働いているなら、定期的に立ち上がって動き回ったり深呼吸したりしましょう。カイロプラクターは、セルフケアの一貫として、運動しやすくすっきりできるよう、痛みを緩和したり関節や筋肉の可動性を向上をお手伝いします」


2021年10月15日金曜日

陰ヨガが柔軟な人にも良い理由 
Why Flexible People Can Still Benefit from Yin Yoga



陰ヨガは一般的に、受動的なストレッチだとみなされますが、おそらくはそのためにより柔軟な人には効果のないヨガだと考える人もいます。陰ヨガの目的が、可動域を広げるためだとするなら、そうかもしれません。けれど、幸いなことに、陰ヨガは柔軟性を高めるだけではありません。


その他にも、陰ヨガには、とても柔らかい人でも得られる4つの利点があります。



1. コラーゲン合成


陰ヨガの対象となるのは結合組織や筋膜で、骨や筋肉、臓器、神経、血管、リンパ管などを囲んで包み込み、繋ぎ、互いに浸透しあっています。筋膜は適応性が高く、その場所の状態で必要となることへ常に反応しています。


ですから、陰ヨガのポーズは、筋膜をストレッチするというよりは、微細だけれど持続的な「ストレス」(圧迫や捻り、回転力なども含む)をも筋膜に与えています。これは、筋膜内の繊維芽細胞と呼ばれる特別な細胞を刺激し、ストレスの方向にコラーゲン繊維を新しく築いているようです。コラーゲン繊維は、軟組織の構造や強度を支え、体の各部分をひとつに繋いでいます。


この適応性は、筋膜だけに特有というではありません。筋トレで筋肉が強化されたり、カーディオトレーニングで心肺機能が高まったりすることはご存知でしょう。ですから、柔軟な人には、すでに柔らかい組織を弱めるのではなく、筋膜を強化し弾力性を高めることが陰ヨガには可能です。その鍵となるのは、深いストレッチではなく、感覚が持続するような優しい陰ポーズを行うことです。


柔軟な人が、深いストレッチではなく微細で持続する「ストレス」
を優先したバタフライポーズをするためには、膝の下にブロックを
置き、両手を床に置いて腕を伸ばし背骨を支える。



2. 水和反応


筋膜へのかすかなストレスには、筋膜層の液体を一時的に絞り出すなどの複数のフローオン効果があります。上記のように線維芽細胞をも刺激した結果コラーゲン合成が起こり、ヒアルロン酸という化学物質が作られます。保水力の高いヒアルロン酸は、周囲の組織から水分子を集めて筋膜へと戻し、陰ヨガを終えても数時間続く加水(再水和)を始めます。


スポンジを水中に浸けるのを思い描いてください。スポンジを絞ったり、捻ったり、引っ張ると残留した液体が出ていき、再度スポンジを満たしていく新しい水のスペースが作られます。


筋膜の健康的な機能に、良い水和(加水)が不可欠なのには、次の主な理由があります。

• 水和によって、筋膜層間がより滑らかに動くようになり、体表と体組織の間にある動きや血流が活発になり、炎症や癒着の可能性を下げます。


• 水には、圧迫に対する素晴らしい耐性があるため、しっかり水和している体組織は、日々の動きに対してより強くより弾力性を持ちます。水分に満たされたシステムの構造的な強さを思い描くには、水の足りていない植物を想像するとわかりやすいでしょう。葉の重さで茎がうなだれているところに、水をやるとすぐにまたピンと立ち上がります。


ツイストの優しい圧力で、陰ヨガの後も何時間も続く再水和の
プロセスが始まる。





3. リラクゼーション反応


生理学的には、陰ヨガは、心拍数や呼吸、瞳孔の拡張、筋肉の緊張など無意識あるいは付随意の体のプロセスを制御している自律神経のバランスを整える効果があります。自律神経には2種類あります。交感神経は、闘争逃走反応を刺激し、感じ取った脅威に対して素早く明確に行動を促します。副交感神経はリラクゼーション反応を司り、日々の生活ではこちらが優勢であることが理想的です。血液を筋肉から消化器官、生殖器官、そして免疫系の臓器へと流す働きをします。


現代の生活はとても「陽」だということに異議を唱える人は少ないでしょう。行動していることを重要視し、途切れのない刺激に晒されています。今日の猛烈なペースの生活では、私たちの生態が意図しているよりもずっとSNSの方が活発であり、この崩れたバランスが私たちの体や心の健康に反映されているのに多くの人が気づいています。


陰ヨガは、交感神経を鎮静させるのに必要な、健康を取り戻す静寂を見出すための時間と場所を与えてくれます。陰ヨガポーズで、本当に休めるように体を支えられれば、警戒心が解かれて心拍数、血圧が下がる一方で、免疫や消化、再生機能が向上するのを感じられるでしょう。


大きな可動域を持つ人は、どんなポーズでも筋膜へのストレスを感じることはないでしょう。けれど、ただ静寂の中へと落ち着いていくことで、神経系への鎮静効果を得ることができるのです。

とても柔軟な人がバナナサナの大きなストレッチを感じないとしても、
静寂の中で休むことで神経系の大きな効果を得ることができる。




4. エネルギーの流れ


同じ土地の道路地図と天気図が全く異なって見えるのと同様に、体の西洋的な見解と東洋的なエネルギー体モデルは、無理なく共存しています。陰ヨガでいうエネルギー体とは、中医学から来ていて、「経絡」という特別な経路を通ると考えられている生命力の「気」で成り立っています。


中医学では、陰ヨガポーズで作られた体のストレスは、経絡を通る気の流れを刺激すると考えられています。お腹を圧迫するポーズは、腹部の臓器を圧迫することで胃の経絡にエネルギーを与え、健康的な消化を支えると考えられます。背骨に沿って伸展するポーズは、胸腰筋膜やハムストリングスに優しいストレスをかけるだけでなく、膀胱の経絡の内省的な質を高めて落ち着かせます。


西洋世界では、物理的な体のようにエネルギー体のことを身近に感じられないかもしれません。けれど、照明のスイッチを点ける時に、その効果を得るために電気の流れを見たり理解する必要はありません。同じように、陰ヨガ後の感覚の違いを感じるために中医学をしっかり理解する必要もありません。とても柔軟な人であっても、気の流れをよくする陰ヨガの効果が十分に得られるでしょう。


プロップスを用いたキャタピラー・ポーズは、柔軟な人が内観し元気を
取り戻すことのできる素晴らしいポーズ。中医学によれば、このポーズは
膀胱の経絡の内省的質を高める。




特に可動域の広い人がこの効果を高める鍵は、それぞれのポーズで以下の3つの原則に従うことです。


• ポーズの深さを緩めます。いつもの深さまでいくのではなく、ゆっくりとそれぞれのポーズに入り、最初に感覚を感じるところで止まります。それは、いつものポーズの50%程度の深さになるかもしれません。リストラティブヨガと異なり、目的はいくらかの感覚を感じることですが、大切なのは「いくらかの」ということです。


• リラックスできる場所を見つけましょう。新しいバージョンのポーズを掴んだら、時間をかけて、筋肉ができるだけしっかりとリラックスできるような姿勢をとります。床と体の間の空間を埋めるためにプロップスを使ったり、腕や壁にもたれてもいいでしょう。あるいは、座位の前屈をする代わりに、床に横たわって壁に脚をあげるというような、違うバージョンのポーズになるかもしれません。


• 静寂の中に留まりましょう。陰ヨガで対象とする組織である筋膜には、とても適応性があります。置いた場所の必要性に絶え間なく反応します。けれど、その反応はゆっくりで段階的です。ゆっくりと反応する筋膜に働きかけるため、リラックスした同じ姿勢で、少なくとも2分間は留まる必要があります。





陰ヨガが、もう少し柔軟になりたいという人に役立つのは疑いようもありません。けれど、陰ヨガにはまた、しっかりと水和し、弾性と回復力のある軟組織を維持し、現代生活の絶え間ない刺激から神経のバランスを取り戻し、エネルギーの流れを調整する力があります。とても柔軟な人でも、陰ヨガを繊細に行うことでその効果を得ることが可能です。ポーズに深く入りすぎず、リラックスできる姿勢を見つけ、そこで辛抱強く静かに留まります。その鍵は、どんなヨガにもあてはまるように、何をするかではなく、どのようにするかということなのです。





(出典)https://yogainternational.com/article/view/why-flexible-people-can-still-benefit-from-yin-yoga

2021年9月16日木曜日

パニック発作の場合に役立つ短い練習 
A Short Practice that Can Help You During a Panic Attack


Mayo Clinic によれば、パニック発作とは、「実際の危険や明確な理由なく、深刻な身体反応を引き起こす、突発的な強度の不安症状」です。そのような発作を起こしたことのある人は、頻繁あるいは時折、はげしい動悸や呼吸困難、思考の制御不能、あごや喉など体に感じる強ばりが伴うことをよく知っていることでしょう。こうした発作はまた、可能な最悪の結果をイメージしたり、自分が最低だと感じたりすることもあります。必要なのは、脳内ゲームであり不快を止めることです。


トラウマのように(パニック障害の原因の可能性もあるかもしれない)、重要なのは The Body Keeps the Score の著者であり精神科医のベッセル・ヴァン・デル・コーク博士が言うところの「体内の安全だという感覚」を見つけることです。それが、以下の簡単な練習の目的であり、感情と理性の脳が統合に役立ち、それによって精神と体を再びつなぎます。この練習は、私のヨガセラピーの患者たちが、発作のスパイラルに入ってしまった時にとても効果的だと感じる一方で、ある人には効いても他の人に効果的であるという証明にはなりえません。


練習法


左右の脳を繋いで働かせるために、体の中心線をクロスさせることは、子供も大人も、また体、精神どちらの症状にも、さまざまなセラピー技術で使われる方法です。その目的は、辺縁系の間の繋がりを作ることで、不安を減らし安全だと感じるために、より原始的な右脳の闘争逃走反応と、より論理的な左脳の機能をつなぐのです。他の内容、セルフタッチや長く息を吐くことなども、ストレスレベルを下げます。


まずは、椅子に座るか横たわりましょう。手首を交差させて脚の外側を届く範囲まで撫でていき、内側を撫でながらもどり3-4回繰り返します。吐く息を吸う息よりも長くしますが、呼吸と動きをつなげる心配は要りません。逆の動きも3-4回しましょう。脚の内側を撫で下ろして外側から戻ります。2倍行うには、手首を入れ替えて繰り返しましょう。そして、すこし止まって、「頭まで一杯」という感覚が少なくなり、体が落ち着いて根付き、安定しているのに気づきます。


このテクニックを、止めた車の中や、ミーティングの合間などに、パニックをなくすのに使っている患者たちさんもいます。脚を撫でるのが心地悪ければ、上下にトントンと叩いてみましょう。鍵は、長く息を吐いて、パニックを未然に防ぐことです!






(出典)https://yogainternational.com/article/view/a-short-practice-that-can-help-you-during-a-panic-attack

2021年9月8日水曜日

体重を減らすのに役立つヨガの3つの大きな側面 
3 Big Ways Yoga Can Help With Your Weight Loss Goals

今回は、Everyday Health からの記事です。
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マットの上でカロリーを燃焼すると言うだけではない。習慣的なヨガの実践によるストレス解消の効果が体重のコントロールにも役立つ可能性があると、専門家らは言う。




ヨガには、筋肉の強化から睡眠の質の向上、ストレスの緩和など多くの健康効果があります。痩せるのにも効果があるのでしょうか?


ヨガは、いくつかの方法で体重を減らすのに役立ちますが、それはマットの上でカロリーを燃焼させるということだけではない、とオハイオ州にあるクリーブランド・クリニック・センターのヨガ・プログラム・マネージャーであるジュディ・バーは言います。彼女は、国際ヨガセラピスト協会とヨガ・アライアンスの資格を持っています。


ジュディによれば「ヨガは、正しく行えば、ライフスタイルの変化をもたらす」つまり、運動量が増えて感情的な食べ方をしなくなります。また、ストレス管理に効果があり、体重の維持にも役立つと彼女は言います。


彼女は、一緒にヨガを実践してきた人たちが痩せたのを見てきたし、自身の研究の結果もそうだと言います。


2013年7月の American Journal of Lifestyle Medicine に掲載された共同発表では、ヨガの体重減少効果を評価する多数の研究を再調査しました。


そのデータによって、ヨガは多くの点において、体重の現象や維持に関係があることがわかりました。ヨガ・セッション中のエネルギー消費、腰痛や関節痛緩和によるエクササイズの促進、マインドフルネスの高まり、気分の向上やストレスの緩和、また、体や満足感、食習慣への関心の深まりなどです。


その他、2016年の Yoga in Prevention and Therapy の特集になった研究では、ヨガを通して痩せたと報告した成人20人のインタビューから収集したデータを分析しています。参加者らの答えから、研究者らは、以下の5つの点が体重減少に役立ったと結論付けました。健康的な食事への変化、ヨガのコミュニティや文化の影響、身体的な変化、精神的な変化、そしてヨガの体重減少が今までの体重減少とは異なるという確信です。


体重を減らそう、維持しようとしているなら、バーたちの言うように、以下のような3つの方法でヨガが役立つかもしれません。




1. マインドフルな食事


ボストンのハーバード医大の准教授であり、ヨガアライアンスの研究ディレクターであるサット・ビル・シン・カールサ博士によれば、ヨガは、ただマットの上で筋肉を強化しているだけではありません。


長い間ポーズを保っている時、体がどう感じているかにつながっている、とカールサ博士は言います。インストラクターは、呼吸を観察したり心や体が何を伝えようとしているかに注意を向けるよう言いますが、それがマインドフルネスを学び実践する方法です。


そして、マットの上でマインドフルネスを実践することは、マインドフルな食習慣を実践することにも役立ちます。マインドフルな食事とは、空腹の合図を認識して過食を制限することです。時間が経つにつれ(そして実践を重ねるうちに)、自身を満たしエネルギーを与えてくれる食べ物がどれなのか、負の効果を持つもの(だるくなったり膨満感を感じるなど)がどれなのかに注意を向けるようになります。そして、そうした食事や痩せる食事法にこだわり、全体的に健康的な食物を選ぶという行動こそが全てだと、博士は言います。


カールサ博士は、2015年7月 International Journal of Yoga で発表された、ヨガが、より多くの新鮮な野菜、全粒穀物、大豆加工品を摂り、特に脂肪を減らすという食習慣の変化に関係しているという調査に注目しています。


また、2015年 Journal of Sport and Exercise Psychology に掲載された研究では、ヨガや有酸素運動を習慣的に行なっている159名の女性のデータを分析しています。有酸素運動をしている人に比べて、ヨギは乱れた食習慣をしている人が特に少ない傾向にありました。


「ここがヨガの素晴らしいところです。ただ運動しているだけでななく、体のサインを聞くということです」




2. ストレス管理


ヨガは慢性ストレスを下げるのに役立ちます。ストレス、特に管理されていない慢性ストレスは、多くの面で体重増加に関係しています。ヨガは、慢性的なストレスレベルを下げるのに役立ちます。


ブレスワーク(呼吸法)や瞑想は、ヨガの実践の基礎です。そして、どちらもエネルギーを増大し、気分を向上させ、ストレスレベルを下げる、とチャールストンの南カリフォルニア医大の准教授であるスンダール・バラスブラマニアン学術博士は言います。彼の研究の中心は、ヨガの呼吸法がどのように慢性病などに悩む人々の健康を促進するかです。(バラスブラマニアン博士はまた、国際ヨガセラピスト協会認定のヨガセラピストであり、ヨガの呼吸法のコースのある PranaScience Institute の創立者でもあります)


「ストレスは、コルチゾールを引き上げ、ストレスによる食べすぎや睡眠障害を引き起こすので、痩せるのを困難にします」とバラスブラマイン博士は説明します。深い呼吸は、ストレスを解消し、体重の減少をより困難にする(あるいは体重増加の原因となる)こうした負の効果を逆転するのに役立ちます。


バラスブラマニアン氏によれば、「呼吸のエクササイズに反応して、体内で生理学的な変化が起こります。マインドフルネスのエクササイズが、体内コルチゾール分泌量を減少させることが、研究でわかっています」


2017年12月 Psychoneuroendocrinology 誌に発表された再調査では、ヨガが、夜間や起床時のコルチゾールレベル、安静時の心拍数とコルチゾールレベルを下げる可能性があるという42の研究のデータを分析しています。



3. 筋肉を増やす


筋肉量を増やすことは、ヨガが体重を減らしたり維持するのに役だつもう一つの側面です。


「筋肉強化といえば、ウェイトトレーニング室でバーベルを上げなければならないと考えるでしょう。ヨガでは、抵抗力として自分の体重を使います。全てが動かせるバランスを保つため、全身が働きます」国際ヨガセラピスト協会とヨガアライアンスの認定インストラクターで、ノースカロライナのダラムにある Duke Integrative Medicine のヨガセラピストであるキャロル・クルコフは言います。


プランク・ポーズを保持するのを思い浮かべてください。肩やコア、腰、脚の筋肉を使って体を支えています。プランクからダウンドッグへ移行するかもしれません。前腕や肩、背中を筋肉群を活性させるでしょう。これら筋肉がカロリーを燃焼します、とクルコフは言います。


2016年6月に Preventive Medicine で発表された2000人以上が参加した30の試験のレビューでは、ヨガが、健康な成人のウェスト・ヒップ比を下げ、また過体重や肥満の人のBMI(体格指数)を下げると結論づけています。


他の研究でも、もっとゆっくりとしたレストラティブなヨガのクラスによって、過体重や肥満の人の空腹時血糖値が改善(代謝が完全した兆候)されることがわかっています。




ヨガを体重減少プランに取り入れるには?


痩せるプランにヨガを取り入れようと考えるなら、専門家らが、下記のような始め方のヒントを挙げてくれました。


始めはゆっくり。 ヨガを(どんなエクササイズでも)始めるコツは、まずは体験することから始めることです。バーによれば、初心者は、「ホット」「ビクラム」「パワー」「フロー」などの言葉の入った激しい早く動くスタイルのヨガは避けたほうがいいと言います。安全に柔軟性や体力をつけるために、怪我なく簡単についていけるスタイルのヨガを選びましょう。ビギナー向けのクラスなら、ポーズを詳しく説明してくれることも多いはずです。


必要に応じて調整を。 体が鈍っていたり、かなりの体重を落とそうとしているなら、必要に応じたヨガを選びましょう。また、最初はできないポーズがたくさんあって調整が必要かもしれません。クルコフは、関節や膝、腰に問題を抱えている人たちに、座ったまま快適に行えるようチェア・ヨガを教えています。自分のニーズにあうようエクササイズやポーズをどう緩和すればいいのかを、インストラクターに尋ねられるように、生配信や対面のクラスを探しましょう。


自分にぴったりのスタイル、クラス、インストラクターを見つけましょう。ぴったりのものを見つけるまでは、いろんなスタイルやインストラクターのクラスを上kなければならないかもしれないとカールサは言います。呼吸法や瞑想にフォーカスしたクラスもあります。動きの強化に焦点をあてたものもあります。早いテンポで動くものや、ゆっくりとしたものもあります。「もっとも大事なのは、続けられるヨガをすることです。そうすれば、練習を続けることができるし、長期にわたる効果も得られるでしょう」


他のエクササイズも取り入れて。 ほとんどのスタイルのヨガは、筋肉を強化するものですが、全てのクラスが循環機能のワークアウトをするというわけではありません。そこで、定期的なヨガに、ウォーキングやジョギング、自転車など心拍数をあげるような有酸素運動を組み合わせましょう、とバーは言います。カールサは、ラケットボールのような他のスポーツをヨガとともに行なっています。クルコフが勧めるのは、動的な回復として優しいスタイルのヨガです(他の強負荷のワークアウトをする人にもおすすめです)。


継続しましょう。スブラマニアンによれば、ヨガの実践は、ゆっくりと築き上げていかなければならない習慣です。痩せるためにどんなヨガを選んだとしても、一度で効果がある、というわけではありません。週に一回やそれ以上続けられるような楽しめるものを選んで、続けて、結果を見てみましょう。


プロのアドバイスを聞きましょう。痩せるプランにどうやってヨガを取り入れていいかわからない?もし痛みがあるなら、不快な症状があるなら、ヨガを始めるのがしんどいと感じるなら、かかりつけ医にアドバイスを聞いてみましょう。統合医療の経験のある医師なら、あなたにあったプログラム作りを手助けしてくれるでしょう。あるいは、ヨガの知識があって患者にあったリハビリ・プログラムを行える訓練を受けた理学療法士を紹介してくれるかもしれません。


2021年9月2日木曜日

あなたのドーシャ(体質)に合った夏の食事法 
Summer Eating for Your Dosha

そろそろ夏も終わりですが、今回は、夏の食事法についてお伝えしましょう。
アーユルヴェーダの体質(ドーシャ)については、
過去の「自分のドーシャを知る」を参考にしてください。

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蒸し暑い南部に住んでいる私は、夏を恐れています。暑さで疲弊し、ちょっとしたイライラがすぐに怒りの爆発へとエスカレートしてしまいます。夏の暑い時期に、クールで穏やか、冷静でいられるように、毎年、自分のヨガの練習や食事、ライフスタイルを見直しています。夏をバランスを取って過ごすための、シンプルなおすすめをご紹介しましょう。


ヴァータ


  • 甘く水気のあるフルーツを味わいましょう。乾燥したパリパリしたもの(ドライフルーツを含む)を減らします。夏の暑さの中で、ヴァータのすでに不足している水分をピッタが焼き尽くしてしまいます。これは、人生のヴァータ段階(およそ40から55歳ごろに始まり、女性の場合は、閉経期や閉経後です)にある人は特にそうです。体の正しい動きには、空気と水の組み合わせが必要です。乾燥したパリパリしたスナックは、ヴァータの少ない水分を吸い込んで、消化しにくくさせます。ヴァータには消化の問題がよく起こります。乾燥した、硬い、生の食べ物は、便秘やお腹のガスや膨満感を悪化させます。

  • 栄養のある食事を規則正しく取りましょう。可哀想なヴァータは、この暑い夏には、すぐに疲れ果ててしまいます。決まった時間に食べるたっぷりの土っぽい食事が、エネルギーと心身の安定を与えてくれます。パスタや穀類を選び、肉を食べるなら軽い物にしましょう。

  • 食事に、甘味や塩味をより多く取り入れましょう。
甘味:アーユルヴェーダでは、甘味はエネルギーを作って安定させると言われており、寿命や体力を支え、つまり生命力を蓄えます。
 
含まれる物: ほとんどの穀物、パスタ、肉、牛乳、デイツ、メープルシロップ、蜂蜜、天然糖、アーモンド、フェンネル、リコリス、マーシュマロウ、レーズン。


塩味:健全な量においては、塩は水分を保ち、電解質のバランスを維持します。また、軟化させるので、下剤や鎮痛剤としての働きもあり、ヴァータの硬く乾燥した特質を鎮めます。

含まれる物: 塩、昆布、海藻、醤油など。ヴァータは変化を好むので、私のヴァータのクライアントには、スパイス市場やWhole Foods など特別なお店で、いろんな種類の塩を試して、好きなものを選ぶことを薦めています。

  • 土や水の要素を取り入れましょう。


土の要素: グラウンディングのアサナや瞑想の実践を通して、心身の安定した土台を作る。決まった時間に座って食事をする。自然の中で散歩したり練習する。手や足をつちの上や中に置く。

 

水の要素: 泳ぐ。水辺でゆっくり過ごし、座って水の音を聞く。硬い概念や考え方、状況に対峙したら、最も抵抗の少ない道を取る。 何かに奉仕したり、感謝や思いやりを通して、柔らかな心と精神を培う。



ピッタ


  • 軽い食事をしましょう。ピッタ体質のあなたは、最も消化の力が強いはずです。ピッタの火の要素は、胆液や消化酵素の分泌として現れます。重い食事を取ると、組織分解のための強く活発な化学混合物が必要となりますが、それが消化の火を燃えたたせます。私の師であるロージー・マン博士は、アグニのそうした状態を「強奪」と呼びました。アグレッシブに聞こえるでしょう?ピッタの人は、すでに神様からたくさんいただいているので、それ以上の攻撃性は必要がないのです!穀物や豆類、野菜、果物などの自然食が、ピッタの激しいアグニを落ち着かせ穏やかにします。

  • 食事に関しては、アーユルヴェーダの作法に従いましょう。暑い夏には、ピッタの要素が刺激されて、座って食事する時間までに、ピッタの性質(強い集中力、作業をやり遂げる力、そして一般的に空腹に弱い)に傾いて、実際的に食べ物をガツガツ食べます。(上記の「強奪」性ですね)時間を節約しようと立ったままガツガツ食べるのではなく、アーユルヴェーダのサトヴィック(バランスの取れた)食事法を養うことで体をサポートすれば、リラックスして落ち着いた状態で消化が行われます。座って、落ち着いて、感謝と祈りをささげ、食事を見て、噛んで、会話を楽しむか黙って食事をし、そして食後はしばらく、じっとして、栄養を消化吸収し始めるスペースを作りましょう。

  • 渋味、苦味、甘味を多く摂りましょう。

渋味や苦味:ピッタの湿って熱い性質を乾燥し冷やします。これらの味は、主に緑の葉物などの野菜、青リンゴ、ほとんどの豆類、アロエヴェラのジェルやジュース、ルバーブ、ザクロ、ハイビスカス、菊、ノコギリソウ、紅茶などに含まれます。

甘味:甘く(優しく)いることがどんなに大切かを思い出させてくれ、穏やかな代謝を促します。穀物やデイツ、天然糖、果物、リコリス、ココナツなどのサトヴィックな甘味を選びましょう。

  • 空や風の要素を取り込みましょう。

空の要素: ピッタの人の視線は、集中が強く、レーザーのように激しく、その視線に晒されるのは気分の良いものではありません!空の要素を呼び込むことで、このバランスを取ることができます。開けた場所を見ましょう。予定の合間に、エゴを解放しコントロールする機会としましょう。論争や憤りや細かく管理することを手放します。また、寛容さを養い、抵抗しないことを実践する、助けを求めたり、瞑想や祈りなど精神的な修養を行いましょう。ヨガに関しては、広範囲に体側を広げたり深いストレッチが良いでしょう。また、崇高なる存在からのサポートや導きによって、空の要素を培いましょう。

風の要素: ヴァーユのバランスをとるアサナの練習や、左右の鼻で交互にする呼吸で主に左側で行う、またはシッタリ(冷却の呼吸)やシットカリ(シーっと音を出す呼吸)などのプラナヤマで、風の要素を取り込み、火を安定させましょう。



カパ


  • 庭で取れた新鮮で軽いものを食べましょう。軽く新鮮な食事は、カパ本来の美しい幸せな状態を保つ素晴らしい方法です。夏は、カパにとってよい季節です。カパの地と水の要素は、冷たく、重く、遅く、油っぽいですが、火の季節である夏は暑く、明るく、鋭いです。これらは、消化の力が生まれつき遅く、時には不活性であるカパのバランスをとってくれます。軽い食事は、カパのアグニ(消化の火)を刺激し、明るく燃やし続けます。

  • 量の多い、重い食事や、脂っこい肉や乳製品を避けましょう。

  • 辛味、苦味、渋味をより多く摂りましょう。

辛味:消化の火に関しては、カパにはちょっとした刺激が必要です!消化や血流のサポートに加えて、辛味には発汗作用があり、カパの過剰な水分を除去します。辛味はまた、去痰作用があり、カパの粘液室な性質に有用です。辛味を含むのは、胡椒や生玉ねぎ、ラディッシュ、黒胡椒やクミン、生姜、マスターズなど多くのスパイスです。 

苦味と渋味:辛味と同様、このふたつは軽く減少させるものです。組織の中で異化作用し、腸を通して過剰な水分を引き込み排出するのに役立ちます。これらを含むのは、緑色野菜、ルバーブやザクロ、ハイビスカス、菊、アロエ、ノコギリソウ、紅茶、コーヒー、チコリなどです。


  • 火と風の要素を取り込みましょう。
火の要素: カパは、その冷たく、重く、遅い性質を中和させるため、火の持つ熱く、軽く、鋭い性質を必要としています。ホットヨガのクラスを受けたり、ビーチなど暖かく日の当たる場所で、アサナやプラナヤマ、瞑想などを行いましょう。ビジャ・マントラのRamなど火のようなマントラでエネルギーを高めたり、マハムリトゥンジャヤ・マントラで、あなたの高いポテンシャルをより刺激しましょう。明るい赤や暖色を周りに置いたり、身につけましょう。


風の要素: カパは、素早く容易に移ったり、移動したり、方向転換をする風の能力を必要としています。風は、カパの安定し粘着した性質に柔軟性を与え、その過剰な水分を乾かします。太陽礼拝やダンス、戸外の散歩やランニングなど活動的な動きのくりかしを通して、この要素を培いましょう。




アーユルヴェーダの食事法の一般的なヒント


  • 喉が渇いたら飲みましょう。一日中、不注意に飲み物をすすり続けるよりは(常に働かないといけないのでアグニに負担がかかります)、食事のあとは飲み物を我慢して、消化の力が最大限に生かされるようにしましょう。

  • 午後の休憩をとりましょう。仕事を一旦止めて、
    10ー25分のタイマーをセットして、両脚をあげて壁にもたれさせ、五感を休め副腎をリラックスさせましょう。
    陰のある庭を見つけて体を冷やす夏のお茶を楽しみましょう。


  • 果物は、単独で軽食としましょう。生の果物は食事に摂りません。アーユルヴェディック・インスティチュートの創始者であるヴァサント・ラッド博士によれば、果物や果物のジュースを食事と摂ることは避けるべきで、間違った食事の組み合わせ例です。果物は、お腹の中では他の食物とうまく消化されません。想像通り、軽く新鮮な夏の果物が分解されるのに必要な消化要素というのは、チーズバーガー(重く油分の多い、濃く、遅い性質)レンズ豆、キノア(渋味)の消化に必要なものとは異なります。消化の火が、相容れない組み合わせで混乱しないはずがありません。夏の果物はそれだけで、快感となり、甘くみずみずしいごちそうとして楽しべきです。

  • 食事の時は:座ってリラックスする。感謝する。

  • 食べ物の中にある要素を知る:

    地の要素:食べ物の物理的物質を味わいましょう。色や形、感触、香り。

    水の要素:成長する時に取り込んだ水分や、料理に含まれる水分を考慮しましょう。

    火の要素:生命を与えてくれる太陽のエッセンスは、全ての生物に存在することを覚えておきましょう。 また、食物をエネルギーに変換し、組織に栄養を与え修復する私たちの体の能力にも火の要素があります。

    風の要素:動く、変わる、成長する能力、そして、この栄養を通して成長できることを味わいます。動きや変化を楽しみましょう。

    空の要素:摂取する植物や動物の知性を知り敬意を示し、彼らの知恵が自分にも引き継がれるよう願いましょう。

  • 軽く穏やかで楽しい会話を楽しむか、沈黙しましょう。暴力などの重い内容は避けて、熱い討論、口論、ゴシップには関わらないようにします。

  • 甘いものを先に、苦く渋いものを最後に食べましょう。つまり、穀物や、パン、肉を先に食べ、野菜やダークチョコレート、コーヒーや紅茶を最後にしましょう。消化には順序があります。この順番で食べれば、より穏やかな消化となるでしょう。






2021年7月10日土曜日

瞑想中級編:プラシュチャラナの行い方 Vol.2
Advanced Meditation: How To Do a Purashcharana

 


始まりから終わりまで


全てのプラシュチャラナはサンカルパ、つまり、利己的でなく期待をせず実践を終えるという精神的な決意とともに始まる。サンカルパは、分析的な心ではなく、自身の深い部分から湧き上がる直感的な取り組みだ。それによって、正しいことを始めるという自信を得られ、終えるために必要なエネルギーで満たされる。


いつ実践を始めるべきか?伝統では、特に、春や秋、満月、木曜日、早朝という特定の時期を勧めているが、それらはプラシュチャラナを始めるという決意をサポートしてくれる。しかし、最も重要な要素は、指導者の指導やプラシュチャラナが適切であるという自身の決意である。そして、指導者や自身の心のカレンダーが吉兆の時に導いてくれるとき、サンカルパを行って始められる。


目指した回数全てを終えた時は、プラシュチャラナを完結させるための重要な伝統的実践であるホーマを行う。これは、さらに実践全体の10パーセントを儀式の火(ハヴァン)、あるいは臍に存在するうちなる火に捧げることだ。例えば、1万回のプラシュチャラナにはさらに千回を火に向かって捧げる。ホーマは、愛と感謝の表現であり、自然界と内面どちらにも自身を囲むマントラの存在の認知であり、意味のある終わりに導いた無私無欲の最後の表明である。



障害を克服する


ヨガの偉大なる編纂者であるパタンジャリは、霊的な目的から私たちの気をそらせ集中を緩ませる9つの障害(アンタラヤ)を特定している。そのリストをじっくり見ると、自身の実践で特にやっかいな障害を見つけるかもしれない。ヨガスートラ(1.28–9)によれば、これらの障害はやがてマントラの繰り返しを通して排除される。「ジャパの実践と、神の存在への没頭を通して、うちなる意識が高められ実際化し、自己実現の障害は取り除かれる」。これが自己浄化の本質である。


プラシュチャラナの途中で、これらのいくつかの障害が現れ、強力に決意に挑み損なおうとする。イライラしたり幻滅したりするだろう。しかし、そのまま続ければ、マントラの力が徐々にその不均衡を消していく。アンタラヤは落ち着かない精神の症状であり、ジャパ、特にプラシュチャラナでの強化された形のものは、深く効く薬となる。例えば、疑念(最も破壊的な障害のひとつ)を消すためには、心を強くし、直接的な体験を補わなければならない。これがまさにプラシュチャラナである。精神とマントラが融合し、より高度な知恵の源への熱意が、低度の精神の揺らぎやすさを消し去る。




信念を見つける


先に、プラシュチャラナは、実践の前進と定義できると述べた。この言葉はまた、より信仰心のある2番目の意味をも持つ。プラシュチャラナの伝統的な視点では、前に進ませてくれるのはマントラそのものである。高貴な人物を敬って集会の前方へと案内するように、プラシュチャラナを行うことで、マントラを人生の最前部に置く。そうすれば、マントラはグルとなり、うちなる導きとなり、導き、育み、保護してくれる。


プラシュチャラナを献身的な行いとして理解することは、自身の異なる局面である信念を発見するのに役立つ。全ての霊的な伝統では、信念とは内なる人生の欠かせない要素であると崇められている。バガヴァットギータ(17.3)の洞察的な詩の中で、クリシュナはアルジュナに「人は信念でできている、そしてその信念が何であれ、それがその者である」と言う。パタンジャリもブッダのどちらも、悟りの条件の最初に信念を置いている。その後に、生命力、マインドフルネス、一点への集中、知恵が続く。聖ポールが「信念、希望、そして愛」と書いたことは有名である。


「信念は」クリシュナはギータの中で言う。「自身の性質の清らかさ(サットヴァ)による」。浄化がプラシュチャラナの実践の中心であるため、当然、信念が築かれる。しかし、深いレベルの信念を得るには時間がかかる。私たちは皆、訓練の途中である。信念を広げるには、実践によって感情面の取り組みを養う必要がある。


有用な提案をしよう。快活な心で瞑想すること。楽観的に行うと自身にも他人にも有益であり、それにより自然にうちなる決意が強くなる。信頼を持って実践に身を委ねる、そして、そこスペースから自然に人生を開かせる。マントラとの献身的な関係性を養い、マントラを信じて自身に足りないものをその存在に捧げるという感覚を養う。


シヴァ・スートラによれば、「ひたむきで、注意深い、熱心なアプローチだけが、マントラとの結合へとつながる」瞑想をする時、マントラを気づきの中でしっかりと掴むが硬らせず、マントラを心で掴む力を緩め、そして一時的に発見したランダムなただの音ではなく自身の思考であるかのように唱える。タントラサッドバーダ・タントラは、不注意なマントラの繰り返しは「秋の雲のように役に立たない(雨を降らさない)」と表している。「そこに存在し献身をもってジャパにアプローチする時、マントラの本質と気づきを結びつけることができる。この統合が、信念を支えるのだ。



プラシュチャラナは、瞑想の局面を広げるが、それはなし得る記録や掴み取るメダルがあるからではない。瞑想は内的な旅であり、プラシュチャラナはその探求の境界を拡大する。プラシュチャラナは、自身の決意を強め、聖なるものの探求に心を沈め、純粋な自分自身に近づけてくれるのだ。








(出典)https://yogainternational.com/article/view/advanced-meditation-how-to-do-a-purashcharana